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伏龍鳳雛's 二次創作

2008/12/13(土) 賽殺し編After~運命は偶然と必然~ 第3話

はい、案の定3本で収まりませんでした~(苦笑)

ということで第3話をお届けします。

今回は脱線しまくって、前回登場の先輩カップル以外に追加になった登場人物が出てきます。

彼らは別ゲームの世界から強引に持ってきてねじ込んでいますのでちょっと変わった人も居ますが気にしない方向で(笑)

ということで圭一と詩音の文化祭その後になります。
次回予定は更に時間が大きく進んだ世界。

原作からも大きく離れ、妄想ダダ漏れ圭魅バカ一代状態ですが、そっち好きな人はどうぞ~

圭一と詩音が知り合って数週間が経過していた。
あまり直接逢う事は少なかったが、お互いが相手との会話を望み、頻繁に電話で連絡を取り合っていた。

「もしもし、園崎さん?」
「あ、はい、詩音です。前原さん?」
「はい。すいません、何か毎晩のように電話しちゃって……その、ご迷惑じゃないですか?」
「い、いえ。そんな事無いです! そ、そのあまり今までこうやってたくさんお話する人って居なかったものですから、あ、あはは」

他愛の無い会話に始まってお互いの事や、雛見沢への思いなど二人にとって話す内容に困る事などなかったのだ。
詩音に至っては、おおよそ圭一からの電話がありそうな時間帯は、他の用事を済ませ、電話機の前でむしろ待っているほどであった。

「でも、不思議ですね」
「はい?」
「あ、あははは。あの時初めてお会いしたのに、お互いもの凄く恥ずかしい事言っちゃいましたし」
「あ、あは、あははは……そ、そうですよね。いきなりだったし、なんであんなに力入っちゃったんだろうって思います。なにか、ここで思ったこときちんと言わなきゃいけない気がしちゃったって言うか」
「私も同じですよ。後で『あんたがあそこまで積極的に男の子に話するの初めて見ちゃったわよ』とか言われちゃいました、てへ」

文化祭での出会いの後、圭一と詩音は圭一の先輩に半ば引きずられるようにして居酒屋に行き、そこで更に合流した圭一の大学の先輩や友人も加えて、彼らの酒の肴にされつつも楽しい時間を過ごしたのであった。

別れ際、二人は電話番号を交換し、それ以来何事も無ければ圭一が詩音に電話を掛け、一時間ほどの会話をするようになっていた。
また、先輩達を交えてではありながら、何度か食事を共にしたりもしていた。

「そう言えば、園崎さん就職はもう決まってるんでしたよね?」
「はい。小さな会社ですけど、無事に決まってますから。特に資格とかもありませんし、遠縁の人の関わってる会社なので縁故採用って感じです」
「ご実家へは帰らないでそのままこっちにずっとですか?」
「そうですね。少なくとも勤める会社で要らないって言われない限りは、働いていたいですし」
「よかった」
「え?」
「えっと……その、少なくとも同じ東京に居たらまたその……逢う機会もあるかなって」
「え? えっと、そ、そうですよね。お互いの都合次第ですけど、そう難しくはないでしょうし」

圭一は何か言いたい事があるようだった。

「えっと……その……」
「はい?」
「あ、あのですね! あ、すいませんいきなり大声出しちゃって」
「いえ大丈夫ですよ。前原さんが時々大声になるのももう慣れちゃいました、あはははは」
「そ、その……今度の週末なんですけど……す、少しで構わないんで、俺に時間をいただけますか? すいません。えっと、その……ちょっと電話でなくて直接お逢いして伝えたい事があります」
「え、え? あ、は、はい。 特に用事もないですから大丈夫です」
「それじゃ……」

週末の約束を取り付けて、電話を終えた圭一はじっとり汗ばんだ手のひらをズボンにこすりつけながら大きく深呼吸を一つした。

「よ、よし! ま、まずは第1段階クリア! はぁ~、なんかこれだけで生命エネルギー使い切っちゃいそうだよ、たはははは」

同じように電話を終えた詩音は耳まで真っ赤になっていた。

「あ、あははは……さ、誘われちゃいました。うわっ、なんか想像したら顔がめちゃくちゃに熱いですよ」

翌日の昼、圭一は先輩や友人と共に学食で昼食を取っていた。

「ところで、圭一。その後彼女との仲は進展してんのか?」
「初耳ですね。前原くんが特定の女性と交際しているという情報は僕のところには入ってきていませんが……文化祭の時のあの女性ですか?」
「は、先輩も、お前も何言ってんだよ!」
「いやー、あれこれ聞いちゃってるよ? しょっちゅう電話してるらしいじゃん」
「だ、だ、誰からって……し、し、しまった! 先輩の彼女は一番仲の良い友達だったんだっけ」
「気が付くの遅いんじゃないですか? あの人に取っては前原くんより千枝さんの方が付き合い長いんですし」
「圭一、相変わらずだな……」

昼食を共にしているのは同じサークルの先輩である花村陽介、同じ学部の同級生である白鐘直斗、そして二人とは高校時代からの友人である月森孝介の三人。
たいていは圭一を加えたこの4人で昼食をとることが日常化していた。

「不思議ですね。あの”前原くん”がですから」
「まったくだな……いくら直斗が女っぽいカッコウしないからって、トイレ行くまで女だって気が付かないくらい鈍いくせに」
「酷い話です。知り合って2ヶ月もしてるのに、いきなり『お前、そっち女子トイレじゃないか! 犯罪行為だぞ!』だったですからね」
「う…あの時は本当にすいませんでした……ってか、ちっちぇとは思ったけど女だと思ってなかったのはホントだし」
「ちっちぇえって言わないで下さい、これでも気にしてるんですから!」
「あ、ご、ごめんごめん」
「陽介も直斗もその辺にしとけよ。圭一が困ってるじゃないか」

入学して早々、圭一と直斗は講義で隣同士になることが多く、改めて陽介に紹介される前から比較的仲は良い方であった。
もっとも圭一は直斗がノンセクシャルなスタイルを好みはしても女性であると全く気が付かずに2ヶ月ほど交流していたほどであった。
孝介は陽介の紹介で知り合って以来、何かと圭一を気に掛けていた。

「へいへい。相変わらす孝介は圭一には特に優しいねぇ」
「そうですね。昔からお優しい方でしたけど、前原くんには特にですね」
「ん? そうか?」
「あぁそうだね。大親友、相棒を標榜する俺としちゃ妬ける位に優しいね!」
「何故、先輩は前原くんに特に優しいんですかね? 僕としては非常に興味深いのですが?」
「さぁな……」
「さぁな じゃねぇんだよ。気になるんだからいい加減理由を吐きやがれ!」

笑顔の陽介と直斗に詰め寄られて、孝介は苦笑しながらも理由を一言だけ口にした。

「なんでかな……他人のような気がしないからかな」
「む……確かにいくつかの点を除けば似てる気はしないでもないな、確かに孝介と圭一に共通点は多い」
「誰にでも真摯で分け隔て無い所とか困ってる人を放っておけないとか女性にモテるところは似てますよね」
「でも、孝介の場合は圭一と違って女性の気持ちに気が付かないとかは無いからな」
「ですが、正面切って『俺はずっと付き合ってる彼女居るからごめん』って毎回、真っ向両断もどうかとは思いますよ」
「お前ら……相変わらずだな」
「え? 先輩って彼女居たんですか?」
「おう、俺らの郷里にな。遠距離恋愛って奴だぜ。一緒に居ると冬でもコート要らずな熱々カップルだ。周りの俺らはいつも当てられっぱなしだよ」

圭一は矛先が自分から逸れた事に安心して、油断をしていた。

「で……さっきの陽介と直斗の質問の答えがまだだな」
「いや、電話で話するくらいですよ、普段は。まぁ今度の週末に逢いますけ……ってしまった、うわわ、つ、つい喋っちまったよ!」

「相変わらず先輩の切り返しというか誘導尋問は秀逸ですね。」
「まぁ、相手が圭一だからなおさらだな」
「ふっ……」

テーブルに突っ伏して頭を抱える圭一であった。

「よし、今夜は千枝も呼んでとことん、ゲロって貰おうじゃないか、圭一」
「良いですね。僕も今日は予定特にありませんし、お供しますよ」
「俺も特に予定無いな……」
「り、理不尽だぁ~~~~~~~っ」

食堂に圭一の絶叫がこだまするようであった。

週末、駅前の待ち合わせ場所に圭一は居た。
約束の時間より1時間も前である。

「たはは……さすがに早く来過ぎちゃったよ。夕べもなんかあまりしっかり眠れてないしなぁ……どっかおかしいところ無いよな? 忘れ物とかもないし」

そしてふと思いついて周囲を見回す。

「まさかとは思うけど、先輩達の事だからな……どこかで見張ってるとかそういう事は無いだろうな?」

約束の時間が近づく。

「うわっ、やべっ……心臓バクバクいってんぞ。 こ、こんなんでちゃんと言えるのかよ、俺……」
「あ、あの? 前原さん?」

振り向いた圭一の後ろには真っ赤になった詩音が立っていた。

「うわわっ、園崎さん、いつからそこに?!」
「えっと……ついさっきですけど? そ、そのお声掛けたんですけど……返事が無かったものですから」

「(よ、よかった……いつもみたいに余計な事喋ってそれ聞かれてたとかは無いんだな)」
「(え、えっと……その……言いたい事あるって、な、なんなんでしょう……)」

「た、立ち話もなんですから、そのどっか喫茶店でも! えっとえと、あそこが紅茶が美味しいって話ですから。た、たしか紅茶お好きでしたよね?」
「は、はい!」

喫茶店に移動し、お冷やを一気にグイっと飲むと圭一も少し落ち着いてきたようだった。

「そ、そのすいません、お呼び立てしてしまって」
「い、いえ」
「(やべぇ……いざとなったら頭真っ白だよ……)」
「(な、なんでしょうね。いつもよりドキドキしちゃってます)」

紅茶を飲み、いつもの電話の延長で他愛の無い話をしながら、しばらくたった頃、圭一の瞳に決意が宿る。

「あ、あの……園崎さん」
「ひゃ、ひゃい」
「えっと、その……俺、あんまりその……こういうの初めてだし……うまく言えないんですけど……」
「はい」
「あぁ、こ、こんな所じゃダメだ。えっと、その……ち、近くに公園があるんでそこ行きませんか?」
「は、はい」

二人は会計を済ませ、連れ立って喫茶店を出て、近くの公園に移動した。
公園内は遊具で遊ぶ子供たちが幾人か居たが、季節は既に冬でもあり、あまり人気が無かった。

「(よ、よし! ここでなら……)」
「(えっとえっと……人気がない場所って……ええ? もしかして、もしかしちゃうんですか?)」

圭一は詩音から一歩離れ、詩音の正面に立った。

「園崎さん!」
「は、はい!」
「えっと、その……こ、こういうの慣れてないって言うか、初めてって言うか……う、上手く伝えられる自信ないんですけど……」
「はい?」
「お、俺は……前原圭一はそ、園崎詩音さんが! 女性として好きです!」
「え、え? えぇぇぇぇぇぇぇぇっ?!」
「その、なんていうか、えっと……ずっと園崎さんに近くに居て欲しいって言うか……ずっと一緒に居たいというか」

耳まで真っ赤になり、ややうつむき加減で話を聞く詩音とその詩音に負けないほど真っ赤になり、それでも決意のまなざしで詩音を正面から見つめる圭一の告白は続いていく。

「その……だから、こういう言い方だと子供っぽいとは思うんですけど……お、俺と付き合って下さいっ!」
「あ、あの、あの……私は前原さんよりその年上だし」
「そんなの関係ないです!」
「その、世間知らずでちょっとズレてるし」
「それも関係ないです!」
「えっと、実家はちょっとややこしいですし」
「それも関係ないです!」
「えっと、あの……その……」

答えに窮する詩音に対して圭一の言葉は続く。

「そ、そのまだ知り合って数週間ですし、俺の方が年下で頼りないと思いますし、いろいろ理由あるかもですけど……その……園崎さんは俺じゃ嫌ですか? そ、その俺は今はその……園崎さんしか見えてないって言うか……」
「そ、そそ、そんなことないです! 前原さんの事嫌なんかじゃありません! す、好き……あっ」

思わず本心を口にして更に真っ赤になってうつむいてしまう詩音。

「そ、その私、気が小さいというか、口べたですし、上手く言えませんけど……前原さんの事好きです」
「あ、あはは、よ、よかった嫌われてたんじゃないんだ」
「そ、そんなぁ! 嫌いだったら電話もしませんし、今日だって逢いません!」
「えっとその……返事を……今日でなくても構いませんけど……欲しいんです」

しばしの沈黙の後、詩音もまた意を決して、顔を上げ、圭一を正面から見つめながら口を開く。

「わ、私も前原さんの事を男性として好きです。ですから、お付き合いさせてください」
「や、やった! あ、あははは……あ、あれ、なんか一挙に力抜けてきた……」
「あ、あそこのベンチで座りませんか? 私もなんか膝がガクガクしてて……」

ベンチに寄り添いつつ並んで腰掛ける二人。

「なんか、生まれて初めて女性に告白しました」
「わ、私だって男性からこうやって告白されたの初めてです」
「そ、そうですか? な、なんか難攻不落って噂を聞いてたんですけど」
「初めてですって! い、今まではその……身内じゃない男性の人とかと話す事もあまり無かったんですよ? それにその、千枝さんからは前原さんこそ難攻不落って」
「あ、あははは……えっともの凄く鈍いらしいんです、俺。だ、だから今までその……」

初々しい二人のほてった頬には冬の風さえ心地よいものであった。

「えっと、園崎さん、もう一回、確認します。ほんとうに、その、お、俺とお付き合いしてくれますか?」
「は、はい。こちらこそ至らない所一杯ありますけど、よろしくお願いします。」

そっと詩音の手を取る圭一。

「良かった。ほんとうにうれしいです。園崎さんにノーって言われたら、どうしようかってそればっかり心配で」
「あ、あの……その……恥ずかしいですけど……お、お付き合いするんですから、園崎さんって呼び方はその……」
「あ、あぁ! す、すいません。えっと、その、えっと……し、し、詩音……さん……で、と、当面良いですか? そ、その呼び捨てとかってちょっとむ、無理っぽいです……」
「はい、そう呼んで貰って構わないです。あ、あはははは親族とか昔からの知り合いの男性以外に詩音って呼ばれるのは初めてです。ちょ、ちょっとテレちゃいますね、あははは」

圭一の手を握り返す詩音。

「わ、私はどう呼んだら良いですかね? え、えっとその……け、け、けけい、圭一さん……あぁ、ダメです恥ずかしくて顔から火が出そうです」
「し、心臓止まりそうでした、今……あ、あははは。お、俺もなんか慣れそうにないな、その呼び方」
「あ……」
「え? どうしました」
「あ、ご、ごめんなさい。なんか今ふっと『圭ちゃん』って頭の中で」
「へ、あ、あれ? なんだろ? 圭ちゃんってずっとそう呼ばれてきた気がします。じ、じゃその、圭ちゃんで」
「は、はい」

二人はお互いの気持ちを伝え合った。

「あの、なんども言うようですけど、その……俺、年下だし、まだ学生だし、頼りないとことか駄目なとこ一杯ありますけど……その……言って下さい。出来る限り直すように努力します」
「わ、私もダメなところたくさんありますし、そのご迷惑かけちゃう事だってあるかもですけど、私も精一杯頑張ります」
「えっと、その……これから詩音さんは就職して働き出すし、俺は卒業と司法試験ありますし、司法試験受かったら受かったで司法修習とかありますから、その……世間の普通の人達みたいには出来ないかもですけど……」
「だ、大丈夫です。そ、そのえっとなんか慣れてるって言うか、あははは。わ、私達なりで良いって言うか……」
「そ、そうですよね。俺達なりに、その無理しないで付き合えって行ければ良いですよね」

ベンチに寄り添って顔を真っ赤にしながら手を取り合う二人を遠くから見つめる者達が居た。

「なぁ……あれ、すんげぇ熱々熱愛カップルじゃね?」
「どっちかっていうと……バカップル?」
「お前ら……いい加減に帰らないか?」
「そうですね。寒くなってきましたし。花村先輩達はくっついてれば暖かいでしょうけど、僕と月森先輩はそういう訳にいきませんから」
「ちょっ、なんでこっちに飛び火してんの?」
「うっさいなぁ、そんなにあたしがくっつくのが嫌なんかい?」
「お前ら……いい加減にしとけ」

圭一の予想通り、陽介が言い出しっぺでいつもの仲間がぞろぞろと集って二人を見守っていたようだった。

「んじゃぁ、この後どうする?」
「そりゃ、おめでたいんだし、お祝い?」
「いや、今日これからそれは非常識だと思いますが」
「そっとしておこう」
「んじゃ帰るか……」

日が落ちて肌寒さが強まるまで、ベンチで圭一と詩音は語り合っていた。

「あ、ずいぶん日も落ちて寒くなってきたし、移動しましょうか?」
「あ、はい。そうですね。なんか時間が経つのが早いですね」
「えっと、その……も、もし良かったらですけど……」
「は、はい?」
「この後、家に来ませんか?」
「え? ええぇぇぇぇぇ?!」
「い、いや、その……今日は両親揃ってるので紹介したいって言うかその……」
「い、いきなりご両親ですか?! えっとえっと……その……は、はい。一度ご挨拶しておいた方が良いですものね」

ほっと安心する圭一と詩音であった。

「あ、あとその……年末の休みですけど……」
「はい」
「も、もし帰省されるのでしたら、ご一緒して良いですか?」
「は、はい?」
「い、いやその……し、詩音さんのご実家は旧家でいろいろ格式とかあるでしょうから、その……失礼の無いようにご挨拶をした方がって……」

二人はこれからの事を話ながら圭一の家に向かう。
木枯らしが吹き始めた冬の夕暮れではあったが、二人の心の内は暖かいもの満たされ、寒さがまるで気にならないようであった。

二人の出会いは結びつきとなった。
この先も長きに渡って二人の心が離れる事無く互いを思い共に歩んでいく事であろう。
互いが互いによって満たされることこそが互いの幸せ。
精進し、互いを想い、互いを支え合うがよい……さすればこのオヤシロ様の加護は永遠とも呼べる間続くであろう……


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