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伏龍鳳雛's 二次創作

2009/05/23(土) 夏遠からじ Part2

先週末から緊急の仕事が入っててバタバタしまくりな一週間でした。
久々に週3で徹夜仕事したし(苦笑)

ということで夏遠からじのPart2をお届けします。

いつもの如く勢いのせいで、仲間内のデイキャンプ計画のはずが分校の遠足にすり替わってしまった圭一。

まずは大元の提案者である両親の説得です。

あいもかわらずな、何気ない日常風景の一幕。

それではどうぞ。

 

 

「という訳で、分校の遠足になっちゃったんだよ、たはは」
「もう、たははじゃないわよ、本当に……知恵先生がご一緒してくださるから良いようなものの。本当に少しは後先を考えなさいよ、圭一!」
「まぁまぁいいじゃないか、母さん。圭一はそれだけみんなの事を考えてるし、みんなも圭一を認めてくれているという事なんだし」

夕食時の前原家、囲んでの家族会議の様相を呈していた。
元々は普段何かと世話を掛けている息子・圭一の仲間をねぎらうべく、ディキャンプでもしましょうかと母・藍子が提案した事が始まりであった。
しかし、圭一の通っている雛見沢分校全体での遠足に話が発展してしまっていた。
元来、お調子者のところがある圭一は参加したがるクラスメート皆の望みを軽く引き受けてしまい、結果として前原家の負担を考慮した担任の知恵留美子の発案で雛見沢分校の遠足として実施されることになってしまったのだ。

だが、父親の伊知郎はクラス委員長に推され、名実共に分校のリーダーになっていく息子を誇らしくも思っていた。
もちろん、藍子も思いは同じである。

「でも、ここへ越してきて本当に良かったのかもしれないわね」
「そうだな。東京に居たままだったらこんな風に周辺の人と交流したり、圭一がリーダーになるなんて事はきっと無かったろうからね」
「近所付き合いっていえば、前に魅音が父さんも母さんも時間があるときで良いからもう少し町会や婦人会の行事に顔を出して欲しいって言ってたぞ。ここに住んで、もう1年経つんだしいつまでも余所余所しい付き合いってのはどうかなと俺も思うしさ」

伊知郎の仕事の関係もあって、伊知郎と藍子の夫婦はたびたび家を空ける。
また、同様にアトリエに籠もりがちな伊知郎が町会に顔を出したり、伊知郎のサポートをしている藍子が婦人会の行事に参加する事は希であった
それが前原夫婦と雛見沢住人の間にほんの僅かながら溝を作っているのでは無いかと、圭一の仲間の一人でありこの雛見沢を代表する園崎家の跡取り娘・魅音は気に掛けていた。

「そうね……父さんも母さんも少し反省しなきゃね。園崎家への引越の挨拶も結局半年も過ぎてから、偶然に私が茜さんと話をしたから、園崎家にご挨拶に伺ったようなもんよね。たしかに雛見沢にちゃんと溶け込んでるとは言い難いかもしれないわね」
「そうだな。私もあまりそういった付き合いは得意ではないからと避けてきたのは事実だ。その点では圭一に要らない負担を掛けてるかもしれん。少々反省せねばならんな」
「俺はここすんげぇ気に入ってるし、そりゃ進学して大学へ行くってなったら流石に通えないからいったんは出ていくことになるけど、出来れば戻ってきたいしずっとここに住みたいからな」

そんな前原家にとって、今回の遠足は丁度良い機会なのであった。

「他の子達の親御さんも何人か付き沿いするなら、親同士も丁度良い機会になるな。よし、母さん! ここは一つ圭一を見習うとしよう」
「そうね。さすがに全員分の食事の材料をウチで用意するって訳にはいかないけれどできるだけの事はしましょう」
「さすがに父さんと母さんだぜ! なんか俺も少しだけ肩の荷が下ろせた気がするぜ!」
「調子良すぎよ、圭一!」
「へーいわかってます、わかってますって。がはははは。おっとそれじゃ俺、この件を知恵先生とレナに連絡してくるよ」

そう言い残して圭一は電話に向かった。

「けど、ここへ越してきて本当に良かったのね。圭一はあんなに明るくたくましくなったし……あの頃は本当にどうしたら良いのか悩んだのだけれど……」
「そうだな。仕事にかまけて親らしい事は何一つしてやれてなかったからな……勉強が少しばかりできるからとそこだけになってしまって、圭一が圭一らしくあるためには親として何をするべきかが私達には理解できてなかったのだと、この雛見沢での1年で思い知った気がするよ」

感慨にふける夫婦であった。

「はい。そうなりましたのでよろしくお願いしますとの事です。はい、はい。そうですね。材料とかは出来るだけ各自が持ち込むのが良いと思います。ええ、道具とかは借りられないかアテはあるんで相談してみます。はい、じゃ細かい事は明日学校で。はいわかりました。」

圭一は知恵との電話を済ませた圭一は同級生であり、クラス副委員長である竜宮レナの家へと電話をする。

「もしもし、竜宮さんのお宅でしょうか? 私、前原圭一と申しますが」
「やぁ圭一くんかい? 礼奈は今、お風呂に入っていてね。伝言があるなら聞いておくよ」
「あ、レナのお父さんですか? いつもレナにはお世話になってばっかりで……えっとですね、じゃぁ伝言お願いできますか?」
「いやいや、礼奈の方こそいろいろと藍子さんにご迷惑をお掛けしてるようで済まないと伝えてくれないかな。うん、伝言だね」
「遠足の件はこっちと先生の方はOKですと伝えてください。細かい事は明日にでもと」
「わかった。そう伝えておくよ」

圭一は電話を済ませ、受話器を置くとリビングに戻りかけて、ふと立ち止まった。

「道具の事とかもあるし、魅音にも今ある程度伝えておいた方が良いよな」

再び受話器を取り上げ、今度は園崎本家の電話番号を廻す。

「もしもし、夜分にすみません。私、前原圭一と申しますが、魅音さんはご在宅でしょうか?」
「はろろ~ん、圭ちゃんじゃありませんか? お元気してますかぁ? みんなのアイドル詩音ちゃんですよ~」
「おう、詩音か? 珍しいなこんな時間に本家に居るなんて。ま、それはどうでもいいや。魅音って今忙しいのか?」

園崎魅音の双子の妹である詩音は普段は雛見沢の園崎本家ではなく、興宮の園崎家あるいは隠れ家代わりにしているマンションに住んでいる。
夜に本家に居る事は滅多に無いので詩音が電話に出た事に圭一はちょっと驚いていた。

「むー、私のことをどうでもいなんて! 圭ちゃんは私よりお姉の方が良いんですね……寂しいなぁ……」
「はいはい。そうやってスネたフリしても意味無いから。お前と魅音とどっちが良いとか悪いとかそういう話じゃねぇだろうが?」
「ちゃんと言ってください。私とお姉と圭ちゃんはどっちが大事なんです?」
「あのなぁ、そういう問題じゃないだろ? そもそも優劣付けるような事か、二人とも俺の大事な仲間なんだからさ?」
「相変わらずのつまんない模範解答サンキュです。相変わらずですね、圭ちゃんは……お姉は今、親族のちょっとした会議に出てますから電話は無理っぽいですね」

どうやら今日は園崎本家で親族の集まりがあるようであった。

「そっか……じゃぁさ、明日の夕方、魅音に時間あるか聞いておいてくれよ。あ、もちろん詩音もだけどさ」
「ふぇ? 何かあるんですか?」
「ん、あぁ細かい事は明日話すよ。まだ決めなきゃいけないこともあるしな。まぁちょっとした緊急イベントって奴だ」

しばしの間、スケジュールを確認しているのか、詩音が無言になる。
聞こえてくるのは僅かな紙をめくる音と息づかいのみ。
こういうのは毎度ながら間が持たんよな~と一人思う圭一であった。

「わかりました。明日は私もお姉も特に用事無いですし、バイトも二人とも休みの予定です。場所はどうします?」
「そうだな、夕方図書館に用事あるし、いつも通りにエンジェルモートで良いんじゃないか?」
「じゃ、お姉の首に縄括り付けてでも引っ張っていきますよ。明日エンジェルモートで待ち合わせですね。了解です」

電話の向こうで詩音が少々、質の悪い笑顔を浮かべている事に気が付かない圭一は用件を伝え終え、電話を切った。
詩音はどうやって大げさにこの件を魅音の伝えようかと余計な事を熱心に考え出したようだった。

その後、レナからの返答の電話があり、簡単な打ち合わせを終え、圭一は遠足に思いを馳せながら自室に戻って受験勉強に今夜も励むのであった。

続く


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