ようこそゲストさん

伏龍鳳雛's 二次創作

2009/01/11(日) 絆結び編 第1話

はてブ情報 はてブに登録 はてブ数 2009/01/11 23:19 絆結び編伏龍鳳雛

いやはや……なんか年が明けたら細かい仕事が立て続けに入って来ちゃって時間のコントロールがキツいっす(苦笑)

ま、それで飯が食えてるんだから良いんですけど。

そんな訳で更新ペースがダメダメくんです。

それでも気合いで時間を作って一本書きましたよ、ええ(笑)

前回プチ連載になってた作品でテスト的にやってみた試みが割と一部方面で受けたので、調子こいて新作を連載します(笑)

某ゲームのキャラを全面的に導入してラブコメ要素中心にほのぼの~とする作品を目指します。ま、連載と言っても同じ世界観で連続性を持たせるだけですし、他のゲームからキャラ持ってくると言ってもクロスオーバーじゃありません。オリキャラの代わりに彼らを使うというだけです(笑)

ま、そんな話ですので人を選ぶ可能性大ですな(爆)

それではどうぞ

時に平成元年4月中旬。
場所は東京都内のとあるオープンカフェテラス。
向かい合って語らう一組のカップルの姿があった。

「いやー、やれやれだぜ……さすがに第一志望は敷居が高かったけどなんとか志望大学に合格して良かったよ」
「あははは。まぁ圭ちゃんが浪人してってのは想像しなかったけど、第一志望失敗するとは思わなくて焦ったよぉ? やっぱり田舎でだといろいろ難しいね」

前原圭一は当初の第一志望でこそ無かったものの無事に志望校の一つに合格し、通い始めたばかり。
その前年、園崎魅音は私立女子大文学部へ補欠合格を経て入学してた。

魅音の高校合格と雛見沢分校の卒業を機に二人は交際を始め、昨年度一年間の遠距離交際も乗り越え、晴れて東京で大学に通いながらより親密な交際を続けていた。

とある週末、魅音と圭一は久しぶりに二人だけの時間を過ごしていた。

「悪りぃ悪りぃ、たはははは。まぁ目一杯やって今のところに落ち着いたんだから悔いは無いよ」
「レナは穀倉の短大で保育課だっけ? いずれは保育園の先生かぁ……うん、レナならぴったりだね」
「沙都子や梨花ちゃん達も羽入に無事続いて高校進学したし、あれこれ変わったよなぁ……」
「そうだね。悟史も時間は掛かったけど無事に目覚めて、今年度頑張れば高校卒業だしね」
「あぁ、結局目覚めて、退院して、中学校2年からやり直しだからな、まぁそれでも悟史本人は一生懸命やってちゃんと高校進学も出来たし、良かったと思うよ」

話題は圭一の受験時の話から雛見沢に残った仲間達の話題へと繋がっていった。

詩音は高校卒業後に看護学校へ進学し、看護婦を目指している。
昭和58年の暮れに目覚めた悟史は3ヶ月のリハビリの後、雛見沢分校に復学し、圭一達の1年後輩として無事卒業、高校進学をしていた。

「なんか、みんな変わったような変わってないような、あはははは」
「そうだな。まぁとりあえずは波風もなくそれぞれ自分の居場所がちゃんと出来て良かったと思うぜ」
「あ、そういえば明日、亀田くん先発らしいよ。なんかプロ入りしてあっという間にエースだからやっぱり凄ぇな」

他愛のないおしゃべりをしながらの共に過ごす時間。
一年の間、あまり得られなかった時間を二人は堪能していた。

「よう、圭一! おっと、デート中か? お邪魔だったかな?」
「あ、先輩。どもっす。えっと……まぁデートには違いないか、たははは」
「で、デート……」

交際し始めてもう三年以上にもなるというのにこういったシチュエーションでは相変わらず、即真っ赤になってテレる魅音であった。

現れたのは圭一のサークルの先輩、花村陽介であった。
圭一は大学入学後、サークルに入り、そこで一年先輩である陽介と知り合いになったのである。

「あれ? 魅音じゃん? え? 何? 花村の後輩くんの知り合いだったんだ?」

素っ頓狂な声を上げたのは里中千枝。
花村陽介の高校時代からの友人であり、魅音の大学での友人でもあった。

「千枝?! え? 何?」
「なんだ、先輩もデートなんじゃないですか」
「おう、デー」

周囲に一挙に漂うほどの殺気が千枝から放たれ、陽介は言いかけた言葉を飲み込むしかなかった。

「誰と誰がデートだってのよ、花村ぁ?!」
「俺と……里中で……デートに見えないかなと思った……んだけど……」
「そこに直れ、成敗いたすっ!」
「ちょっ、まて! まて里中! ここは喫茶店の店内だぞ?!」

二人のドタバタをみて魅音は二人を止めようとする。

「千枝! ちょっとぉ! あたしら事情わかんないんだから痴話ゲンカしないでよ?」
「痴話ゲンカじゃねっつーの! ここで待ち合わせしてんの、友達と」
「先輩、話さっぱり見えないんですけど?」

とりあえず、落ち着いた千枝を含めて自己紹介をする四人であった。

「おお悪りぃ。とりあえず自己紹介必要だよな? えっと園崎さんだっけ? 俺は花村陽介。圭一とは同じサークル所属で里中とは高校んときからの腐れ縁」
「なぁにが腐れ縁だ! えっとあたしは里中千枝。魅音と同じ大学で友達。よろしくね、前原くん」
「前原圭一です。陽介さんとは同じサークルで、魅音とは中学校以来でえっとその……付き合ってます、うぉ恥ずかしー、ちょー恥ずかしい!!」
「けけけけけ、圭ちゃんってばっ!! えっと園崎魅音です。千枝とは大学が同じで友人になって貰ってます。えっとその……はい……圭ちゃんとは付き合ってます……」

お互いの連れが知己同士であった事で初対面同士も打ち解けたようであった。

「待ち合わせって事は月森先輩達ですか?」
「おう! 今夜久々にこっちに来てる郷里の奴みんなで集まって飯食おうぜって話でさ。直斗と月森と後はスペシャルゲストだ」
「へぇ? 郷里って確か稲羽でしたよね?」
「そっか、魅音と前原くんって同郷なんだね。鹿骨なら稲羽とそんな離れて無いじゃん」
「そうだね、まぁ県境挟んで隣同士っちゃ隣同士だよね。雛見沢は端っこだから距離は結構あるけどさ」

お互いの故郷の話で盛り上がる四人であった。

「なぁ、圭一。この後なんか予定あるのか?」
「いえ、特にこれと言って。魅音と一緒に飯食いに行こうとは思ってますけど」
「里中、この二人も誘っちまおうぜ?」
「え? あたしは良いけどさ。魅音はどうよ?」
「ん? あたしは大丈夫だけど……」
「じゃ、決まりだな。一緒に行こうぜ。こういうのは人数多い方が盛り上がるしな」

そんな頃、四人の元に新たに現れた人物が居た。

「お待たせしました。少し遅くなったでしょうか?」
「おう、直斗か。大丈夫だ、遅刻じゃないぜ」
「直斗くん久しぶり、元気そうで、良かった良かった」

圭一と魅音に気が付いて直斗は少し怪訝な顔をする。

「前原くんじゃないですか? 珍しいところで会いますね。お連れの方は?」
「あ、えっとこっちは園崎魅音。里中さんの友人で、その……いわゆるアレだ俺のか、彼女って奴……」
「テレなくてもいいじゃありませんか。どうも初めまして。白鐘直斗と言います。花村先輩や里中先輩とは高校からお世話になっています。前原くんとは同じ大学で、同じ教科を取っています」
「あ、園崎魅音です。初めまして」
「あ、直斗くんは……くん付けしちゃってるけど、女の子だからね、魅音」

そうこうするうち、もう一人の待ち人が到着した。

「遅くなった……」
「いや、さすがに時間ぴったりだな」
「?」
「あぁ、なんで圭一が居るんだって事だろ? たまたまここでデートしてたとこをお邪魔してるだけだ」
「こちら、月森孝介さん。花村先輩の同級生でこの人も俺の先輩なんだ。こっちは園崎魅音」
「よろしく」
「あ、はじめまして、園崎魅音です」

六人はそのまま話し込む。

「りせちゃんとの約束の時間まであと少しあるかな」
「なぁ、月森、圭一達も一緒で構わないだろ?」
「あぁ、俺は別に構わないが……」
「僕も別に構いませんよ」

孝介達の了解を取り付けて、圭一と魅音も今日の食事会に参加する事になった。

「あっとじゃ人数増えたの店に連絡してくるわ、一応予約してっからさ」
「では僕はゲストが増えた事を久慈川さんに伝えます」

陽介と直斗はそれぞれ予約変更の電話と伝言ダイヤルでの連絡の為に席を立った。

「そうか、圭一の彼女だったのか……」
「いや、改めて言われるとテレるというか小っ恥ずかしいと言うか、たははは」

真っ赤な顔で言葉を濁す圭一と、孝介の言葉でまたしても真っ赤になってうつむく魅音。

「そっかそっか、月森くんと花村の言ってた後輩で気の合う奴ってのが、魅音の自慢の彼氏こと前原くんだったんだ」
「じ、自慢って……してたかも……恥ずかしい……顔から火が出そうだよ」
「あ、あはは……まだ、昼食を学食で一緒に摂るくらいですけど、月森先輩達には親しくさせて貰ってます」

新たに、いつものメンバーに加わった二人が好奇心を刺激したのか千枝がノリノリであった。

「魅音もスミに置けないなぁ。そっかぁ話半分だったけど、実物がこんな立派な彼氏が居ちゃ、そりゃナンパしてくるアホ共を蹴散らして廻るよね、うんうん」
「ちちち、千枝! そんなあたしが千枝みたいに派手に暴れてるみたいじゃない?!」
「なによ、それじゃあたしが普段から大立ち回りばっかりしてるみたいじゃない?!」
「相変わらずだな、千枝は。はははは」
「う……申し訳ござらぬ……」

席を離れていた二人が戻ってきた。

「店の予約変更はばっちりだぜ! ってなんだまた里中が月森に黙らされてるとこか? 昔っから里中は月森にめっちゃ弱いからなぁ、うんうん」
「そうですね。月森先輩の前では里中先輩もおとなしいですね」
「花村ぁ~っ! 直斗くんもぉっ!」
「そろそろ出ると丁度良い時間じゃないか?」
「おっとそうだ! そうしようぜ」

精算の為に席を立ち、孝介達とちょっと離れた隙に魅音が圭一に話しかける。

「なんか、面白そうな人達だね」
「月森先輩はいつも口数少なくてクールだな。花村先輩はいつもああだよ。直斗に聞いたんだけど、昔っからああらしい。だまってりゃ王子様キャラで通用するのに喋るといきなりガッカリさせられるから”ガッカリ王子”ってあだ名らしいぜ? 直斗はなんでだか服装もしゃべり方も男みたいだからちょっと変な感じだけど良い奴さ」
「ほぇ~、そうなんだ? 千枝はまぁ大学でもあのまんまだね。なんてんだろ……素直でトラップ使わない沙都子って感じかな」
「へぇ~……けど想像するのが難しいなそれ……」

孝介達は孝介達で圭一と魅音の話をしていた。

「魅音の彼氏かぁ~。うん、なかなかよさげな子だね」
「少し無神経というか鈍いというか、そういう所はありますが、根は良い人です」
「でた、直斗の遠慮のない評価! 相変わらず厳しい奴だな」
「遠慮が無い分、直斗も気を許してるって事だ」

陽介が予約していた店へと移動し、最後の一人を待つ面々。

「時間通りってのはやっぱ無理そうだな」
「お忙しいんでしょう」
「じゃ、先に店に入ってようか?」
「俺がここで待ってるからみんなは席についててくれ」

店の外で待つという孝介を残し、残りの面々は席について待つことにした。
陽介が予約は個室誂えであり、他者の視線を気にせずにくつろげる場所であった。

「相変わらず優しい奴だよなぁ」
「あんたと違って、人間が出来てるからね、月森くんは」
「そうですね。さすが我々のリーダーと言ったところでしょうか」
「花村先輩、酷い言われようだな……」
「特に千枝の言い方は酷いと思うよ、あたしも……」

空気を変えようと気を利かせて圭一が話題を変える。

「で、最後の一人って? スペシャルゲストとか言ってましたけど?」
「おう! 聞いて驚け、見ておののけ! 芸能人だぞ!」
「げ、芸能人?!」
「あははは、魅音もそんな構えなくても大丈夫だって! あたしらの仲間だなんだからさ」

酷く冷静に直斗が説明をする。

「久慈川りせさんって知ってますよね?」
「あぁ、アイドル時代に一回休養して復帰してからは実力派歌手になったって言われてる、あの久慈川りせ?」
「え?、り、りせちー? ヤバい、ちょっとファンなんだけどあたし!」
「ええ、久慈川さんは休養時に稲羽にあるご実家で過ごしていたので、我々と同じ高校に通う仲間でした」
「やべっ、ちょっと緊張してきた!」
「ああああ、あたしも」

緊張が見て取れる圭一と魅音に千枝が笑いかける。

「素のあの子見たらギャップで吹っ飛ぶよ~、あはははは」
「え? そうなんですか?」
「あぁ、結構黒いしな、素のりせちー」
「その言い方は正しくありませんよ。彼女はただ、本質が自由奔放なだけですから」

知らされた意外な素顔に驚く圭一と魅音。

「ま、まぁ可愛い外見で中身が結構黒いって子なら知り合いにも居るし、たはは」
「うち一人は身内だからあたしゃ頭が痛いんだけど……」

孝介が女性を一人伴って現れた。

「おっまたせぇ~、りせち~だよ~! あ、この人達だね、新しいお友達って」
「あ、えっと……は、はじめまして前原圭一と申します。月森、花村両先輩となお……白鐘さんと同じ大学です」
「そそそそそ、園崎魅音です。はじめまして。ちち、千枝、里中千枝さんと同じ大学です」
「二人とも緊張し過ぎ~、きゃはははは」
「りせ、別に初対面だからって無理に芸能人久慈川りせで挨拶しなくたって良いんだぞ?」
「やっぱり先輩にはバレちゃうかぁ~、えへへ。ということで今日は素の久慈川りせだから、そういうつもりでお願いしまぁす」

一挙に和やかで華やいだ雰囲気を作るあたり、さすが久慈川りせの面目躍如である。

「んじゃ全員揃ったところで、まずは全員集合とは行かなかったけど、再会を祝し、またさらに新たなる友人を迎えた事を喜びつつだな」
「なげぇ~っつの、花村」
「まぁまぁ千枝先輩。せっかく花村先輩が張り切っちゃってるんだからいいじゃない!」
「おほん! ということで乾杯だ。おっと圭一と直斗とりせは未成年だからウーロン茶な!」
「「「「「「「かんぱ~い」」」」」」」

りせは圭一に興味津々のようで隣に座り、積極的に話しかける。
圭一はどぎまぎしながらも結構、楽しそうであり、それを見て魅音がすこしむくれているのに気が付かないのであった。

「うーん……月森を諦めてないと思ったんだが、圭一に乗り換え検討中か?」
「え、え? えぇ~っ?」
「はいはい、魅音も落ち着いて! 花村も余計な事言うなっつの!」
「うぅ……け゛い゛ぢゃ~ん」

孝介がりせに話しかける。

「りせ、そろそろ圭一を園崎さんに返してやれ」
「え~? なぁんだぁ……彼女持ちかぁ……はぁっ……なんで私の周りに居るいい男はみんな彼女持ちなのよぉ……」

孝介の言葉にハッとして魅音を見た圭一は焦った。

「ちょ、な、なに涙目になってんだよ? まてって! 誤解だ! 間違いだ! 勘違いだ!」
「う゛ぅ……でも、圭ちゃんハナの下伸ばしてデレデレしてた……」
「だから、ほら! 芸能人が生まれて初めて間近に来て話してるんだからそうなるって! ちげーよ、そういうんじゃねぇって!」

微笑ましく二人を見つめる千枝達。

「いいね! 青春だね! あの魅音のハートをここまでがっつりって前原くんもなかなかだね!」
「本人も気が付いてませんけれど、基本的に前原くんはモテますよ? 面倒見は良いですし、優しい所もあるし、明るいですから。本人が無自覚な分だけ質が悪いとは思いますが……」
「直斗、それ誉めてるのか? それとも貶してるのか?」
「でも先輩には負けてると思うかな。花村先輩よりはずっとかっこいいけど」
「りせちゃん、それも相当酷い言い方だと思うよ、あたしゃ」

そうこうするうち、どうやら魅音をなだめ終わったようで圭一が若干ぐったりしていた。

「花村先輩、お願いしますよ……ほんとに……俺、こいつに泣かれたりするの一番弱いんですから……はぁっ」
「わ、悪りぃ。そういうつもりじゃなかったんだけどな、あ、あはは」
「魅音もほら! 元気出す! しょぼくれてるなんてあんたに一番似合わないじゃん!」
「う、うん……」

その後話が盛り上がりワイワイと良い雰囲気になり、すっかり圭一と魅音もこのメンバーに溶け込んようであった。
が、しかし事件は起こった。

「それらぁ、もりあがってきたのれぇ! 恒例の王様れぇ~む!」
「うわ?! なんだ!」
「や、やばい! また始まったってのか? おいおい、今日も飲ませてないはずなのに!」
「でた……必殺の場酔いだよまた……」
「おぅ! れぇ~むだってんならあたしにまかへろぉ! まけたひろにはばつれぇーむらぁっ!」
「うわ! 魅音も悪酔いしてんじゃねぇかよ! やべぇ!」

その後、場酔いでハチャメチャな言動を繰り返すりせとリアルに悪酔いして暴れ出した魅音によって阿鼻叫喚の地獄絵図となってしまった。
もちろん、ほとんど全面的に被害にあったのは圭一である。

「うぅ……魅音が酔いだした時点で予想はできたけど、やっぱりこうなるんだ、とほほ……」
「圭一、大丈夫か?」
「なんとか大丈夫です。まぁ魅音がこうなるって事は皆さんに気を許した証拠ですから……もし失礼があるなら代わりに俺が謝ります。許してやって下さい」
「気にするな。りせもああなるのは気心を許せる場だけだからな。お前達を受け入れた証拠だ」
「は、はぁ」

すざまじいはしゃぎっぷりであった、りせと魅音が寝息を立て始め、ようやく静かな落ち着いた時間がやってきた。

「でもまぁ、ありがたいです。こうやってはしゃげる場に居られて。正直、こっちの生まれの俺はともかく、魅音は田舎の生まれ育ちで、旧家の娘ですからね。東京で一人暮らしなんて、不慣れだし、こっちに特に知り合い多い訳じゃないです。きっと去年も普段からかなり無理してたと思います……里中さんが側にいてくれてたのはありがたく思ってます」
「あたしは別に何もしてないよ、あはは。うん、魅音ってさ、郷里に残ってるあたしの親友にちょっと似てるとこあるからね。気になるっていうか、親しみがあるって言うかさ」
「へぇ、そんな人居るんですか?」
「おう、一番詳しいのは月森だからこいつに聞け、圭一! なにせ、その御仁はこいつの彼女だからな」
「陽介、お前な……」

ふと何かを思いついた様子で陽介が突然声を上げた。

「おっ、そうだ! 圭一、お前らこんどのGW予定あんのか?」
「え、とりあえず雛見沢に二人して帰省しようとは言ってたんですけど」
「んじゃさ、ルートはちょっと逆回りになるかもだけど、俺ら稲羽に帰省するからさ、俺らと一緒に一回、稲羽行かねぇか?」
「お、花村にしてはナイスアイディア! うんうん、行こうよ!」
「実は今日の集まりはその打ち合わせも兼ねてんだよ。実は仲間があと何人かあっちに居てさ。で、そいつらも含めて一緒に温泉旅館で一泊しようぜって話になってんだ。まぁ田舎で何にもねぇとこだけど、いろいろ楽しいと思うぜ?」
「ですが急に人数が増えては、天城先輩にご迷惑が掛かるのではないですか?」
「なぁにそんときゃ、泊まる人数を調整ってんで俺とクマが家に戻りゃ済むじゃねぇかよ」

通常、東京から雛見沢に帰省する際には名古屋まで新幹線で行き、そこから在来線を乗り継ぐのが普通であった。
しかし、東京から日本海側へいったん抜け、稲羽を経由して行くことも可能であった。

「そうだな。どうせ男部屋と女部屋で二部屋予約しているし、少し手狭になるだけだ。料理の都合は今からならまだ変更できるだろう」
「天城屋への連絡は里中に任せるぜ」
「おっけーおっけー」
「え、ほんとうにご迷惑じゃないんですか、その予約変更って?」
「心配すんな。その天城屋旅館の跡取り娘ってのが俺らの仲間で月森の彼女って寸法だよ。だから多少の無理は聞いて貰えると思うんだ」

陽介の提案にみんなが賛同し、GWではこの面々の八十稲羽行きが決定したようだった。

「完二とか他の連中にも連絡しなきゃだな」
「みんなとも魅音や前原くんならすぐ仲良くなれると思うよ」
「そうですね。こちらで新しくできた仲間を紹介するというのも良いかも知れません」
「楽しくなりそうだ……」

あっけに取られる圭一ではあったが、このメンバーと居る心地よさが不安を打ち消した。

「それじゃぁ、いずれは皆さんにも雛見沢に来て貰いたいですね。それこそ本当に田舎で何にもないですけれど、空気は美味いし水はキレイだし、何より住んでる人達が気持ち良いところですから」
「いいねぇ、じゃ夏休みは雛見沢行きかな?」
「あははは、いいね! さんせ~い!」
「お二人が育った所というのが非常に興味深いです。楽しみになりました」
「うん」

ひょんな事から決まった圭一と魅音の八十稲羽行き。
二人を加えた面々がどんな騒ぎを巻き起こすのかはまた別のお話で……

TIPS:「八十稲羽」
TIPS:「雛見沢」
を入手しました。


名前:  非公開コメント   

E-Mail(任意/非公開):
URL(任意):
  • TB-URL(確認後に公開)  http://dtany.net/087/tb/