▼ 2009/01/04(日) 雛見沢三冠王攻略戦 その2 冬の陣パート2
あけましておめでとうございます。
ちょいと三が日はSS抜きで暮らしておりました(笑)
新年最初の更新は「雛見沢三冠王攻略戦 その2 冬の陣パート2」
初詣編ということで時事ネタでお届けします。
本年も超マイペース更新になるでしょうが、懲りずにお付き合い下さいm(__)m
それではどうぞ!
昭和59年正月の三が日も空け、部活メンバーは初詣を舞台に晴れ着による圭一へのアピール合戦を行うことになっていた。
まずは圭一には集合時間をズラして伝え、残りのメンバーは園崎本家に集合していた。
着付けに関していささか自信の無いメンバーも公平に晴れ着を着る為である。
「ふぅ、これで全員OKになったかい?」
「大丈夫だよ、だよ」
「着慣れないせいでございましょうか、少々歩きにくいですわ……」
「バッチリなのですよ!」
「久しぶりに振り袖なのです! うれしいのです!」
「はぁ、いつ着ても晴れ着というのは堅苦しいですねぇ」
詩音も加わり、総勢6名の晴れ着美人が勢揃いと言った風体であった。
「よぉし、それじゃ古手神社へ向かうよ~」
「葛西に今日は車を出させますから、それで移動しましょう。せっかくの晴れ着が雪道で汚れてはいけませんし」
葛西は詩音から指示を受け、ワゴン車で用意をして待っていた。
「皆さん、ご用意はよろしいでしょうか?」
「全員準備完了! いざしゅっぱ~つ!」
古手神社は高台にあるため、境内へ上る階段の前を集合場所としていた。
「あ、あるぇ~? 圭ちゃん、来てないじゃん?」
「ほんとだね、ほんとだね? どうしたんだろう?」
魅音とレナが周囲を見渡すが圭一が視界に入る範囲には居そうになかった。
「おっかしいなぁ……約束の時間、もう過ぎちゃってんだけどな? まぁた遅刻かな? だったら罰ゲームだねぇ、くっくっくっく」
「どうせ、圭一の事だから雪道にハマって身動き取れなくて寒い寒いなのですよ」
「そうですわね。圭一さんの事ですから相変わらずお恥ずかしい事になっているのではございませんこと?」
集合時間を経過する事5分。
圭一がこの程度待ち合わせに遅れる事などザラなので全員が言いたい放題の事を口にしていた。
「お~い!」
圭一の声が響いた。
「おっそいよ、圭ちゃん! 遅刻は罰ゲ……」
声のする方を向いた魅音は言いかけた言葉が途中で止まった。
同時に魅音と同じ方向を向いた残りの面々もハトが豆鉄砲を食らったかのような顔をしてポカーンとする。
「悪い悪い! 出がけに急におふくろの奴がこれ着て行けとか言い出しやがってさ……」
現れた圭一を見て全員が呆然となったのも当然と言えば当然であった。
なんと、圭一は紋付き袴の正式な和装だったのである。
「おっそうか、おふくろの奴、みんなが晴れ着で来るって知ってたんだな。危ない危ない! 俺一人だけいつものカッコウで間抜けに見える所だったぜ!」
「(圭ちゃんかっこいい)」
「(け、圭一くん?)」
「(ほ、ほんとに圭一さんなんでございますの?)」
「(う、うそ?! 圭一が……圭一が……)」
「(圭一がパリっと着こなしてるのです!)」
何のことはない、圭一の和服姿に魅音達は見とれてしまったのである。
「親父が昔着てたとかいう奴だから、ちょっとサイズ的に微妙だな。おまけに歩きにくいのなんのってさぁ……おっとそうだった! 電話では言ったけど、みんなあけましておめでとう! 葛西さんもあけましておめでとうございます」
「「「「「あ、あけましておめでとう、圭ちゃん(圭一くん)(圭一さん)(圭一)」」」」」
「あ、あけましておめでとうございます、圭ちゃん」
「おめでとうございます」
心なしか詩音までを含めて女性陣の顔が赤いのであったが、案の定圭一はそんな状況を完全にスルーして一言。
「よっしゃ、それじゃ境内へ初詣としゃれこもうぜ!」
はりきって先頭を切って、雪かきがされた石段を登り始める
「はぁ……圭ちゃんも相変わらずですね……まぁ年が明けたくらいで変わるとも思ってませんでしたけど」
「皆さんもご苦労が絶えなさそうですね、今年も……」
白い息を吐きながら全員が石段を登り切り、境内で順番に本殿まで進み、賽銭を投じ、二拝二拍手一拝。
「(今年こそ部活で連戦連勝!!)」
「(け、圭ちゃんのハートを今年こそ射止められますように!)」
「(今年こそ圭一くんと上手くいきますように!)」
「(にーにーが見つかりますように! そして、その、あの……圭一さんともっと仲良くなれますように)」
「(圭一が私を選んでくれますように……ちょっとむなしいわね……奉ってある神様の中味は隣に居るんだし……)」
「(あう……自分で自分にお祈りは間抜けな気が凄くするのですよ……)」
「(今年こそ、悟史くんの意識が戻りますように……)」
各自、めいめいに祈りを捧げた。
約2名、完璧に無意味な行為だとわかっていて周囲にあわせていたのだが……
その後、園崎本家に全員で移動し、お魎への挨拶を済ませ、客間に集合していた。
「ちょっとこのカッコウだと苦しいから着替えちゃおうか?」
「あ、いいなぁ! 俺、着替え持ってきて無いからいったん家に帰って着替えてくるよ」
圭一は席を立つと着替えの為に家に戻った。
残りの面々は着替えを済ませ、再度客間に集合し、圭一が戻るのを待つことになった。
「しかし……あの圭ちゃんの鈍さは聞きしに勝るですね。晴れ着姿の女性陣前にして完璧にいつも通りってなんなんですか、あれは?」
詩音が少々憤った口調で口火を切る。
「まったくだよ……そ、そりゃさ”キレイだよ”とか圭ちゃんが言うとはあたしだって思っちゃ居ないんだけどさ! 似合うとか似合わないとかそれくらいあっても良いじゃんさ!」
「ほんとだよ! 何の為にみんな揃って晴れ着にしたんだかまったくわかんなくなっちゃったんだよ、だよ?」
「まったくの無反応って、どういうことなんでございますの?!」
「みぃ……ショックなのです! 気合いを入れた意味が全然なかったのですよ」
「あうあう……なんで圭一は感想すら言ってくれないのですか? そんなにボクの晴れ着姿は空気なのですか?」
一方その頃、着替えの為に自宅に帰り着いた圭一は藍子に捕まっていた。
「で、どうだったのよ?!」
「ん? ちゃんとお参りしてきたぜ!」
「そうじゃないわよ、みんな晴れ着だったんでしょ? 感想を聞いてるんでしょ?」
「あぁ、みんな晴れ着だったよ。最初母さんが和装しろって言ったときはなんでこんなめんどくさい事と思ったけど、俺一人だけ場違いにならなくて助かったよ! ありがと、母さん」
礼を言いながら着替えの為に二階の自室に上がっていく息子を見送りながら、我が子の鈍さに思わず言葉を失う藍子であった。
「(こ、この子は……一体ほんとうに誰に似ちゃったのかしら? 晴れ着よ? 年頃の、それも何を着ても似合う可愛い子達が5人もよ?! その晴れ着姿を見てこの反応って……ほんとに我が子ながら将来が不安になってきちゃったわよ……ごめんなさいね、みんな。ウチの子はほんとうにどうしようもないかもしれないわ……)」
「この後は魅音ちで遊ぶことになってるからさ、もう一回出掛けてくるよ」
「い、いってらっしゃい……」
送り出す藍子の声が若干、棒読みであった。
再び、園崎本家客間。
「で、でも、みんなの晴れ着姿かあいかったよね、よね?!」
「そうだね……圭ちゃんは無反応だったけど……」
沈黙……
「梨花ちゃん羽入ちゃんなんか、巫女服もかあいいけど、晴れ着はもっとかあいかったよぉ! お持ち帰りしたかったよぉ、はう~!」
「ありがと、レナ……でも圭一”だけ”は無反応だったのです」
「ありがとうなのです! 誉めてくれてうれしいのですよ……でも圭一が誉めてくれなかったのでうれしさ半分なのです……」
沈黙再び……
耐えきれず詩音が口を開く。
「さ、沙都子も素敵でしたよ! 悟史くんに見せて上げたかったです」
「ありがとうございます、詩音さん。にーにー”だったら”喜んで下さったと思いますわ、圭一さんと違いますから」
沈黙三度……
「「「「「「はぁ~っ」」」」」」
6つのため息が重なり合って客間の空気は一段と重い物になってしまったのであった。
その後、圭一が合流し、いつも通り部活としてのゲーム大会が執り行われた。
……結果は言うまでも無いが、集中砲火を受けた圭一は全てのゲームで惨敗し続け、罰ゲームでボロボロにされるのであった。
冷ややかな目線でズタボロの圭一を見つめる5人であった。
「乙女の純情踏みにじりやがって……これで少しは反省しろっての!」
「レナを怒らせるとどうなるか、圭一くんもこれでよくわかったんじゃないかな、かな?」
「あぁ、もう! まだまだ収まりがつきませんわっ! 新学期のトラップ、お覚悟なさいませっ!!」
「今年もガクガクのブルブルにしてあげるのです、にぱ~★」
「天罰! なのです!」
同時刻、別間にて。
「で、どうなんだい、あの子達は?」
「はぁ……前原さんがいつも以上に負けておられるようで、少々おかわいそうな気もしますが……」
「相変わらずって事かい? やれやれ……こりゃ……ほんとに強敵だね……」
晴れ着ですら、勝負にならなかった新春。
一体、圭一を攻略する鍵は何なのか?
そんな事が可能なのか?
勝者は果たして生まれるのか?
今年も雛見沢の誇る(?)、ヘタレ・鈍感・ノンデリカシーの三冠王は最強のままであった。
「な、なんで俺だけが……り、理不尽だぁ~~~~~~~~~~~っ!! この世に神は居ないのか? オヤシロ様にお賽銭あげて祈ったのに!! お賽銭返せぇっ!!」
部活だけは最弱のままだった……
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