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	<title>魅音幸せプロジェクトまとめ</title>
	<link>http://dtany.net/happy_mion01/</link>
	<language>ja</language>
	<description>第1回魅音幸せプロジェクトのまとめサイトのミラーです。</description>
	<copyright>Copyright 2009</copyright>
	<pubDate>Sun, 11 Oct 2009 04:08:58 GMT</pubDate>
	<lastBuildDate>Sun, 11 Oct 2009 04:08:58 GMT</lastBuildDate>
	<generator>http://adiary.abk.nu/#2.09</generator>
	<docs>http://blogs.law.harvard.edu/tech/rss</docs> 
	<item>
		<title>幸せ魅音</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/072#tm1255234138</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/072</guid>
		<category>イラスト部門</category>
		<pubDate>Sat, 21 Feb 2009 11:29:37 GMT</pubDate>
		<author>なんおれ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<a title="圭魅.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e5%9c%ad%e9%ad%85.jpg" class="tag image small"><img alt="圭魅.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e5%9c%ad%e9%ad%85.jpg.jpg"></a><br>
夢オチでもなく、ただ純粋に魅音が幸せになれるような絵を描きました。<br>
イメージは一年後の冬。<br>
晴れて両想いになった二人が、仲良く下校デートする風景です。<br>
魅音が気にしていた身長差も、圭一が急激に成長したため無事解決ｗ<br>
冬仕様の制服は、厚めのタイツを着用するのでスカートが短め。（圭一を喜ばせる為という説有り）<br>
「えへへ&hellip;圭ちゃん、あったかい？」<br>
「おう！魅音の胸元は特にあったかいぜ！」<br>
「そ、そんなつもりで言ったんじゃないんだけど////」<br>
こんな感じで一生ラブラブしてるがいいさっ！！<br>
この企画へのお誘いありがとうございました！<br>
他の参加者様の幸せな魅音を見ていると、こちらまで幸せな気分になり元気が出てきます。<br>
やっぱり魅音は可愛いっ！<br>

</div>

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	</item>
	<item>
		<title>『ひぐらしのなく頃に　月愛し編』</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/070#tm1253364553</link>
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		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sat, 31 Jan 2009 10:40:53 GMT</pubDate>
		<author>蜀天</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<div class="entry_body entry-body">
		<p class="ni"><p>『ひぐらしのなく頃に　月愛し編』<br /><br /><br />俺がその記事を見たのは偶然だった。たまたま居間でくつろいでいたらテーブルの上に親父かお袋の読んでいる週刊誌が目に留まったので読んでみた。<br />そしてパラパラとページをめくり続けているうちに俺はあるタイトルが目に入り、次のページをめくろうとしていた手を止める。<br />「何々&hellip;&hellip;、女の子が自分の事を好きかどうか確める方法？」<br />半ば、いやかなり胡散臭い気がしたが今まで彼女が出来た事のない俺はその内容に強い興味をもってしまい続きを読む。<br /><br />その１　『女の子にいつもと違う雰囲気で会ってみる』<br /><br />「貴方は普段しない恰好で女の子と出会った時に反応を確かめてみよう、ずっと見続けていたらその子は君を好んでいる可能性があるってほんとかよ&hellip;&hellip;」<br />やはり胡散臭く感じる。そんな事で本気で分かるのかよと胸の中で呟く。<br />しかし内容の続きが気になったままなので俺は胡散臭い気持ちを抑えて続きを読む。<br /><br />その２　『好きな食べ物を教える』<br /><br />「好きな食べ物を教えた後、その通り、または似た食べ物を持ってきたり持ってくると言ってきたら貴方を好んでいる可能性があるってまさか&hellip;&hellip;」<br />確かに分かりやすいがそんなあからさまな事に引っ掛かる女の子はいないだろ&hellip;&hellip;。そう苦笑しつつ俺は次に目を向けた。<br /><br />その３　『女の子を褒めてみる』<br /><br />「好きな男の子に褒められた女の子は必要以上に慌てたり、顔を赤くしてしまったりするのでその傾向が見られたら貴方に好意を抱いてる可能性があるってそういうものなのか&hellip;&hellip;」<br /><br />主な方法はそこで終わり、最後に好きな事をお互いが確認したら貴方はその女の子に月下で会おうと言うと良いと書いてあったが意味がよく分からなかったので俺は雑誌を閉じる。そして座っているソファーにもたれて天井を見つめる。<br />「んな分かりやすく好意を持っている女の子を見分けれるんなら苦労しねーよ&hellip;&hellip;」<br />結局胡散臭い気持ちが勝ってしまった俺はそうぼやき、雑誌の内容を振り払うかのようにテレビを付けた。しかししばらくテレビを見ていても番組内容は全く頭に入ってこない。<br />（だけど&hellip;&hellip;試してみるのも面白いか&hellip;&hellip;）<br />俺の頭の中は雑誌の内容の事でいっぱいだった。<br /><br /><br />「おはよう～～」<br />「あ、おはよう圭一く&hellip;&hellip;」<br />翌日、いつも通り学校に行くため待ち合わせ場所にいたレナに挨拶を送る。そして俺の存在に気付いたレナが挨拶を返そうとしたが突然固まってしまった。<br />その理由が俺の姿だろう。服装は学生服なので変わりないが、今日はいつもと違う部分がある。<br />「どうしたレナ？」<br />「はっ！？　え、えっと圭一君どうしたのかな、今日は眼鏡をかけてるんだよ、だよ」<br />そう、俺は昔勉強するのに使っていた眼鏡をしてきたのだ。その理由を裏付ける為に手にはお袋から借りた小説を持っている。<br />「ああ、家で小説とか読む時しかしないけどな、変か？」<br />俺の問いにレナは少し頬を染めながら首を横に振った。<br />「う、ううん、いつもと違う雰囲気だからちょっとびっくりしちゃって&hellip;&hellip;」<br />そう言ってレナは俺の隣に移り、一緒に魅音との待ち合わせ場所へ歩き出す。<br />（結局あの内容通りにやってみたが&hellip;&hellip;、レナは好意でなのか物珍しさで見てくるのか分からんな&hellip;&hellip;）<br />途中レナはちらりちらりと俺を見てきているのに気付くがそれがどういう意味で見ているかは分からない。好意なのか物珍しさからか。<br />しかしどっちにしろこうもちらちら見られてると自分のやっている事に恥ずかしさが込み上げてくる。いまさらだが&hellip;&hellip;。<br />とその時、前方に水車小屋と側で立っている魅音の姿が見えた。<br />「おっ、やっときたね、おはよう、レナに圭&hellip;&hellip;ちゃ&hellip;&hellip;」<br />魅音も俺の姿を見るなり固まってしまった。そればかりかレナ以上に頬を赤く染めた気がする。<br />だが次の瞬間。<br />「あ、あれ～～、圭ちゃん眼鏡なんてかけてどうしたの？　もしかしてイメージチェンジってやつ～～」<br />ニヤニヤ笑いながら魅音が指摘してくる。<br />「んだよ、別にいいだろ、ただの気分転換だよ」<br />そう言って俺は魅音を置いてくように前へ歩き出す。<br />（やっぱり魅音は変わらんな）<br />そう心で思いつつ、持っている小説に目を向けた。レナと魅音は後ろから何か言いながら俺の左右にそれぞれ追い付くと、二人は速度を合わせて俺と一緒に歩いていく。<br />「しかし圭ちゃんが眼鏡をかけると結構頭いい人って感じがするねえ」<br />「それは普段の俺が頭悪いって言いたいのか&hellip;&hellip;？」<br />「そりゃあ昨日はネコミミメイド服で監督とあんな恥ずかしいダンスを踊ってた姿を見ればね&hellip;&hellip;」<br />（あれはお前がやらせたんだろうが！？　ていうかダンスじゃなくてただ必死に逃げてただけだ！？）<br />俺は心で怒鳴りながらある事を確信する。それは魅音が俺に対して男の子と女の子でいう好きという感情は持っていないと言う事だ。<br />俺は昨日の醜態を嘲笑いながら話してくる魅音を無視しながら、小説『あなたが好きで好きでたまらない』を見続けってどんな小説渡してきやがるんだお袋！？<br /><br /><br />（ふむふむ、好きな気持ちはこのうえなく恥ずかしい気持ち、だから私は貴方に素直になれない&hellip;&hellip;）<br />「圭一君、学校着いたよ」<br />「へっ、あ&hellip;&hellip;」<br />気がつくと俺は本気で小説を読んでいた。目の前には分校の入口が見えている。<br />（ふぅ、結局あの記事通りにやってみてもレナはともかく、案の定というか魅音は対して変わらんかったな）<br />俺は小説を閉じ、ちらっと魅音の方を見る。<br />「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;ぽ～」<br />「へっ&hellip;&hellip;？」<br />そこには物凄くとろ～んとした目をし、さらに熱い視線を俺に浴びせている魅音がいた。<br />「み&hellip;&hellip;、魅音？」<br />「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;はっ！？　あ、あわわわ&hellip;&hellip;、レ、レナ！？　早くしないと学校に遅れ&hellip;&hellip;」<br />「み、魅ぃちゃん前！？」<br />「ぶへっ！？」<br />突然パニックを起こした魅音は分校の入口横にある壁に顔から突っ込み、ドンッと鈍い音をあげてぶち当たる。<br />「み、魅ぃちゃ～～ん！？」<br />分校の壁に大の字でぶつかった跡をくっきり残して倒れてきた魅音を慌てて介抱するレナ。<br />「お、おい魅音大丈夫か！？」<br />唖然としていた俺もはっとし、駆け寄ろうとする。しかし&hellip;&hellip;。<br />「もう圭一君をずっと見てるからだよ魅ぃちゃん&hellip;&hellip;」<br />「へっ？」<br />小声だったがレナの口から出た言葉がしっかり俺の耳に入った。そして俺の足が歩みを止める。<br />（見てたって俺を？　魅音がずっと&hellip;&hellip;？）<br />俺はきゅう～～と目をぐるぐる回しながら倒れている魅音を見ながらあの内容を思い出す。<br /><br />『ずっと見続けていたらその子は君を好んでいる可能性がある』<br /><br />「ま、まさかな&hellip;&hellip;」<br />そう俺が呟いた直後、魅音は分校から出て来た知恵先生とレナに支えられ、保健室へと連れていかれた。<br /><br /><br />「はぁ～～、朝は最悪だった&hellip;&hellip;」<br />時刻は昼。鼻の上に絆創膏をペタッと付けた魅音が嘆きの声を上げながら弁当を食べる。<br />その隣ではレナが一生懸命魅音を慰めていた。ちなみに俺はもう眼鏡を閉まっている。<br />何か分からないが責任を感じた為だ。<br />「ですが魅音さんが周りを見ていないなんて珍しいですわね」<br />「よそ見でもしていたのですか魅ぃ？」<br />「あ、その&hellip;&hellip;、ち、ちょっとね、面白い雲があったからつい夢中になって見てたんだよ、あはははは！！」<br />豪快に笑いつつ魅音は並んでいる弁当箱に箸を伸ばす。おそらくレナのコロッケ辺りが狙いだな。<br />「すきありっ！」<br />「なっ、俺のから揚げ！？」<br />伸ばしてきた瞬間、魅音は突然箸の速度を上げ、俺の弁当箱から沙都子と梨花ちゃんに取られて残り一つになっていたから揚げを奪い取る。<br />「圭ちゃん、油断大敵だよ」<br />ニヤニヤ笑いながら魅音は奪ったから揚げを口に運ぶ。<br />「ぬぅ～～、だったら俺だって負けてられるか！」<br />魅音の挑発をあっさり受けた俺は箸を振り上げて獲物となるおかずを探そうとする。だがその時、昨日の記事の内容と今日すべき事が頭を思い起こした。<br />（そうだ&hellip;&hellip;、今日は皆の俺に対する好感度を調べてたんだ、なら挑発にのってる場合じゃないな、えっと二番目は確か好きな食べ物を教えるだったけ&hellip;&hellip;）<br />俺は全員分の弁当箱を見回し、中身を確認する。<br />（う～～ん、どれも美味そうだし、特にこれといって好きな物は&hellip;&hellip;）<br />俺が箸を振り上げたまま止まっている事に全員がキョトンとしている。<br />（う～～ん&hellip;&hellip;どれも食べたことあるやつばかりだし、いまさら好物なんて言えねえしな&hellip;&hellip;）<br />「富田、今日の弁当のそれなに？」<br />「これは僕の家の特製カツだよ、豚肉にチーズが挟んであるんだ」<br />（ん？　富田君の弁当は豚肉にチーズ？　何か美味そうだな&hellip;&hellip;よし！）<br />即座に一計を案じた俺は弁当箱を持って立ち上がり、富田君の側へ行く。<br />「ん、何ですか前原さん？」<br />「富田君、そのカツと俺の弁当のおかず全てと交換しないか」<br />「「「「「「ええっ！？」」」」」」<br />富田君を含め、魅音達からも驚きの声が上がる。<br />「どうだね富田君、この条件は決して悪くないはずだが」<br />「え&hellip;&hellip;？　で、ですが何で突然&hellip;&hellip;？」<br />「ふっふっふっ、よくぞ聞いてくれた富田君、そう実は俺は&hellip;&hellip;その豚肉とチーズの組み合わせが大好物なのだ！！」<br />「「「「「「ええっ！？」」」」」」<br />再び驚きの声が上がる。今度は教室中から。<br />しかし俺の熱弁は止まらない。久々に口先の魔術士の力を見せてやるぜ。<br />「あのジューシーでとろけるような豚肉の旨味にチーズの濃厚な風味と食感が組み合わさった一品は俺が今までの生きていた人生の中でもっとも脳と舌に衝撃を与えるものだった！！　しかし不幸な事に俺はその絶大な美味さを誇る料理を長年口にする事が出来ずに嘆いていたんだ、そこへ君がそのカツを持って現れた、君こそまさに俺の救世主！！　もしそのカツを交換してくれるならば弁当のおかずだけでなく勉強であろうと家の家事だろうと畑仕事であろうと手伝う！！　富田君、どうかこの俺の熱意を無下にしないでくれ！！」<br />深々とお辞儀しながら言い終えた瞬間、シーンと教室が静まり返る。<br />「あ、あの&hellip;&hellip;前原さん、カツぐらいなら差し上げますよ&hellip;&hellip;、まだ家にもたくさんありますから&hellip;&hellip;」<br />「ありがとう！！」<br />俺はそれだけ叫ぶとすぐさまカツを富田君の弁当箱から自分の弁当箱に移し替え、自分の席についた。そして頬張る。<br />（う、美味い！！　初めて食べたが美味い！！　正直よかった、料理が変な味じゃなくて&hellip;&hellip;そして富田君が無茶苦茶な注文を言わない寛大な子でホントによかった！！）<br />俺は感極まり涙を流した。<br />「け、圭ちゃん&hellip;&hellip;、そんなにチーズと豚肉の組み合わせが好きなの&hellip;&hellip;？」<br />「ほうよ！！」<br />「泣いてるうえに頬張りながら返事をしないで下さいまし&hellip;&hellip;」<br />「でも圭一の大好物が判明したのです」<br />「そ、そうだね、そんなに好きなら今度レナが作ってきてあげるよ圭一君」<br />「ホントか！？　ありがとなレナ」<br />作ってくれるという事はやっぱりレナは俺に好感を持っているのかもしれないな。だけど好意があるにしろないにしろ、作ってきてくれるのは嬉しい。<br />「！？　あ、あのさ圭ちゃん！？　私ん家にもちょうどチーズと豚肉が余ってたから作ってきてあげるよ！？」<br />「お、おう、頼む&hellip;&hellip;」<br />魅音がレナの言い終わった後に凄く慌てながら言ってくる。<br />（分からん&hellip;&hellip;、魅音は余っているから作ってくると言っているから好感を持っているわけじゃないのか&hellip;&hellip;）<br />そして魅音の後に沙都子や梨花ちゃん、羽入も作ってくると言い、結局この方法で皆が好感を持っているかどうか見分けられなかった。でも発想を変えれば皆俺に好感を持っているとも考えれるが&hellip;&hellip;、んなわけないか。<br /><br /><br />部活の時間になった。今日はゾンビ鬼をする事になったので全員校庭にいる。<br />ちなみに鬼は梨花ちゃんだ。そしてその梨花ちゃんは現在俺の真後ろにいる。<br />「くそっ！？　まさかこんなにも早く見つかるとは！？」<br />「みぃ～、圭一待つのです！」<br />けっこう本気で走るが中々梨花ちゃんを引き離せない。これがナ○ュラル（都会人）とコー○ィネーター（雛見沢人）の力の差か。<br />「ストップなのです圭一！」<br />「うわっ、羽入！？」<br />突然羽入が横から飛び出し、俺の前に立ち塞がる。状況から考えて梨花ちゃんの仲間である事は間違いない。<br />「ちぃ、だったらこっちだ！」<br />俺は分校の裏側に向けて走り出した。向きを変えられて驚いた羽入が梨花ちゃんと一緒に追いかけてくる。<br />「馬鹿！？　圭一が来る前に飛び出してどうするのよ！」<br />「あぅ～～&hellip;&hellip;、ごめんなさいなのです梨花」<br />「もう、とにかく協力して圭一を&hellip;&hellip;っ！？」<br />「あうっ！？　圭一がいないのです！？」<br />梨花ちゃんと羽入はそのまま俺を探しに二手に別れて通り過ぎて行った。俺は二人がお互いを見ながら話をしている瞬間を見逃さず、咄嗟に分校の影で道からは死角になっている場所に隠れたのだ。<br />「ふ～～、あぶねえあぶねえ&hellip;&hellip;」<br /><br />モミッ。<br /><br />「あふっ&hellip;&hellip;」<br />「へっ？」<br />突然変な声がしてきた。それに建物の壁を触っている筈なのに何だか弾力があってフニフニの説明しがたい柔らかな大きな物を握っている。<br />俺は壁の方へ振り返った。<br />「うぅ&hellip;&hellip;」<br />「あっ&hellip;&hellip;」<br />後ろには背を壁にくっつけた状態でおそらく俺より先に隠れていたであろう魅音の姿があった。だがその顔は熟したトマトより真っ赤になり、口からは熱い吐息と震えた声が漏れ、その年齢の割に同年代を圧倒する二つのクッションの片方をしっかり俺に握られている。<br /><br />ミーンミーンミーン！！<br /><br />蝉達の大合唱がはっきり聞こえてくる。こんなに蝉が鳴いていたんだ。<br /><br />ミーンミーンミーン！！<br /><br />あ～～、蝉の声聞いてると夏だって実感するなあってんな場合か！？<br />現実から逃れようとしていた頭に喝を入れて現実に戻す。<br />（しかしどうすればいいんだ！？　このままでは確実に変態の烙印を押されてしまう！？　まずいまずいまずいまずい&hellip;&hellip;ここはここはここはここは&hellip;&hellip;そ、そうだ！！　最後の喜ぶ方法、褒める！！）<br />俺は魅音に現時点で言える最高の褒め言葉を送った。<br />「魅音、お前の胸ってホントに柔らか&hellip;&hellip;」<br />「馬鹿ああぁぁーーーー！！？？」<br />バチーンと言う豪快な衝撃音がしたと同時に俺の首がゴキッと鈍い音をだして体が浮かび上がり、空中で回転しながらだんだんはっきりと痛みが頬と心に出てくるのを覚えながら奥にあった茂みの中へ飲み込まれていった。<br /><br /><br />へんたーい、へんたーい、へんたーい。<br />「や、やめてくれーー！？」<br />圭一君は変態だね、圭一さんは変態ですわね、圭一は変態なのです、圭一は間違いない変態なのです。<br />「ち、違うんだ！？　誤解だ！？　あれは事故なんだ！？」<br />「圭ちゃん&hellip;&hellip;」<br />「み、魅音！？　あ、あのな、あれは&hellip;&hellip;」<br />「酷いよ圭ちゃん&hellip;&hellip;」<br />「えっ&hellip;&hellip;！？」<br />「ずっと&hellip;&hellip;だったのに&hellip;&hellip;」<br />「えっ？」<br />「圭ちゃんの変態ーー！！」<br />「み、魅音！？　待ってくれ、待ってくれーー！？」<br />へんたーい、へんたーい、圭一はへ・ん・た・い。<br />「う、うわああぁぁああぁぁ！？」<br /><br /><br />「うわああぁぁ！？」<br />ガバッと起き上がった俺は昨日の監督と繰り広げた生きるか死ぬかの逃走劇を終えた後のようにぜえぜえと荒い呼吸をした。<br />「い&hellip;&hellip;嫌な夢だった&hellip;&hellip;」<br />そう呟き、俺は体に被っていた白いシーツを顔に当てる。そこで初めて顔が汗でベタベタだった事に気付いた。<br />「あ&hellip;&hellip;、そういえばここは？」<br />シーツのひんやりした感触で頭の熱が冷め、大分落ち着いた俺は自分の居場所を確認しようとする。<br />「保健室だよ圭ちゃん」<br />「へっ？」<br />横から突然聞き覚えのある声がし、振り返る。そこには体操着から制服に着替え終わった魅音が座っていた。<br />鼻の上に貼ってあった絆創膏もいつの間にかとれている。<br />「み、魅おっ！？　うわっ！？」<br />俺は魅音の存在に気付くなり反対側の床に驚いた拍子でベットから落ちてしまう。<br />「だ、大丈夫圭ちゃん！？」<br />「あたたた&hellip;&hellip;」<br />打った頭を押さえ、魅音に助け起こされた俺はベットに腰掛ける。<br />「全く&hellip;&hellip;、圭ちゃんはホント落ち着きがないんだから」<br />眉を八の字にし、やれやれと言う感じで魅音は腕を組みながら呆れたように言ってくる。<br />「うぅ、すまん&hellip;&hellip;、って魅音！？　さ、さっきは本当に悪かった！？」<br />「へっ？　あ、ああ&hellip;&hellip;、あれは別にいいよ圭ちゃん、確かにびっくりしたけど私もおもいっきりビンタしちゃったし&hellip;&hellip;」<br />あれが魅音の本気ビンタ&hellip;&hellip;。人の体を軽々と一回転、いや二回転させながら吹っ飛ばす威力があるのか&hellip;&hellip;。<br />ていうかまだ頬がひりひりする&hellip;&hellip;。<br />「だ、だけどあれは本当に悪かった、本当にすまない&hellip;&hellip;」<br />「もう圭ちゃん、私はいいって言ってるんだからこれでおしまいだよ、それとも圭ちゃんのあれは故意にやったていうのかな&hellip;&hellip;？」<br />「ち、違う！？　断じて違う！？　あれは完全な事故なんだ！？」<br />「別におじさんは故意にやったとしてもいいんだよ、まあその時は圭ちゃんがさっきまで見てた夢の状態になるだけだけど」<br />魅音が言い終わった瞬間、再び変態の二文字が脳内を飛び回る。<br />「本当にごめんなさい&hellip;&hellip;」<br />俺は深々と頭を下げた。<br /><br /><br />「もう夜だったのか&hellip;」<br />制服に着替え、分校の外に出た俺は夜空に浮かぶ月を見て唖然とする。どうやらかなりの時間寝てた（気絶してた）らしい。<br />「ほら圭ちゃん、早く帰らないと怒られるよ」<br />「あ、ああ&hellip;&hellip;」<br />後ろから出て来た魅音が俺を急かすように言ってくると自身は俺を置いて前に歩き出す。その時俺はある事に気付いた。<br />なんで魅音はこんな時間まで俺を待っていてくれたんだと。<br />「なあ魅音&hellip;&hellip;」<br />「ん、なに圭ちゃん？」<br />星空の下、魅音がくるりと振り返る。月光が揺れる翠髪を神秘的に輝かし、その美しさに俺の胸が大きくドクンと跳ねる。<br />（なんだ&hellip;&hellip;この感じ？　鼓動がどんどん大きくなる&hellip;&hellip;）<br />俺はかつて感じた事のない何かを感じていた。魅音に対して何かを&hellip;&hellip;。<br />「圭ちゃん、呼んだのに無視すんの」<br />「えっ！？　あ&hellip;&hellip;、その&hellip;&hellip;」<br />何故かいつも通りの話し方が出来なくなっていた。一体なんで&hellip;&hellip;。<br />答えの出ない俺の頭は突然今日一日の出来事を振り返らせる。<br /><br />眼鏡をかけた俺を見て固まった魅音。<br /><br />分校に着くまで俺を見ていた魅音。<br /><br />レナに負けじと弁当を作ってくると言ってきた魅音。<br /><br />事故とはいえ、胸を触った俺を夜になるまで看病してくれた魅音。<br /><br />他にも今日までに俺に対して必要以上にいろいろな表情、仕種、行動をしてきた魅音。<br /><br />それは親友だからやる事なのか。仲間だからやる事なのか。<br />それとも&hellip;&hellip;好きな人だからやる事なのか。<br /><br />『好きな気持ちはこのうえなく恥ずかしい気持ち、だから私は貴方に素直になれない&hellip;&hellip;』<br /><br />朝に読んだ小説の一文。今ならその意味が分かる。<br />だって&hellip;&hellip;今の俺がそうなのだから。<br />「圭ちゃん？」<br />ならどうすればいい？　魅音の気持ちに気付き、自分の気持ちに気付いた俺はどうすればいいのか。そう悩んだ時、あの雑誌の内容が思い起こされる。<br />最後の内容を。<br /><br />『好きな事を貴方が知り、自分の意思を確認したなら貴方はその女の子に対し、月下で会おうと言うと良い』<br /><br />（月下&hellip;&hellip;、今はもう月下だよな、それにもう会っているし&hellip;&hellip;、また会うなんておかしいし、一体どういう&hellip;&hellip;ん？　まてよ&hellip;&hellip;こうしたら&hellip;&hellip;あっ！？）<br />「圭ちゃん！」<br />「うわっ！？」<br />「もう何ぼーっとしてんのさ、早く帰らないと本当に怒られるよ」<br />頬を膨らまし、苦言を言ってくる魅音。そんな魅音に対し、俺はある決心をした。<br />今まで魅音の気持ちに気付けなかったお詫びと言うわけではないが、俺は自分の抑えられない想いを恥を捨てて叫んだ。<br />「み、魅音！！」<br />「な、なに？　いきなり大声出して&hellip;&hellip;？」<br />「お、俺は&hellip;&hellip;俺はお前と月下で会いたい！！」<br />叫び終わった俺は走り出した。無我夢中で。<br />「け、圭ちゃん！？　何言ってるの！？」<br />後ろで叫ぶ魅音の声に答えず俺はただその場から走り去る。もうその場にいるだけで心臓が爆発しそうだった。<br />「なんなのさ～&hellip;&hellip;、月下で会うってもう会ってるじゃん、それになんで月の下で会わなきゃって&hellip;&hellip;ん？　月の下で会う&hellip;&hellip;月&hellip;会う&hellip;&hellip;月会う&hellip;&hellip;付き合う&hellip;&hellip;っ！？　ちょっ、ちょっと圭ちゃん！？」<br />言葉の真意に気付いた魅音も走り出す。全速力で。　<br /><br /><br />「だーーっ！？　なんで追い掛けて来るんだよ魅音！？」<br />「あ、あんな状況で一人にしないでよ！？　ていうかさっきの言葉の意味って！？」<br />「そ、そのまんまの意味だよ！？　俺はお前が好きになっちまったんだからな！？」<br />「ちょっと！？　なんで走りながら告白してるのさ！？」<br />「恥ずかしいからだ！！」<br />「圭ちゃんのヘタレ！！」<br />「ヘタレで結構！！」<br />「なっ！？　じゃ&hellip;&hellip;じゃあ私もヘタレになる！！　私だって圭ちゃんが好き！！　大好き！！　私こそ月下で会って下さい！！」<br />「う、うわああぁぁ！？」<br />俺達は走り続けた。お互いの想いを叫び、恥をばらまき、喜びに湧きながら月光に照らされている雛見沢の道を。<br />ただひたすら&hellip;&hellip;。翌日俺達の叫びを聞いた村人達による凄まじい恥辱の惨劇が待っているとも知らずに&hellip;&hellip;。<br /><br /><br />『完』</p></p>
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		<title>ペパーミントのチョコTips　その３、その４</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/069#tm1253538517</link>
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		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sat, 31 Jan 2009 02:41:53 GMT</pubDate>
		<author>KK23</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
～その３～　誤解がいっぱい<br>
「あ、母さん、来てたんだ。」<br>
「おや魅音、鬼婆様に何か用かい？」<br>
「え？　あ～、え～っと......。　あははははは！」<br>
「笑って誤魔化すって事は何か後ろめたい事でもあるんだね？　正直に言いな。　何やらかした？　母さんは嘘が嫌いだって知ってるだろ？」<br>
「うう......。　いや、別にやらかしちゃいないけど、その～......。　ほら、最近勉強尽くしでちょっと疲れちゃったかな～って。」<br>
そうなのだ。　夏休みが終わってからこっち、私は受験に備えて勉強尽くしの毎日を送っていた。<br>
 圭ちゃんが家庭教師をしてくれてて、毎日何時間も一緒にいられるのは嬉しいけど、流石に勉強ばっかじゃ堪えるよ。<br>
 特に母さんは一日に何回もちゃんと勉強しているか覗きに来るから凄いプレッシャー。<br>
 母さんがこんなに教育熱心だなんて全然思わなかった......。<br>
 母さんに内緒で婆っちゃに息抜きさせてとお願いしようとしたんだけど、よりにもよって母さんに出くわすとは......。<br>
「ふ～ん。　それで、どうしたいんだい？」<br>
「え？　い、いやぁ～。　普通さ、中学三年生って修学旅行とかってあるんじゃないかなぁ～とか、思ったり思わなかったりして......。」<br>
「旅行に行きたいのかい？　でも三年生はあんた一人だろう？　まさか一人で行くなんて間抜けな事するわけじゃないだろうね？」<br>
「な、流石にそんな事はしないよ！　折角だから分校生徒全員を対象にして......　」<br>
「あんた、他の家が簡単に旅行行ける程金持ちじゃないって事くらい分かってんだろう？　その辺どうするつもりなのさ？」<br>
「そこを婆っちゃに融通してもらえないかなぁとか、......やっぱり、ちょっと図々しい？」<br>
「ふぅ～ん......。　もちろん、圭一君も一緒なんだよね？」<br>
だから分校生徒全員だって、言ってんじゃん。　なのに、圭ちゃんを特に指名とは、......もしかして母さん、旅行先でも圭ちゃんとしっかり勉強するかって聞いてんのかな？　ううう......。<br>
「も、もちろん......」<br>
嘘を付いた後のリスクを考えると恐ろしいので、ちょっとモジモジしながら尻すぼみになってしまった。<br>
 旅先で勉強する気は更々無い。　しかし、確かめる術は皆に聞いて回るくらいしかないだろうから、口裏を合わせてもらえれば何とかなる。　頼み込むか、罰ゲームで強制させるか、うん。　なんとかしよう。<br>
「そうかい！　そうかい！　ついに勝負をかける気になったんだね！　母さん嬉しいよ！」<br>
げげげ！　母さん、そこまで勉強合宿に期待してんの？！　こりゃ口裏合わせてもらうにも、"徹夜で寝かせてもらえなかった"、位に話を大げさにしとかないと駄目かな？<br>
「が、頑張るよ、私......」<br>
またもやモジモジしながら尻すぼみに応えてしまう私。　真意がばれない事を切に願う......。<br>
 そんな私の回答に、母さんは満面の笑みを浮かべて、婆っちゃへの口添えを約束してくれた。<br>
 ちょっとだけ、良心が痛んだ。  ----------------------------------------------------------------------------------------------------<br>
 ～その４～　魅音ちゃん、パニック！<br>
母さんの口添えもあって、奇跡的に分校生徒全員分の旅費を確保した私は、後にあるであろうややこしい事情は一旦忘れて、喜び勇んで皆に修学旅行の件を話した。　ふっふっふ！　皆のその驚いた顔がなんとも言えないねぇ！<br>
 行き先は、一昨日の夜から散々悩んだ挙句、東京に決めた。　圭ちゃんの住んでたところを見たかったってのもあるし、......もう一度、行ってみたいところもあったし。<br>
 そう、次期当主選定の直前、私たちは一度だけ東京に行った事があったんだ。その時の私はまだ"詩音"で、当主の座を継ぐ事になる"魅音"に思い出を作ってあげるための旅行だった。<br>
 趣旨がそんなだったから、私は折角の旅行だというのに、ちょっと蔑ろにされてて、拗ねてフラフラしてたら迷子になっちゃったんだ。　あの時、そんな私に優しくしてくれた男の子がいたんだよね......。 　幼いながらもあれって私の初恋だったような気がする......。<br>
 でも、今私が好きなのは圭ちゃんだけ！ 　この旅行を機にあの時の男の子への気持ちを整理して、私は圭ちゃん一筋に生きるのだ！  　でもまあ、折角一週間も休みをもらえたワケだし、過去の思い出なんかだけじゃなくって、昨日半徹で行きたい場所リストを作ってみた。　これで新しい思い出を圭ちゃんと作るのだ。<br>
......<br>
「あれ？　魅ぃちゃん、この"目つきの悪い犬の居る神社"って何かな、かな？」<br>
レナの奴、やっぱり鋭いというか、人が特別な思いを込めて書いたものは目ざとく見つけるなぁ。<br>
「一体なんです？　お姉？　東京って、雛見沢みたいに神社一つってわけじゃないんですよ？　そんな曖昧な情報で特定できるわけないじゃないですか。」<br>
詩音んん～～～！<br>
「オヤシロ様を裏切って、他の神様に懸想している魅ぃには祟りが下るのです。　にぱ～★」<br>
 「オヤシロ様はそんな事で祟りなんか起こさないのですよ！　梨花は巫女失格なのですっ！」<br>
はっはっは！　梨花ちゃん、用があるのはそこの神様じゃなくって、その近所の犬と男の子なんだよね。<br>
 雛見沢の人間はオヤシロ様を裏切ったりなんかしないって！<br>
「ん～、実はさ、小さい時に一度だけ東京に行った事があるんだけど、そこでなんか良い事があったような気がするんだよ。　神社の名前とか、地名とか全く覚えてないのが不覚なんだけど。」<br>
「"何か良い事"って、良い事の内容まで忘れてしまったんでございますの？　魅音さん、それってちょっと抜けているにも程がありませんこと？」  「むー、沙都子、最近ほんとに物言いが詩音に似てきたー。」<br>
い、言えるワケないじゃん。圭ちゃんの前で、昔だけど他に気になる男の子がいるだなんて事......。<br>
 でも、実際あそこを特定する情報が何にもないのも事実なんだよねぇ......。<br>
 あ、そうだ。　元都民なら......<br>
「......圭ちゃんはこの神社に心当たり......」<br>
ん？　あれ？<br>
「って、何？　顔真っ赤にして？」<br>
......もしかして、圭ちゃんにも好きな子がいたとか？<br>
 ......<br>
 ......よし、この際だ。　聞いちゃおう。<br>
 事と次第によっては、私も"何か良い事"を思い出しても良いし。<br>
「はは～ん、東京に置いてきた彼女の事でも思い出してるのかなぁ～～？」<br>
「そ、そんなんじゃねぇよ！」<br>
そんな、どもりながらの言い訳が通用するだなんて、よもや思ってやしないよね？　圭ちゃん。　逃がさないよ。<br>
「圭ちゃんのモトカノの話、聞きたい人ー！」<br>
「って、違うって言ってるだろぉお！！」<br>
はっはっは！　さあ、話してもらおうか！ 　シラをきり通すってんなら、部活で白黒つけるよ。　もちろん、追加の罰ゲーム付きで！<br>
 ......いや、むしろ、そうしたい。<br>
 仲間たちの誰かならいざ知らず、私の知らない誰かを好きだなんて、ちょっと許容出来ない。<br>
 思いっっきし！　厳しいの、食らわせてやる！ 　話さないなら......<br>
「......分かった。話す。」<br>
むむむ！　圭ちゃん、大分読めるようになって来たじゃん。<br>
 ま、まあ、この圭ちゃんの進歩が今の私達と築いてきた絆なんだって思うと、ちょっと嬉しい。<br>
 まだ見ぬ圭ちゃんが気にしているであろう女の子への優越感も沸くというもの。<br>
 ちょっとニヤリとしてしまった。<br>
「言っとくが、ずいぶん小さい頃の話だから、彼女とか、そういうんじゃないぞ。」<br>
あ、そうなの？　ちょっと安心。<br>
 じゃあ、拝聴しようかね。<br>
...<br>
 ......<br>
.........え？<br>
............え？<br>
...............えええええええええ？！<br>
けっけけけ、圭ちゃんがあの時の男の子ぉおお？！！！<br>
 し、ししかも、はははははははははははちゅこいぃぃぃぃぃい？？！<br>
 あへはひゃふへほ％＆＊＃）（！<br>
あ、いけない、怪しい行動とっちゃダメだ、え～と、あ、そうだ、笑って誤魔化そう。<br>
 あっひゃっひゃっひゃ！<br>
......笑うなって、おこられちゃった。<br>
.........は～～～～～～～～～～<br>
うふ、うふふふふふふふフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ<br>
............<br>
...<br>
......<br>
......ん？　そっか、圭ちゃん、流石にそれが私だって、気付いてないのかぁ。<br>
 ......ちょっと残念。<br>
...<br>
......<br>
む～～～～！　圭ちゃんが鈍感とか言うなー！！<br>
......でも、やっぱり嬉しいなぁ。<br>
 圭ちゃんがあの男の子だったって事も嬉しい驚きだけど、何より圭ちゃんもあの時の思い出を大事にしていてくれたんだぁ......。<br>
だ、駄目だ。　ニヤニヤが止まらない......。<br>
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
ん？<br>
「おんやぁ？　圭ちゃん、レナに何かいけない事したのかい？　そんじゃあ罰ゲームだぁ～！」<br>
そうだなぁ～、圭ちゃん、アレが私だって、忘れてるんだし......　よし。<br>
「つーかさ、圭ちゃん、そんな名前も覚えてないような子にはアイスクリームおごって、 　私達には何にも無いワケ？　そりゃ部活メンバーに対する仁義って奴に欠けんじゃないの～？」<br>
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ<br>
「はい！　圭ちゃんの今日の罰ゲームは、皆にアイスクリームをおごる事ー！ 　いやぁ、今日は暑いし！　楽しみ～！」<br>
アイスクリーム食べてる表情で、圭ちゃん、思い出してくれないかな？<br>
本当に、楽しみ！<br>
&nbsp;<br>

</div>

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>プチ魅音ちゃん</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/068#tm1253536258</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/068</guid>
		<category>イラスト部門</category>
		<pubDate>Wed, 28 Jan 2009 15:21:44 GMT</pubDate>
		<author>蜀天</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<a title="20090128120526.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/20090128120526.jpg" class="tag image small"><img alt="20090128120526.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/20090128120526.jpg.jpg"></a><br>
ちっちゃくてかあぃい魅音を目標に描いてみました。少しでも可愛いと思ってもらえたら幸いです（汗<br>
しかしデフォルメって簡単なようで難しい&hellip;&hellip;、絵って本当に奥深いです。<br>

</div>

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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>UNHAPPY!  happy new year!!</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/067#tm1253539114</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/067</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Wed, 28 Jan 2009 10:11:31 GMT</pubDate>
		<author>トロイメライ魅ぃ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
　「えへ&hellip;えへへ&hellip;&hellip;&hellip;」　<br>
　「お姉ぇ、どうしたんです？〝ゆるキャラ〟が、さらにユル～～くなってますよ&hellip;って、聞こえて無いみたいですね。あ、ヨダレ&hellip;&hellip;（汗）」　<br>
　「へへ&hellip;&hellip;ンあっ！？」　<br>
　乱暴に口の周りを拭かれる感覚で我に返る&hellip;テーブル向こうの詩音が、ティッシュを片手に身を乗り出して拭いていた。　<br>
　「あ&hellip;ごめん、詩音」　<br>
　「で&hellip;今日は、一体何があったんです？まあ、お姉ぇをここまで〝ゆる～～く〟させる事なんて&hellip;」　<br>
　ヨダレを拭いたティッシュをゴミ箱に入れながら、横目で私を見る詩音&hellip;横目と言うより〝ジト目〟の方が近いかも。　<br>
　「ゆる～～くって&hellip;ヒトを〝ご当地キャラ〟みたいに&hellip;」　　<br>
　「〝ゆる～～く〟というか〝壊れて〟ましたとも！ココに来てからずっと、顔がヤニ下がっているじゃないですか！！直ぐに、自分の世界に入り込むし&hellip;頭の中が〝春爛漫〟って感じですね」　<br>
　何か酷い事を言われている様な気がしないでもないが、今の私には気にならない。だって、昨日&hellip;&hellip;えへへ&hellip;♪　<br>
　「&hellip;重症ですね。まあ、お姉ぇをここまで〝壊す〟事なんて『１つ』しか思い浮かびませんけど&hellip;&hellip;」　<br>
　十中八九〝呆れた顔〟と答える表情で、ティーカップを手に取り、一口飲んで一言&hellip;　<br>
　「&hellip;圭ちゃん」　<br>
　ビクッ！　<br>
　「な！な！！な！！！何で&hellip;けけけ〝圭ちゃん〟が出て来るのかな？詩音」　<br>
　「魅音&hellip;吃りながらしらばっくれても、説得力が皆無。どうせ、昨日&hellip;圭ちゃんと〝何か〟あったんでしょ？」　<br>
　ビクビクッ！　<br>
　私の反応に確信を得た詩音が〝ニヤソ〟と笑う。何で部活での〝ポーカーフェース〟は得意なのに&hellip;〝圭ちゃんの事〟となると、身体が素直に反応してしまうんだろう？いや&hellip;その前に、何で詩音には隠しきれないんだろ？　<br>
　「ん～？何があったのかな？ほれ、お姉さんに話してみなさい♪」　<br>
　詩音の顔は&hellip;笑顔なのだが、目だけがニヤけていた。まるで、楽しいオモチャを見つけた時の様に&hellip;　<br>
　「&hellip;&hellip;&hellip;〝黙秘権〟を行使します」　<br>
　覗き込む詩音の視線から逃れる様に、私は〝あさっての方向〟に顔を背けた。　<br>
　「ん～？」　<br>
　「&hellip;&hellip;&hellip;（プイッ）」　<br>
　「&hellip;ん～～？」　<br>
　「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;（プイッ）」　<br>
　「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;ン～～！（怒）」　<br>
　「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;（汗）」　<br>
　目をギラギラさせてテーブルから〝ズズイッ！〟と身を乗り出してくる詩音と目を合わさない様に顔を背ける私&hellip;気のせいか、段々と詩音の背後から〝黒い何か〟が垂れ流れてきている気が&hellip;　<br>
　「そうですか&hellip;言いたくないですか&hellip;仕方がありません、この手は使いたくは無かったんですが&hellip;&hellip;」　<br>
　身を乗り出して来るのを止めて座り直した詩音は、座っているクッションの下から１冊の〝皮表紙の本〟を取り出した。　<br>
　〝何だろ、あの本&hellip;『つい最近』見た様な気が&hellip;どこだっけ？〟　<br>
　私が思考の海に入水している間に、詩音が表紙を開けページをめくる音が聞こえてくる。　<br>
　「&hellip;&hellip;あ、この辺りが良いですね。　<br>
　〇月&times;日　<br>
　今日の部活は、室内で〝大富豪〟。罰ゲームは〝メイド服を着て、皆の家まで荷物持ち〟と言う事になり、やっぱり圭ちゃんが最下位。　<br>
　メイド服を着た圭ちゃんを見て、お持ち帰りぃぃぃ！と暴走するレナを押さえながら&hellip;実は、私の〝乙女のハート〟も暴走しそうだった。もし、私が〝お持ち帰り〟したら&hellip;家中の鍵を閉めて、ギュッと抱き締めながら頬擦ｒ『ぎゃあぁぁぁ！！！なななななななに！なに！！なに！！！　何、ヒトの日記を読んでんのよ！！！！！』&hellip;やっと気付きましたか？」　<br>
　見覚えもヘッタクレも無い&hellip;あれは、私のの日記帳だ。それも&hellip;ヒトには見せられない程〝圭ちゃん萌え〟している内容を書き綴っているシロモノ&hellip;（汗）　<br>
　詩音は、これの存在を知らない筈。しかも、見つからない様に机の引き出しの奥の方に隠して&hellip;引き出しには鍵まで掛けていたのに！　<br>
　「うわ！〝日記の中〟ではラブラブですねぇ&hellip;甘過ぎて、無糖の紅茶が丁度良い位ですよ」　<br>
　「う、うっさい！ヒトに無断で持出して来て&hellip;返してよ！！」　<br>
　詩音から日記を奪い返そうと、私はテーブルから身を乗り出して手を伸ばす。日記に手が届く瞬間&hellip;詩音は私の手から逃れる様に立ち上がると、玄関の方に向かって歩き出そうとする。　<br>
　「ちょっとぉ！日記を持って何処行こうとしてるのさ！！」　<br>
　「いえ&hellip;圭ちゃんの家で朗読会をしようと思いまして。お姉ぇ、留守番お願いしますね♪」　<br>
　え？&hellip;朗読会？&hellip;何を？&hellip;&hellip;&hellip;え゛！？　<br>
　「うきゃあぁぁぁ！！！あ、あ、あ、あ、アンタ！一体、何をしようとしてんの！！！！」　<br>
　「お姉ぇからは〝面白い話〟は聞けませんでしたが、〝面白いモノ〟を見つけましたから♪この喜びを圭ちゃんと分かち合おうと思いまして&hellip;」　<br>
　私の頭に〝圭ちゃんの前で、感情を込めて日記を読み聞かせする詩音〟の姿がリアルに浮かび上がる。コイツは絶対にやる！このまま行かせたら、誰が何と言っても絶対にやる！！そして、それを聞かされた圭ちゃんは&hellip;&hellip;&hellip;考えたくない（汗）　<br>
　「いやぁぁぁぁ！！！言います！話します！！だから、朗読会だけは止めて下さいぃぃぃ！！！！（激涙）」　<br>
　脚にすがりついて懇願する私。圭ちゃんに〝あの〟日記を読まれたら&hellip;生きて行けないよ　<br>
　「分かれば良いんです、分　か　れ　ば♪　まったく&hellip;世話のやける〝妹〟ですねぇ」　<br>
　勝ち誇った様に私を見下ろしていた詩音は&hellip;私が何か〝我が儘〟を言ったみたいに溜息をついて、クッションにドサッ！と座り直した。確か私は〝被害者〟の筈なのに&hellip;何でこんな事を言われなきゃいけないの？　<br>
　「ん～ふふふ♪さあ！私の気が変わらないうちにチャッチャと吐いて下さいね」　<br>
　「えっと&hellip;その&hellip;&hellip;あの&hellip;&hellip;」　<br>
　喉元にサバイバルナイフを突き付けられているみたいに〝生殺与奪権〟を詩音に握られている訳だけと&hellip;内容が内容だけに、なかなか話せる状況じゃ無い。そんな状況に焦れて来た詩音は&hellip;　<br>
　「&hellip;&hellip;ちょっとＴＥＬして来ますね。えっと&hellip;圭ちゃんのＴＥＬ番は&hellip;っと」　<br>
　「！！！！！！言います！言いますから！！（０．２秒）」　<br>
　これ以上引き伸ばしても精神的＆肉体的苦痛は増すばかりと悟った私は&hellip;昨日、元旦に圭ちゃんを家に招待した事を〝仕方なく〟白状した。　<br>
　「へぇ～、お姉ぇもやりますねぇ。レナさんにけしかけられた形ってのが〝お姉ぇらしい〟と言うか&hellip;何にせよ、ヘタレのお姉ぇにしては〝偉大な１歩〟ですよ」　<br>
　「&hellip;&hellip;なによぉ～、その言い方は&hellip;」　<br>
　褒めているのか貶しているのか&hellip;多分、９９％の確率で〝面白がっている〟と思う。うん、これは懸けても良い&hellip;だって、澄した様にお茶を飲んでいるけど&hellip;目がいやらしく笑ってる。　<br>
　「で&hellip;お姉ぇは、圭ちゃんを家に招待して〝どうするつもり〟なんです？」　<br>
　「そりゃ&hellip;わ、私の作ったおせちを食べて貰うんだよ&hellip;キャッ」　<br>
　私の答えに、顎が外れた様に口を大きく開ける詩音。そして、喉から搾り出す様に&hellip;　<br>
　「そ、それだけです&hellip;&hellip;か？」　<br>
　「うん、そうだけど&hellip;他に何か？」　<br>
　私がそう言うと、詩音は両腕を机の上に置いたまま俯いてしまった。心無しプルプル震え出した。何か、背中から〝瘴気〟も漏れ出している様な気が&hellip;　<br>
　バンッッ！！！！　<br>
　急にテーブルを強く叩いて、詩音が起き上がった。目は血走って、漏れ出していた〝瘴気〟は致死量レベルに達している&hellip;　<br>
　「良くまあ、悠長なを言っていられますね！相手は〝口先の魔術師〟！！雛見沢で見境なく〝フラグ〟を立て捲っている圭ちゃんです！！　<br>
レナさんを筆頭に&hellip;梨花ちゃま、沙都子、羽入&hellip;もしかしたら、知恵先生まで毒牙にかけているかもしれない〝あの〟圭ちゃんですよ！！！〝友達の契り〟を交わしてしまったが為に&hellip;後発になってしまったお姉ぇには、厳しい状況になっているという事を分かってます！？　<br>
レナさん達は、あと１年も圭ちゃんと一緒に居られますからアプローチし放題！それに対して、お姉ぇは&hellip;もうすぐ卒業してしまうんですよ！！〝ギ〇ス〟だろうと〝ト〇ンザムシステム〟だろうとなりふり構わず使わなきゃ『約束の樹』の下で告白出来ないんです！！！そんな状況で　<br>
　『一緒におせちを食べる〝だけ〟』　<br>
　&hellip;まるで、３ヶ月も連載しているのに、話の中では１日も経っていない　<br>
　〝ジ〇ンプのバトル物〟　<br>
　に匹敵する程のトロさ&hellip;そんなので、あの〝鈍感キング〟に理解しろと言う方が無理です！！！！みすみす、レナさん達にチャンスを与えて良いんですか！？そんなだから、お姉ぇは　<br>
　〝ＰＣ版じゃ攻略出来なかったのに&hellip;コンシュマー版じゃ、全クリ後の『おまけシナリオ』で漸く攻略出来る様になった　<br>
　『美少女ゲームのヒロイン』　<br>
　みたい〟　<br>
　と言われるんです！！！少しはメインキャラに昇格しようとは思わないんですか！？　<br>
　そんなヘタレは　<br>
　〝〇原（ゲーム版）ｓｅｃｏｎｄ〟　<br>
　と呼んでやろうかぁぁぁぁ！！！！」　<br>
　バン！バン！！バン！！！　<br>
　激しくテーブルを叩きながら顔を近付けて来る詩音の〝なんとも言えない迫力〟に、私は気付かない内に後ろへズリ下がっていた。おまけに、微妙に全身が震えている様な&hellip;　<br>
　「い、いや&hellip;言いたい事は解るんだけどさ&hellip;言っている事が、半分以上理解出来ないと言うか&hellip;（汗）　<br>
　昇格も何も&hellip;私〝ひぐらし〟の『メインキャラ』だから&hellip;　<br>
　それと　<br>
　〝春〇（ゲーム版）ｓｅｃｏｎｄ〟　<br>
　は、やめて下さい。〝何故か〟泣きたくなってくるから&hellip;」　<br>
　震える身体を押さえながら、ふと思った。　<br>
　〝詩音と圭ちゃんは同じ人種ではないだろうか？〟　<br>
　自分の守備範囲の話になると&hellip;２人ともヒートアップして、訳分からない事を口走るから&hellip;（汗）　<br>
　「お姉ぇは〝男の子のコト〟を知る必要がありますね。えっと&hellip;確かコレに&hellip;」　<br>
　詩音はベッドの上に投げてあった雑誌を持出すと、ページをペラペラめくり出した。　<br>
　「えっと&hellip;あ、あった！お姉ぇは〝コレ〟を見て勉強しなさい！！」　<br>
　詩音が開いたページには&hellip;　<br>
　『気になる彼のキモチをＧｅｔしてＬＯＶＥ&times;２になろう！』　<br>
　の見出しがデカデカと書いてあった。詩音の部屋にはよく来るけど、雑誌とかは見た事無かったな&hellip;へぇ～、こんなのがあるんだ。内容は&hellip;あ、手作りの料理はポイントＵＰだって♪&hellip;え！？彼にしか見せない〝オシャレ〟は、鈍感な彼にでも有効！？&hellip;ええ～ッ！そんな事もするの！！　<br>
　熱心に記事を読む私の背中に軟らかい感触&hellip;気が付くと、詩音が抱き付いてきていた。　<br>
　「ふっふっふ♪じゃあ&hellip;〝圭ちゃんの為〟に『特訓』しましょうか、お　姉　ぇ♪」　<br>
　「ふぇっ！？何で？」　<br>
　「いやですね～、圭ちゃんとの仲が上手くいく様に&hellip;との〝優しい〟妹心ですよ」　<br>
　&hellip;嘘だ。私の〝第六感〟が危険と判断している。コイツは絶対に私で遊ぶつもりだ！　<br>
　「い、いや&hellip;詩音も忙しいでしょ？だから&hellip;」　<br>
　「〝嫌だ〟と言うのなら、日記を朗読したカセットテープを圭ちゃんに送りますので&hellip;そのつもりで。さあ、頑張りましょうね♪」　<br>
　私に逃げ道は存在しない様だ&hellip;<br>

</div>

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>この手の中に君の似姿</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/066#tm1253364553</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/066</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Tue, 27 Jan 2009 14:13:23 GMT</pubDate>
		<author>綾月そらひ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<div class="entry_body entry-body">
		<p class="ni"><p><br />　ぴんぽーん。<br />「はいよー」<br />　チャイムが鳴って、俺はバタバタと玄関へ急いだ。親が居ないから俺が出なきゃならない、というだけではなくて、俺の客であることが分かっていたからだ。<br />「よぉ、お疲れさん、魅音」<br />「ホントだよもう、疲れたよーーぉ」<br />　玄関を開けるとそこにいたのは予想通り、魅音だった。疲れ切った表情で、両手には大きな買い物袋。俺が頼んだ買い物だ。<br />「しょうがないだろ？　罰ゲームなんだからさ」<br />「そりゃもちろん分かってるよ。でも疲れたものは疲れたの！」<br />　どさっと、魅音は玄関先に買い物袋を置いた。俺はお袋に頼まれていた買い物メモを取り出して、中身を確認する。&hellip;えーっと、うん、全部ある&hellip;よな？<br />　俺には理解できない注意書きもされていたメモは、買ってきてくれたものを見てもよく分からなかった。魅音のことだから、ズルをしてるとかはないだろうが。<br />　&hellip;と、確認する俺をじっと見つめる視線があることに気づく。<br />「な、なんだよ？」<br />「いや、圭ちゃん、本当に分かってるのかなぁ、と」<br />「&hellip;&hellip;魅音。これを冷蔵庫に仕舞うの、手伝ってくれ。手伝ってくれたら、疲れた魅音に冷たいお茶を入れてやる」<br />「圭ちゃんにそう言われちゃぁ、しょうがないなー。手伝ってあげる♪」<br />　妙に楽しげに、魅音はいそいそと靴を脱いで玄関に上がった。<br />　&hellip;そういえば、我が家に魅音を入れるのは初めてじゃないだろうか。初めて入る人の家って、楽しいよな。うちは見かけはでかいし、探険のし甲斐もあるってものだろう。&hellip;うん、たぶん、そんな理由だ。俺はそれとはまた別の理由で、ちょっとドキドキしてたりするが。<br />「で、圭ちゃん、台所はどっち？」<br />「あぁ、そっちで合ってるぞ」<br />　俺と魅音は買い物袋をひとつずつ持って、台所へ向かった。</p><br />
		<p>　買い物の中身の確認は魅音に手伝ってもらって、順調に終わった。冷蔵庫や棚に仕舞うのも、人の家だというのに何故か魅音には定位置が分かるらしく、あっという間に終わる。&hellip;恐るべし、園崎魅音。<br />　最後に魅音が買い物袋から取り出したのは、台所用品ではなかった。小さいが重そうな紙箱だ。上部に持ち手が付いている。<br />「はい、これで最後。洗濯石けん・無香料ね。圭ちゃんのおばさまって、石けん派なんだねー」<br />「&hellip;石けん派？」<br />「これ、洗濯機用の石けんだよ。石けんだと石けんカスがたくさん出るから大変でしょ？　だから最近じゃぁ、洗濯機用の液体化学洗剤が主流なの」<br />「ふーん？」<br />「ま、化学洗剤なんて、何が含まれてるか分かんないからねぇ。洗濯石けん、しかも無香料となると、おばさま、自然主義なのかな」<br />　魅音は一人でうんうんと頷いている。&hellip;俺にはよく分からないが。<br />　とにかくそれで最後なので、俺は食器棚からコップを２つ出すと、冷蔵庫でよく冷やした麦茶を注いだ。ひとつを魅音に手渡す。<br />「ほい、魅音」<br />「ありがと。疲れた後のこの一杯がおいしいんだよねー」<br />「&hellip;それ、ただの麦茶だぞ」<br />　まるで仕事の後のビールを飲んでいるかのような魅音の台詞にツッコミを入れながら、俺は自分の分を飲み干す。<br />「でも、おかげで早く終わったよ。さんきゅーな」<br />「へへーん。こんなのおじさんにかかれば軽いもんだよ」<br />　魅音はちょっと自慢げに胸を張る。&hellip;そういう仕草が、すごく魅音らしい。<br />「じゃ、俺はこれ、洗濯機の横にでも置いてくるから。のんびりしててくれ」<br />「はーい。いってらっしゃーい」<br />　魅音は返事をして、物珍しそうにきょろきょろと部屋の中を見ていた。&hellip;まぁ台所や居間はいつもそれなりに片付いてるし、多少漁られたところで大丈夫だろう。</p><br />
		<p>　我が家の洗濯機は、風呂場の脱衣所にある。風呂のお湯を再利用するとかで、その位置なのだ。脱いだものをそのまま置いておけばいいので、俺にとっても楽な配置だった。<br />　えーっと、たしかこの棚に洗剤を入れていたはず&hellip;、&hellip;お、ここかな。<br />　もうほとんどカラになっている「洗濯石けん・無香料」を見つけて、その隣に新しいのを置く。&hellip;無香料って言うからには、香料付きのもあるんだろうな。俺が買い物に行ってたら、間違ってそっちを買ってそうだ。魅音に行ってもらえて助かった。<br />　&hellip;罰ゲームだから魅音に全部任せちゃったけど、本当は、魅音一人に任すんじゃなくて&hellip;&hellip;、<br />　そのとき、廊下の向こうから魅音の声が聞こえた。<br />「圭ちゃーん。圭ちゃんの部屋って、２階ー？」<br />「あぁ、そうだけど&hellip;、&hellip;って、おい、まさか&hellip;！」<br />　反射的に大声で言い返してしまって、途中で気づく。あの悪戯好きの魅音が、俺んちに来て一人待たされて、何もしないなんてことあるわけない&hellip;！！</p><br />
		<p>　俺は慌てて廊下を疾走し、居間に戻る。ぐるりと見回したが、魅音は居ない。階段の方を振り返ると、ちょうど魅音が階段をそろそろと上り、２階へ辿り着こうとしているところだった。<br />「まっ、待て、魅音！　２階へは行くな！」<br />「やーだよー。私を一人にした圭ちゃんが迂闊だったね！」<br />「確かに俺もそう思うが、俺の部屋には入るな！　きっ、汚いから！　片付けとかしてなくてすげぇ汚いから！！」<br />「くっくっく、上等上等。ベッドの下とか押し入れの中とかは見ないからさ～」<br />　思春期の少年がアレなものを隠しているお決まりの場所を告げて、魅音が嫌らしそうに笑う。<br />　いやっ、そんな場所じゃなくて、もう部屋の襖を開けた瞬間に見える場所にやばいものがあるんだよ！！<br />　本当に迂闊だった！　魅音に買い物を頼むという罰ゲームが決まった瞬間に、アレを片付けておくんだった&hellip;！！<br />　やばい、絶対やばい。アレを見られたら、言い訳なんか出来ない。だが魅音は既に階段の上で、２階の廊下に足を付けている。俺の部屋は２階に上がってすぐの部屋だ。そして俺はまだ１階。<br />　&hellip;間に合わない&hellip;！？！<br />「魅音、頼む！　一生のお願いだ！　その襖を開けないでくれ！！」<br />「あ、圭ちゃんの部屋、ここなんだ？　そう言われちゃぁ、開けないわけにはいかないよねぇ～」<br /><br />　ぐぁぁあ、しまったぁぁあ？！<br /><br />　魅音はわくわくした表情で、襖の戸口に手をかけた。<br />　俺はようやく階段を駆け上って２階に辿り着く。が。その時にはもう魅音は戸を開け放って、俺の部屋の中をきょろきょろと見回していた。<br />　&hellip;もうダメだ。バレてしまう&hellip;！！<br />「まー確かに片付いてはないけど、圭ちゃんがそんなに慌てるほどじゃぁ&hellip;、&hellip;あれ？」<br />　魅音の声が、止まる。視線は、案の定、俺が勉強机に使っているテーブルの向こうの壁だった。<br />　&hellip;あぁぁあああ。バレた。もう死にたい。ていうか死ぬ。<br />　よりにもよって、魅音に見つかるなんて&hellip;！！<br />「&hellip;圭ちゃん、壁にたくさん貼ってあるあの写真、何？」<br />　魅音がひょいと俺を振り返った。&hellip;俺は何も答えられない。<br />　答えない俺に首を傾げて、魅音は部屋の中に入ると、机の前に立って、じーっと、壁に貼りまくっているその写真たちを見つめた。お、お願いだから見ないでくれぇ&hellip;。<br />「&hellip;これ、私たちの写真&hellip;だよね。服装とか背景とかから考えるに、２月か３月くらい？　なんでこんなの持ってんの？」<br />　それらの写真の、とある共通項には、魅音はまだ気づいていないようだった。それよりも、何故、俺が引っ越してくるよりも前の部活メンバーの写真を俺が持っているかの方が疑問だったらしい。<br />　&hellip;魅音が鈍感で助かった。内心で胸を撫で下ろすが、安心は出来ない。だって、パッと見たら分かることなんだよ、その共通項は。あぁぁ、俺、もう死んだ。<br />　俺が相変わらず魅音の疑問に答えないので、魅音はじっと写真を見つめ直した。&hellip;て、適当なことを答えて気を逸らした方がよかったか&hellip;？<br />「&hellip;ねぇ、圭ちゃん」<br />「な、なんだよ」<br />「気のせいかもしれないんだけど、&hellip;その、私が写ってる写真ばっかり貼ってない&hellip;？」</p><br />
		<p>　&hellip;&hellip;気づかれた。</p><br />
		<p><br />　その人に会ったのは、先日、たまたま一人になった帰り道だった。<br />　雛見沢では見慣れない、少しガタイのいい男性。道ばたに自転車を止めて、カメラ片手に、木に留まっている野鳥をじっと見つめていた。<br />　ふと目が合ったので軽く会釈すると、向こうから声をかけてきたのだ。<br />「やぁ、こんにちは。君は雛見沢の人かい？」<br />「そうですけど&hellip;。どちらさまです？」<br />「僕は富竹。フリーのカメラマンさ。雛見沢にはよく来るんだけど、君とは初めて会うよね」<br />「&hellip;まぁ、最近引っ越してきたところなので」<br />「そうなのかい！　住んでる人に言うのもなんだけど、雛見沢はいいところだよ。移り変わる自然が綺麗でねぇ、何回来ても飽きないよ。いつも違う顔を見せてくれる」<br />　富竹と名乗ったその人は、嬉しそうに語った。<br />　最初は妙に馴れ馴れしい人だな、と思ったんだが。雛見沢の良さを分かってる人に悪い人はいないよな、と思ったんだ。<br />「&hellip;写真家さんなんですか？」<br />「写真家を目指して投稿を繰り返してると言った方が正しいんだけどね、あっはっは。主に野鳥や自然を撮ってるよ」<br />　じゃぁ、雛見沢の素晴らしい自然とか、そういうのを撮っているんだろうな。俺はまだここに来て一ヶ月も経っていないから、この初夏しか知らないけれど。<br />　&hellip;ふと、疑問に思って聞いてみる。<br />「人間は撮らないんですか？」<br />「そんなことはないよ。ここに来た記念に、出会った人たちの写真を撮って、次に来るときに渡したりしてる。&hellip;あぁ、魅音ちゃんとかレナちゃんとか、知ってるかな？」<br />「えぇ、分校のクラスメイトですから」<br />「ちょうど今、前回来たときの写真を持ってるんだよ。会ったときに渡そうと思ってね。ほら」<br />　富竹さんはバッグから小さなファイルを取り出した。カメラ屋さんで現像したときにくれる、小さいアルバムだ。<br /><br />　手渡されたそれをパラパラとめくると、部活メンバーや村の子供たちや老人たちの写った写真が入っていた。季節は冬、なんだろうか。背景は真っ白で、どこで撮った写真なのか全然分からない。<br />「前に来た時って、冬なんですか？」<br />「東京じゃぁもうそれなりに暖かい頃なんだけどねぇ。雛見沢は豪雪地帯だから、雪ばっかりだろう？」<br />　そう言いながらも、富竹さんはこれはどこだとか嬉しそうに解説してくれた。本当に、雛見沢が好きなんだな。<br />　めくっていくと、部活メンバーが、おそらく部活をしてるのだろう、楽しげにはしゃいでいる写真もあった。魅音が雪玉を当てられて、それでも楽しそうに笑っている。<br />「&hellip;あの、富竹さん。この写真、皆に渡すんですか？」<br />「うん、そのつもりだけど？」<br />「&hellip;&hellip;あのー、１枚だけ、もらえないですかね」<br />「え？　いいけど、どれだい？」<br />　富竹さんが不思議そうに聞いてくる。&hellip;そりゃ、自分の写ってない、他人ばっかり写ってる写真なんて、普通はくれとは言わないよな。<br />「&hellip;その、それ&hellip;」<br />　指差したのはさっきの、雪玉を当てられて、それでも笑ってる魅音のアップの写真だった。<br />　写真を示す指先が震える。顔は真っ赤になってるかもしれない。&hellip;それでも、その眩しい笑顔の魅音の写真が、欲しかった。<br />　富竹さんは一瞬きょとんとしたが、俺の顔を見るとニヤニヤと笑った。<br />「あぁ、なんだ、そういうことかい？　じゃぁ魅音ちゃんが写ってるの、全部あげるよ。皆には、今回は忘れてきたって言っておくからさ」<br />「&hellip;え？！　あの&hellip;！」<br />「いいからいいから。皆には次に来たときに渡せばいいけど、君には今必要なものだろう？　何かイベントがない限り、クラスメイトと写真なんて撮らないからねぇ」<br />　富竹さんはアルバムの中から魅音が写っているものを順に取り出して、ひょいひょいと俺に手渡していく。俺は自分の言葉が引き起こしたこの事態に付いていけなくて、顔を真っ赤にしたまま固まっていた。<br />「はい、これで全部かな」<br />「あ、ああありがとうございます&hellip;！」<br />　俺の手に渡されたのは、全部で10枚もない。せいぜい５～６枚だ。それでも、初めて手に入れた魅音の写真だった。<br />「そうだ、君の名前は？」<br />「ま、前原圭一です」<br />「圭一くんか。うまくいくといいね。じゃ、また」<br />「富竹さん！　ありがとうございました！」<br />　俺は自転車で去っていく富竹さんの後ろ姿に、頭を下げた。</p><br />
		<p><br />「&hellip;と、いうわけだ」<br />　何故自分の机の前の壁に魅音の写真ばっかり貼ってるのか、俺はなんとか説明し終えた。多分、顔は真っ赤になってるだろう。<br />　&hellip;あぁ、こんなことで言う羽目になるなんて思わなかった。まさか俺が魅音をそんなふうに想ってるなんて、思ってもなかっただろうな。なんて言われるだろう。あきれられるだろうか。<br />　魅音は説明を聞き終わってもまだ混乱しているようで、しばらく呆然としていた。<br />「&hellip;&hellip;え、えぇっと、じゃぁ、富竹さんが今回現像持ってくるの忘れたって言ってたのは、嘘で&hellip;、&hellip;私の写真は全部圭ちゃんが持ってて、ここに貼られてる&hellip;？」<br />「&hellip;そうだよ」<br />「な、なななななんで？！」<br />　なんで、と来るとは思わなかった。それも全部口に出して説明しろと言うのだろうか。今の段階で、もう顔から火を噴きそうなほどの恥ずかしさで死にそうなんだが。<br />「&hellip;お前なぁ、そんなもん、理由なんて一個しかないだろ？」<br />「えっ、えぇっと、圭ちゃんはポニーテールフェチの変態だったとか！」<br />「違う！！！」<br />　ワケの分からないことを言い出した魅音に、全力で否定する。そんなわけないだろう！　お前だから、お前の写真だからだよ&hellip;！！<br />　それで魅音はようやく「理由」を分かってくれたのか、ぼん、と真っ赤になった。ばたばたと両腕を上下させて暴れる。<br />「ぅえぇぇええ？！　だ、だだだだって&hellip;！」<br />「&hellip;別に返事はいいよ。バレたのは不慮の事故だし。直接言う気はまだなかったし。ここで見たことは忘れてくれていいから」<br />　毎日一緒に登校して、遊んで、一緒に帰る。それだけで満足していたんだ。<br />　それなのに偶然、幸運にも君の写真を手にすることが出来た。<br />　こうやって壁に写真を貼って、&hellip;家に帰ってからも、宿題をするためにノートを広げるたびに君を見つめられる。変かもしれないけれど、それだけでじゅうぶん幸せだった。<br />　だって、出会ってから、まだほんの何週間かで。告げるにはきっと早すぎる。それに、今のこの関係が壊れてしまうのが怖くて、そんな勇気も出なかった。俺は、弱虫なんだよ。<br />　&hellip;だから、こうやって不意に告げる羽目になってしまって、魅音がどう返してくるのか、怖かった。嫌われたらどうしよう、友達ですらいられなくなったらどうしよう。そんなマイナスなことばかりが脳裏に浮かぶ。それならいっそ、無かったことにする方がいい。&hellip;だから、忘れてくれていいなんて、情けない台詞が口から出た。<br />「&hellip;で、でも&hellip;」<br />　魅音は両手を体の前で合わせて、俯く。「でも」だなんて、何に対する逆接なのか。&hellip;怖い。手が汗ばむ。膝がわらう。泣きそうになるのは、なんとか堪えた。<br />「&hellip;&hellip;ごめん。勝手にお前の写真、べたべた貼っててさ。&hellip;気持ち悪いよな。外すよ」<br />「じゃなくて、その&hellip;、えっと&hellip;」<br />「気に障ったんなら、これ、返すから。本当にごめん」<br />「&hellip;ち、違&hellip;」<br />　壁に貼った写真を取ろうとしたとき、魅音がきゅっと、俺のシャツを引っ張った。<br />「な、なんだよ？」<br />　俺は振り返って、魅音を見る。<br />　魅音は俯いたままだったが、意を決したように、か細い声を振り絞った。<br />「&hellip;け、圭ちゃん。&hellip;あの、そ、その私の写真は、圭ちゃんが持っててくれていい&hellip;、ううん、持ってて欲しい、な&hellip;」<br />「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;え？」<br />「だ、だから、こ、今度、富竹さんに写真撮ってもらってよ&hellip;。&hellip;げ、現像できたら、私、それ、もらうから&hellip;」<br />　俺が何故魅音の写真を持っているのか分かっていて、それでもなおかつ持ってて欲しいって、&hellip;いや待て、今、魅音は、俺の写真が欲しいって&hellip;&hellip;。&hellip;えっと、それって、つまり&hellip;。<br />「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;魅音、それ、&hellip;返事&hellip;？」<br />　呆然と呟いた俺に、魅音は顔を上げて、真っ赤な顔のまま、こくんと頷いた。</p><br />
		<p>　膝の力がかくんと抜けて、俺はその場にへたり込む。目に涙が滲んだ。<br />「あ、あはははははは」<br />　マジかよ。やべぇ。嬉しい。なんで、こんな、出会ってからたった数週間で。最高の日が？<br />　いきなり気の抜けた俺を、魅音がおろおろと様子を窺ってくる。<br />「け、圭ちゃん？　どしたの、大丈夫？　そ、それとも私何か変だった？」<br />　へたり込んだ俺の目線に合わせて魅音もしゃがむと、俺の顔を覗き込んできた。<br />　毎日会ってたけど、家に帰ってからもずっと見つめ続けていた、魅音の顔が。少し手を伸ばせば届くほど、すぐ近くにあった。<br />　&hellip;あぁ。これ、夢じゃないよな？<br />　それを確認したくて、俺は手を伸ばして、魅音の頬に触れる。&hellip;途端に、魅音が沸騰した。<br />「け、け、け、けいちゃん？！」<br />「はは、夢じゃない、本物の魅音だ&hellip;」<br />　もう一方の手も伸ばして、両手で魅音の頬を包み込んだ。柔らかくてあたたかい。&hellip;宗教なんて、信じてないけど。もし神様がいるのなら。今は感謝しよう。魅音と出会えたことを。<br />　その魅音は俺が頬に触れた体勢のまま、固まっていた。顔は真っ赤で、はは、ゆでだこみたいだ。たぶん人のこと言えないけどさ。<br />　こんな間近に君と二人で居られて、今日はなんて素敵な日なんだろう。<br />「&hellip;ありがとう、魅音」<br />　その言葉に、魅音も感極まったかのように涙目になって、それから、ふわっと、笑った。&hellip;あぁ、この笑顔も、写真に納めておきたい。ずっと、大事にしておきたい。<br />「カメラが欲しいな」<br />「&hellip;え？」<br />「今の、魅音の笑顔。記憶だけにとどめるには、もったいなさすぎるよ。ちゃんと保存しておきたい」<br />「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;っ」<br />　魅音がまた固まる。&hellip;照れてるのかな。今まで、皆の前ではこんなに狼狽えているところは見たことがない。初めて見る魅音だった。<br />　&hellip;あぁ、こんな魅音が見れるのなら。バレて良かった。&hellip;受け入れてもらえて、本当に良かった。<br />「前に一緒に虹見たときもさ、思ったんだ。カメラがあればな、って」<br />　あのとき既に、俺の心は魅音に奪われっぱなしだった。ほんのわずかな時間だけど魅音と二人で居られて、いつもより少しだけ魅音が近くて、&hellip;そんな時間が終わってしまうのが惜しかった。だから精一杯の勇気を振り絞って、なんでもないフリをして手を取ったんだ。<br />　それ以上のことなんて、とてもできなかったけれど。それでも二人だけで見た虹は、忘れたくなかった。俺と魅音の、二人だけの記憶だから。<br />「&hellip;ぁ。わ、私も思った&hellip;」<br />　ぽそっと、魅音が小さな声で呟く。同じことを思っていたと分かって、心が躍る。次に思ったときは、思うだけでは終わらせたくない。<br />「じゃぁ、今度買うよ。そんなにいいものじゃなくてもいいから、小遣いをはたけば何かは買えるだろ。そうしたら一番に魅音を撮るよ」<br />「う、うん」<br />「タイマー機能を使ってさ、一緒に写ろう」<br />「うん&hellip;！」<br />　魅音が、最高の笑顔で笑う。今はまだカメラはないけれど。心のカメラに刻みつけよう。きっと、一生忘れない。今日が俺と魅音の、はじまりの記念日だから。<br />　俺は魅音の頬に触れていた手を更に伸ばして、この手の中に君を収めた。</p><br />
		<p><br />------</p><br />
		<p>09.2.7　加筆修正しました</p></p>
</div>
</div>

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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>「行ってきます」</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/064#tm1253536379</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/064</guid>
		<category>イラスト部門</category>
		<pubDate>Sun, 25 Jan 2009 12:55:58 GMT</pubDate>
		<author>桜由真</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<a title="いってきます魅音.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e3%81%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%99%e9%ad%85%e9%9f%b3.jpg" class="tag image small"><img alt="いってきます魅音.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e3%81%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%99%e9%ad%85%e9%9f%b3.jpg.jpg"></a><br>
初めましての方も、そうじゃない方も、どうもこんにちわ。桜由真という者です、以後お見知り置きを。<br>
今回のイラストは、自作SS「こもれび」の作中挿絵として描かせて頂きました。<br>
すごーーく楽しかったですｗ<br>
運営委員会の皆さん、お疲れさまです＆有り難うございました！<br>
でわ('-^*)/<br>

</div>

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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>こもれび</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/065#tm1253539339</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/065</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sun, 25 Jan 2009 12:32:06 GMT</pubDate>
		<author>桜由真</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
  朝です。<br>
　耳をすませば、小鳥のさえずりや木々のざわめきが聴こえてきます。<br>
　窓の向こうから差し込んでくる柔らかな日差しは、抱きしめるように部屋中を包み込んでいました。<br>
　その陽光を映して光る姿見、その前で、１人の少女があたふたと学校へ行く用意をしています。<br>
　紅いネクタイをきゅっと締め、その少女&hellip;&hellip;魅音は満足げな笑みを浮かべました。<br>
「よぉし、大丈夫！」<br>
　目を閉じてぐっと背伸び。<br>
　その表情は、とても嬉しそうです。<br>
「んんん～～&hellip;&hellip;」<br>
　かかとを床に付け、息をついてから、手櫛で髪を梳きます。<br>
　腰へ届く程に長く伸ばした緑髪が、光を浴びてきらきらと輝きました。<br>
　慣れた手つきでひとつにまとめ、余った短い髪は黒いピンで止めて。<br>
　大きく揺れる髪束は、まるで何か動物のしっぽのようです。<br>
　鞄を手に取りながらそっと窓に指先を触れ、庭先を見つめます。<br>
　丹精込めて手入れされている庭園には淡雪が薄く積もり、冬を感じさせます。<br>
「今日の部活は雪合戦かな&hellip;&hellip;。<br>
　いや、でも雪だるま作るとか、いっそかまくら作るとかも良いかもねぇ」<br>
　部活のことを考えてにやりと笑う魅音。<br>
　その笑顔は、傍から見る分には最も彼女らしいと思えるようなものでした。<br>
　そんな折。<br>
「かたん&hellip;&hellip;」<br>
　小さく響く、物音。<br>
　びくっと肩を震わせ、魅音は恐る恐る背後を見ました。<br>
　振り向いた視線の先には、壁から落ちてしまっている額縁と、その傍でひっそりと佇む１体の人形がありました。<br>
　安堵の表情を浮かべながら魅音は歩み寄り、鞄を床に置いて額縁を手に取ります。<br>
　額縁の中に在るのは１枚の写真。<br>
　魅音がまだ幼い頃に行った公園と、家族の眩しい笑顔が写っていました。<br>
　恥ずかしいのか渋い表情を浮かべる父さん、それをからかう仕草の母さん。<br>
　その前で笑うのは、お揃いのワンピースを着た魅音と詩音。<br>
　髪型も同じで、一見するとどちらがどちらかすぐには分からない程そっくりです。<br>
　この時は、まだ魅音は詩音で、詩音が魅音でした。<br>
　写真を撮ってから１年も経たない内に、２人は入れ替わって、そして&hellip;&hellip;。<br>
　心がちくりと痛み、魅音は視線を手の中から目の前へと移します。<br>
　笑顔を浮かべる人形。<br>
　魅音が抱きしめると、ちょうど胸の中にすっぽり収まるくらいの大きさです。<br>
　紅いドレス、ピンクのリボン、金色のウェーブがかった髪、そして透明だと見間違える程に澄んだ蒼い瞳。<br>
　それは、かつて魅音が彼女の大好きな人から譲り受けたものでした。<br>
　魅音はその時のことをとても鮮明に覚えています。<br>
　交わした言葉、仕草、そして自分の中の感情。<br>
　自分が女の子だと認めて貰えたことへの戸惑いと、素直に受け取れない自分への憤りと、何よりも大きな喜び、嬉しさ。<br>
　そして、そのことが夢じゃないと証明してくれるこの人形は、彼女の大切な宝物なのです。<br>
　リボンやレースで可愛らしく着飾ったその小さな人形は、くりくりとした丸い瞳で魅音のことを見つめていました。<br>
　持っていた写真を左手で元の場所に戻しながら、同時に空いた右手で緩やかなウェーブを描く金髪にそっと触れました。<br>
「そういえば、最近お手入れできてなかった&hellip;&hellip;ごめんね。<br>
　学校から帰って来たら、またお手入れしてあげるから。ちょっとだけ、待っててくれる？」<br>
　もちろん人形からの返事はありません。<br>
　最後に人形の頭をそっと撫で、魅音は壁に掛かった時計を一瞥しながら少し慌てたような表情でドアノブに手を置きました。<br>
　刹那。<br>
&nbsp;<br>
『行ってらっしゃい』<br>
&nbsp;<br>
　それは、ささやかな奇跡でした。<br>
&nbsp;<br>
　目を見開き、驚きに満ちた顔で人形を見つめる魅音。<br>
　幼顔の人形は、ついさっき見たときよりも穏やかな顔のように見えました。<br>
　本当に微かで朧気で、風の悪戯ではないかと疑ってしまうような囁き&hellip;それでも、魅音の心深くには確かに響きました。<br>
「&hellip;&hellip;うん。行ってきます」<br>
<br>
<a title="いってきます魅音.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e3%81%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%99%e9%ad%85%e9%9f%b3.jpg" class="tag image small"><img alt="いってきます魅音.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e3%81%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%99%e9%ad%85%e9%9f%b3.jpg.jpg"></a><br>
<br>
　その表情は、部活の時に見せる快活な笑みではなく。<br>
　本当に親しい人だけが知る、女の子らしいしっとりとした微笑みでした。<br>
　魅音の１日は、今から歯車を回し始めます。<br>
　今日は、どんな１日なのでしょうか？　楽しい日、それとも悲しい日？<br>
　まだ分からないけど、魅音は&hellip;&hellip;。<br>
『&hellip;&hellip;今日は、きっと良いことがある気がするな。<br>
　一体どんなことなんだろう、楽しみ&hellip;&hellip;』<br>
　そう思い、期待に胸を躍らせながら、こもれびの中を走り抜けて行くのでした。<br>
&nbsp;<br>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Fin.<br>

</div>

<hr>
<h4><a href="/happy_mion01/065#c">■コメント（4件）</a></h4>
<div style="margin-left: 1em;">
だいぶつ『なんでもない朝の風景なのにすごく癒されました。挿絵の魅音のスマイルも素敵！』(2009/01/25 22:54)</span><br>
伏龍鳳雛『素晴らしい！このほのぼのさ、このほんわか感、この暖かさがこのプロジェクトが求めてる内容にぴったり！挿絵もばっちり決まって言うこと...』(2009/01/25 23:29)</span><br>
KK23『お久しぶりです。ああ、なんてあったかいんだ……。仕事でささくれ立った私の心に染み入ります。癒される…。いや、マジで半泣きになりま...』(2009/01/31 15:21)</span><br>
桜由真『わぁ……っ！！皆さん、コメント有り難うございますっ！！◎だいぶつさんコメント有り難うございますm(_ _)m癒されましたですか？...』(2009/01/31 20:57)</span><br>
</div>
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<div style="margin-left: 1em;">
</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>ペパーミントのチョコTips　～その１～　エンジェルモートに邪神降臨　＆　～その２～　黒幕</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/048#tm1253539972</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/048</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sat, 24 Jan 2009 01:55:00 GMT</pubDate>
		<author>KK23</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p>■その１　エンジェルモートに邪神降臨</p>
<p>---------------------------------------------------------------------------------------------</p>
<p>俺は完全に舐めていた。　この罰ゲームの大変さを。<br /><br />「凄いね！　凄いね！　一体何杯目かな、かな？！」<br /><br />「いやぁ～、ほんと、まるで底なし沼だねぇ～。　案外鬼ヶ淵沼に繋がってたりして。」</p>
<p>「普段、梨花がキムチとか辛いものばかり買い置きしていますから冷蔵庫にアイスクリームなんて入ってませんもんね。<br />家の場合は。　こんな機会でもないと満足するまで食べられませんものね。圭一さんに感謝ですわね、羽入さん！」<br /><br />「ほんと、圭ちゃんっていいお客さんですよ。これからもよろしくお願いしますね♪」<br /><br />「色んな意味で今日はご馳走さまなのです。　にぱ～★」<br /><br />いや、舐めていたのは羽入の甘味に対する飽くなき執念か。<br />凄まじい勢いで増えていく空食器をウェイトレス姿の詩音が次のアイスクリームと交換していく。<br /><br />これ、俺の小遣いで足りるのか&hellip;&hellip;？<br /><br />だが、まあ、皆の幸せそうな顔が軽くなった財布の変わりに俺の心を満たして&hellip;&hellip;<br /><br />「もっと、じゃんじゃん持ってきて欲しいのです！　あと三倍いけるのです！」<br /><br />&hellip;満たし&hellip;&hellip;？<br /><br />「はい、まいどありー♪　圭ちゃん、将来良い&rdquo;貢ぐ君&rdquo;になれそうですね～。<br />悪い女の子にだまされないように注意してくださいね～♪」</p>
<p>「あっひゃっひゃっひゃ！　大丈夫大丈夫！　そうなんないように、こうやって皆で鍛えてんじゃないの～。<br />あ、私もペパーミントもう一杯ね～♪」<br /><br />満た&hellip;&hellip;、<br /><br />「あ、お金足りなかったら、働いて返してくださいね。<br />大丈夫、圭ちゃんこの制服似合いますよ。　保障します♪」</p>
<p>満たすかーーーー！<br />覚えてろよお前ら～！　この屈辱はいつか必ず百倍にして返してやるからなーーー！</p>
<p>======================================================</p>
<p>■その２　黒幕</p>
<p>---------------------------------------------------------------------------------------------</p>
<p>いやぁ～、母さんのあんな顔を見たのは一体、何時以来だろうねぇ？　くっくっく。<br />本当に久しぶりだよ。　園崎天皇とか言ってる村の連中に見せてやりたかったもんさね。<br /><br />え？　蒸し返すなって？<br />良いさ。　他所で話して良いなら蒸し返すのやめるよ。<br /><br />&hellip;&hellip;<br /><br />あーっはっはっは！　母さんの弱みを握れるのも何年ぶりだか！<br /><br />&hellip;&hellip;まあ、あんまり苛めちゃ可哀想だからこの辺で止めとこうかね。<br />大丈夫。　他言はしないよ。　魅音や詩音じゃあるまいし、ちゃんと分別はあるさ。<br /><br /><br />&hellip;&hellip;それにしても、そもそもの原因は圭一君にあるんじゃないのかい？<br />あの子にもう少し甲斐性があればこんな手間をかける必要もないわけだし。<br /><br />若い男女が密室に二人きりだよ？　なのに何にも無いだなんて、どれだけヘタレなんだか！<br /><br />あたしは毎回差し入れする度に、<br /><br />『（男女間の）間違いは誰でもするもんだから気にするんじゃないよ。』<br /><br />って、理解がある事伝えてるのにさ！<br /><br /><br />魅音も魅音さ、圭一君に家庭教師を頼む時、必ずモノにしなよって、それで、<br /><br />『（圭一君モノにするのに）失敗したらケジメつけてもらうからね。』<br /><br />って、ハッパかけたら逆に萎縮しちゃったみたいでさ。　自分から全然アプローチしてないみたいじゃないか！<br />最近の若いモンはヘタレばっかりだよ、まったく。<br /><br />まあ、魅音の方に全くその気が無い訳じゃなさそうなのが分かってホッとしたよ。<br />修学旅行だなんて遠まわしな口実で、圭一君と旅行に行きたいって言ってきてさ。<br /><br />旅は人を解放的にするっていうじゃないか。　あの二人、盛大に間違って来ないもんかねぇ？<br /><br />&hellip;&hellip;ニヤつくのを無理に我慢する必要はないんだよ、母さん。　ふふふふふ。<br /><br /><br />帰ってきた時には結婚式の準備が必要かね？　くっくっく。<br /><br />&hellip;&hellip;え？　まだ結婚できる年齢じゃないだろうって？</p>
<p>なんだい母さん、忘れちまったのかい？<br />役所の人間はよく書類の記入や転記でミスをするもんじゃないか。特に母さんが&rdquo;憂慮&rdquo;した書類なんか特にさ。<br />あの二人の&rdquo;正しい&rdquo;年齢に修正されるだけさね。<br /><br />&hellip;&hellip;そう！　母さんのその顔だよ！</p>
</div> 

<hr>
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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>進路相談</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/063#tm1253539405</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/063</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Wed, 21 Jan 2009 12:21:42 GMT</pubDate>
		<author>Mr.D</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
　高校３年への進級を控えた春休みのある日、魅音は本家に両親を呼び、それに祖母を加えた４人でちょっとした家族会議を行っていた。<br>
　案件は自分の将来について......身近な問題として、進学するかどうか魅音は迷っていたのである。<br>
「それで、どうしようかって悩んでるんだ。進学して何か専門的なことを勉強して、それを将来に生かしたい気持ちもあるし、頭首になるための修行を続けたい気持ちもあるし......」<br>
　どちらも嘘偽りない魅音の本心だ。<br>
　おそらく両立はできないと魅音は思っている......だから、どちらを選べばよいか悩んでいるのだ。<br>
　思考が堂々めぐりに入ってしまった娘を見かねたのか、母である茜がそっと切り出す。<br>
「進路と言えばさ、圭一君はどうなんだい？　分校を卒業する頃にゃあ目指す大学もそれなりに絞ってたんだろう？」<br>
「うん、中学の頃は東京六大学のどれかって思ってたみたいなんだけど、家の負担を考えると国立だなって」<br>
「そうかい、圭一君は東京かい......」<br>
「法律とか経営関係の専門的なことをこれ以上ないくらいにガッチリ勉強するなら、やっぱり東京だよね......それに、圭ちゃんがちょっと悔しそうに言ってたんだけどさ、どの大学を出たかってのは大きな肩書きだって。肩書きが仕事してくれるわけじゃないけど、肩書きがあるかないかでは世間の見方が違ってくるからって言ってた」<br>
　魅音にはあまり馴染みのない感覚だが、学歴というものにはそれなりの価値がある。<br>
「確かにね......レベルの高い学校は入るのも卒業するのも大変な努力がいるさね。その大変な努力を惜しまずにまっとうできたかどうかってのは大きな価値だろうねぇ......」<br>
「圭一君は園崎の......雛見沢のために身を粉にして働く気構えなのだろう。有名大学卒業の肩書きを手に入れるのも、おそらくは働く場所の裾野を広げるためか......」<br>
「そうだろうねぇ......普通の大学出じゃあ門前払いな事も、有名大学出ならすんなり通してくれることだってある。きっとそれを見越しているんだろうさ」<br>
　魅音は両親の会話をじっと聞いている。<br>
　圭一が自分よりもずっと先を見ていたことは身に染みて分かっていたことだが、改めて思うと本当に頭が下がる思いだ。<br>
　圭一だけではない。<br>
　レナも詩音も悟史も自らの目指す将来を早くに決め、今もそれに向かって日々邁進している。<br>
&nbsp;<br>
　自分の将来を考え、それを実現するために今何をすべきか......もしかしたら、自分は漫然と生きてきたのかもしれない。<br>
　漫然と頭首に必要なことを学び、漫然と次期頭首の務めを行い、漫然と頭首になる......そう思うとどこか焦りにも似たもやもやが心にかかってならない。<br>
　「魅音」<br>
「何、婆っちゃ」<br>
「なんで大学に行こうと思うたんじゃ？」<br>
　当然と言えば当然の疑問だろう。<br>
　つい最近までは進学のしの字も口に出さずに頭首になるための修行を行っていた魅音が、急に進路の事について悩みだしたのだ。<br>
　お魎は急かすことなく魅音が言葉をまとめて話し出すのを待つ。<br>
「このまま頭首になって大丈夫なのかな......って。圭ちゃんは園崎や雛見沢っていう小さな枠に収まるような人じゃないと思う。いずれは皆の期待を背に世に出て行くんだろうなって......三郎おじさんの後をついで政治家になるかもしれないし、会社を立ち上げて頑張るかもしれない......お父さんの後を継いだにしても、きっと皆を守るために雛見沢の内外で戦うことになるんだと思う。その時にさ、私が何の知識もないままだったら、圭ちゃんのお手伝いができないよね......そう考えると、私も大学で勉強した方がいいのかな......って」<br>
「魅音、そのアンタの考えは正しくもあるし間違ってもいるよ」<br>
「え？」<br>
　母の毅然とした声に魅音は首を傾げる。<br>
「確かに圭一君は園崎や雛見沢っていう箱庭に収まるような人間じゃないさ。アンタの言う通り、箱庭をもっとよくするため、箱庭を守るために箱庭を飛び出していく男になるだろう。三郎さんの所で厳しい修行に明け暮れてんのも、どんな道に進もうとも凛として矢面に立てるようになるためさ。そんな圭一君を手伝いたいっていう気持ちは良く分かるし、それは至極正しい考えさ......でも、そのためにアンタがやらなきゃいけないのは大学で圭一君と同じことを学ぶことじゃないよ」<br>
　魅音は神妙な顔になり、母の言葉を一字一句聞き漏らすまいとした姿勢になる。<br>
「アンタがやらなくちゃいけないのは圭一君がその力を思う存分発揮できる環境を整えてあげることさ。一つ喩え話をしようか。圭一君は言うなればどんな悪路でも坂道でもガンガン走りぬける車であり、そして一級の技術を持ったドライバーみたいなモンになっていくだろう。圭一君はアンタを乗せてどんな困難も乗り越えていってくれる......でも、車はガソリンがないと走らないし、ちゃんと油をさしてやらないとガタがきちまう。同じようにドライバーにも食事や休息が必要だね」<br>
「......私は圭ちゃんのガソリンやオイルになって、ご飯とかを用意してあげればいいの？」<br>
「そうさ。それもとびっきり極上のガソリンとオイルになってやんな。ご飯は圭一君が泣いて喜ぶようなもんを作っておあげ。彼が疲れたらのんびりと休ませてあげな。まあ、こういったことはもう出来てるとあたしは思うよ。いつだったかね、圭一君と話したときに『魅音がいるだけで俺は元気百倍なんです』なんてバカなこと言ってたからねぇ......」<br>
　呆れたように茜が言うと魅音はかぁっと顔を赤く染める。<br>
　見れば祖母も父親も愉快そうに口元を歪めている。<br>
「問題はここからさ。魅音、アンタはただ助手席に乗ってるだけじゃいけないね。それは分かってるようだけど、助手席でしなければいけないことは何だろうね？　それはね、地図を見て目的地や走る道の状態を教えてあげることと、走る道に合ったタイヤを準備してあげることさ。これは園崎家頭首だからこそできる『手伝い』さ......」<br>
「目的地を園崎や雛見沢の向かうべきところ、走る道を越えなければいけない障害、タイヤを圭一君の手足となって働く人達に置き換えてみなさい」<br>
「あ......」<br>
　両親の言葉にはっとする魅音。<br>
「自分が何をすべきか分かったようだね......そのためにアンタが修めなきゃいけないのは物事や人間の真贋を見抜く目と、大きな視点でものを見れる心の余裕さ。それを修めるには見聞を広め、そして色んな人間と付き合って経験を積むしかないさ」<br>
「圭一と一緒に東京へ行きな......」<br>
「婆っちゃ？」<br>
「婆様の言う通りだね。東京には色んな人間がいる、物事がある。雛見沢や興宮みたいにのんびりとしちゃいない。悪人だっている。それこそ、あの時みたいに５年もの間園崎を手玉に取ってた連中みたいなのだっているんだ。圭一君がそんな『外の人間』と相対する立場になるなら、それこそアンタは地図をきっちり読みきって、最高のタイヤを用意してあげなくちゃいけない。そんな素養を養うには、東京で圭一君と一緒に頑張ってみるのが一番だろうさ」<br>
「でも、いいの？　私が東京に出たら......」<br>
　心配そうに祖母を見る魅音に茜はお魎に変わって答える。<br>
「婆様がいいって言ってんだ。遠慮なく行ってきな。まあ、それは圭一君が高校を卒業する時の話だろうからね......それまでの２年間で婆様の下で学ぶべき事はきっちり修めな。やり残しがあったらすっきりと東京に出れないだろうからね」<br>
「そぉに心配せんでもええ。入江先生のおかげで大分調子もようなったからの......また会合で喜一郎や牧野の尻ぃ引っ叩いてやるわい」<br>
「......分かった。婆っちゃ、宜しくお願いします」<br>
　魅音はお魎に頭を下げ、そこで何かに気付いたような顔になる。<br>
「あれ？　えーと......思ったんだけど、私が圭ちゃんについて東京に行って、それで２人で頑張るのって......」<br>
「予行演習みたいなものだな。お前と圭一君が本当の意味で園崎のトップに立った時のための、な」<br>
「実戦に勝る稽古はないって言うだろ？　婆様の下で修めたことを東京でしっかり鍛え上げてきな。圭一君も三郎さんから学んだことを鍛え上げるだろうしね......そうだねぇ、いっそのこと、結婚生活は実戦にしちまうかい？」<br>
「そりゃええの......圭一の卒業を待って祝言あげちまうか......おみゃあらが東京から帰ってきたときゃあ、こん家がちぃとは賑やかになっちょってもええんね」<br>
「へ？　け、圭ちゃんと結婚......」<br>
「これ！　頭から煙上げてひっくり返りそうになってんじゃないよっ！　全く......後２年でこういうところも鍛えておかないといけないかねぇ......」<br>
　これ以上ないくらいの赤い顔で機能停止してしまった娘を眺め、両親と祖母は深く深くため息をついたのだった。<br>
&nbsp;<br>
　ちなみに。<br>
　お魎が言った「この家が賑やかになってもいい」という言葉の真意に魅音が気付いたのは、それから数日後......圭一とのデート中のこと。<br>
　仲良く機能停止した圭一と魅音は公園のベンチで手を繋ぎあったままオブジェと化し、夕暮れまで道行く人をニヤつかせていたという......<br>

</div>

<hr>
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匿名『さ、さいこぉぉぉぉだぁぁぁぁぁ！！』(2009/04/07 16:20)</span><br>
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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>欲張り</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/061#tm1253539444</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/061</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sat, 17 Jan 2009 10:23:40 GMT</pubDate>
		<author>Mr.D</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
　雪がしんしんと降るその日、圭一は園崎本家へと招かれていた......というよりも、頭首お魎とその娘である茜に呼び出されたというのが正しい。<br>
　かなりの防寒をして家を出てきたのだが、それでも身体を冷やす雪国の冬に半ば圧倒されつつ、圭一は新雪を踏みしめて園崎家へと足を急がせる。<br>
　用件は聞かされていない。<br>
　ただ、茜から「ちょいと鬼婆様が話したいことあるそうだから来ておくれでないかい？」とだけ電話口で言われただけだ。<br>
　正直言って何の話なのか皆目見当がつかない。<br>
　圭一が家庭教師状態で手伝っている魅音の受験勉強は順調だし、何かバカをやらかしてお魎に叱られるような心当たりもない......はぁっと息を吐けばそれは煙のように雪と混ざって消えていく。<br>
　やがて園崎家の大きな門の前に立った圭一はインターホンを慣らす......さほど待たずに和服姿の女性が静かに門から顔を出してくる。<br>
「こんにちわ、茜さん」<br>
「よく来たねぇ......寒かったろ？　とりあえずは中に入りな」<br>
「じゃあ、お邪魔しまーす」<br>
　茜が先に立ち、圭一は園崎家の廊下を進んでいく。<br>
　最近はよく来ているのでどこに向っているのかは大体分かる......どうやら、お魎のいる離れへと案内されているようだ。<br>
「そーいや茜さん、魅音は？」<br>
「あの子なら今日は鬼婆様の代理で会合に出てるよ。まあ、号令かけて園崎からの案件を話すだけだからそう苦労はないさ。さて、いきなり鬼婆様の部屋まで通すワケにもいかないから、この部屋で待ってておくれ。ああ、そこに生姜湯の粉とポット置いといたから飲んであったまっておきな」<br>
　茜は圭一を離れの一歩手前にあるであろう一室に通し、穏やかな顔でそれだけ言うと部屋を出て行く。<br>
　おそらく、お魎に圭一が来たことを知らせに行ったのであろう。<br>
　遠慮するのも悪いと思ったのか、圭一は生姜湯を作って一口すする。<br>
　優しい味が口の中に広がり、ゆっくりと飲み込むと冷えた身体にふわりとした暖かさが染み入っていく。<br>
「うめー......」<br>
　思わず呟いた圭一は黙々と生姜湯を胃の中に収めていく。<br>
　そして丁度飲み終えた時、茜が障子を開けて圭一の名を呼ぶ。<br>
「待たせたね。鬼婆様がお呼びだよ......先に言っておくけど、ちぃっとばかり真剣な話だからね」<br>
「は、はい」<br>
　茜の発する雰囲気に少し気圧されつつ、圭一は返事を返すと茜に従って廊下を歩きだす。<br>
　真剣な話とは何なのか......心の中で首を傾げる圭一だが、ふとあることに気がつく。<br>
　まさかな。<br>
　言いかけた口を慌てて閉ざすと少しくぐもった音が漏れ、何事かと振り向いた茜に圭一は咳払いをして誤魔化す。<br>
「どうしたい、風邪でも引いちまったのかい？」<br>
「うーん、さすがにこんな寒さは初体験ですからね......帰ったら暖かくして寝ることにします」<br>
「さぁて、すんなりと帰れるかねぇ？　鬼婆様の機嫌損ねたら厄介だよ？」<br>
「げ、それは困る......」<br>
　そんなやりとりをしていると、やがて茜が足を止める。<br>
「母さん、連れてきたよ」<br>
「入りな」<br>
　障子の奥からお魎の声が聞こえ、茜と圭一は室内へと入る。<br>
「お魎さん、こんにちわ」<br>
「よう来たな......まあ、そこに座りぃ」<br>
「はい......で、話ってのは......」<br>
　圭一が尋ねるとお魎に変わって茜が口を開く。<br>
「まあ、何てことはないさ......圭一君と魅音のことさね。詩音から話を聞きだしたんだけどね、何でも『交際の予約』ってぇのをしてるそうじゃないか......圭一君が自分に自信を持てたらその時にっていう感じで。どうなんだい、自信はまだ持ててないのかい？」<br>
「......俺は魅音に約束しました。『いつでもどこでもどんな時でもお前の半歩前くらいには立っていられる人間になる』と。勉強の方はただの点取り屋だった頃に比べると、きちんと将来を見据えた気持ちで取り組めるようになりました。気が早いかもしれませんが、志望する大学も既に幾つか絞っています」<br>
「そうかい......自分の進むべき道に向ってまっしぐらってとこかい......」<br>
「はい。後はどういう経緯か分かりませんが、三郎さんが俺を気に入ってくれたようで......剣道の稽古も始めています。都会のもやしっことか言われてた頃に比べたら、それでもちょっとは強くなったかなって」<br>
　圭一は茜の質問に遠まわしたような言葉をもって返していく。<br>
　茜もお魎も急かすことなく、ただ静かに圭一の言葉を聞いている。<br>
「でも、それでやっとスタートラインに立てたのかなって気がします。魅音はきっと俺には想像もつかないような大きなものを背負ってるはずです......そんな魅音の前に立つには、今の俺じゃまるで力不足と言わざるをえません......」<br>
「ダホが......」<br>
　悔しそうに圭一が紡いだ答えを聞いたお魎が苦々しい声を出す。<br>
「そがぁな性根でどうすっとね......ええんね、そぉなら魅音が背負っちょるもんを教えたるわ......まぁ、今のおみゃあじゃ魅音の前から逃げ出したぁなると思うがな......茜、話してやり」<br>
「なんだい、小難しいことはアタシ任せかい......まあいいさね。圭一君、アンタがそんな骨なしだとは思わなかったからね、園崎の背負うものを重さを教えて魅音を諦めさせてやるよ」<br>
「え......？」<br>
　畳かけられて戸惑う圭一に茜は事も無げに園崎の深部について話していく。<br>
　それは今まで普通の家庭に生まれ育ってきた圭一には重過ぎる内容だった。<br>
　頭首の証、憂慮システム、園崎式ブラフ......そして血塗られた歴史と立場。<br>
　眩暈がするような衝撃に耐えつつ、圭一は茜の話を頭の中で噛み締めていく......魅音もいつか必ず、この暗部の中心に座する人間になるのだ。<br>
　あの心優しい......優しすぎて傷つくこともある魅音が背負っていたものは想像以上だった。<br>
　けれども。<br>
「お魎さん、茜さん......その全ては、この雛見沢を守るためなんですよね......？」<br>
　絞り出した声に目の前の老婆と妙齢の女は無言で答え、それは「その通りだ」という意思を如実に示していた。<br>
　それが、圭一の心に何かを灯す。<br>
「俺......今の話を聞いて、魅音のことを絶対に守ってやりたいって、そんな重いものを背負って......それでも誰にでも優しくいられる凄い子に好きになってもらって嬉しいって、誇らしいって......くそ、上手く言えねぇ......ただ......」<br>
「ただ......なんだい？」<br>
　茜が促すと圭一は土下座をして叫ぶように己の想いを口に出す。<br>
「俺は、必ず魅音を幸せにする男になってみせます！　魅音だけじゃない、アイツが大切に思ってるこの雛見沢を幸せにする人間になってみせます！　諦めるなんてとんでもねぇ！　あんな素敵な女の子を逃がしてたまるか！　お魎さん、茜さん......今の俺は確かに骨なし野朗です。でも、必ず......」<br>
　圭一がそこまで言った時だった。<br>
「ぷっ......あっはははははっ！　さすがに魅音が骨の髄まで惚れちまった男だねぇ......そんな気障ったらしいセリフ、中々言えたもんじゃあないよ......合格だよ、圭一君」<br>
「え？」<br>
「ダホが......どぉでもええ男に園崎のくらぁいとこまで話すもんかね......圭一、魅音を頼むわ......」<br>
　圭一が顔を上げると、そこにはさも愉快そうな茜と険の取れた顔のお魎が穏やかな光を湛えた目で自分を見ていた。<br>
「えっと......」<br>
「アンタはもう十分に魅音を任せられる男になってるってアタシらは言ってんだよ。魅音はこの雛見沢で一番見晴らしのいいところで圭一君を待ってるはずさ......あたしがちょいと仕組んでおいたからねぇ......ほらほら、とっとと行きな！」<br>
「は、はい！　お魎さん、茜さん......ありがとうございました！」<br>
　圭一はもう一度頭を深く下げると、弾かれたように身を翻してお魎の自室を飛びだしていってしまった。<br>
「母さん......」<br>
「なんぞね」<br>
「圭一君なら......魅音を......園崎を鬼から解き放ってくれるかもしれないねぇ......」<br>
「............そやな......あん人がワシにしてくれようとしとったことを、圭一があん子に......やな」<br>
　お魎はボソボソと呟き、そして仏壇をふっと見やったのだった。<br>
　<br>
　<br>
　雛見沢を一望できる古手神社の展望台。<br>
　魅音はそこで圭一を待っていた。<br>
「お母さん経由で『話がある』って......何だろう？　ま、まさか告白！？　やだやだ、まだ心の準備ができてないよぅ......って、先にお母さんに話を通したってことは......告白すっ飛ばしてプロポーズとか！？　ダメダメ、そんなことされたら恥ずかしさで死んじゃうよぉ......」<br>
　ぶつぶつと独り言を言いながら手袋に包まれた両手で火照った顔を覆い、くねくねと身体を少し躍らせる魅音......端から見たら少し危ない少女にしか見えない。<br>
　と、そこに早めの調子で雪を踏みしめる音と僅かに乱れた呼吸音。<br>
「はぁ......はぁ......魅音？　何やってんだ、新しいダンスでも覚えたのか？」<br>
「へっ？　け、圭ちゃん！？　覗き見なんてヒドイなー。男らしくないぞ」<br>
「覗きは男の必須行動だ」<br>
「圭ちゃんのスケベ変態」<br>
「スケベと変態は男の......あー、もういい......お前んちから走ってきたから少し疲れた......横、いいか？」<br>
「う、うん」<br>
　挨拶代わりにひとしきりいつもの憎まれ口を叩き合った二人は並んで雪景色の雛見沢を眺める。<br>
「......雪かきとか大変だけど、こうやって眺めると冬の雛見沢ってすっげー綺麗だな......」<br>
「そうだね。雛見沢は四季折々、本当に色んな姿を見せてくれるよ......もう何年も住んでるけど、今もここからの景色に感動しちゃうことがあるんだよ」<br>
「そっか。まるで宝物だな」<br>
「うん、私の大切な宝物の殆どはこの村にあるんだよ......だから、ここは私の宝物そのものだね」<br>
　一番の宝物は圭ちゃんだよ、と心の中で呟いた魅音は再び雪の雛見沢に視線を戻す。<br>
　そうしてどれくらい二人で景色を堪能しただろうか......ふと魅音が圭一に声をかける。<br>
「ところで、話って何さ？　わざわざお母さん経由でここに呼び出して......」<br>
「あー......そういうことか......いや、実はな......今日、茜さんとお魎さんに呼ばれたんだわ......で、話が終わったらお前をここで待たせてるって茜さんが、な」<br>
「ふぇ？　えーと......ってことは、お母さんが仕組んでたってこと？　もう、相変わらず意地が悪いなぁ......それで、婆っちゃとお母さんの話って何だったのさ」<br>
　苦笑いを浮かべて尋ねてくる魅音に圭一はすっと居住まいを正し、相手を真っ直ぐに見据える。<br>
　魅音は茶化そうと口を開きかけるが、圭一の引き締まった表情と雰囲気に口を閉ざし、同じように圭一と真っ直ぐに向き合う。<br>
「園崎の事について詳しく聞かされた」<br>
　その一言で魅音の顔からさっと血の気が引き、魅音は深く俯いて肩を振るわせ出す。<br>
「その......お前の背中のこととか、憂慮システムってーのか？　そういう『園崎のやり口』も教えられたよ」<br>
　続く圭一の言葉に魅音は小さく悲しげな声でぽつぽつと喋りだす。<br>
「圭ちゃん......ごめん、ごめんね......黙っててごめんなさい......うん、そうだよね、こんな血の臭いに染まった家の女の子なんて......圭ちゃんとお付き合いできるわけないよね......いいよ、あの『予約』はなかったこ......ひゃっ！？」<br>
　ぽん、と頭に暖かいものが置かれ、それはわっしわっしと自分の頭を撫で始める。<br>
　顔を上げれば、そこにあったのは優しい笑顔の宝物。<br>
「バーカ、この前原圭一様を見くびるんじゃねーよ......つーかな、お魎さんと茜さんの話を聞いて......お前の事を何があっても守ってやりてえ、幸せにしてやりてえって......えい、くそ！」<br>
　圭一はそこでばっと魅音から離れ、胸を張って雛見沢に向き直る。<br>
「前原圭一は魅音みてーな素敵な女の子に選ばれてすっげー嬉しいぞー！　だから、俺は絶対に魅音を逃がさねぇっ！　俺は絶対に魅音を幸せにする！　魅音だけじゃねぇ、魅音が大切に思ってる人をみーんな幸せにしてやるぜ！」<br>
　突然の雄たけびに魅音は呆気に取られていたが、やがてぷっと吹き出してしまう。<br>
「圭ちゃん、私が大切に思ってる人ってさー、雛見沢２０００人だよー？　みーんな幸せにって、そりゃあ欲張りすぎってもんじゃないのかねぇ......うん、でも......圭ちゃんのその欲張り、すごく素敵だな......嬉しいな......」<br>
　可笑しそうに紡ぎだした言葉はやがて嬉しそうなささやきに変わる。<br>
「欲張りでも何でも構わねーよ。俺の嘘偽りない本心だからな！　どーした、魅音。お前の返事はまだか？」<br>
　顔を真っ赤に染めた圭一は魅音の方を向かないままだ。<br>
　けれども、魅音は感じていた......圭一の心が真っ直ぐすぎるくらいに自分を見つめ、そして包み込もうとしていることを。<br>
　だから、魅音も真っ赤な顔で圭一の方を向かず、心を精一杯圭一へ向けて雛見沢を見つめて口を開く。<br>
「園崎魅音は前原圭一に選ばれてすごく幸せだー！　私も圭ちゃんと圭ちゃんが大切に思ってる人をみーんな幸せにするぞー！　だから、圭ちゃん......ずーっと一緒に頑張ろうね！」<br>
「おう！　任せとけ！」<br>
　間髪入れない圭一の答えに魅音はまたも吹き出し......やがて圭一と魅音は二人で大笑いする。<br>
「へっ......お前だって十分に欲張りじゃねーか。俺が大切にしてんのはお前が大切にしてるものと一緒だぜ？」<br>
「あはは......欲張り同士、やっぱり気が合うねぇ」<br>
「そうだな......だから、ずっと一緒に頑張れるって思えるんだろうなぁ......うん、宜しくな......魅音」<br>
「こちらこそ宜しくね、圭ちゃん」<br>
　雪の雛見沢はただ穏やかに若い二人の誓いを聞き届け、雲の切れ間からようやく差し出した陽光に宝物のように輝いていた。<br>

</div>

<hr>
<h4><a href="/happy_mion01/061#c">■コメント（2件）</a></h4>
<div style="margin-left: 1em;">
羽入『あっっっっーーきゃーーーーうはーーーーは、鼻血が………鼻血…が…』(2009/02/21 22:09)</span><br>
悟史『羽入さんに激しく同意です！うああ、可愛いｗｗこの二人大好きです^^』(2009/03/18 10:52)</span><br>
</div>
<h4><a href="/happy_mion01/061#tb">■トラックバック（0件）</a></h4>
<div style="margin-left: 1em;">
</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>Happy!　Happy new year!!</title>
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		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Fri, 16 Jan 2009 10:37:20 GMT</pubDate>
		<author>トロイメライ魅ぃ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
震える菜箸の先&hellip;慎重に慎重を重ねて、最後の１品をマス目に詰め終える。　<br>
　「ふう&hellip;こんなモンか」　<br>
　目の前のおせちの出来に、我ながら感動してしまう。　<br>
　「&hellip;ちょっと、作り過ぎちゃった&hellip;かな？」　<br>
　〝栗きんとん〟や〝黒豆〟〝数の子〟等といった定番のモノから、〝伊達巻き〟や〝梅花羮〟〝錦玉子〟に〝蛤のしんじょ焼き〟といった手の込んだモノまで&hellip;１年に１回の事だから、腕に依りをかけて作った。その結果、２段の重箱目一杯になってしまった。　<br>
　園崎家のおせちは、沁子さん達が作ったモノを皆が揃って食べた&hellip;と言うか、つい先程まで食べていた。なのに、また私はおせちを用意している&hellip;今度は、全て私が手作りのモノを。　<br>
　今年最後の部活の日、罰ゲームの『知恵先生のカレー講義』を受けて頭の中身が〝カレー〟と化してしまった圭ちゃんをレナと２人で送り届けた帰り道&hellip;　〝魅ぃちゃん、お正月に圭一クンを家に招待するのかな？かな？〟　<br>
　〝ぶっ！レレレレナ！！なななな何でそんな事をおおお思うのさ〟　<br>
　〝だって、この頃の魅ぃちゃんの『お弁当』力が入っていたから&hellip;てっきり、お正月への『前フリ』かと思っちゃった♪〟　<br>
　〝そそそそそんな訳無いじゃない！！！〟　<br>
　―　うっ&hellip;鋭い！流石はレナ！！　―　<br>
　〝晴れ着を着た魅ぃちゃんは、圭一クンにおせちを食べさせてあげるのかな♪かな♪〟　<br>
　〝レぇぇぇナぁぁぁ（／／／／）〟　<br>
　〝そんな事されたら&hellip;いくら鈍感な圭一クンでも、魅ぃちゃんに見取れたりして♪圭一クンのお父さん達、昼から出掛けるらしいから&hellip;チャンスだね〟　<br>
　〝うう～ッ、私をオモチャにするなぁぁぁぁ！あっ、逃げるな！！待てぇぇぇ、レナぁぁぁ！！〟　<br>
　〝イヤだよぉぉぉ♪勇気出して誘っちゃって下さいィィ〟　<br>
　&hellip;別れ際までレナにオモチャにされてしまった私。　<br>
　次の日、レナの話に乗った訳では無いが&hellip;家庭教師に来た圭ちゃんにおせちの話をしたら、　<br>
　〝魅音の家のおせちって&hellip;豪華なんだろうな〟　<br>
　〝そりゃ『園崎』だからねぇ&hellip;どこの料亭料理かってトコロだよ♪〟　<br>
　〝うぇぇ！そりゃスゲェ！！ウチなんか、ごくごく普通のおせちだぞ〟　<br>
　〝だ、だったら&hellip;食べに来る？〟　<br>
　心臓が異常な程ドキドキする。部活の時はサラッと言えるのに&hellip;　<br>
　〝え！？良いのか？〟　<br>
　〝沁子さん達&hellip;作り過ぎちゃうんだよね。処理してくれるヒトが居てくれたら助かるよ〟　<br>
　〝そうか、だったらレナ達も呼んで&hellip;〟　<br>
　〝ダメ！！！！〟　<br>
　〝&hellip;え？〟　<br>
　〝あ！？いや&hellip;その&hellip;ほ、ほら！レナはお父さんと親子水入らずで過ごしたいだろうし&hellip;梨花ちゃんや沙都子や羽入は、公由家に呼ばれるだろうから&hellip;邪魔しちゃ悪いよ〟　<br>
　〝そうなのか&hellip;だったら、邪魔しちゃ悪いよな〟　<br>
　〝だからね&hellip;圭ちゃん、食べに来てくれないかな？〟　<br>
　〝そうだな&hellip;それじゃ、新年の挨拶代わりに行ってやるぜ〟　<br>
　〝ホントに！？〟　<br>
　〝ああ！期待してるぜ〟　<br>
　ヤッタァ！　<br>
　圭ちゃんがＯＫしてくれた事に舞い上がってしまい、その後の勉強は、あまり頭に入らなかった&hellip;（汗）　<br>
　彼の喜ぶ顔が見たくて、ついつい力が入ってしまった。自分がいかにこの数日浮かれているか&hellip;目の前のおせちの品数がキッチリ証明している。これには、思わず苦笑してしまう&hellip;２人で食べるには少し多かったかもしれない。　<br>
　「圭ちゃんなら、食べてくれる&hellip;よね&hellip;うん！男の子だから、これ位食べられるよ」　<br>
　私の〝力作〟なんだから、食べてくれないと泣いちゃうんだから！　<br>
　圭ちゃんが来てからだよね&hellip;誰かの為に料理を作るのは。それまでにも料理はしていたし、皆にも〝お裾分け〟をしていた。けど&hellip;圭ちゃんが雛見沢に引越して来てから、彼に『美味しい』と言って貰う為に頑張った。何度、指先を絆創膏だらけにしたか分からない&hellip;健気だよね、私って。　<br>
　おせちを作りながら&hellip;　<br>
　〝料理って、こんなに楽しいモノだったんだ〟　<br>
　なんて、今更ながら思ってしまった。料理を作っている間&hellip;彼の笑顔が浮かんで来て、胸の奥が温かくなる。そして&hellip;そこから〝何か〟が溢れ出して来て、料理により一層力が入る。そうすると、また彼の顔が浮かんで&hellip;延々その繰り返し。特に今回は〝彼１人だけ〟の料理を作っている訳で&hellip;まるで〝新婚さん〟みたいと思ってしまう。　<br>
　&hellip;&hellip;&hellip;ん！？〝新婚さん〟？　<br>
　&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;うえぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！！　<br>
　今、何考えた！私ぃぃぃ！！！！　<br>
　頭の中にハッキリと〝白いエプロンを着けてキッチンに立つ私〟と〝優しい目で私を見つめている彼〟&hellip;『夢の』ビジョンが浮かんで、慌てて〝それ〟を両腕で払い除ける。あは&hellip;あはは、頬が湯が沸きそうな位熱いよ（／／／／）　<br>
　でも、そうなったら&hellip;嬉しいな。　<br>
　ぼ～ん&hellip;ぼ～ん&hellip;ぼ～ん&hellip;　<br>
　色々と考えていた間に、台所の柱時計が１２時を告げた。そろそろ準備をしないと、圭ちゃんが来ちゃう！来てくれたのに待たせる訳にはいかないよ。　<br>
　出来上がったおせちを持って、急いで自分の部屋に向かう。昨日&hellip;納屋の中を引っ掻き回して〝発掘した〟座卓の上におせちを置き、その脇に盃と〝少量の〟お屠蘇を添える。未成年だけど&hellip;お正月だからね。うん、何とか形になった。後は&hellip;部屋の隅に掛けてある『振袖』に目を向ける。　<br>
　ピンクの綸子地に火炎太鼓と様々な雅楽器が配されている振袖。『園崎』だから〝公の場〟に出る時用に用意していたモノ&hellip;呉服屋で見た時、一目で気に入った１品だ。でも、今まで誰にも着た姿を見せた事は無い。家族の他に見せるのは&hellip;圭ちゃんが初めてだ。　<br>
　〝圭ちゃん&hellip;これを着た私を見て、どんな顔するかな？綺麗だと言ってくれるかな？〟　<br>
　淡い期待を抱きながら&hellip;着る前の〝下準備〟をする為に、今着ている服を脱いでいった。足袋を履き&hellip;〝裾よけ〟と〝肌着〟を着て&hellip;〝長襦袢〟を着けた。ここまでで、着姿に崩れが無いか鏡で点検して&hellip;ようやく〝振袖〟に袖を通す。　<br>
　婆っちゃもお母さんも『着物派』だから、私も一応１人で着付けは出来る&hellip;が、　<br>
　「お母さ～ん！帯締め手伝ってぇ～～！！」　<br>
　〝帯締め〟だけは、まだ１人では出来ない。色々結び方に種類がある上に、なかなか形にならないのだ。　<br>
　トタトタトタ&hellip;　<br>
　「なんだい、騒々しいねぇ」　<br>
　「ゴメン、時間が無いから早くして」　<br>
　少しほろ酔い気味で部屋に入って来たお母さんを急かして、〝帯締め〟を始める。　<br>
　「それにしてもねぇ&hellip;」　<br>
　腰の締め付け具合を調整しながら、帯を巻き付けているお母さんが&hellip;　<br>
　「急におせちを作ったり、振袖を持ち出してきたりして&hellip;ウチの娘も色気付いたモンだよ」　<br>
　歯にモノが詰まったと言うか&hellip;何か含みを持たせる言い方をする。　<br>
　「何よぉ&hellip;その言い方」　<br>
　お母さんの言い方に少し不満を覚えた私。そんな私に、お母さんは〝ニヤリ&hellip;〟と笑いながら&hellip;　<br>
　「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;圭一君が来るんだろ？」　<br>
　「なっ！！！！！！なななななな&hellip;（／／／／）」　<br>
　言ってない！お母さんには言ってない！！だって、言ったら〝からかわれる〟のは目に見えているから。なのに&hellip;直球ど真ん中！何で分かったの！！　<br>
　「あっはっは♪分からないとでも思ってたかい？〝鬼婆〟も分かっていると思うやね。そりゃ、あんたの行動を見てたら&hellip;もうミエミエさぁ。ホント、あんたは『圭一君』の事になると、周りが見えなくなるよねぇ&hellip;ククク」　<br>
　「えぅぅ&hellip;&hellip;&hellip;」　<br>
　婆っちゃにも丸解りだったなんて！分からないと思っていたのは、実は私〝だけ〟だったとは&hellip;指摘されて、恥かしさで顔が上げられない。　<br>
　「ククク&hellip;アンタもしっかり〝女の子〟してんだねぇ♪『頭首第１』だったアンタが&hellip;こりゃ〝御赤飯〟を炊かないといけないかね♪ま、なんにせよ&hellip;しっかり頑張んな！惚れた男をモノにしないと『園崎』の名が泣くよ！！」　<br>
　「&hellip;&hellip;&hellip;（／／／／）」　<br>
　お母さんなりに私を励ましているんだろうけど&hellip;からかわれている様に思うのは何故だろう？やっぱり〝日頃の行いｇ『何か言ったかい？（ニッコリ）』&hellip;&hellip;いいえ、何でもないです（汗）　<br>
　トタトタトタ&hellip;　<br>
　「茜さん、前原さんが起こしになりましたが&hellip;」　<br>
　「はいよ！ちょっと待って貰いな」　<br>
　葛西さんが、障子の向こうから圭ちゃんの来訪を告げる。帯締めを結び終えたお母さんは、私の格好を上から下からチェックする様に眺めていた。　<br>
　「こんなモンさぁね。さ、早く〝愛しの圭ちゃん〟の元へ行きな&hellip;あまり男を待たすモンじゃないよ！」　<br>
　肩をひと叩きして、私を廊下へ送り出した&hellip;少し強めに叩かれたから、肩がジンジン痛い。　<br>
　「ありがとう&hellip;お母さん」　<br>
　圭ちゃんに一刻も早く見て貰いたくて&hellip;圭ちゃんに一刻も早く褒めて貰いたくて&hellip;玄関に向かう私の足は、自然と早足になっていった。　<br>
　「来年の正月には、一族の集まりに２人揃って〝上座〟に座っていたりしてねぇ&hellip;」<br>

</div>

<hr>
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	</item>
	<item>
		<title>ある冬の日に</title>
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		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Fri, 16 Jan 2009 04:45:58 GMT</pubDate>
		<author>fukuryu</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
昭和59年初頭、受験に向けて園崎魅音は過酷な日々を過ごしていた。<br>
元々、嫌いであるという理由で真剣に取り組んだ事が無いだけであった魅音の学力はここ数ヶ月の努力の甲斐あって、まるで別人の如き成果を上げ始めていた。<br>
もちろん、本人の力だけではない。<br>
担任の知恵留美子は魅音が飽きる事が無いようにカリキュラムを組み、授業中や放課後の勉強は一学年下とは思えない学力を持つ東京での受験戦争経験者の前原圭一が協力し、年老いた園崎本家頭首お魎の代理としての雑事は母親の茜が勤めるといった具合である。<br>
また、魅音にとっては何よりも、雛見沢分校での授業時間のみならず放課後の受験勉強の時間に至まで、密かに心を寄せる圭一(といっても気が付いていないのは圭一本人くらいのものであるが&hellip;&hellip;）と共に過ごせる事が何よりも活力源になっていた。<br>
「よし！　そこまで！」<br>
園崎本家の一室に圭一の声が響く。<br>
その声を合図にするようにグッタリと魅音がこたつに突っ伏す。<br>
「し、死んだ&hellip;&hellip;圭ちゃぁ～ん、今日のは難しかったよ～」<br>
「まぁそうボヤくなって。お前が苦手な問題中心だから難しく感じるのは当たり前だろ？　受験って奴はどれかの科目で他の科目の悪さをカバーするって訳には行かないんだよ。特にお前は今まできちんと基礎やってきて無いんだぜ？　取りこぼししないように苦手克服するのと、問題を出来るだけたくさん解いて慣れてくことが必要なんだって」<br>
若干甘えた声を出す魅音。<br>
圭一は魅音の解いた問題の答え合わせをしつついたく冷静に返す。<br>
「けどさぁ～。なんか、ごめんね&hellip;&hellip;そりゃあたしはうれ&hellip;&hellip;ありがたいんだけどさ。圭ちゃんだって自分のしたいこと、あるでしょ？」<br>
「気にすんな。ほんとにいやなら茜さんやお魎さんに頼まれたって理由付けて断ってんだからよ。そもそも勉強なんて楽しくないってのは、きっと俺が分校じゃ一番わかってると思うんだよ。お前がヒーコラ言ってる時に俺がへらへらして遊んでらんねぇだろ？」<br>
「う、うん&hellip;&hellip;」<br>
採点が終了し、圭一は魅音に結果を伝える。<br>
「よし、今日も良い感じだな。だんだんと効率の良い問題の解き方、解ってきたじゃねぇかよ。解答率も正解率も良くなってきてるぞ。まだ安心は出来ないけどな、あはははは」<br>
「ほ、ほんと？　良かったぁ&hellip;&hellip;これでダメな結果出ちゃったら圭ちゃんに申し訳立たないし、それ以上に婆っちゃや母さんに殺されちゃうよ、あたしゃ」<br>
「やべぇな！　そうなると俺も一緒にケジメ取らされちまう！　なんてな。もし、お前が受験に失敗したら、そいつは俺の責任でもあるからな、これからもビッシビシ行くぞ、覚悟しとけよ～、がはははは」<br>
ケジメという言葉に過剰に反応する魅音。<br>
「そそそ、そんなぁ～！　圭ちゃんにケジメなんか取らせないよ！　絶対にそれだけはあたしがやらせない！」<br>
「おう、その為にも頑張ってきちんと合格してくれよ？」<br>
ふと、魅音はここに居ない仲間達に想いを馳せるのであった。<br>
「レナ達どうしてんのかなぁ？　ほら、最近はお昼ご飯の時くらいしか一緒に居ないからさ」<br>
「あぁ、多分今日も梨花ちゃん家に行ってんじゃないか、レナは。それともレナん家に梨花ちゃんとかが行ってるかもだな。けど詩音は大丈夫なのか？　夏前のお前ほど酷くは無いだろうけど、あいつもあんまりきちんと勉強してねぇ口だろ？」<br>
「詩音は今は真面目に学校も通ってるし、勉強もきちんとやってるよ。もともとあたしと違って目的がはっきりしたら一直線だからさ」<br>
「そっか。医者は無理だから看護の方行くんだったっけか。目標かぁ&hellip;&hellip;俺はどうするかまだ全然決めて無いんだよな&hellip;&hellip;」<br>
ちょっと遠い目をする圭一の顔に見惚れたか、若干頬を赤くした魅音が圭一に尋ねる。<br>
「圭ちゃん、目標決めてないってさ、東京に居たとき受験戦争まっただ中って言ってたじゃん。目標無いのにそうやってた訳？」<br>
「あぁ、ぶっちゃけりゃそうだぜ。最初はテストで良い点だとさ、母さんや先生達が誉めてくれた。クラスメイト達も尊敬のまなざしって奴で俺を見てくれた。それがうれしかっただけなんだよな。そのうち良い点取るのが当たり前みたいになっちまって&hellip;&hellip;結局、なんの目標も無しでその場その場でやってただけだよ」<br>
「ん～、でもさ。あたしはそれはそれでありがたいと思うな。だってそうじゃなかったらこうやって圭ちゃんに勉強見て貰ったり出来ない訳だしさ」<br>
「お、そうか！　そう考えると俺のあの勉強付けの日々は魅音の為の日々だったって事か？　なんか俺だけ一方的に損な気がしなくもないが、まぁ悪くはないな」<br>
&rdquo;魅音の為&rdquo;というフレーズが脳内で激しくエコーして、魅音は更に顔が熱くなるのを感じていた。<br>
圭一の瞳をじっと見つめる魅音。<br>
「ん？　どした？　顔が赤いぞ？　熱とかあるんじゃないだろうな？」<br>
魅音の額に手を当てて熱を測ろうとする圭一とあわててそれを押しとどめる魅音。<br>
「ちち、違う違う！　ちょっと今、さっきの集中の反動が出てるだけだって！　け、血圧上がったんだよきっと！」<br>
「おいおい、気を付けろよ？　どれだけ準備したって試験当日に体調崩しちゃ元も子もないぞ？」<br>
「うん、大丈夫だぁって。まっかせなさいよ、あたしを誰だと思ってんのよ？」<br>
「天下御免の園崎魅音ってか？　まぁでも無理はすんなよな」<br>
魅音の頭に手を乗せて、いつものようにやや乱暴にわしわしと撫でる圭一だった。<br>
あわてて魅音は話題を変える。<br>
「で、でさ？　圭ちゃん目標とかほんとどうすんのさ？」<br>
「そうだなぁ、なんかこう雛見沢の役に立てる仕事に就きたいよな。俺はここに越してきてほんとに良かったと思ってるんだ。そりゃ虫は多いし、冬場はこうやってクソ寒いし雪も多い。いろいろと不便だけどさ。そんなもんと引き替えにしたって後悔しないくらいに俺は雛見沢が好きになった。澄んだ空気も水も美味い。景観も良い。住んでる人達も気持ちの良い人ばっかりだしな。それになによりお前に出会えたし」<br>
「ふぇ？　あああああ、あたし？！」<br>
「おう！　こんな気の置けない仲間が出来るなんて俺には想像も出来なかったからな、雛見沢に来て一番の収穫だな」<br>
&rdquo;お前に出会えた&rdquo;というフレーズ以降は魅音にはあまりよく聞こえなかったようだ。<br>
「そういう魅音にとっての目標はなんだよ？　まぁだいたい想像は付くんだけどさ」<br>
「そりゃあたしはさ、この雛見沢をもっともっと良くしたいし、みんなが笑顔で暮らせるように守っていきたいって思ってるよ。園崎の次期頭首だからってだけじゃなくね」<br>
「やっぱりそうか、あははは。わっかりやすいなぁお前。でも俺そういうとこ嫌いじゃないぜ。俺もその手伝い出来ればいいなって思ってるよ」<br>
こんどは&rdquo;そういうとこ嫌いじゃないぜ。手伝う&rdquo;というフレーズが延々と魅音の頭の中を占めていくのであった。<br>
ほんとうの目標というか望みなど口に出来る訳がないと魅音は思った。<br>
魅音の望みは圭一と二人で繋いでいく未来（あした）なのだから。<br>
魅音が見つけた世界中で一番大切なもの、それは圭一の中にあるのだと。<br>
「じ、じゃぁ圭ちゃんもせ、精一杯頑張って貰わないと！　あ、あは、あははは」<br>
「おう、頑張るに決まってんだろ？　お前は時々酷く凹んでどうしようもないからな。そんな時に俺がお前の背中を押してやる。お前が倒れそうになったら俺が支えてやる。心配すんな、俺に任せろ！　この、前原圭一にな！」<br>
「け、圭ちゃん&hellip;&hellip;」<br>
ダメ、もう耐えられない、失神しそうと魅音が限界に達しようとするその時、障子の外から声が掛かる。<br>
「二人ともちょいと良いかい？」<br>
魅音の母、茜の声であった。<br>
「い、いいよ～（た、たすかった&hellip;&hellip;あのままだとかなり危なかったよ）」<br>
「そろそろ休憩の頃合いかと思ってね、お茶持ってきたよ」<br>
「あ、ありがとうございます」<br>
「どうだい、ウチのバカ娘はちったぁモノになりそうかい？」<br>
「大丈夫ですよ。まだ太鼓判までは行きませんけど、この調子でなら多分間に合いますから」<br>
茜を交えてひとしきり、他愛の無い話をした後、茜は席を立つ。<br>
「そいじゃ夕飯までもう一頑張りしとくれ！　魅音もポーッと圭一くん見てないでちゃんと勉強すんだよ？！　あっはっはっはっは」<br>
「お、おおお、お母さんのばかぁ～～～～っ！」<br>
廊下をお盆と共に台所へ向かいながら茜はため息混じりにつぶやく。<br>
「魅音もたいがいだけど、圭一くんも相当だね&hellip;&hellip;あれをまったく無意識に言うってんだから&hellip;&hellip;ウチのバカ娘にしちゃいい男見つけたもんだと思ったけど、こりゃ先は相当に長いねぇ、はぁっ&hellip;&hellip;」<br>
茜の襲来で冷静さを取り戻した魅音は再度受験勉強に取りかかった。<br>
圭一も丁寧かつ厳しい指導をし、魅音はどんどんと問題を解いていく。<br>
やがて日もとっぷりと暮れ、夕食の時間が迫ってきた事で本日の圭一による家庭教師の時間は終わりとなった。<br>
帰る圭一を玄関まで見送る魅音。<br>
「それじゃ、今日やったとこ軽くで良いから見直しておけよ？」<br>
「うん、わかった。今日もありがとね、圭ちゃん」<br>
「おう、気にすんな、お前の為だから当たり前だ！　んじゃまた明日な」<br>
爆発しそうになるのを無理矢理押さえつけて、必死で魅音は<br>
「気を付けて帰ってね」<br>
と一言だけ告げた。<br>
勉強をしていた部屋に戻り、片づけをしながら魅音は盛大にため息を付く。<br>
圭ちゃん&hellip;&hellip;すぐに気づいてとは言わないけどさぁ&hellip;&hellip;もう少し自分の言ってる事考えてよぉ。<br>
言ってる本人は無自覚に自然にさらっと言ってるけどさぁ&hellip;&hellip;聞かされてるあたしゃ爆発しそうだよ、毎回毎回。<br>
鈍感だよね、ほんとに。<br>
おまけにデリカシー無いしさ。<br>
でも、時々凄く敏感にあたしが凹んでるのとかには気が付いてくれるよね。<br>
そんな時は決まって支えてくれて背中を押してくれる。<br>
全然、そういう気がないかもってのはわかってるんだ。<br>
けど、けどさ&hellip;&hellip;圭ちゃん&hellip;&hellip;大好きだよ。<br>
この気持ちがちゃんと伝わるまでいつまでもずっと一緒に、側に居たいよ。<br>
いつか、この想いが届いて笑顔は答えてくれるのかなぁ？<br>
園崎魅音、15才の冬。<br>
雪解けまではまだまだ掛かりそうな季節であった。<br>
<hr /><br>
コンセプトテーマ曲：「大好きだよ (Into Your Heart）」　作詞・作曲・編曲：ジョー・リノイエ、歌：谷咲ナオミ<br>

</div>

<hr>
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	</item>
	<item>
		<title>初雪と水車とピンクのミトン</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/057#tm1253364553</link>
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		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Thu, 15 Jan 2009 13:03:11 GMT</pubDate>
		<author>綾月そらひ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<div class="entry_body entry-body">
		<p class="ni"><p><br />　秋も深まり冬が近づいてきた頃。その日の朝、圭一はあまりの寒さに目が覚めた。<br />　時刻は８時。日曜にしては早い時間だ。日曜日の午後は毎週魅音の家庭教師をしているから、その準備をしなければならないが、それにしたって時間はある。<br />　二度寝しようにも、冷え込む空気に眠る事が出来ず、圭一は仕方なく起き上がった。<br />　カーテンの隙間から白い光が差し込んでいたので、いい天気なのかと思ってカーテンを開けると、外は一面、銀世界だった。<br /><br />「&hellip;&hellip;ぇ&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;雪ぃ？！」<br /><br />　日本海側は雪国で、太平洋側とは比べ物にならないほど降る、という知識はあった。以前レナに、玄関が埋まるという話を聞いたこともあった。<br />　&hellip;でも、こんな早い時期からもう積もるほど降るなんて！<br /><br />　カーテンを開けた窓ガラスから、ジワリと寒さが伝わってきて、圭一は震えた。あわてて、最近中身を入れ替えたタンスから冬物を取り出して、着替え始める。毎年のこの時期よりも、多めに重ね着した。<br /><br />　着替え終わると、圭一は部屋を出て、階段をばたばたと駆け下りた。<br />　階下からは、トントンと台所の音が聞こえてきていた。<br /><br />「母さん！　雪！　雪が積もってる！」<br />「あら、圭一おはよう。そうなのよ、朝起きたら積もってて、びっくりしちゃった。ここって本当に雪国なのね」<br />「俺もびっくりしたよ。寒くて目が覚めた」<br />「母さんも寒くて目が覚めちゃったわ。もう少し寝ようと思ってたんだけど」<br /><br />　そう言って、圭一の母、藍子はぺろりと舌を出す。どうやら今日は遅寝しようと思っていたらしい。<br /><br />「圭一の部屋の押入れに、毛布入ってるから、今日はそれを出してね。晴れてたら、一度干した方がいいんだけど」<br />「&hellip;なんか、干したら余計湿気そうだけど&hellip;」<br />「そうねぇ&hellip;。&hellip;今の時期から毛布を出すなんて、思わなかったわ。やっぱり、いい羽根布団を買わなきゃダメかしら&hellip;」<br /><br />　藍子はぶつぶつ言いながら、予想外に早く起きてきた息子のために、もう一枚ずつ皿を用意する。<br /><br />「今日も魅音ちゃんちに行くのよね？　昨日まで着てた上着じゃ薄いでしょう。冬用のコート、着ていきなさいよ」<br />「うん。&hellip;今からあれを着て、真冬になったら何を着たらいいのかな&hellip;」<br />「&hellip;もう一枚、真冬用のコートが要るわね&hellip;。それとも、中に思いっきり厚着をするか&hellip;」<br /><br />　藍子は準備が出来た朝食を、次々とテーブルに並べていく。<br />　圭一はいただきます、と手を合わせて、並べ終わった端から食べ始めた。<br />　準備が全部終わると、藍子も自分用のお茶を入れて圭一の向かいの席に座った。朝食をぱくつく息子を笑顔で見守るのは、雛見沢に来てからの藍子の日課だ。<br /><br /> 「圭一は中に厚着するのでいいと思うけど、それならそれでセーターとか買いに行かなくちゃね」<br />「うん。&hellip;それにしても、雛見沢がこんなに寒いところだとは思わなかったよ&hellip;」<br />「母さんもそうよ。お父さん、新しいコート買ってくれるかしら。あったかくていい物は、やっぱり高いのよねー」<br /><br />　言いながら、宙を睨む。この機会にちょっといいものを買おうかと思っているらしい。<br /><br />「必要なものだし、買ってくれるんじゃない？　&hellip;ごちそうさま！　ちょっと出てくる！」<br />「あら、もう行くの？」<br />「ちょっと散歩！　だってこんな雪、初めてだし」<br />「転ばないようにねー！」<br /><br />　藍子は嬉々として外に遊びに行く息子を笑って見送った。<br /><br /><br />　圭一は冬物の暖かい上着を羽織って、靴を履く。<br />　玄関を開けると、しんと冷えた空気と、まだ誰にも踏まれていない真っ白な雪が圭一を出迎えた。<br />　新雪の上に一歩踏み出すと、きゅっと雪が鳴った。もう一歩踏み出すと、もう一度、きゅっと鳴る。<br />　我ながらガキだなぁと思いながら、圭一は庭に足跡を付けまくった。<br /><br />　ひと通り庭をぐるりと回ってから後ろを振り返ると、自分の歩いた道筋がはっきりと見えた。<br />　それを見て自宅の敷地内に足跡を付けることに満足すると、圭一は門から外に出た。<br />　ちょっと考えてから、学校のほうへ向かう。いつもの通学路がどうなっているのか、見てみたかったのだ。<br /><br /><br />　日曜だからか、雪が積もっているからか、農家としてはさほど早くない時間帯ではあったが、道行く人はほぼ居なかった。<br />　自宅の外には、白く無音の世界が広がっていた。<br />　見慣れたはずの通学路も真っ白で、まるで違う世界に迷い込んだかのようだった。<br />　圭一は何だか面白くなって、きゅっきゅっと雪を踏みしめながら、のんびりと道を歩く。<br />　都会育ちの圭一にとってはそれなりに積もっているように見える雪は、実際はさほど深いわけではない。けれど、路も石垣も街路樹も畑も畦も、真っ白だった。<br /><br />　圭一は、当初はレナとの待ち合わせ場所くらいまで行ったら戻るつもりだったが、歩きながらふと、水車小屋が気になった。<br />　これだけ寒いんだから、ひょっとして川が凍ってたりはしないだろうか。<br />　&hellip;いや、でも、川って凍るっけ？　よっぽど寒いところでないと凍らないんじゃなかったっけ？<br />　そんなことを考えながら、水車小屋のほうへ圭一は向かう。<br />　けれど、しばらく行くと、いつも通り水車小屋の水車がゆっくりと回っているのが見えた。<br /><br />　&hellip;あ、なんだ、やっぱり回ってるじゃん。<br /><br />　白い世界の中で、ゆっくりと、がたん、かたん、と言いながら水車は回っていた。<br />　圭一は近くで見ようと再び歩き出す。そのとき、圭一は水車小屋のそばに何かがいるのに気が付いた。<br /><br />　&hellip;何か？　&hellip;いや、あれは&hellip;ポニーテール&hellip;？<br /><br />　真っ白い景色の中に、ポニーテールだけが、ぽつん、と浮かんで見えた。<br />　圭一はちょっとビビリながら、まだ数メートル先のそれに、恐る恐る声をかける。<br /><br />「&hellip;み、魅音&hellip;？」<br /><br />　呼ばれて、ポニーテールは振り向いた。<br />　いや、もちろん、ポニーテールだけではなく、体全体が、だ。<br /><br />「圭ちゃん？！」<br /><br />　振り向いた魅音は、圭一の姿を見つけて驚いたようだったが、すぐに笑顔になった。<br /><br />「おはよう、圭ちゃん！　どしたの、こんな朝に」<br /><br />　よく見ると、魅音は真っ白なコートを着ていた。それが雪景色の中に溶けて、ポニーテールだけに見えたのだ。<br />　圭一は謎が解けて、内心でぷっと笑う。<br /><br />「おはよー、魅音。それはこっちの台詞だよ。どうしたんだよ、こんなところに一人でぽつんと立ってさ」<br /><br />　言って、圭一は魅音のほうへ駆け寄ろうとした。<br />　が、魅音はそれを慌てて止める。<br /><br />「あッ、圭ちゃん、走ったら危な&hellip;」<br /><br /><br />　ずべしゃぁぁああああっ。<br /><br /><br />　魅音の制止の声が圭一の脳に届くころには、圭一は見事に顔面からすっ転んでいた。<br />　新雪だからよかったものの、そうでなければ酷い怪我になっていたかもしれない。<br />　魅音が慌てて圭一に駆け寄る。<br /><br />「だっ、大丈夫？　圭ちゃん？」<br />「&hellip;なんでお前は走っても平気なんだよ&hellip;」<br /><br />　圭一は倒れたまま、恨めしそうに魅音を見上げた。<br /><br />「あっはっはー。雪国育ちを舐めてもらっちゃぁ困るねぇ。都会育ちの軟弱な圭ちゃんとは違うんだよー～」<br />「&hellip;くそおーーーッ」<br />「あと、靴。それ、普通の運動靴でしょ？　寒冷地仕様のにした方がいいよ」<br />「なにぃッ？！　そんなのあるのかっ？！」<br />「カンジキとかには及ばないけどねー。&hellip;ほら、圭ちゃん、立てる？」<br /><br />　魅音が手を伸ばしてきたので、圭一はその手に掴まって、そろそろと立ち上がる。<br />　&hellip;が、先ほど滑って固くなった部分にまた足が乗って、ずるっ、と滑りそうになった。<br /><br />「うわっ？！」<br /><br />　圭一は慌てて、手近にあった、安定したものに掴まった。<br />　&hellip;つまり、魅音に。<br /><br />「&hellip;ふぇ&hellip;っ？！」<br />「ご、ごめん、また滑りそうになったから、ついとっさに&hellip;」<br /><br />　思いっきり魅音を抱きしめた格好になった圭一は、そう謝った。<br />　普段ならすぐ体を離しただろうが、そうすると反対側にこけそうだったため、うかつには動けない。<br /><br />「&hellip;ちょっと待ってくれ、体勢整えるから&hellip;」<br /><br />　断ってから、圭一はずるりと滑って離れてしまっていた両足をゆっくりとそろえる。そして安定して立てた事を確かめてから、半分ほど魅音に預けていた体重を戻して、ようやく手を離す。<br />　自分の足で立てて、圭一はほっと一息ついた。コートに張り付いた雪を、ばたばたと叩き落とす。<br /><br />「ごめん、魅音。俺、雪国をナメてたよ&hellip;。&hellip;&hellip;魅音？」<br /><br />　魅音の反応がないことに圭一が気付いて見やると、魅音はなぜか真っ赤になって固まっていた。<br /><br />「おーい、魅音ー？」<br /><br />　圭一は魅音の顔の前で手をパタパタと振る。<br />　しばらくして、魅音はハッと気がついた。<br /><br />「&hellip;魅音、大丈夫か？　顔、赤いぞ？」<br />「だ、だだだ大丈夫だよ&hellip;！」<br />「&hellip;本当か？　冷えたんじゃないのか？　&hellip;あ、ごめん、俺が掴まったから、コートに雪が付いてる」<br />「え、あ、ほんとだ」<br /><br />　言われて、魅音もパタパタとコートに付いた雪を叩き落とした。<br />　魅音が叩き落とし終わった事を確認してから、圭一は口を開く。<br /><br />「&hellip;で、いつからここに立ってたんだよ？　そんな真っ赤になってさ」<br />「そっ、そんなに前じゃないよ&hellip;。それを言うなら、圭ちゃんだって鼻の頭とか頬っぺたとか、真っ赤だよ！」<br />「これは今コケたからだよ、悪かったな！」<br />「&hellip;ほんと？　圭ちゃん、手だって冷たくなってるんじゃない？」<br /><br />　心配そうにそう言って、魅音は淡いピンク色のミトンをつけた手で、何も付けていない圭一の左手を取った。<br /><br />「ほら、圭ちゃんの手、ちょっとかじかんでるよ」<br />「え」<br /><br />　魅音は圭一の手を両手で包み込んで、はーっ、と暖かい息を吐きかける。<br /><br />「もー、圭ちゃん、ちゃんと手袋しないとダメだよ？　ほら、右手も」<br /><br />　言って、魅音は圭一の右手も取って、息を吐きかけた。<br />　両手を魅音のピンクのミトンに包まれて、圭一は何故だか無性に恥ずかしくなった。かといって、恥ずかしいからやめてくれなどと言うことも出来ない。<br />　何が恥ずかしいのか考えることさえ恥ずかしい気がして、圭一は思考を止め、しばらく魅音にされるがままになった。<br />　魅音の吐息が、暖かかった。<br /><br /><br />「&hellip;&hellip;魅音は、こんな朝からここで何やってたんだ？」<br />「うん？」<br /><br />　聞かれて、魅音は息を吐きかけるのをやめた。ただし、両手はまだ圭一の手を包みこんだままだ。<br />　ちょっと考えてから、魅音は答える。<br /><br />「&hellip;えっと、ほら、今年初めて積もったからさ。まだ誰にも染められていない、この真っ白い世界を、見ておこうと思ったの。&hellip;&hellip;なーんちゃって」<br /><br />　柄じゃないと思ったのか、魅音は最後におどけた。それから付け足す。<br /><br />「&hellip;雪なんて、毎年嫌ってほど降るんだけどね。&hellip;なんとなく今日は、見ておかなきゃ、って、思ったんだよねー&hellip;」<br />「&hellip;ふ～ん。&hellip;俺は、&hellip;雛見沢の人にとっちゃこんなの序の口かもしれないけど、俺はこんなに白い世界を見たの、初めてだったから。足跡をつけなきゃー、って」<br />「あっはっは。私も小さい頃はやったなぁ」<br />「どーせ俺はガキですよ～」<br /><br />　拗ねたように言った圭一に、魅音は笑って手を横に振る。<br /><br />「いやいや、そうじゃなくてさ、どれだけ足跡をつけても、すぐに無駄になるくらい降るんだよ」<br />「&hellip;そんなに降るのか&hellip;」<br />「まだしばらくは、本格的には降らないだろうけどね」<br /><br />　言われて、圭一は、空を見上げた。<br />　少し薄曇りだが、太陽と青い空が見えた。それが見えるのも、今のうちということなのだろう。もう少ししたら、本格的な冬が来るのだ。<br /><br /><br />　しばらく立ち止まっていたからだろうか、寒さが背筋を上ってきて、圭一は震えた。&hellip;そろそろ帰ったほうがいいだろうか。<br />　震えた圭一を見て、魅音が言う。<br /><br />「どうする？　うちに寄ってく？　何かあったかいものでも出すよ？」<br />「&hellip;んー&hellip;&hellip;いや、今寄っても、午後の準備は持ってきてないし。一旦帰ってからまた魅音ちに来ることになるからさ。とりあえず帰るよ」<br />「&hellip;そうだね」<br /><br />　ちょっと残念そうに、魅音が答えた。<br />　その表情を見て、圭一は、やっぱり寄ればよかったかな、と少し思う。だが、それを言いだす前に、魅音が言った。<br /><br />「じゃぁ、またあとでね、圭ちゃん」<br />「おう。&hellip;俺が出した宿題は済んだか？」<br />「&hellip;えーっと、あとちょっと残ってる&hellip;」<br /><br />　魅音は目をそらしながら答える。<br />　&hellip;本当に『ちょっと』かどうかは怪しいようだった。<br /><br />「ちゃんとやっとけよー。&hellip;&hellip;じゃぁ、また午後にな」<br />「あっ、ちょっと待って圭ちゃん。手袋！」<br />「え？」<br />「これ、していって。午後から来るときに返してくれたらいいから」<br /><br />　魅音は自分のピンクのミトンを外して、圭一に押し付ける。<br /><br />「&hellip;え、いや、でも、これがなかったら、お前が寒いじゃん」<br />「私んちはここからすぐだもん。圭ちゃんちまではちょっと距離あるでしょ。冷えちゃうよ」<br />「&hellip;で、でも&hellip;、」<br />「&hellip;&hellip;あ、ピンクだから、恥ずかしい？」<br /><br />　躊躇した圭一を、魅音はそう判断したようだった。<br />　だが、圭一はピンク色が恥ずかしかったわけではなかった。<br />　&hellip;ただ、何かが恥ずかしい気はしたものの、それが自分でも何だかよく分からなかったので、うまい言い訳も出来ず、圭一はしどろもどろに言う。<br /><br />「い、いや、そうじゃないんだけど&hellip;」<br />「じゃぁしていって。ほらほら」<br /><br />　魅音はそう言うと、有無を言わさず、ミトンを圭一の両手にはめた。<br />　ほわほわのミトンは、魅音のぬくもりが残っていて、温かかった。<br /><br />「&hellip;あったかいな」<br />「でしょ？　私のお気に入りなんだからね。ちゃんと返してよ」<br />「あぁ、ちゃんと返すよ」<br />「あ、ポケットに手ぇ突っ込んじゃダメだからね。コケたときに危ないから」<br />「&hellip;はい、気をつけます&hellip;」<br /><br />　畏まって言った圭一に、魅音はふっと笑う。<br /><br />「じゃ、また後でねー！」<br />「あぁ、サンキューな！」<br /><br />　魅音は圭一に手を振って、自宅のほうへ小走りに駆けて行った。圭一はそれを見送ってから、ポツリと呟く。<br /><br />「&hellip;あいつ、自分はポケットに手ぇつっこんで走ってんじゃん」<br /><br />　雪国育ちだから、転ばない自信があるのかもしれない。<br />　それに、圭一にミトンを貸したから、手が寒いのもあるだろう。<br />　圭一の両手は、魅音のミトンが包んでいるから、ほっこりとあたたかい。<br />　このぬくもりを貸してくれた魅音に、圭一は感謝した。<br />　なんだか、心もあたたかかった。<br /><br /><br />「ただいまー」<br />　帰宅して、圭一は玄関口から声をかける。<br />　居間のほうからだろう、母が返事をするのが聞こえた。<br /><br />「お帰りなさーい。遅かったわね。どこまで行ってたの？」<br />「水車小屋のとこまでー」<br /><br />　圭一は答えながら靴を脱いで玄関に上がり、コートを脱ぐ。それから、魅音に借りたミトンを外した。<br />　そこまでしたところで、母の藍子が玄関に顔を出した。<br /><br />「あら圭一、何か、いいことでもあった？」<br />「&hellip;へ？　いや、別に何も？　なんで？」<br />「なんだか、嬉しそうに見えたから」<br /><br />　だが、圭一には、顔を見たとたん母に指摘されるほどのいい事があった覚えはなかった。<br />　だって、偶然、魅音に会っただけなのだから。<br />　だから、圭一は首をかしげてこう答える。<br /><br />「別に何もないよ？？」<br />「そう？」<br /><br />　言いながら藍子は、圭一が隠すように手に持っているピンクのミトンを見つけて、クスリと笑った。<br />　笑われたことに気付いて、圭一が憮然として言う。<br /><br />「&hellip;何だよ？」<br />「別に何もないわよ？」<br /><br />　圭一の口調を真似てそう言って、藍子はくるりとターンして居間のほうへ歩き出す。<br />　途中で気付いて、藍子は息子を振り返った。<br /><br />「そうだ、冷えたでしょう、あったかいスープでも飲む？」<br />「スープ？」<br />「コーンスープ。粉のヤツだけどね」<br />「うん、いただくよ。&hellip;あ、そうだ母さん、俺の手袋ってどこやったっけ？」<br /><br />　藍子の隣を歩きながら、圭一が聞く。藍子はう～ん、と考えてから、<br />「コートと同じところに仕舞ってなかった？」<br />「&hellip;見逃したのかなぁ。もっぺん探さなきゃ。&hellip;とりあえず上着を部屋に置いてから、飲みに来るから」<br />「はいはい」<br /><br />　階段を駆け上がる息子を笑って見送って、藍子はヤカンを火にかけた。&nbsp;<br /><br /><br />-------<br /><br /><br />自サイト掲載のSS「昭和59年シリーズ(5)初雪の日」に加筆修正。<br />前作「コタツとミカンと神頼み」の少し前の話になります。&nbsp;<br /><br />&nbsp;</p></p>
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	</item>
	<item>
		<title>秋口の電話</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/055#tm1253364553</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/055</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sat, 10 Jan 2009 12:19:02 GMT</pubDate>
		<author>砂漠の塵</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<div class="entry_body entry-body">
		<p class="ni"><p>&nbsp;ジリリリリン！&hellip;ジリリリリン！&hellip;ガチャッ！</p><br />
		<p>「はい、園崎です」<br />「もしもし魅音か？」<br />「あー圭ちゃんかぁ、どったの？まさかおじさんにタイマンで部活でも挑もうってーの？また猫耳メイド服で診療所に特攻させてあげるけどね～くっくっくっく♪」<br />「ば～か、返り討ちにしてやるぜ！」<br />「圭ちゃにそれが出来るかね～？まぁ楽しみにしとくよ。で、どうしたの？」<br />「おぉ、夏休みにみんなで海に行った時、富竹さんに色々写真撮ってもらったろ？」<br />「うんうん♪楽しかったよね～、特に圭ちゃんの白鳥チュチュ姿にはおじさん感動したよ～～アハハハ」<br />「ふっ&hellip;他の海水浴客の視線が気持ちよかったぜ、ってそんな訳あるかーっ！！！」<br />「お、ノリツッコミ？成長したねぇ圭ちゃん♪」<br />「なんの成長だ！ところであの写真、富竹さんがアルバムにして送ってくれたろ？今それ見てんだよ」<br />「あぁ、おじさんトコにも来たよ、ちょっと待ってて、取ってくるからさ」<br />「おう！」<br />魅音はそう言うと自室に戻り、アルバムを持って電話口に戻った。</p><br />
		<p>ここで些細なアクシデントが起きた。実はこのアルバム、表紙と裏表紙が全く同じ作りになっている為、どちらが表紙なのかかなり分かり辛くなっているのだ。<br />ここで起きたアクシデントとは、圭一が表紙だと思って開いたのが、魅音は背表紙だと思っている部分という事。つまり二人が見ている写真は全く違うのだが&hellip;</p><br />
		<p>１枚目の写真　圭一&rarr;ビキニ姿の魅音　魅音&rarr;海の家にいた小太りな猫</p><br />
		<p>「あぁー居たねぇこんな子が、でもちょっとお腹の肉が気になるよねぇ」<br />「んん～？そうか？俺はかなりのナイスバディだと思うんだけどな&hellip;」<br />「いやいや、おじさんはもうちょっとスマートな方が好みなんだよ。あんまりぷにぷにするのもねぇ&hellip;」<br />「んな事ねぇだろ？俺はちょっとぷにぷにしてる感じの方が&hellip;てゆーかこの写真の場合はむしろバインバインか！？魅音、このレベルのバインバインさは誇っていいぞ！巷にはこのレベルに到達している者の方が少ない！並の冒険者レベルじゃないぞ、これは伝説の勇者クラスだ！そのうちきっと神話になるぜ！」<br />「そ、そうかなぁ？結構並だと思うけどなぁ」</p><br />
		<p>２枚目の写真　圭一&rarr;近くの草むらにいた蛇　魅音&rarr;年少組の水着姿にかぁいいモードになったレナ</p><br />
		<p>「これにはびびったぜ！突然の事だったしな」<br />「そうそう！水着に着替えて出てきたら、いきなり牙剥いてるんだもん、びっくりしたよ～」<br />「沙都子なんて足に巻きつかれてたしな！ギャハハハハ」<br />「くっくっく、強がってたけど、半ベソかいてたしね♪」<br />「頬っぺた舌で舐められて、もうちょっとほっといたら捕食されてたなありゃ」<br />「圭ちゃんそりゃいくらなんでも&hellip;いや、あり得るねぇ久しぶりに結構凶暴な感じだったし」<br />「そうそう結構デカかったしなぁ」<br />「あの被害のデカさは近年稀にみるねぇ♪」</p><br />
		<p>３枚目の写真　圭一&rarr;海でもやっぱりシューを食べる羽入　魅音&rarr;海と空の境界に沈む夕日</p><br />
		<p>「この景色は凄かったよねー♪」<br />「おぉ！一気に吸い込まれてったからな、俺まで吸い込まれるかと思ったぜ！」<br />「あはは、吸い込まれても助けてあげないよ～」<br />「へっそんときゃ自力で脱出してやるぜ！」</p><br />
		<p>４枚目の写真　圭一&rarr;白鳥チュチュ姿の圭一　魅音&rarr;ビーチパラソルの下で居眠りしてる梨花</p><br />
		<p>「うえっ！やっぱり撮られてたのか&hellip;」<br />「え～？おじさんは結構カワイイと思うけど～？」<br />「馬鹿言うな！こんな姿写真に撮られた日には、お嫁に行けなくなるわっ！！」<br />「んん～？？結構引く手数多だと思うけどな～？」</p><br />
		<p>５枚目の写真　圭一&rarr;海の景色　魅音&rarr;海の景色</p><br />
		<p>「しかしこの日は暑かったよな～」<br />「でもいい天気だったから気持ちよかっかたじゃん」<br />「そうだな、たまには遠くに遊びにいくのもいいよなぁ♪」<br />「圭ちゃん雛見沢に来る前は夏休みにどっか行ったりしなかったの？」<br />「&hellip;塾の夏期講習・学校の宿題・２学期の予習・塾の合宿で夏休みが終わってた&hellip;」<br />「&hellip;ゴメン、結構灰色な夏休みだったんだね&hellip;」<br />「&hellip;&hellip;&hellip;」</p><br />
		<p>６枚目の写真　圭一&rarr;ビーチパラソルの下で居眠りしてる梨花　魅音&rarr;白鳥チュチュ姿の圭一</p><br />
		<p>「コレ可愛かったよな～♪」<br />「どぇぇぇええっ！？圭ちゃん&hellip;ついにそっちの世界に目覚めちゃったんだね&hellip;ちょっと罪悪感あるなぁ&hellip;」<br />「はぁ？何言ってんだオマエ？こんなに可愛らしい姿見たら誰だって可愛いって言うだろ？」<br />「う、うーん&hellip;ま、まぁ『レナもお持ち帰り～！』って言ってたから&hellip;多分ごく一部の人にはウケるんじゃないかな&hellip;たははは&hellip;次いこ、次！」<br />「なんだよ？変なヤツだなぁ&hellip;」</p><br />
		<p>７枚目の写真　圭一&rarr;海と空の境界に沈む夕日　魅音&rarr;海でもやっぱりシューを食べる羽入</p><br />
		<p>「おぉ～！！写真で見てもやっぱりダイナミックな光景だよなぁ♪」<br />「あははは♪海に来ても雛見沢でも、この光景はもう見慣れちゃったよね～」<br />「そうか？俺は都会に居たせいか、毎日違う光景に見えて全然新鮮だぜ♪」<br />「そういうもんなのかなぁ？おじさんはやっぱり見慣れちゃったよ」<br />「でも、キレイだったよな&hellip;（夕日が）」<br />「うん、すっごくキレイだった&hellip;（シューの載っていたお皿が）」</p><br />
		<p>８枚目の写真　圭一&rarr;年少組の水着姿にかぁいいモードになったレナ　魅音&rarr;近くの草むらにいた蛇</p><br />
		<p>「雛見沢でもよく見るけどさ、圭ちゃんもう慣れた？」<br />「いやいやいや、こいつは無理だろ。てゆーかどう慣れろってんだ！？」<br />「くっくっくっ、やっぱり都会のもやしっ子には厳しいのかねぇ？あ、圭ちゃん家の近くにもたまに出没するから気をつけなよー」<br />「いや、それは当たり前だろ&hellip;てゆーかほぼ毎日遭遇しとるわっ！！」</p><br />
		<p>最後の写真　圭一&rarr;海の家にいた小太りな猫　魅音&rarr;ビキニ姿の魅音</p><br />
		<p>「たはは&hellip;これやっぱり撮られてたんだ&hellip;恥ずかしいなぁもぉ&hellip;」<br />「魅音&hellip;今だから白状するけどな&hellip;」<br />「どったの圭ちゃん？」<br />「実は俺&hellip;こいつが大好きなんだっ！」（注：写真の猫です）<br />「ふぇぇっ！？」<br />「だ、だってさ、可愛いだろコイツ」（注：やっぱり猫のことです）<br />「かっ、可愛いっ！？そそそっそんな事ないよっ！けけけけ結構がさつだし&hellip;」<br />「ば～か、そういうトコも全部ひっくるめて大好きなんだよ！」（注：くどいですが猫の事です）<br />「うえぇぇぇぇえっ！？そ、そんな事急に言われても&hellip;あぅ&hellip;」<br />「なんか近くにいると落ち着くっていうのか、和むっていうのか&hellip;そんでどっか行っちまうとむしょうに寂しくなっちまうんだよ」（注：それでも猫の事です）<br />「え！？&hellip;&hellip;&hellip;うん&hellip;私も&hellip;かな&hellip;」<br />「オマエもか！？うんうんやっぱりそうだよな！あぁそうだ！俺さ今度父さんと母さんに話してみようと思うんだ！『コイツと一緒に住みたいって』てさ♪」（注：やっぱり猫の事&hellip;そろそろくどい？）<br />「はいぃっ！？けけけ圭ちゃんっ！そそそそれ暴走しすぎだよっ！！」<br />「そうか？あぁやっぱり親父のアトリエとか入っちゃうと色々まずいかもしれないもんなぁ&hellip;あ、じゃあ俺の部屋に監禁しちまうか♪ははははは」（注：間違いなく&hellip;以下略&hellip;）<br />「かかかかか監禁っ！？ダメダメダメ！そんなの絶対ダメ～！！！」<br />「冗談だって&hellip;でもさ、俺朝はおはようのキスから、夜はオヤスミのキスまでしちゃうと思うんだよ、いや絶対する！！んで一緒の布団で寝るんだよ♪あぁ～！想像したらテンション上がってきちまったぜ！！」（注：&hellip;もういっか&hellip;）<br />「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;」<br />「あれ？魅音どうした？おーい？もしもし？もしもし？」</p><br />
		<p>その直後がちゃん！というけたたましい音とともに電話が切れた。圭一は急に切りやがったと少し不快になったが、翌日魅音が真っ赤な顔をして『いきなり切っちゃってゴメンネ』と何度も謝ってくるのですぐに許す事となった。<br />だがその日から圭一に対してよそよそしい態度をとる魅音に、圭一が気づくのはまだ随分と先の話であった。</p><br />
		<p>&nbsp;</p></p>
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		<title>稜線に輝く...、</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/054#tm1253364553</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/054</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Wed, 07 Jan 2009 12:56:04 GMT</pubDate>
		<author>KK23</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<div class="entry_body entry-body">
		<p class="ni"><p><br /> また、あの夢か&hellip;。<br /><br /> 今日も、そのせいで目覚ましが鳴るよりも早く目が覚めてしまった。<br /><br /> ――― 五時五十分。<br /><br /> 七月下旬のこの時期、太陽はとっくに上がっているはずの時間だが、山間にあるこの村に日の出が訪れるのは遅い。特に東側に高い山があるので尚更だ。<br /><br /> だが、窓を開けると空自体は大分明るくなっていて、夜でも朝でもない不思議な空間が俺の大好きなこの村を覆っていた。<br /><br /> 伸びをして、深呼吸。<br /> 休日といえば寝坊を決め込んでいた俺が、夏休みに入るまで味わったことのない空気の味。<br /> 美味いと思っていたこの村のそれに、更に美味いと思える時間帯がある事を知った。<br /><br /> 最初はこんな時間に起きなきゃいけない事に抵抗も覚えたけど、あいつの誘いに乗ってつまらないと思った事なんて、そう言えば一度もなかったな。<br /> まあ、･･･損をしたり屈辱を味わう事はあってもな。　ははははは。<br /><br /> 俺が夏休みに早起きしている理由は、そう、夏休みに入る直前の事&hellip;。<br /><br /><br /><br /><br />『ラジオ体操ぅ？！』<br /> 俺は素っ頓狂な声を上げた。<br /><br />『そっ♪』<br /> &hellip;&hellip;あいつは、凄く楽しそうに笑っていた。<br /><br />『中学生にまでなって、何だって、そんなもんに参加するんだ？　スタンプ揃えなきゃいけないのは梨花ちゃん達三人だけだろ？　せっかくの休みだってのに、どうして早起きしなくちゃいけないんだよ？』<br /><br /> ああ、思い返すと俺、ガキみたいな事言ってたな。断ってたら絶対後悔したろうし。<br /><br />『圭ちゃ～ん、農家の人に比べれば全然早起きの内に入らないよ。　それにさ、休みだからこそ早く起きなきゃ。　遊べる時間をそんだけ増やせるんだよ？　寝てるだけなんて勿体無いじゃん！<br /><br /> でさ、会場は古手神社なんだけど、終わった後、皆で梨花ちゃん家で朝ごはん食べようよ！　材料持ち寄って、みんなで作んの！　ああ、圭ちゃんは足引っ張るだけだろうから、材料だけでいいよ。<br /><br /> あ、お茶くらい淹れてもらってもいいかな？』<br /><br /> 早起きの苦労よりも料理上手な仲間たちとの朝食の誘惑が勝り、俺は毎朝この時間に起きている。<br /> &hellip;&hellip;俺が朝食を作るという&rdquo;部活&rdquo;にならない事を祈りながら。<br /><br /><br /> &hellip;&hellip;あいつの事を考えたら、夢の内容を思い出してしまった。<br /><br /> &hellip;&hellip;&hellip;<br /><br />（ジリジリジリジリジリジリ！）<br /><br /> 突然鳴った目覚ましに、現実に引き戻された。　どうやら十分間も呆けていたらしい。早起きとはいえ、実はそんなに時間の余裕があるわけでもない。会場の古手神社までは歩くと二十分位かかる。<br /> 洗面、歯磨きをさっさと済ませ、昨夜の内にお米を入れておいた袋を持って、レナとの待ち合わせ場所へと急いだ。<br /><br /><br /><br /><br />「圭一くん、おはよう！　今日も早起きだね、だね！」<br /> 待ち合わせ場所に着いたのは、レナとほぼ同時だった。<br /><br />「なんか、同時ってだけで早起き扱いされるのも複雑だな。　お前は俺を何だと思ってるんだ？」<br />「え？　う～んと、･･･万年お寝坊さんっ！　あははははは！」<br /><br /> 遠慮も容赦も無く言ってくれるぜ。　目覚ましより早く起きてんだぞ？　流石に心外だ。<br /><br />「ほう、じゃあそのお寝坊さんより遅く来るような事があったら、罰ゲームものだな、えぇ？<br /> よし、決めたぞ。　明日、レナに部活の一騎打ちを申し込む！　早起き勝負だ！<br /> 罰ゲームは、そうだな。　明後日のラジオ体操をメイド服でやるってのはどうだ？」<br /><br /> 監督もラジオ体操来てるからなぁ、実は結構リスキーな罰ゲームだったりする。<br /><br />「え？　メイド服着てラジオ体操？<br /> 圭一くんがフリフリで、ぴょんぴょんジャンプして、スカートがひょこひょこ揺れて･･･、はぅ～～～～～～～っ！<br /> 負けないんだよ！　だよ！　それで、朝ごはんの後、　･･･お～持ち帰りーっ！　はぅー！」<br /><br /> しまった！　かぁいぃモードにしちまった！　しかも『はぅー！』が二回も出るくらい！明日は寝袋もって待ち合わせ場所で寝ないと駄目だな、これは。　家に寝袋あったかな？<br /><br /> そんなやりとりをしながら水車小屋の前までやってきた。<br /><br /><br />「おはよう！　圭ちゃん、レナ！」<br />「おはよう、魅ぃちゃん。」<br />「おう！　お前もよく遅刻しないよな。学校行く時は今より遅い時間でも遅れまくってるくせに。」<br /><br />「へへへ～♪　やっぱ、これから勉強しなきゃってプレッシャーがあるとさ、起きる気無くすんだよね～。<br /> 学校あるときはさ、授業終わったら部活だ～！　って自分に言い聞かせないと起きらんないんだよ。<br /> 楽しいことする時は目覚ましなんか無くたって、もう、ばっちり！」<br /><br /> 魅音とレナは凄く楽しげに笑った。<br /> もちろん俺からも笑みがこぼれたけど、･･･なんというか、魅音の笑顔を正面から見られない。<br /> 顔に笑いを貼り付けたまま、俺はさり気なく二人から視線を逸らした。<br /><br /> そのうち笑いが自然と小さくなっていき、レナが話題を変えた。<br /><br />「そういえば、詩ぃちゃんは？」<br />「･･･ふぇ？　あ、ああ、朝ごはんの材料もって先に行ったよ。　カボチャをどっさり。」<br /><br />「沙都子のためなんだろうけどさ、やりすぎると嫌われたりしないか？」<br /><br /> やっぱり俺は二人から視線を外したまま会話に参加した。　うん、綺麗な空だ。<br /><br /> &hellip;&hellip;<br /><br /> ん？　二人から反応が返ってこない。　そっと二人の方をうかが、･･･って、ほっぺたに指が食い込んだ。<br /><br />「あははははは！　圭一くん！　話をする時はちゃんと相手を見ないと駄目なんだよ！　だよ！」<br /><br /> やったな！　と、いつもの調子でじゃれようとしたけれど、レナの目が少しだけ、真剣だった。<br /><br />「&hellip;あ、ああ、悪い。この時間、ほら、空が綺麗じゃないか。それでつい、見とれててな･･･。」<br /> う、口先で取り繕うのは得意なんだが、少し気圧されて自信無さげになってしまった。　説得力、四割減。　駄目か？<br /><br />「ふ～ん、　&hellip;うん。そうだね、綺麗な空だもんね。　それじゃあ仕方がないよね。」<br /><br /> &hellip;なんか、そういう事にしておいてあげるよって、副音声で聞こえてきそうな声音と表情だった。<br /><br /> 一体何だ？<br /><br /> 魅音をまともに見られないのは、綿流しからこっち、毎日見ている夢のせいだ。　しかも今日のは特に鮮烈だったから、少し意識しすぎているかもしれない。<br /> だけど、それ以外はいつも通り過ごせているから別に問題はないだろう？　やましい事は何もないはずだ。<br /><br /> しかし、何か後ろめたさを覚える感情に、俺自身が一番戸惑っている。<br /><br /> その後は古手神社まで何事も無かった。会話のテンションがちょっと低かったかもしれないけど･･･。<br /><br /> 歩きながら俺は、ずっと釈然としない感情の理由を考えていた。　そのせいで周囲への注意が散漫だったから、神社の階段を登りきったところであんな目にあった。<br /><br /><br /><br /><br />「ぶっ！」<br /><br /> 紐に脚を引っ掛けて転ぶなどという、トラップとすらいえない初歩的な悪戯に引っかかり、俺は顔面をしたたかに打ちつけた。<br /><br />「どうしたんですの？　圭一さん？　いつもならかからないようなトラップに引っかかったりして？<br /> それをかわした後に本命がありましたというのに！　最後までトラップコンボをお見舞いできないじゃございませんか！」<br /><br /> 考え事をしていたんだよっ！　それに何でお前の方が理不尽そうに被害者みたいな声を出すんだ？　被害者はこっちだろ？！<br /><br />「沙都子ちゃん、おはよう。　あ、詩ぃちゃんも！」<br />「&hellip;おう、おはよう。」<br /><br /> レナが挨拶したのでとりあえず俺も、文句を飲み込んで言うだけ言っておく。<br /><br />「圭ちゃんは挨拶も出来ないんですか？」<br />「ん？　今しただろ？」<br /><br />「いいえ、違います。沙都子のトラップの事です。<br /> 沙都子にとって圭ちゃんへのトラップは挨拶と同義。　それを最後まで発動させること無くリタイアするなんて、沙都子に挨拶してないのと同じです。<br /> さ、今からでも全部に引っかかって下さい。」<br /><br /> こ、こいつは&hellip;。<br /> 大体、俺がこんなにアンニュイなのは、半分は詩音のせいでもあるんだからな！<br /> &hellip;でも、それだけに言い返す気力が沸かない。<br /><br />「あれ？　本当にどうしちゃったんですか？　圭ちゃん。<br /> いつもならこれだけ色々されたり言われたりしたら、いきりたって何か言い返してきますよね？<br /> 具合でも悪いんですか？　それともまだ半分寝てるとか？」<br /><br /> 詩音も沙都子も本気で心配している目だな。<br /><br />「ん？　ああ、まあ、その、なんだ、&hellip;男には色々と浸りたい気分の時ってあるんだよ。」<br />「似合いませんわね。」<br /><br /> 沙都子め、一刀両断しやがって。　ていうか、その冷たい言い方、詩音に似てきたぞ。<br /> 詩音の方は俺の背後、魅音の方か、そちらを一瞥した後、一番指摘されたくない事を言ってきた。<br /><br />「圭ちゃん、お姉と何かありましたか？」<br /><br /> ちょっと責めるような口調だった。<br /><br />「あ、あるわけないだろ。　なぁ、魅音？」<br /><br /> そう、何もない。　ただ、顔を見るのに抵抗があるというだけで、喧嘩とか、したわけじゃない。<br /><br /> さっきレナに言われた事もあるので、話しかけるには魅音の方を見ない訳にはいかない。振り返りつつ俺はそう言った。<br /><br /> 魅音は&hellip;、<br /><br /> &hellip;&hellip;&hellip;！！<br /><br /> な、&hellip;今、こいつ、泣きそうな顔してなかったか？<br /><br />「そうそう！　何もないって！　なははははははははは。」<br /><br /> だが一瞬でそんな気配を絶って、いつもの能天気な口調でこう言った。　気のせいだったか？<br /> でも、魅音以外の誰も笑わなかった。<br /><br /> &hellip;&hellip;<br /><br />「みぃ～！　皆早く集まるのです！　始まりますですよ！」<br /><br /> さっきまで向こうで年寄り達に囲まれていた梨花ちゃんの呼びかけが、気まずい空気を払ってくれた。<br /><br />「ほら、行こ！　詩音もそんな辛気臭い顔しないで！」<br />「おう！　行こうぜ！」<br /><br /> あいつの元気な掛け声に、俺はようやく魅音に笑いかけることが出来た。　皆の雰囲気も少し和らいだ。<br /><br /><br /><br /><br /> ラジオ体操第一の、気の抜けたような間抜けな音楽が、古手神社の境内に響いている。<br /><br /> 魅音、詩音、沙都子の三姉妹は（断言しても良いよな？）俺やレナの一つ前の列で、意外と真面目に体操してる。<br /> 俺と梨花ちゃんは、ちょっと面倒くさそうにダレた感じで体を動かしていた。<br /> &hellip;&hellip;変なのが二人。　羽入とレナだ。<br /><br /> 羽入は賽銭箱の上に置いたケーキの箱が気になって仕方がないようだ。<br /> なんでも、今朝、年寄り連中から貰ったものらしい。　流石にそれを持って体操は出来ないから、一度置くように皆で説得したんだが、中々渋って手放そうとしなかった。<br /><br />『誰も取らないから大丈夫だよ、心配なら一度オヤシロ様に預けよう。』<br /><br /> と、レナが説得して、ようやく賽銭箱の上に置いたという次第。<br /><br /> ちなみにその説得を聞いた梨花ちゃんは、何故か顔を真っ赤にして呼吸困難になるくらい笑い転げていた。　大丈夫か？<br /><br /> 羽入は梨花ちゃんのそんな笑いにも我関せずで、ただひたすらケーキの箱に集中していた。あの執着の仕方、箱の中身はシュークリームだな。<br /><br /> 体を旋回させる動きをしようと、視線は賽銭箱の上からまるでブレない。<br /> 体を後ろへ反らす時は、&hellip;&hellip;あきれた。どこの雑技団の真似だ？！　それは？！<br /> 一気に体を反らして脚の間から顔を出して賽銭箱の上を見つめてる。<br /><br /><br /><br /> レナはというと、俺の隣で臨界点ギリギリだった。<br /><br />「お～う～ま～さ～ん～♪　魅ぃちゃんの、尻尾～☆<br /> ひょこひょこ揺れてかぁいぃんだよー！　は～～～～う～～～！」<br /><br /> メルトダウン直前の原発の近くにいるような気分だ。　誰か止めて下さい。それだけが俺の願いです。<br /> だが、レナの気持ちも少しは&hellip;。　俺もひょこひょこと揺れる魅音の後ろ髪をずっと見つめていた。<br /><br /><br /><br /><br /> ラジオ体操が終わると、羽入は賽銭箱のところにまっしぐらだった。<br /> ケーキの箱に頬ずりをして、あぅあぅ言ってる。　微笑ましいかぎりだ。<br /><br />「羽入ちゃん、早くお家に帰って冷蔵庫に入れた方がいいと思うな。」<br /><br /> レナの呼びかけに、辛うじて反応できるだけの理性は残していたようで、ケーキの箱を大事そうに抱えながら家へと向かっていった。<br /><br /> レナは、魅音に何か話があるらしく、俺にも先に行くよう促した。<br /><br /><br /> 梨花ちゃん達の家はお世辞にも広くない。　俺たち七人が食事をするだけの広さは辛うじてあるが、食事の支度など、働くにあたっては上手く連携できないと邪魔になる。<br /> まあ、そういう理由で俺はいつも朝食の支度が出来るまで外で待つ事になっている。　あ、でも食器の準備くらいはしてるぞ？<br /><br /> 支度が出来るまで、俺は境内の東側で、山に隠れた太陽が顔を出すのを待つのが日課になっていた。<br /> ここは、西側の村が一望できる広場と違って木々に覆われており、あまり人はこない。<br /><br /> 太陽は、ここいら一帯で一番高い山の右脇から現れる。<br /><br /> 稜線が光り輝き、徐々に太陽が顔を現すその様が何とも言えず美しく、　俺は益々この村が好きになっていた。<br /><br /> &hellip;&hellip;その時間まであと少し。<br /><br /><br /><br /><br /> 日の出を待つ間、引っ越して間もない頃のことを思い出していた。<br /> 思い返すと自分も変わったな、と実感できる。都会育ちの俺は、沢山の虫や、土の泥濘がどうにも受け入れられず、今のようにただ純粋にこの村を好きだとは思えなかったっけ&hellip;&hellip;。<br /><br /> 虫やら泥濘やら、その他諸々の田舎臭さを受け入れられるようになったのは、魅音の罰ゲームのおかげもある。いや、殆どが部活のおかげかな？　苦手なものがあったら生き抜けない環境だからな。<br /><br /> 一度、田圃にダイブさせられた事があった。　その田圃の持ち主にこっぴどく怒られたし、服に入り込んだ泥は気持ち悪かったけど、&hellip;ひんやりして気持ちよくもあった。　頬をくすぐるオタマジャクシの群れが愛おしくなった。<br /><br /> 野鳥を撮っている富竹さんを手伝おうとあいつが言い出して、鳥を誘き出す餌を皆で集めると言う部活があった。　綺麗な羽の持ち主である鳥たちの餌は、グロテスクな虫だった。富竹さんは、この村には鳥の餌となる虫が沢山いるからこそ、これだけ野鳥が豊富なんだよって言っていた。　そしてその虫を生かしているのが、草木であり土であると。<br /><br /> それら全てが繋がり、この村の美しい自然を形作っている。<br /><br /> 俺はそれを頭で理解するんじゃなくて、実感として身に着ける事が出来た。　&hellip;&hellip;魅音のおかげで。<br /><br /><br /><br /> 男友達とするような掛け合い、遠慮のないやりとり、女子だけのグループの中に俺が溶け込めたのは、あいつがいてくれたからだ。だから、あいつのおじさん臭いところが、俺は好きだって思っていた。<br /><br /> ――― 親友として。<br /><br /> あいつは俺にとって、そういう奴なんだって、ずっと思っていた。　だけど、違った。<br /><br /> 俺は見ていたし、聞いてもいた。　意識しないでいたけれども、俺の五感の全てはしっかりとそれらを俺の脳に報告していた。　俺自身が、それを無視していた。<br /><br /> いつまでもそれを受け入れない俺の意識に、俺の無意識は夢という形で喝を入れてきた。<br /><br /> 俺が受け入れようとしなかった事実。　それは、&hellip;あいつが可愛い女の子だって事。<br /><br /><br /><br /> あの夢、&hellip;&hellip;断片的に再生される魅音に関する記憶。<br /><br /><br /> ――― 『あ、私、園崎魅音。魅音で良いよ。園崎さんだなんて堅苦しい言い方はやめて欲しいなぁ。　肩が凝っちゃうよ。　よろしくね、圭ちゃん！』<br /><br /> 転校初日に差し伸べられたあの手は、小さくて柔らかかった。<br /><br /> 女の子の手を握った事なんて、幼稚園のお遊戯以来じゃなかったかな？　何だか少しドキドキしたのを覚えている。<br /> だけど、その後の魅音との関係が、あの時の記憶を曖昧にしていた。<br /><br /> 思い返すと、山狗の隊長と一騎打ちをしてのけたのが信じられないくらい、可愛らしい手だった。<br /><br /><br /> ――― 『はいっ！　今日も罰ゲームは圭ちゃんに決まり～！』<br /><br /> 無慈悲な宣告が、嫌いになれない。　何故ならその時のあいつの笑顔が最高に輝いているからだ。<br /> 例えるなら、子供がおねだりを叶えてもらった時のような、無邪気で無垢な笑顔。<br /><br /> そして俺が罰ゲームを終えた後に見せる、ちょっと後ろめたさを感じているように見える表情が、なんというか&hellip;&hellip;、　私の事嫌いになっちゃった？　とでも聞きたそうに見えて、何だか、頭を撫でてやりたい気持ちになる。　だけど、いつも俺の返答は、そういう優しいものじゃなくて、<br /> 『この屈辱はいつか十倍にして返してやるからな！』　だ。<br /> 受けるあいつも、不安げな表情から部長の顔に戻る。<br /><br /> あいつは、本当はどういう答えを期待しているのだろうか？　あいつが不安を感じなくなる言葉は？<br /> それすらも見つけられない俺は、口先の魔術師失格かな。<br /><br /><br /> ――― 『こいつも、黙っていれば、結構な美少女なのになぁ～。』<br /><br /> 授業中、居眠りをしている魅音を見て俺が言った言葉だ。<br /> 無防備な寝顔は、部長でも園崎家次期当主でもない、魅音という一人の女の子の顔。<br /> 立場上、色々な仮面を被らねばならないあいつが、俺たち仲間の間でしか見せる事が出来ない素顔。<br /><br /> 間抜けな寝言がなければ、本当に完璧な寝顔だったぜ？<br /><br /><br /> ――― 『私以外の誰かに当ててみろ！　あんたを死ぬより酷い目に合わせてやる！』<br /><br /> 鷹野さんの銃口の前に両手を広げて立ちはだかったあの姿は、か細かった。<br /><br /> 華奢な肩に、柔らかい曲線を描く背中。　雨に濡れて体に張り付いた服の上から、魅音の体型がよく分かった。<br /><br /> 誰かを守るよりも、守られるのが相応しい、小さな背中だった。<br /><br /> あの時は、俺がその役を果たすべきだったと思っている。　あいつがどんなに手練でも、体の頑丈さでは、骨も筋肉も、男の俺の方が上だ。　もし撃たれた時、生き延びる可能性は俺の方が絶対に高かったはずだ。<br /> 例え小数点以下の確率の違いでも、それにかけるべきだったんじゃなかろうか？<br /><br /> 当たらなくて、&hellip;本当に良かった。<br /><br /> 銃口を向けられた事が、俺がしてしまった罪と通じ、俺は自分が魅音を傷つけてしまうような気がして、いたたまれない気持ちになっていた。　いや、過去形じゃない。今もそうだ。<br /><br /><br /> ――― 『私の想い人はもういないけど、お姉にはいるもん。』<br /><br /> 毎朝夢の最後に聞こえては俺を叩き起こす、あの時の詩音の一言は、一体どういう意味を持つのか？<br /><br /> &hellip;&hellip;いや、俺も流石にそこまで鈍感じゃない。　言葉通りの意味なら、&hellip;そういう事の筈だ。だからこそ、戸惑うんだ。<br /><br /> 俺は罪を犯して、都会にいられなくなり、ここへ引っ越してきた。<br /> 言わば、雛見沢に投棄された都会のゴミだ。　あいつが俺を好きになる理由なんて何もないだろう？<br /><br /> 俺は、せいぜいレナのような物好きが、他のゴミをお持ち帰りするのと同じ感覚で拾っていく程度の、そんな存在のはずだ。<br /><br /><br /><br /> 他にも、魅音に関する色々な記憶が夢の中に去来する。<br /> どれも良い事のはずなのに、何で俺は受け入れられないんだろう？　何で魅音を避けてしまうんだろう？<br /><br /> 可愛い女の子の魅音と、俺が気兼ねなく付き合える、ちょっとおじさん臭い&rdquo;仲間&rdquo;としてのあいつが、どうにも繋がらない。　その違和感が原因だろうか？<br /><br /> それとも、銃口を向けられたときに、図らずも女の子を盾にしてしまった後ろめたさだろうか？<br /><br /> いや、高潔で美しい少女の好意が、俺のようなクズには眩し過ぎるのかもしれない。<br /><br /><br /><br /> &hellip;&hellip;&hellip;<br /><br /><br />（ガサリ）<br /><br /><br /> 背後で聞こえた足音が、回想を中断させた。　誰かが朝食が出来たのを知らせに来たのだろう。<br /><br /><br />「圭ちゃん&hellip;、朝ご飯、もうじき出来るよ。」<br /><br /><br /> 魅音の静かな声だった。　&hellip;また泣きそうな顔をしていないかな。　俺は少しだけ勇気を振り絞って、あいつの方に振り向いた。<br /> &hellip;&hellip;泣いてはいなかった。　ちょっとだけ、安心した。<br /><br /><br />「ああ、サンキュ。　もうじき太陽が顔を出すけど、一緒に見ていかないか？　最近の俺のお気に入りでな。」<br /><br /> 魅音は嬉しそうに頷いて、俺の隣まで走ってきた。<br /><br />「圭ちゃん、神社に来るときも空がどうのって言ってたけど、そんなに気に入った？」<br /><br />「ああ、やっぱり空気が澄んでいるせいかな。　都会でも朝だけは空が綺麗だった。　それがこの雛見沢だ。　周囲の自然と相まって何とも言えない景色だよ。」<br /><br />「そう！」<br /><br /> &hellip;&hellip;<br /><br /> 俺たちは黙って、太陽が顔を出すのを待っていた。<br /><br /> &hellip;<br /> &hellip;&hellip;<br /><br />「圭ちゃん、最近、&hellip;&hellip;私の事、避けてるよね？　理由、聞かせてくれるかな&hellip;&hellip;？<br /><br /> 私さ、綿流しの日に、&hellip;&hellip;圭ちゃんの前で山狗の隊長投げ飛ばして見せたり、鷹野さんに向けた恐い顔も見せちゃったし&hellip;&hellip;、　その&hellip;&hellip;、もしかして、私の事、怖くなっちゃった、とか&hellip;&hellip;？」<br /><br /> 最後の方はかすれて消えてしまいそうな声だった。　とても不安げで、すがるような表情だった。<br /> なけなしの勇気を振り絞っての問いかけだという事は、俺にも分かった。<br /> だから、応えないわけにはいかない。<br /><br />「&hellip;&hellip;、そんな理由じゃねーよ。　お前の事を恐いだなんて、全然思わない。　その、なんというか&hellip;。」<br /><br /> 俺自身、気持ちの整理がついていない。　いくつか候補はあるが、理由が分かっていない。<br /> &hellip;&hellip;その内の一つを応えよう。　鷹野さんに銃を向けられた時の事を話した。<br /><br /><br />「&hellip;だから、あの時は俺が ―――」<br />「やだ。」<br /><br /> 魅音は泣いていた。<br /><br />「圭ちゃんが死んじゃったかもしれないじゃない。　そんなの、絶対にやだ&hellip;！」<br /><br /> 女の子に泣かれるのって、こんなに厄介なものだったんだな&hellip;&hellip;。<br /><br /><br /> でも、一つだけ明らかになった事がある。　こいつは、自分の行為を常に自覚している。おじさん臭い言動も、リーダーとしての振る舞いも、今の女の子らしい儚さも、全てこいつの中にあるものだ。<br /> 俺の中で繋がっていなかった、二種類の魅音像が、少しだけ、重なった。<br /><br /> 具体的にどうとはいえないけれど、多分、雛見沢の自然と同じ事なんだ。<br /> 人が見て美しいと思えるもの、鬱陶しい虫たち、その他の泥臭い諸々のもの。　全てが繋がっていて、どれも欠かす事が出来ない。<br /><br /> 俺をこの村で最初に受け入れてくれたこいつが、雛見沢の自然そのものに思えてきた。<br /><br /> 俺が死ぬかもしれなかったという事を想像するだけで涙する魅音が、愛おしい。<br /> でも、であればこそ、こいつの好意は、俺には眩し過ぎて、重すぎる。<br /><br />「魅音、済まない&hellip;&hellip;。」<br /><br /> まだ俺には、お前のその思いを受け止められるだけのキャパがないんだよ。<br /><br />「泣かせちまってるけど、まだ、仲間でいてくれるか？」<br /><br /> 俺がガキで済まない。　俺が、もう少し、大人になるのを待ってはもらえないか？<br /><br />「ふぇ？　&hellip;あ、あたりまえじゃん！」<br /><br /> ん？　なんか、ちょっと話がかみ合ってない気もするが&hellip;&hellip;？<br /> でも、こいつに笑顔が戻った。　本当に、いい顔だ。<br /><br /><br /><br /> その時突然、魅音の顔が輝いた。　太陽が顔を出したようだ。<br /> 楽しみに待っていた日の出だが、それよりも俺の目を引くものがあった。<br /><br /><br /> 涙で縁取られた頬の稜線が、輝いていた。<br /><br /><br />「ほら、圭ちゃん！　太陽だよ！」<br /><br /><br /> それはお前のことだ。<br /><br /><br /> 俺の心の中にも、もう一つの太陽が昇ろうとしていた。<br /><br /> きっと、俺はこいつの事を今よりもっと好きになれる。<br /> 美しさよりも先に泥臭さを気に入ったくらいなんだからな&hellip;&hellip;。<br /><br /></p></p>
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	</item>
	<item>
		<title>ひぐらしのなく頃に　～器満たし編・Ａｆｔｅｒ～　　『涙箸』</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/052#tm1253539639</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/052</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sun, 04 Jan 2009 13:30:57 GMT</pubDate>
		<author>Mr.D</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
「悔しいなぁ......悔しいなぁ......」<br>
白が支配する殺風景な部屋。<br>
そこに置かれたベッドに横たわる人は、天井を見上げながら何度もそう呟いた。<br>
彼の左目に付けられた眼帯は手術の証。<br>
そして、彼の掴んだ夢が終わった証。<br>
「圭ちゃん......」<br>
「魅音......ごめんな......夢、終わっちまった......」<br>
圭ちゃんはそう言って起き上がると、私の右手と少し大きくなり始めたお腹に手を添える。<br>
何か言葉をかけたいのに胸が詰まって何も言えない。<br>
私はただ、彼の夢を叶え続けてきたその両手にそっと自分の手を重ねていた。<br>
&nbsp;<br>
圭ちゃんが本格的にボクシングを始めたのは高校に入ってすぐ。<br>
興宮にあったボクシングジムの門を叩き、それこそ勉強とボクシングと私との時間以外の全てを切り捨てて頑張っていた記憶がある。<br>
元々、彼が子供の頃に親戚のお爺さんが基本を仕込んでいただけあってプロテストは１発合格。<br>
デビュー戦を快勝すると、その細身の身体からは想像もつかない剛腕を武器に新人王戦とＡ級トーナメントを破竹の勢いで快進撃。<br>
その後は２度苦渋を舐めたものの、リベンジはきっちりと果たして着実に前へ。<br>
そしてデビューから３年目。<br>
ついに彼は日本バンタム級王者の座についた。<br>
その時の彼の言葉は今も鮮明に覚えている。<br>
『魅音、日本は征服した！　次は世界征服だぜ！』<br>
仲間に私と圭ちゃんが組めば世界だって征服できる......昔、そう言われてたのを思い出して二人で大笑いしたこともいい思い出だ。<br>
また、彼が一つ結果を出したことで、私と圭ちゃんの関係も大きく変わった。<br>
結婚。<br>
そう。私は圭ちゃんのお嫁さんになったのだ。<br>
まあ、圭ちゃんが園崎家にお婿に来たっていうのが正しいけど、私は圭ちゃんに嫁入りしたと思っている。<br>
『勝ち続ける理由が一つ増えたな』<br>
新婚初夜、圭ちゃんはそう言っていつものお日様のような笑みで私を抱きしめてくれたものだ。<br>
その言葉通り、圭ちゃんは勝ち続けた......そして辿り着いた世界タイトル戦。<br>
当日は何と雛見沢の大半の住人が応援に駆けつけ、あの婆っちゃでさえもテレビにかじりついていたそうだ。<br>
期待と不安が渦巻く中、圭ちゃんは壮絶な殴り合いを制して世界一の男になった。<br>
私は世界一の男の妻。<br>
園崎家次期頭首ではなく一人の女として、『魅音』として圭ちゃんの側にいられた。<br>
でも、それは唐突に終わってしまった。<br>
３度目の防衛戦も勝利で終えた圭ちゃんは左目に異常をきたした。<br>
網膜剥離......ボクサーの職業病であり、そして否応なく選手生命を断ち切る病に圭ちゃんは襲われたのだ。<br>
私は手術を終えた圭ちゃんにかける言葉を見つけられないまま、面会時間を終えて二人で住んでいるマンションへ戻ってきていた。<br>
「うっ......圭ちゃん......圭ちゃぁん......」<br>
灯りもつけない暗がりの中、ようやく許されたように私の目から涙がとめどなく溢れ出した。<br>
&nbsp;<br>
それからは慌しい日々が続いた。<br>
何しろ、圭ちゃんは世界チャンピオンだった男。<br>
ファンからのお見舞いの手紙や品物はもちろんのこと、新聞や雑誌などの記者さんからもお見舞いや取材の電話が入ってくる。<br>
改めて、圭ちゃんの人気を感じ......そして寂しくなる。<br>
圭ちゃんはもう銀色の光に照らされたリングには立てない。<br>
慌しくて騒がしくて苦しくて......でもそれ以上に楽しくて充実してた日々とは、もうしばらくしたらお別れなのだ。<br>
そんなある日のことだった。<br>
「......引退式、ですか」<br>
ベッドの上で圭ちゃんがジムの会長さんにそう問い直す。<br>
その顔にもう眼帯はなく、後は最後の検査を受けて退院だ。<br>
「うむ......お前もファンの皆さんに挨拶しておきたいだろ......？」<br>
引退会見ではなく、リングの上での引退式。<br>
会長さんが言うにはファンからそういう要望が沢山届いているらしい。<br>
私も......もう一度だけでいい。試合をしなくてもいい。あの銀色の光の中にいる圭ちゃんの最後の姿を見届けたい。<br>
「分かりました......うーん、引退挨拶の文句、今から考えておかないと大恥かくかもなぁ......」<br>
腕を組んで考え出す圭ちゃん。<br>
『んー』とか『むー』などと唸っている姿が妙におかしくて私と会長さんは思わず笑い出してしまう。<br>
やっぱり圭ちゃんは太陽だ。<br>
こうやって、自然に周りの人を暖かくしてくれる。<br>
「あ......会長......一つだけ、ワガママいいですか？」<br>
ふっと圭ちゃんが口を開く。<br>
「１ラウンドだけでいいんです......もう一度、俺にグローブをつけさせて下さい」<br>
試合はできない。だが、エキシビションやスパーリングだったら......と圭ちゃんは訴える。<br>
会長さんはしばらく考え込んでいたが、やがて『仕方ないな』というように微笑んだ。<br>
「分かった。お前が初めて言ってくれたワガママだ。何とかお偉いさんを説得してやろう。もちろん、相手にもそれなりのヤツを厳選する。いいな？」<br>
圭ちゃんは黙って頷く。<br>
その顔には喜びが溢れている。<br>
「......魅音。もうちょっとだけ、俺に付き合ってくれるか？」<br>
「あったりまえでしょ。私のことは心配しないで......圭ちゃんは最後の晴れ舞台に向けて頑張ってくれればいいよ」<br>
もう少しだけ、もう少しだけあの日々が続く。<br>
圭ちゃんの夢が、私の夢がもうちょっとだけ続く。<br>
私は満面の笑みで圭ちゃんに応えた。<br>
&nbsp;<br>
使い慣れた卵焼き器に薄く油を引き、溶いた卵を流し込む。<br>
私の得意料理の一つで、圭ちゃんの一番の大好物......だし巻き卵を作りながら私はこの部屋で過ごしていた時間を思い出していた。<br>
そこにはいつも圭ちゃんがいた。<br>
圭ちゃんが『じっちゃんがいた階級だから』と選んだ階級......バンタム級は、実のところ圭ちゃんの体格からすると適正ではなかった。<br>
圭ちゃんは普段から減量生活に等しい生活を送っていて、試合間近になると見てる私の方がどうにかなりそうなくらいに自分を追い込んでいた。<br>
リンゴやバナナを軽く食べるだけの彼の前で普通にご飯を食べることを何度ためらったことだろう。<br>
真夏だというのにどてらを重ね着してストーブの前にいる圭ちゃんを、何度冷房の効いた部屋に引きずりこみたかっただろう。<br>
水道の蛇口に手をかけつつも、それをひねることの出来ない彼の手を何度動かそうと思ったことだろう。<br>
けれど、その度に圭ちゃんは痩せこけた顔でお日様の笑顔を私に向けてくれて......私が彼を支えて元気付けなくちゃいけないのに、私のほうが元気づけられて。<br>
情けない奥さんでゴメンね、圭ちゃん。<br>
苦しくて辛いこともあったけど、夢一杯で充実した日々をありがとう、圭ちゃん。<br>
今日はあなたがボクサーでいられる最後の日。<br>
きっとあなたは最後まで胸を張って、皆の太陽であり続けるだろう。<br>
だから私も胸を張ってあなたの勇姿を見届けよう。<br>
そして、あなたに負けない笑顔でお疲れ様って抱きしめてあげよう。<br>
視界が霞んで歪む。<br>
ああもう、卵焼きが崩れちゃうじゃない......だから、止まってよ......止まってよぉ......ばかぁ......止まれって言ってんでしょ......<br>
ボロボロと涙を流しながら、私は圭ちゃんの大好物を作り続ける。<br>
出来上がっただし巻き卵はいつものよりちょっと型崩れしてしまった。<br>
後はこれを弁当箱に入れて......ご飯はこれまた圭ちゃんの大好物である五目御飯を大盛りでよそっておく。<br>
大盛りご飯なんて何年ぶりだろう。<br>
だし巻き卵にしても１切れ２切れが精一杯だったし......圭ちゃん、食べきれるかな。<br>
私は弁当箱をきれいに包むとそれをテーブルに置いて浴室に向かう。<br>
シャワーを頭から被って涙でぐしゃぐしゃになった顔を洗い、次いで身を清める。<br>
浴室にも圭ちゃんとの思い出がいっぱいだ......二人っきりでなきゃ無理って記憶がほとんどだけど......あう、今度は顔が火照ってきた。<br>
これ以上お風呂場での記憶を思い出す前に私はさっさとシャワーを追えて脱出する。<br>
着替えと化粧を済ませて私は部屋を見渡す。<br>
この部屋とのお別れも近い。<br>
引退式を終えた後、圭ちゃんと私は雛見沢に戻り、今度は園崎の頂点に立つべき男女としての生活を始めることになる。<br>
まあ、私の場合は出産に向けた準備が主なものになるだろう。<br>
圭ちゃんはコツコツと勉強していた経営や法律関係の知識を活かすべく、まずは園崎傘下の会社に就職し、同時に父さんの後を継いで園崎組二代目組長になるための『勉強』も始めることになる。<br>
そんなことを思っていると玄関のチャイムが鳴る。<br>
引退式の会場、後楽園ホールには確か会長さんの奥さんに送ってもらえることになっている。<br>
お弁当を持ち、私は玄関に向かう。<br>
さあ、行こう。圭ちゃんの最後の雄姿を心に焼き付けるために。<br>
&nbsp;<br>
会場は超満員。<br>
立見席も出ているくらいだから、きっとチケットを泣く泣く諦めたファンもかなりの数に上るだろう。<br>
圭ちゃんの奥様である私はリングサイドのＶＩＰ席。<br>
妊婦でもあるし、ファンには顔も知られているので周りの人が気を使ってくれる。<br>
こういうのも今日で最後なんだなって思うとやっぱり寂しくなる。<br>
ざわざわとした喧騒の中、向かいの二階席に見覚えのある顔が５つ並んでいた。<br>
皆も来てくれたんだ。ありがとう、と私が小さく頭を下げると皆して手を振ってくれた。<br>
あ、勘違いした私の後ろの男性ファンがドギマギしてる。<br>
まあ、男性一人を除いたら、後は芸能界からスカウト来そうな美人揃いだしね。<br>
そうこうしていると照明が落ちて会場が暗くなる。<br>
先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返り、リングの中央に立ったリングアナウンサーをライトが照らす。<br>
「お待たせしました......ただいまより、園崎圭一・引退式......３分１Ｒエキシビションマッチを行います。青コーナーより、日本バンタム級チャンピオン......」<br>
まずは圭ちゃんの引退試合を受けてくれた相手がコールされる。<br>
現在の日本チャンプ......実力は折り紙つきだ。<br>
雑誌でも圭ちゃんの後継者っぽく書かれていた記憶がある。<br>
声援が飛ぶ中、彼は軽やかにリングに上がりガウンを脱いでその鍛え抜かれた身体を現す。<br>
いかにも『速そうな』選手だ。<br>
この日のために万全の準備をしてきたであろう彼に対して、私は心の中でお礼を言う。<br>
「続きまして、世界バンタム級前チャンピオン......園崎圭一の入場です」<br>
瞬間、ホールが爆発した。その爆発の中、背中に鬼の刺繍を入れたガウンを羽織った太陽が入場してくる。<br>
私はその姿を心に焼き付けていく。<br>
「いい表情してんなぁ......あれが引退する人間の顔かよ......」<br>
「見ろよ、あの身体......今までで一番の出来じゃないか？」<br>
リングでガウンを脱いだそんな声が周りから聞こえてくる。<br>
当然だ、圭ちゃんは退院してから今日まで現役時代以上の練習と減量に耐えて乗り越えてきた。<br>
自分の最後を見に来てくれる人に失礼のないように。<br>
最後の相手を務めてくれる選手に失礼のないように。<br>
自分が進んだ道に心残りがないように。<br>
ゴングが鳴り、圭ちゃんがボクサーとしていられる最後の３分間が始まった。<br>
対戦者は足を使うタイプのようだ。<br>
圭ちゃんの周りをリズムよく周回しながらコツコツとジャブを放ってくる。<br>
圭ちゃんはデトロイトスタイルと呼ばれる構えを取って左腕をゆらゆらと揺らして威嚇しつつ、すり足でじりじりと相手との間合いを調節する。<br>
相手は気づいているだろうか......自分の描くサークルが少しずつ歪んでいることに。<br>
圭ちゃんが一気に動いた。<br>
相手は右に回って間合いを取ろうとするが、そこにはいつの間にかロープがあった。<br>
動きが一瞬鈍ったそこに振るわれる圭ちゃんの左のジャブ。<br>
スウェーでかわされた。<br>
しかし避けた先に右フック。<br>
これもダッキングで避けられるが、次の瞬間、燕返しのように振るわれた右のアッパーが対戦者を大きくのけぞらせた。<br>
ガードはかろうじて間に合ったようだが、この展開は圭ちゃんのＫＯパターン。<br>
のびきったボディに左のボディブローが突き刺さ......らなかった。<br>
相手はこの土壇場でうまくロープの反動を利用して圭ちゃんの脇をすり抜けるようにして暴風圏から逃れたのだ。<br>
圭ちゃんが薄く笑った。<br>
そして再び間合いを詰め始める。<br>
圭ちゃんは後継者に何かを伝えるように最後の３分間を全身全霊で楽しんで......ゴングと拍手が鳴り響く中、圭ちゃんのボクサー人生は終わりを告げた。<br>
&nbsp;<br>
エキシビションが終わり、圭ちゃんは対戦相手に何かを語りかけた後もう一度ガウンを羽織る。<br>
リング中央に用意されるマイクとスタンド。<br>
これから圭ちゃんの引退挨拶だ。<br>
圭ちゃんがリングの真ん中に立つと、声援と拍手が止まる。<br>
「皆さん、今日は俺の引退式にお越しいただき......本当にありがとうございます」<br>
圭ちゃんが静かな口調で話し出す。一字一句に万感の思いが込められているような、そんな空気がホールに満ちる。<br>
「......俺とボクシングの出会いはまだ小学生......それも低学年の頃です。もう亡くなりましたが、親戚のお爺さんに連れられて街に遊びに来ていた時のことです。ナイフを持ったひったくり犯が前から走ってきて......お爺さんはソイツを左ジャブ一発でＫＯしてお縄にしてしまいました。その強さに俺は惹きつけられてお爺さんからボクシング......いえ、拳闘を習い始めました」<br>
圭ちゃんはそこで一旦言葉を切る。<br>
「その後、中学の時に......皆さんもご存知でしょうが、非行や暴力沙汰を起こした俺は東京を離れて今の故郷、雛見沢に引っ越しました。その後すぐにお爺さんも亡くなり、指導者を失った俺は淡いながらも抱いていたボクサーという夢を一旦は諦めかけていました。過去に犯した事件のこともあり、この拳は自分のためには使わない。誰かを守るために使うんだ、と子供ながらに決意していました。けれど、そんな俺に......当時中学生だった妻がもう一度夢を追う勇気をくれました。『この拳を自分のために使ってもいいんだよ』と......その一言がなければ、俺はこの場にいなかったはずです」<br>
私があの夜......圭ちゃんと心が繋がった綿流しの夜に言った言葉。<br>
その一言が、圭ちゃんと私の人生にこれほどの影響を及ぼすなんて思ってもなかった。<br>
「それからは色々なことがありました。挫けそうになったことも１度や２度じゃありません......ですが、その度に妻や仲間、応援してくれる人達が俺を支えてくれました。俺は自分の想いだけではなく、その人達の想いもこの拳に握りこむことができました。俺が世界一の称号を得られたのは皆さんのおかげです。本当にありがとうございました」<br>
圭ちゃんが一礼すると優しい拍手がホールを包む。<br>
「俺は今日、ボクサーを卒業します。自分の歩んだ道に後悔はありません......ただ、一つだけ心残りがあるとすれば、それは生まれてくる子供に『父さんは世界一なんだぞ』って言ってやれないことです......この心残りはしっかりと胸に刻んで、俺と妻の子供を世界一幸せにする糧にしたいと思います」<br>
私はそっと自分のお腹に両手を当てる。<br>
あなたにお父さんの声が聞こえるかなぁ？　聞こえてなくても感じてくれてるよね？　あなたのお父さんは世界一素敵な人だって、そう感じるよね？<br>
「この手は......今までは拳に固めて夢を追うことに使ってきました。これからは、この手を妻のために、子供ために、故郷のために使っていこうと思います。一人でもいい。俺の手が届くのならその人達が幸せになるお手伝いをしていきたい。それが、俺の新しい夢です。ボクシングで学んだ全てのことを心に刻み、俺は新たなリングに上がろうと思います。俺を応援してくれた皆さん、今までお世話になりました。故郷の皆さん......そして魅音、これからも宜しくお願いします。最後に......園崎圭一は世界一の幸せ者です！　本当に、本当にありがとうございました！」<br>
圭ちゃんはそう締めくくると深々と頭を下げた。<br>
一瞬の静寂の後、彼に万雷の拍手と声援が浴びせられる。<br>
見れば、ホールにいた全ての人が立っていた......スタンディングオベーション。<br>
圭ちゃんは最大級の敬意と賛辞を全身に受け、銀色の光に包まれたリングに別れを告げた。<br>
&nbsp;<br>
人払いをすませた控え室。<br>
私と圭ちゃんはパイプ椅子に座って向き合っていた。<br>
「さすがは口先の魔術師。中々の挨拶だったよ......ボロボロ泣いてた人も結構いたよねー」<br>
「お前は泣いてくれなかったのかよ？」<br>
「もう何年その口先に付き合ってると思ってんのさ。あれくらいじゃあまだ足りないねぇ」<br>
普段どおりのやりとり。<br>
憎まれ口を叩きつつも私達の表情は穏やかだ。<br>
「あ、そういえば......圭ちゃん、今日の食事もいつもどおり？」<br>
「ああ。魅音特製のスペシャルドリンクを朝と昼に、だな。アレも今日で飲み納め、かな？」<br>
圭ちゃんは少しだけ寂しそうに言う。<br>
「あはは......これからも必要ならいくらでも作ったげるよ。で、さ......はい、コレ」<br>
私は包みから弁当箱を取り出し、圭ちゃんにそっと渡す。<br>
圭ちゃんは笑顔でそれを受け取って蓋を開け......その目が見開かれる。<br>
「魅音......」<br>
何をどう表現すればいいのか分からないというような圭ちゃんの瞳に私は一つ頷く。<br>
「もう......いいんだよね。いっぱい......好きなもの......沢山食べて大丈夫......なんだよね？」<br>
普通に笑顔で言ってあげたいのにどうしても声が震えてしまう。<br>
私も今この胸にあふれる色々なものをどう表現したらいいのか分からない。<br>
圭ちゃんと私はしばらく見詰め合っていたが、やがて圭ちゃんの方から弁当箱へ目を移すように視線を外す。<br>
「.........いただきます」<br>
圭ちゃんは手を合わせてそう言うと、箸を持って炊き込みご飯と出し巻き卵のお弁当を食べ始める。<br>
お弁当を無言で食べ続ける圭ちゃん。<br>
ゆっくりと味を確かめて自分に染み込ませるように箸と口を動かす。<br>
「......うめぇ......うめぇなぁ......けど......なんかちょっとしょっぱいな......」<br>
圭ちゃんは泣いていた。<br>
涙を流しながら『うまいうまい』と言って箸を動かし続ける。<br>
「ごめん......ちょっと塩味効かせすぎちゃったかもしれないや......ごめんね......」<br>
私も泣いていた。<br>
口に手を当てて嗚咽が漏れそうになるのを何とかこらえる。<br>
それでも、目は圭ちゃんから外さない......いや、外すことができない。<br>
そして、圭ちゃんは時々涙を拭いながらもお弁当をしっかりと全部食べ切ってくれた。<br>
「ごちそうさま......すごく......うまかった」<br>
圭ちゃんは顔を上げて笑った。<br>
あはは、お日様の笑顔も今は涙でくしゃくしゃになってるから、今日はお天気雨だね。<br>
「魅音？」<br>
「ん......何？」<br>
弁当箱を包みなおした時、圭ちゃんが私に声をかけてきた。<br>
「ガウン......脱がしてくれないか？」<br>
「......うん......」<br>
私は圭ちゃんの後ろに回って彼の羽織っているガウンに手をかける。<br>
「本当に......最後だね」<br>
「ボクサーとしては......な。このガウンを脱いだらボクサーとしての俺は１０カウント。でもさ......」<br>
圭ちゃんは振り向かずに、そっと私の右手に自分の右手を重ねた。<br>
「このガウンを脱いだら、今度はもう一つの......俺と魅音のもう一つの夢が始まるんだ。雛見沢っていうリングで、さ」<br>
圭ちゃんはそう言うと手を離す......ガウンを取ってくれ、の合図。<br>
私は何も言わずにガウンを圭ちゃんの背中から取る。<br>
鋼のように鍛え抜かれた大きな、とても大きな背中。<br>
私はその背中に抱きついて頬を押し当てる。<br>
だめだ......また......泣いちゃう。<br>
もう止まらない。<br>
私は肩を震わせながらボロボロと泣きだしてしまう。<br>
「泣くなよ......お前に泣かれるのが......俺、一番ダメなんだよ......」<br>
優しい声に私は首を横に振る。<br>
「違うよぉ......これは嬉し涙なんだから......また......二人で夢を追うんだよね......追わせてくれるんだよね......ありがとぉ......ありがとぉ......圭ちゃぁん......」<br>
泣いて泣いて泣き止んだら、笑顔であなたと私の夢に向かおう。<br>
この背中に私はついていこう。<br>
夢をありがとう、圭ちゃん。<br>
そして、これからも宜しくね......<br>
&nbsp;<br>
&nbsp;<br>
了<br>

</div>

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>雛見沢三冠王攻略戦　その２　冬の陣パート２ </title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/050#tm1253539664</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/050</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sun, 04 Jan 2009 05:32:25 GMT</pubDate>
		<author>fukuryu</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p>昭和59年正月の三が日も空け、部活メンバーは初詣を舞台に晴れ着による圭一へのアピール合戦を行うことになっていた。</p>
<p>まずは圭一には集合時間をズラして伝え、残りのメンバーは園崎本家に集合していた。<br />着付けに関していささか自信の無いメンバーも公平に晴れ着を着る為である。</p>
<p>「ふぅ、これで全員OKになったかい？」<br />「大丈夫だよ、だよ」<br />「着慣れないせいでございましょうか、少々歩きにくいですわ&hellip;&hellip;」<br />「バッチリなのですよ！」<br />「久しぶりに振り袖なのです！　うれしいのです！」<br />「はぁ、いつ着ても晴れ着というのは堅苦しいですねぇ」</p>
<p>詩音も加わり、総勢6名の晴れ着美人が勢揃いと言った風体であった。</p>
<p>「よぉし、それじゃ古手神社へ向かうよ～」<br />「葛西に今日は車を出させますから、それで移動しましょう。せっかくの晴れ着が雪道で汚れてはいけませんし」</p>
<p>葛西は詩音から指示を受け、ワゴン車で用意をして待っていた。</p>
<p>「皆さん、ご用意はよろしいでしょうか？」<br />「全員準備完了！　いざしゅっぱ～つ！」</p>
<p>古手神社は高台にあるため、境内へ上る階段の前を集合場所としていた。</p>
<p>「あ、あるぇ～？　圭ちゃん、来てないじゃん？」<br />「ほんとだね、ほんとだね？　どうしたんだろう？」</p>
<p>魅音とレナが周囲を見渡すが圭一が視界に入る範囲には居そうになかった。</p>
<p>「おっかしいなぁ&hellip;&hellip;約束の時間、もう過ぎちゃってんだけどな？　まぁた遅刻かな？　だったら罰ゲームだねぇ、くっくっくっく」<br />「どうせ、圭一の事だから雪道にハマって身動き取れなくて寒い寒いなのですよ」<br />「そうですわね。圭一さんの事ですから相変わらずお恥ずかしい事になっているのではございませんこと？」</p>
<p>集合時間を経過する事5分。<br />圭一がこの程度待ち合わせに遅れる事などザラなので全員が言いたい放題の事を口にしていた。</p>
<p>「お～い！」</p>
<p>圭一の声が響いた。</p>
<p>「おっそいよ、圭ちゃん！　遅刻は罰ゲ&hellip;&hellip;」</p>
<p>声のする方を向いた魅音は言いかけた言葉が途中で止まった。<br />同時に魅音と同じ方向を向いた残りの面々もハトが豆鉄砲を食らったかのような顔をしてポカーンとする。</p>
<p>「悪い悪い！　出がけに急におふくろの奴がこれ着て行けとか言い出しやがってさ&hellip;&hellip;」</p>
<p>現れた圭一を見て全員が呆然となったのも当然と言えば当然であった。<br />なんと、圭一は紋付き袴の正式な和装だったのである。</p>
<p>「おっそうか、おふくろの奴、みんなが晴れ着で来るって知ってたんだな。危ない危ない！　俺一人だけいつものカッコウで間抜けに見える所だったぜ！」</p>
<p>「（圭ちゃんかっこいい）」<br />「（け、圭一くん？）」<br />「（ほ、ほんとに圭一さんなんでございますの？）」<br />「（う、うそ？！　圭一が&hellip;&hellip;圭一が&hellip;&hellip;）」<br />「（圭一がパリっと着こなしてるのです！）」</p>
<p>何のことはない、圭一の和服姿に魅音達は見とれてしまったのである。</p>
<p>「親父が昔着てたとかいう奴だから、ちょっとサイズ的に微妙だな。おまけに歩きにくいのなんのってさぁ&hellip;&hellip;おっとそうだった！　電話では言ったけど、みんなあけましておめでとう！　葛西さんもあけましておめでとうございます」<br />「「「「「あ、あけましておめでとう、圭ちゃん（圭一くん）（圭一さん）(圭一）」」」」」<br />「あ、あけましておめでとうございます、圭ちゃん」<br />「おめでとうございます」</p>
<p>心なしか詩音までを含めて女性陣の顔が赤いのであったが、案の定圭一はそんな状況を完全にスルーして一言。</p>
<p>「よっしゃ、それじゃ境内へ初詣としゃれこもうぜ！」</p>
<p>はりきって先頭を切って、雪かきがされた石段を登り始める</p>
<p>「はぁ&hellip;&hellip;圭ちゃんも相変わらずですね&hellip;&hellip;まぁ年が明けたくらいで変わるとも思ってませんでしたけど」<br />「皆さんもご苦労が絶えなさそうですね、今年も&hellip;&hellip;」</p>
<p>白い息を吐きながら全員が石段を登り切り、境内で順番に本殿まで進み、賽銭を投じ、二拝二拍手一拝。</p>
<p>「（今年こそ部活で連戦連勝！！）」<br />「（け、圭ちゃんのハートを今年こそ射止められますように！）」<br />「（今年こそ圭一くんと上手くいきますように！）」<br />「（にーにーが見つかりますように！　そして、その、あの&hellip;&hellip;圭一さんともっと仲良くなれますように）」<br />「（圭一が私を選んでくれますように&hellip;&hellip;ちょっとむなしいわね&hellip;&hellip;奉ってある神様の中味は隣に居るんだし&hellip;&hellip;）」<br />「（あう&hellip;&hellip;自分で自分にお祈りは間抜けな気が凄くするのですよ&hellip;&hellip;）」<br />「（今年こそ、悟史くんの意識が戻りますように&hellip;&hellip;）」</p>
<p>各自、めいめいに祈りを捧げた。<br />約2名、完璧に無意味な行為だとわかっていて周囲にあわせていたのだが&hellip;&hellip;</p>
<p>その後、園崎本家に全員で移動し、お魎への挨拶を済ませ、客間に集合していた。</p>
<p>「ちょっとこのカッコウだと苦しいから着替えちゃおうか？」<br />「あ、いいなぁ！　俺、着替え持ってきて無いからいったん家に帰って着替えてくるよ」</p>
<p>圭一は席を立つと着替えの為に家に戻った。<br />残りの面々は着替えを済ませ、再度客間に集合し、圭一が戻るのを待つことになった。</p>
<p>「しかし&hellip;&hellip;あの圭ちゃんの鈍さは聞きしに勝るですね。晴れ着姿の女性陣前にして完璧にいつも通りってなんなんですか、あれは？」</p>
<p>詩音が少々憤った口調で口火を切る。</p>
<p>「まったくだよ&hellip;&hellip;そ、そりゃさ&rdquo;キレイだよ&rdquo;とか圭ちゃんが言うとはあたしだって思っちゃ居ないんだけどさ！　似合うとか似合わないとかそれくらいあっても良いじゃんさ！」<br />「ほんとだよ！　何の為にみんな揃って晴れ着にしたんだかまったくわかんなくなっちゃったんだよ、だよ？」<br />「まったくの無反応って、どういうことなんでございますの？！」<br />「みぃ&hellip;&hellip;ショックなのです！　気合いを入れた意味が全然なかったのですよ」<br />「あうあう&hellip;&hellip;なんで圭一は感想すら言ってくれないのですか？　そんなにボクの晴れ着姿は空気なのですか？」</p>
<p>一方その頃、着替えの為に自宅に帰り着いた圭一は藍子に捕まっていた。</p>
<p>「で、どうだったのよ？！」<br />「ん？　ちゃんとお参りしてきたぜ！」<br />「そうじゃないわよ、みんな晴れ着だったんでしょ？　感想を聞いてるんでしょ？」<br />「あぁ、みんな晴れ着だったよ。最初母さんが和装しろって言ったときはなんでこんなめんどくさい事と思ったけど、俺一人だけ場違いにならなくて助かったよ！　ありがと、母さん」</p>
<p>礼を言いながら着替えの為に二階の自室に上がっていく息子を見送りながら、我が子の鈍さに思わず言葉を失う藍子であった。</p>
<p>「（こ、この子は&hellip;&hellip;一体ほんとうに誰に似ちゃったのかしら？　晴れ着よ？　年頃の、それも何を着ても似合う可愛い子達が5人もよ？！　その晴れ着姿を見てこの反応って&hellip;&hellip;ほんとに我が子ながら将来が不安になってきちゃったわよ&hellip;&hellip;ごめんなさいね、みんな。ウチの子はほんとうにどうしようもないかもしれないわ&hellip;&hellip;）」</p>
<p>「この後は魅音ちで遊ぶことになってるからさ、もう一回出掛けてくるよ」<br />「い、いってらっしゃい&hellip;&hellip;」</p>
<p>送り出す藍子の声が若干、棒読みであった。</p>
<p>再び、園崎本家客間。</p>
<p>「で、でも、みんなの晴れ着姿かあいかったよね、よね？！」<br />「そうだね&hellip;&hellip;圭ちゃんは無反応だったけど&hellip;&hellip;」</p>
<p>沈黙&hellip;&hellip;</p>
<p>「梨花ちゃん羽入ちゃんなんか、巫女服もかあいいけど、晴れ着はもっとかあいかったよぉ！　お持ち帰りしたかったよぉ、はう～！」<br />「ありがと、レナ&hellip;&hellip;でも圭一&rdquo;だけ&rdquo;は無反応だったのです」<br />「ありがとうなのです！　誉めてくれてうれしいのですよ&hellip;&hellip;でも圭一が誉めてくれなかったのでうれしさ半分なのです&hellip;&hellip;」</p>
<p>沈黙再び&hellip;&hellip;</p>
<p>耐えきれず詩音が口を開く。</p>
<p>「さ、沙都子も素敵でしたよ！　悟史くんに見せて上げたかったです」<br />「ありがとうございます、詩音さん。にーにー&rdquo;だったら&rdquo;喜んで下さったと思いますわ、圭一さんと違いますから」</p>
<p>沈黙三度&hellip;&hellip;</p>
<p>「「「「「「はぁ～っ」」」」」」</p>
<p>６つのため息が重なり合って客間の空気は一段と重い物になってしまったのであった。</p>
<p>その後、圭一が合流し、いつも通り部活としてのゲーム大会が執り行われた。<br />&hellip;&hellip;結果は言うまでも無いが、集中砲火を受けた圭一は全てのゲームで惨敗し続け、罰ゲームでボロボロにされるのであった。</p>
<p>冷ややかな目線でズタボロの圭一を見つめる5人であった。</p>
<p>「乙女の純情踏みにじりやがって&hellip;&hellip;これで少しは反省しろっての！」<br />「レナを怒らせるとどうなるか、圭一くんもこれでよくわかったんじゃないかな、かな？」<br />「あぁ、もう！　まだまだ収まりがつきませんわっ！　新学期のトラップ、お覚悟なさいませっ！！」<br />「今年もガクガクのブルブルにしてあげるのです、にぱ～★」<br />「天罰！　なのです！」</p>
<p>同時刻、別間にて。</p>
<p>「で、どうなんだい、あの子達は？」<br />「はぁ&hellip;&hellip;前原さんがいつも以上に負けておられるようで、少々おかわいそうな気もしますが&hellip;&hellip;」<br />「相変わらずって事かい？　やれやれ&hellip;&hellip;こりゃ&hellip;&hellip;ほんとに強敵だね&hellip;&hellip;」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>晴れ着ですら、勝負にならなかった新春。<br />一体、圭一を攻略する鍵は何なのか？<br />そんな事が可能なのか？<br />勝者は果たして生まれるのか？<br />今年も雛見沢の誇る（？）、ヘタレ・鈍感・ノンデリカシーの三冠王は最強のままであった。</p>
<p>「な、なんで俺だけが&hellip;&hellip;り、理不尽だぁ～～～～～～～～～～～っ！！　この世に神は居ないのか？　オヤシロ様にお賽銭あげて祈ったのに！！　お賽銭返せぇっ！！」</p>
<p>部活だけは最弱のままだった&hellip;&hellip;</p>
</div> 

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>ラブラブ罰ゲーム</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/049#tm1253536494</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/049</guid>
		<category>イラスト部門</category>
		<pubDate>Sat, 03 Jan 2009 16:21:17 GMT</pubDate>
		<author>だいぶつ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
罰ゲーム内容：ビリ（魅音）メイド姿で勝者（圭一）にご奉仕<br>
<a title="罰ゲーム圭魅（ラブラブ）.png" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e7%bd%b0%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0%e5%9c%ad%e9%ad%85%ef%bc%88%e3%83%a9%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%96%ef%bc%89.png" class="tag image small"><img alt="罰ゲーム圭魅（ラブラブ）.png" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e7%bd%b0%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0%e5%9c%ad%e9%ad%85%ef%bc%88%e3%83%a9%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%96%ef%bc%89.png.jpg"></a><br>
罰ゲームになってない件について。<br>

</div>

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>～贈り物～</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/047#tm1253539795</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/047</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sat, 03 Jan 2009 04:52:20 GMT</pubDate>
		<author>Mr.D</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
～贈り物～<br>
 圭ちゃんと私が付き合い始めてそろそろ２年が過ぎようとしていた。<br>
 私も来年度には高校３年生&hellip;&hellip;そろそろ進学するかどうかを婆っちゃやお母さん達と話し合った方がいいかもしれない。<br>
 個人的には一旦雛見沢&hellip;&hellip;いや、県外に出て色々と見聞を広めたい気持ちもあるが、私の立場を鑑みると、園崎家の事情次第では卒業と同時に園崎本家へ引き篭もらざるを得ない可能性もある。<br>
 圭ちゃんは相変わらず三郎おじさんの家に住み込んで厳しい教育を受けている。<br>
 ここ最近は県議会についていくこともあるそうで、あるいは将来の地盤譲りのための下準備を知らず知らずのうちに行っているのかもしれない。<br>
 また、既に志望校もかなり絞っているそうで、私なら泣いて逃げ出すくらいのレベルの受験勉強もやっていることだろう。<br>
 そんな私達だ&hellip;&hellip;デートしたりする機会は右肩下がりに減っていっている。<br>
 その数少ない機会&hellip;&hellip;３ヶ月ぶりの今日のデートを私達は満喫していた。<br>
「あったかいなー。やっぱり圭ちゃんの側が一番あったかいよ」<br>
「かといって、抱っこちゃん人形みたいにひっつかんでも&hellip;&hellip;」<br>
 私の顔も赤いだろうけど、圭ちゃんの顔はもっと赤くなっているはずだ。<br>
 私はその原因に気付かないように、更に圭ちゃんの腕に体を摺り寄せるようにしてしがみつく。<br>
「むー、私がひっつくの嫌なの？」<br>
「そ、そーいうワケじゃ&hellip;&hellip;えい、くそ。もう好きなだけしがみついててくれ。後で詩音や茜さんに弄くられても俺は知らねーからな」<br>
「えへへ、もう慣れちゃったもーん」<br>
 私は照れたような圭ちゃんに意地悪な声で返し、殆どぶら下がるような感じで圭ちゃんに身を預ける。<br>
 付き合い始めた時はいつも顔を合わせてたくせに手を握るのも一苦労だったのに、あまり会えなくなってから私も圭ちゃんもすごく積極的になった気がする。<br>
 キスだって何とか自然にできるようになった。<br>
 そういえば、ファーストキスは&hellip;&hellip;<br>
「あう」<br>
「ど、どーした魅音！？　いきなり爆発すんじゃねぇっ！」<br>
 ぽひゅっと煙を上げて体の力が抜けてしまった私を圭ちゃんは抱えるようにして支え、道行く人の「あらあら」といった視線に耐えながら公園のベンチまで運んでくれた。<br>
「&hellip;&hellip;どーだ、ちょっとは落ち着いたか？」<br>
「う、うん&hellip;&hellip;ごめんね&hellip;&hellip;」<br>
「いいっていいって。でも、いきなり爆発するなんて&hellip;&hellip;まあ、毎度のこったけどどうしたんだ？」<br>
「&hellip;&hellip;え、えっとね&hellip;&hellip;ふぁ、ファーストキスのこと急に思い出しちゃって&hellip;&hellip;そ、それで&hellip;&hellip;」<br>
「ぬあ&hellip;&hellip;アレか&hellip;&hellip;」<br>
 圭ちゃんも思い出したのだろう。<br>
 二人揃って真っ赤な顔で目を合わせたりそらしたり。<br>
 こうやって一旦爆発すると付き合い始たときのようになってしまうのもいつものこと。<br>
 お互いに積極的になっているとはいえ、根っこの部分は私も圭ちゃんもまだまだヘタレなまんまなんだろう。<br>
 そんな思考とは別に、私の脳裏にはファーストキスをした時のことが鮮明によみがえってくる。<br>
 あれは付き合い始めて半年くらい後&hellip;&hellip;綿流しの後にこっそりと夜のお散歩デートをした時のことだった。<br>
 蛍が沢山いる穴場に圭ちゃんを案内して、幻想的な光の舞にうっとりと見入って&hellip;&hellip;気付けば圭ちゃんは私の横顔を惚けた、しかし優しい顔で見つめていた。<br>
 おずおずと見つめ返すと、数拍の間を置いて私は圭ちゃんの胸の中に優しく吸い込まれていた。<br>
 圭ちゃんに抱きしめられたのもそれが初めて。<br>
 爆発寸前になりながら何とか圭ちゃんの顔を見上げると、少しずつ圭ちゃんの顔が近づいてきて&hellip;&hellip;<br>
 やがて、蛍の光に包まれながら私と圭ちゃんの唇の温度が同じになった。<br>
 後で分かったことだけど、やはりというか仲間の皆が私達のこっそりデートを覗き見してて&hellip;&hellip;キスシーンもばっちりと見られていた。<br>
 ただ、詩音が言うには『映画の１シーンみたいで、すごく綺麗だった』とのことで、他の皆もこのことだけに関しては私達を弄くったりはしてこない。<br>
「一生の思い出&hellip;&hellip;だね」<br>
「あー&hellip;&hellip;そうだな&hellip;&hellip;俺もあの夜の事は忘れない」<br>
 私と圭ちゃんはそう言い合うと真っ赤な顔でにこりと笑いあう。<br>
「そ、それで&hellip;&hellip;だな。何かこうタイミングよくあの夜の話になっちゃったんだが&hellip;&hellip;魅音に受け取って欲しいモンがあるんだ」<br>
「ふぇ&hellip;&hellip;これ、何？」<br>
 圭ちゃんはコートのポケットから小さな箱を取り出し、それを私に押し付けるようにして渡してくる。<br>
「開けてみていい？」<br>
「ああ」<br>
 よほど照れくさいのだろうか、圭ちゃんは私から目をそらしながらこっくりと頷く。<br>
「じゃ、開けるね&hellip;&hellip;&hellip;え、これ&hellip;&hellip;」<br>
「あの夜、さ&hellip;&hellip;俺、惚けた感じでお前を見てただろ？　実はな&hellip;&hellip;蛍がお前の髪にとまってて&hellip;&hellip;こう、光の髪飾りをつけたみたいで&hellip;&hellip;すごく綺麗だったんだよ。そのことが忘れられなくてさ。三郎先生の事務所からもらうバイト料を少しずつ貯めて&hellip;&hellip;お、オーダーメイドして作ったんだ。蛍にはかなわないかもしれねーけど&hellip;&hellip;それに、時間がすごくかかっちゃってゴメンな&hellip;&hellip;ほ、ホラ、ぼへーっとしてねーでさっさとつけろよ」<br>
「圭ちゃん&hellip;&hellip;あり&hellip;&hellip;がと」<br>
 そう言うのがやっとだった。<br>
 私は青緑の宝石を使った髪飾りを握り締め、俯いて嬉し涙を堪える。<br>
 と、ふうわりと包み込まれる感覚。<br>
「泣くなよ」<br>
「だ、だってぇ&hellip;&hellip;うん、ありがとう&hellip;&hellip;じゃ、つけてみるね？」<br>
 抱きしめられ、ようやく落ち着いた私はそそくさと髪飾りを頭につけてみる。<br>
「どうかな？」<br>
「すごく似合ってるぞ。自分でも確かめてみろよ、手鏡くらいは持ってんだろ？」<br>
「うん&hellip;&hellip;わぁ、綺麗&hellip;&hellip;圭ちゃん、本当にありがとう&hellip;&hellip;でも、何だか悪いな&hellip;&hellip;私、圭ちゃんから色々もらうばっかりで&hellip;&hellip;何かお返ししないと&hellip;&hellip;」<br>
「いいっていいって。俺、魅音を独り占めしてるってーだけで十分幸せだしさ。これ以上何かを欲しがったらバチがあたらあ」<br>
 あう、そんなキザな台詞をさらっと言わないでよ。<br>
 再爆発した私を圭ちゃんは苦笑いしながら包み込んでくれて&hellip;&hellip;あの夜と同じように、二人の唇が同じ温度になった。<br>
「でも、やっぱり私も何かしてあげたいな&hellip;&hellip;ねぇ、圭ちゃん。本当に何もいらないの？」<br>
 デートの帰り道。<br>
 私はまたも圭ちゃんに尋ねる。<br>
「んー&hellip;&hellip;そうだなぁ&hellip;&hellip;じゃあ、一つだけ魅音からもらいたいもの言っていいか？」<br>
「うん、いいよ」<br>
 笑顔でそう返すと圭ちゃんはすっと私を見つめる。<br>
「笑顔」<br>
「え？」<br>
「魅音の最高の笑顔を俺にくれないか？　俺は魅音の笑顔があれば本当にそれだけでいいんだ&hellip;&hellip;」<br>
「圭ちゃん&hellip;&hellip;うん！　あげる。私の最高の笑顔&hellip;&hellip;誰のものでもない圭ちゃんだけの私の笑顔を贈るよ。それで、私の笑顔で圭ちゃんを笑顔にしてあげる、幸せにしてあげる！」<br>
 私は満面の笑みを圭ちゃんに向け、ぎゅううっと腕にしがみつく。<br>
「ははっ、そりゃ最高のプレゼントだな。なら、俺も魅音の笑顔と幸せのため、これからも笑って頑張ってやるぜ！」<br>
 もっともっと笑顔でいよう。<br>
 もっともっとあなたを幸せにしよう。<br>
 最高の贈り物はお互いの笑顔。<br>
 一緒に笑顔で頑張ろうね、圭ちゃん。<br>

</div>

<hr>
<h4><a href="/happy_mion01/047#c">■コメント（1件）</a></h4>
<div style="margin-left: 1em;">
だいぶつ『歯がガタガタ浮きそうですよ、コンチクショーｗｗｗけどしかし、無数の蛍の中でのチューとは、たしかに目を奪われるような光景でしょうな...』(2009/01/03 21:57)</span><br>
</div>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>２００９年は丑年です</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/046#tm1253536583</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/046</guid>
		<category>イラスト部門</category>
		<pubDate>Thu, 01 Jan 2009 17:44:28 GMT</pubDate>
		<author>だいぶつ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<a title="牛魅音.png" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e7%89%9b%e9%ad%85%e9%9f%b3.png" class="tag image small"><img alt="牛魅音.png" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e7%89%9b%e9%ad%85%e9%9f%b3.png.jpg"></a><br>
新年明けましておめでとうございます。<br>

</div>

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>コタツとミカンと神頼み</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/045#tm1253539819</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/045</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Thu, 01 Jan 2009 11:19:11 GMT</pubDate>
		<author>綾月そらひ</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p>&nbsp;</p>
<p>「おこたってあったかいねぇ&hellip;。レナ、もうココから出たくないよぅ～」</p>
<p>　コタツの天板にべたっと頬をくっつけて、幸せそうにレナが言った。それにニコニコしながら梨花が答える。</p>
<p>「コタツにミカンが美味しいのですよ☆」<br />「ですわねぇ。あ、詩音さん、ミカンもう一つ取っていただけます？」</p>
<p>　梨花の隣で沙都子が、ミカンが大量に乗せられた籠に一番近い詩音に言う。詩音は籠からひょいと美味しそうな一個を取って、沙都子に渡した。</p>
<p>「はい、どうぞ。&hellip;私は、さっきストーブに乗せたのがそろそろ温まりましたかね。圭ちゃん取ってください」<br />「ほいほい。っつつ、気をつけろよー」</p>
<p>　電気ストーブに一番近い位置に座っている圭一は、ストーブ上のミカン見張り係だった。熱くなっているミカンをストーブから取り上げて、詩音の前に置く。</p>
<p>「サンキューです。ん～、この温かいミカンが美味しいんですよねぇ」</p>
<p>　詩音は熱くなっているミカンをそろそろと剥くと、満足そうにそれを一房口に放り込んだ。ミカンを温めるなんて考えたこともなかった圭一は、感心したようにその様子を見る。</p>
<p>「ミカンは生で食べるものだと思ってたけど、そういう食べ方もあるんだなぁ」<br />「温めすぎると大変なことになりますけどね。皮がちょっと焦げたくらいが美味しいですよ」</p>
<p>　大変なことになったことがあるのだろう、詩音が小さく舌を出した。圭一は詩音から温いミカンを一房貰って、口に放り込む。&hellip;じんわりと口の中にミカンの甘さが広がって、なかなか美味しかった。</p>
<p>「レナはどっちも好きかな。今度は温めよっと。圭一くん、これ乗せてー」<br />「了～解」</p>
<p>　今度はレナに頼まれて、圭一はストーブにミカンを乗せる。そうやってワイワイと楽しそうにミカンをむさぼる皆を見ながら、ようやく魅音が口を開いた。</p>
<p>「&hellip;あのさぁ。なんで、正月３日から、皆して私のコタツに入ってるわけ？」</p>
<p><br />　魅音の言うとおり、このコタツは魅音のコタツだった。園崎家の客間ではなく、魅音の自室、漫画部屋の方に置いてあるコタツだ。</p>
<p>　この日、１月３日の午後、受験生である魅音は勉強しなきゃなぁと思いながらも、自室のコタツに入ってぬくぬくしていた。ところがそこへ突然部活メンバー全員がどやどやと上がってきて、魅音が何か言う前にさっさとコタツに潜り込まれた。<br />　園崎本家内をよく把握している詩音も居たため、台所にあったミカンの籠が勝手に持ち込まれ、場はあっという間にコタツミカンパーティー会場になってしまったのだ。家主である魅音の許可もないままに。</p>
<p>　魅音の疑問に、圭一がきょとんとした。</p>
<p>「だってお前、元旦と２日は親戚づきあいとかで忙しいって言ってたじゃねーか」<br />「そうなんですよ、元旦は園崎家全員が集まって年始のご挨拶。振り袖でお酌して、私ゃ肩が凝りましたよ～」</p>
<p>　詩音が肩をぐるぐる回しながら、溜息をつく。よほど大変だったらしい。</p>
<p>「魅ぃちゃんは次期頭首さんだもんね、大変だったでしょ？」<br />「みー。ボクも２日には御三家の集まりで大変だったのですよ」</p>
<p>　魅音だけでなく、梨花も一応御三家の頭首だから、色々お役目があったらしい。それに沙都子が頷く。</p>
<p>「私もお手伝いしたんですのよ。公由家も結構親戚がいらしたんですのねぇ&hellip;」</p>
<p>　梨花と沙都子はいつもは古手神社裏手の倉庫小屋に住んでいるが、年末年始にあの小屋に二人きりでは侘びしいだろうと同情した公由村長が、冬休みの間は公由本家で過ごすようにと手配してくれた。</p>
<p>　さすがに冬休みいっぱいずっとでは申し訳ないので、結局二人が公由本家で過ごすのは年末年始の一週間だけになったが、その間、梨花と沙都子は公由家の家事手伝いをしていたのだ。公由家も旧家らしく年明けの二日間は大忙しだった。３日になってようやくゆっくりする時間が出来たので、園崎家に遊びに来たわけだ。</p>
<p>　だが、魅音が言いたいのはそういうことではなかったらしい。</p>
<p>「そうじゃなくてさ。いきなり皆して勝手に上がってきたのはともかく、&hellip;なんでこの配置なのさ」</p>
<p>　魅音はじっと、コタツに入っている皆の配置を見た。魅音の左側の辺には、詩音。その隣、魅音の向かいには梨花と沙都子。さらに隣、つまり魅音の右側の辺にはレナ。それから、</p>
<p>「机の角は４つしかねぇだろ？」<br />「梨花ちゃまと沙都子はちっちゃいから、２人で一カ所に入って」<br />「不本意ですけれど、まぁ仕方ありませんわね」<br />「残りの３人でじゃんけんして、圭一くんが負けたから、魅ぃちゃんと同じところなんだよ。はぅ☆」<br />「実に公正なのです」<br />「&hellip;だからっ、なんで&hellip;っ」</p>
<p>　魅音は顔を真っ赤にして、でも言いたいことを上手く言えずに言葉を飲み込んだ。</p>
<p>　コタツは普通、一辺に１人が座れるくらいの大きさの机を使用するものだ。園崎家のコタツであってもそれは変わらない。<br />　梨花と沙都子は小柄だから２人が入ってもまだ余裕があるが、魅音と圭一が並んで入るのは、少々窮屈だった。自然、隙間のない密着距離になる。</p>
<p>　なんで、よりにもよって、そういうことになったのか。じゃんけんで決めたと言うが、それは本当に公正なじゃんけんだったのだろうか。&hellip;圭一はこの結果に何の疑問も抱いていないようだし、レナも参加したのだから、公正だったのだろうが。</p>
<p>「あらお姉、何かご不満でも？」<br />「詩音んん～～～」</p>
<p>　魅音は詩音を睨みつけたが、詩音は全く意に介さず、どこ吹く風だ。それどころか、すぐ隣に圭一に座られて真っ赤になっている魅音を見て、ニヤニヤしている。</p>
<p>　それに気づいていないのか何とも思ってないのか、圭一があっさり魅音に言った。</p>
<p>「まぁ勝負に負けたんだから我慢しろ」<br />「私はその勝負には参加してないぃ～～」<br />「あ、そういやそうだな」</p>
<p>　圭一はポン、と手を打った。負けた人間が二人で入る、という勝負に魅音が参加していなかったことに、ようやく気づいたらしい。</p>
<p>「&hellip;じゃぁ４人で勝負し直すのかな？　かな？」<br />「俺は嫌だぞ。ここから動きたくない」</p>
<p>　レナの提案に、圭一が即答した。それは単にコタツから出たら寒いから嫌だという意味だったのかもしれないが、魅音はじゅっと沸騰する。<br />　その様子に詩音と梨花がニヤニヤしたが、いつものように当人は気づいていない。レナもニコニコと笑ってから、あ、と気づいて慌てて圭一に声をかけた。</p>
<p>「圭一くん圭一くん、レナのミカン取って？」<br />「はいよー」</p>
<p>　レナは圭一に熱くなったミカンを取ってもらうと、ほくほくと皮を剥き始めた。<br />　それで席順に関する話は打ち切りになったのだろうと、沙都子が新たな話題を振る。</p>
<p>「レナさんは、何かお正月らしいことはしまして？」<br />「う～ん、おせち料理をちょっとだけ作って食べたくらいかなぁ&hellip;。お父さんと私の二人だけだから、あんまりたくさん作ると余っちゃうでしょ？　だからあんまり種類のないおせちになっちゃった」</p>
<p>　レナがペロッと可愛く舌を出す。料理というのは少量分は作りにくいものだ。だから１種類につきそれなりの量になるのだが、そうするとレナと父親の二人だけでは多くの種類は消費できない、というわけだった。</p>
<p>「うちはお袋が作ってたけど、出来合いのも買ってたぜ。ちょっとずつパックになったやつ。&hellip;でも正月料理って、あんまり腹はふくれねぇんだよなぁ」<br />「をっほっほ、圭一さんは質より量ですわよねー」<br />「俺は育ち盛りなんだよっ」</p>
<p>　勝ち誇ったように言う沙都子に、圭一はむくれる。詩音が、ん～、と、自分の食べたおせちを思い出しながら考え込んだ。</p>
<p>「確かにお腹はふくれないですねぇ&hellip;。お上品に見えて味は濃い目だし。普段はなかなか食べられないものが多いのはいいんですけど、&hellip;そもそもお酌してたから食べる暇がなかったですし」<br />「振り袖でお酌だったんだよね。大変だねぇ」<br />「そうなんですよ～。なんでか鬼婆が張り切って、お姉とお揃いの着物を買ってきちゃって。着物なんて窮屈だから着たくなかったんですけど」</p>
<p>　双子の姉妹とはいえ、次期頭首である魅音とその妹である詩音は、これまでことあるごとに区別されてきた。<br />　だが昨年末、お魎は二人にお揃いの着物を買い与えたのだ。あの夏を越えて、お魎にも何か思うことがあったのだろう。</p>
<p>「へー。双子でお揃いの着物か。それは見たかったなぁ」<br />「&hellip;着物に興味がおありですの？」<br />「いや、こいつら、双子っていう割にはお揃いの格好しないだろ？」</p>
<p>　世の中の双子が皆お揃いの格好をしているわけではないが、魅音と詩音は二人が「二人」に分かれてからは、お揃いの格好をしたことはない。<br />　魅音は活動的な服装、詩音はおとなしめの女の子らしい服装、というのが不文律だった。髪型も違うから、二人の区別は明確に付く。</p>
<p>「魅ぃちゃんと詩ぃちゃんがお揃いの着物かぁ。それは見てみたかも☆　ねね、魅ぃちゃん、今から着替えない？」</p>
<p>　何かを想像したらしく、レナがかぁいいモードを発動した。だが話を振られた魅音は、前日を思い出して渋い表情になる。</p>
<p>「&hellip;嫌だよぉ。胸苦しいしさぁ&hellip;」<br />「そうそう。着物って、胸がない方が似合うんですよねー。私たちは逆に押しつぶさないといけないんで、苦しいのなんのって」<br />「&hellip;&hellip;つぶすのか&hellip;」</p>
<p>　言いながら、圭一は魅音の胸元をじっと見つめた。ぐでっとコタツに寄りかかっている魅音の胸は、その天板の上に乗せられていた。<br />　圭一の視線を感じて、魅音は慌てて起き上がる。</p>
<p>「圭ちゃぁ～んっ？！　今、何を想像したのかなっ？！」<br />「ぐわっ？！　魅音、苦しいっ首を絞めるなっ」<br />「くぉのヘンタイがぁーっ？！　天誅ーッ」</p>
<p>　どったんばったんと大暴れしている魅音と圭一の向かいで、梨花がポツリと呟く。</p>
<p>「&hellip;その説で言うと、ボクが一番着物が似合うのでしょうか&hellip;」<br />「しっかりしてくださいまし梨花？！　なんだか遠い目になってますわよっ？！」<br />「あ、あはは&hellip;。巫女さん姿の梨花ちゃんはかぁいかったよ？」</p>
<p>　レナのフォローはフォローになったのかどうか。<br />　その辺りのことに自分が触れるとややこしいことになるのが目に見えていたので、詩音は話を戻す。</p>
<p>「話は戻りますけど、おせち、まだ余ってるんですよ。食べます？」<br />「お、食う食う」</p>
<p>　食べ物の話に、圭一はあっさり復活した。隣では魅音がまだジト目で睨んでいたが、成敗は終わったらしい。</p>
<p>「魅ぃちゃんが作ったの？」<br />「私が作ったのもあるけど、お母さんとか叔母さんとか、お手伝いさんとか皆で作ったよ。一族全員で食べる用だからねぇ」<br />「あ、昨日いただいたおせちですわよね。美味しかったですわよ」</p>
<p>　２日にあった御三家の集まりは園崎本家で開かれたのだが、公由本家滞在中の沙都子も招かれていたのだ。<br />　その時はおせちの中に魅音作があるとは知らなかったが、種類も量もたくさんあって、大変美味しかった。</p>
<p>「じゃぁ取ってきますから、&hellip;けっこう量があるんで、手伝っていただけます？」<br />「うん。手伝うね」</p>
<p>　詩音に続いてレナがさっと立ち上がって、二人で一緒に部屋を出て行く。梨花もちょっと考えてから立ち上がって、沙都子の手を引っ張った。</p>
<p>「みー。沙都子も行きましょうです」<br />「え？　そんなに手がいりますの？」</p>
<p>　沙都子は首を傾げながらも、素直に梨花の後について部屋を出て行った。廊下に出てから、ぱしん、と部屋の障子を閉める。</p>
<p><br />　４人を見送ってから、魅音は隣に座ったままの圭一を見た。</p>
<p>「&hellip;&hellip;圭ちゃん行かないの？　食べ物の話だから真っ先に行くかと思ったのに」<br />「寒い」</p>
<p>　即答だった。よほど寒いのが嫌らしい。</p>
<p>「&hellip;１月でコレじゃぁ、２月には圭ちゃん凍死するかもねぇ&hellip;」<br />「まだ寒くなるのかっ？！」<br />「日本の冬は２月が本番だよぉー？」</p>
<p>　魅音は意地悪そうにクック、と笑う。<br />　こういう話で圭一を弄るのは非常に楽しい。豪雪地帯の本格的な冬を過ごすのは初めてだから、圭一はことあるごとに雛見沢の冬を驚いてくれていた。</p>
<p>「&hellip;しかも学校あるんだよな。学校の行き帰りで遭難しそうだぜ&hellip;」<br />「学校にはコタツはないしねぇ」<br />「俺はもう一生ここに入っていたい」<br />「&hellip;&hellip;&hellip;」</p>
<p>　圭一の台詞に、魅音は沈黙した。圭一のことだから、当然、深い意味はないのだろう。そうに違いない、のだが。一生、って。<br />　突然黙りこくった魅音に、圭一は首を傾げた。</p>
<p>「魅音？」<br />「え、う、うん、なに？」<br />「いや、てっきりツッコミがあると思ったのに、反応なかったから」</p>
<p>　どうやら圭一は「じゃぁ夏もずっと入ってろー！」とかいうツッコミを期待していたようだった。<br />　だが、今更そんなことを言うのも何だか変で、魅音は頭をフル回転させて適当な答えを探す。</p>
<p>「&hellip;で、でも二人並んで入ってると、窮屈じゃない？」<br />「最初はそう思ったけど、魅音にひっついてる分あったかくていいや」</p>
<p>　妙に嬉しそうに言いながら、圭一はコタツ布団を引っ張り上げて腕まで中に入れて、ほこほこと温もる。<br />　魅音はそれに対して何も言えない。</p>
<p>　&hellip;なんで、そんなに、嬉しそうに言うのか。絶対、深い意味なんてないに違いない。<br />　そう分かっていながら、魅音は何かを期待せずにはいられなかった。<br />　&hellip;いや、期待するだけ無駄だ。だって相手はあの圭一なのだから。うん、無駄。無駄、なんだけど、&hellip;&hellip;&hellip;。</p>
<p>　再び沈黙した魅音を、圭一は訝しげに見る。</p>
<p>「&hellip;魅音？」<br />「圭ちゃんって、&hellip;&hellip;うぅん、何でもない」<br />「何だよ？　気になるなぁ」</p>
<p>　俯いてしまった魅音を、圭一が下から覗き込む。<br />　ただでさえ密着距離に座られて緊張しているのに、目の前でじっと見つめれて、魅音は自分の頬が上気するのが分かった。それをなんとか誤魔化そうと、慌ててそっぽを向く。</p>
<p>「そっ、そろそろみんな戻って来るんじゃないかなっ？！　私、手伝ってく&hellip;」<br />「あ、こら、立つなよ。寒いじゃねーか」</p>
<p>　コタツから抜け出して立ち上がった魅音の手を、圭一がぎゅっと握って引き留めた。<br />　突然手を握られて、魅音は真っ赤になって固まった。ぎぎぎ、と首を動かして振り返り、座ったままの圭一を見下ろす。それから何か言おうとして口を開いたが、結局何も言えなくて、口をパクパクさせるだけになった。</p>
<p>　そんな魅音の反応に全く心当たりなどない圭一は、疑問符を浮かべて首を傾げた。魅音の手を握ったまま、もう一方の手で、魅音が立ち上がったために捲れたコタツ布団を引っ張って直す。</p>
<p>　そのときガラリと音を立てて、部屋の障子が開いた。開けたのは、おせちの重箱を抱えた梨花だった。が、部屋の中を見て、そのまま障子を閉めようとする。</p>
<p>「&hellip;&hellip;お邪魔しましたです」<br />「まっ、待って梨花ちゃーんっ、違うのーっ？！」</p>
<p>　変な誤解をされたと悟った魅音が慌てて梨花を引き留める。圭一はやっぱり分かっていないから、また首を傾げた。</p>
<p>「何が違うんだ？」<br />「けけけ圭ちゃん、離してよぉっ」<br />「やだ。寒い。座れよ」</p>
<p>　魅音は真っ赤な顔のまま圭一の手を離そうとぶんぶん腕を振ったが、圭一はガンとして握った手を離さない。<br />　その様子は、端から見るとじゃれ合ってるようにしか見えなかった。もちろん、梨花にも。</p>
<p>「&hellip;&hellip;やっぱり、お邪魔虫は退散しますのです」<br />「だっ、だから違うんだって梨花ちゃん！　私は手伝いに行こうとしただけで&hellip;！」</p>
<p>　魅音が叫ぶ。一方、圭一は梨花が抱えている三段の重箱を見て、その量に気づいたようだった。</p>
<p>「梨花ちゃん、運ぶ人数は足りてるのか？」<br />「はい、足りてますですよ。魅ぃのお手伝いがなくても大丈夫なのです」<br />「ほら、大丈夫だって言ってんだから、座れよ魅音」</p>
<p>　圭一は魅音を見上げて、握り続けている魅音の手を引っ張った。魅音は圭一を見て、それから梨花を見て、涙目になりながら訴えた。</p>
<p>「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;うぅ～～。梨花ちゃぁん&hellip;」<br />「もうすぐ皆来ますですよ。今の内に座っておいた方がいいと思いますですが」</p>
<p>　梨花にそう言われて、ようやく魅音は諦めて座り直した。ごそごそとコタツ布団の中に潜り込む。<br />　魅音が座ったのを見ると圭一は手を離してくれたが、圭一の隣、腕が触れあう距離に座っているのが、恥ずかしくて仕方なかった。さっき上気した頬はまだ治まっておらず、それが余計に恥ずかしい。<br />　隣に座る圭一は魅音の様子に全く気づかないまま、梨花がコタツの上に置いたおせちの重箱を広げて、目を輝かせた。</p>
<p>　そんな二人を見て、梨花がポツリと呟く。</p>
<p>「前途多難なのです」<br />「梨花ちゃぁぁん。なんとかしてよぉぉ」<br />「&hellip;無理なのです。圭一の鈍感は、何回生まれ変わっても直りませんです」</p>
<p>　しみじみとした梨花の台詞に、圭一がようやく気づいて顔を上げ、梨花と魅音を交互に見た。</p>
<p>「俺、なんかしたか？」<br />「圭一はそのままの圭一でいてくださいです」<br />「？　よく分からんが、これ、いただいていいか？」<br />「&hellip;せめて皆が戻って来るまで待ちなよ」<br />「あ、そうだな、悪い」</p>
<p>　魅音のツッコミに謝ると、圭一は再び腕をコタツ布団の中に入れた。<br />　布団の中で一瞬手が触れて、魅音は慌てて自分の腕を外へ出した。横目でちらりと圭一を見たが、圭一は全く気づかない様子で目の前のおせちをいつ食べられるかとじっと見ている。</p>
<p>　その隣で、魅音は深く、ふかーく、息を吐いた。<br /><br /><br /><br />　その後、皆で園崎家のおせちの残りをいただいて、それから腹ごなしに古手神社へ初詣に行った。御三家はそれぞれ元日か二日に既に参っていたので、それが初詣だったのは、正確に言うとレナと圭一だけだったが。</p>
<p>　神社では、皆で社殿に参ってから、わいわいとおみくじを引いたりお守りを買ったりした。<br />　神主のいない古手神社の社務所には、通常は誰も居ない。参詣するのは基本的に村人だけなので、おみくじなんかはセルフサービス式でも十分なのだ。ただ、正月の期間だけはそれ以外にも売れるものがあるので、園崎家と公由家の人が交代で入ってくれている。</p>
<p><br />　魅音は絵馬を買って、こう書いた。</p>
<p>『受験に合格しますように。それから、圭ちゃんの鈍感が治りますように』</p>
<p>　願われた神様は、ぶんぶんと首を横に振って「僕の力でそれを治すのはとうてい無理なのです」と言ったとか何とか。<br /><br /><br />&nbsp;</p>
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だいぶつ『圭一・・・正に鈍感の極みですなｗこっちはもうニヤニヤしっぱなしですよ。しかし、ミカンにそんな食べ方があるとは私も知りませんでした...』(2009/01/01 26:26)</span><br>
綾月そらひ『ニヤニヤしていただきありがとうございますv…本当に、鈍感すぎますよね(笑)。このミカンの食べ方、意外と知られてないんですね。私は...』(2009/01/03 22:03)</span><br>
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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>ペパーミントのアイスクリームを君に　～その４～</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/044#tm1253539861</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/044</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Wed, 31 Dec 2008 12:21:31 GMT</pubDate>
		<author>KK23</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p>そこには黒い和服を着た女の人が立っていた。<br /><br />「だれ？　おば・」<br /><br /> 俺はその時初めて殺気というものを体感した。　いやぁ、あれは怖かった。<br /> コン助もきっと同じ気持ちだったに違いない。<br /><br />「&hellip;&hellip;お姉さん？」<br /><br />「はっはっは、いやぁ、済まないねぇ。<br /> そろそろそう言われる歳だって自覚はあるんだけど、まだ慣れないもんでね。<br /> 四十路前までは万年十七歳のお姉さん、って呼んでもらいたいもんだよ。<br /><br /> &hellip;&hellip;そうそう、私が誰かだったね。　私はその子の母親だよ。<br /> 会ったらガツンと言ってくれるんじゃなかったかい？」<br /><br /> 最初にガツンと殺気を浴びせられたのはこっちだったし、続くサバサバした話し振りから<br /> 完全に毒気を抜かれて、俺はすぐさま二の句が継げなかった。<br /><br /><br /><br />「&hellip;&hellip;なんで、お姉ちゃんばっかりひいきして、この子をさびしがらせてんだよ？<br /> かわいそうじゃないか。」<br /><br /> その時の、悔しさとも、悲しさともとれる、あの人の目を何に例えたら良いのか、<br /> 今でも俺の語彙の中に適切な表現が見当たらない。<br /><br /> 暫くあの人はそんな目で俺の事を見つめていた。<br /><br />「&hellip;&hellip;大人の事情、って答えなんか、聞きたいわけじゃないよね。<br /> 私自身、嫌いな言葉だったし。<br /> だけど、いざ自分が問われる立場になると、他に言葉が思いつかないよ。<br /><br /> &hellip;&hellip;ああ、本当におばさんになっちゃった気がする、嫌だ嫌だ&hellip;&hellip;。」<br /><br /><br /> そういった後、あの人は暫く他の答えを考えていたようだった。<br /><br /> その間、あの子はずっと俺の背後で、俺の服の裾をぎゅっと掴んでいた。<br /><br /><br />「&hellip;&hellip;そうさね、私が悪い悪い鬼だからかもしれないねぇ。<br /> その子は鬼の家に生まれちまった、可哀相な人の子なんだよ。<br /><br /> どこかにその鬼を退治して、その子を幸せにしてくれる桃太郎さんはいないものかねぇ？<br /> 今ならビンタの一つで簡単に成敗されちゃうかもしれないよ。」<br /><br /><br /> そう言うと、その女の人は俺の目線の高さに合わせて屈みこみ、一瞬頬を突き出した後、<br /> 俺の目をじっと見つめてきた。<br /><br /> 俺はその時は、一体何であの人がそんな素振りをしたのか、まるで理解できなかった。<br /> 今思えば、俺の義憤の掃け口と、自分の子供を寂しがらせてしまった事を罰する、<br /> ケジメを付けようとしていたんじゃないかって、そんな気がする。<br /><br /> 当時の俺でも分かったのは、俺の服の裾を掴んでいた力が弱くなっていた事と、その人の目が<br /> とても悲しそうだった事の、二つだけだった。<br /><br /><br />「おば・、&hellip;&hellip;お姉さんは、オニはオニでも、青オニさんだね。<br /> 赤オニさんが、人となかよくできるようにって、じぶんからわるものになろうとしてる。」<br /><br /> 『泣いた赤鬼』は俺のお気に入りの話だった。<br /><br />「赤オニさんは、人となかよくしたかったけど、青オニさんもとっても大事だったはずだよ。<br /> だから、青オニさんがいなくなって泣いたんだ。<br /> うまく言えないけど、おｂ・お姉さんが傷ついたら、この子もきっと泣いちゃうよ。<br /> &hellip;&hellip;<br /> 何で、たいじとか言うんだよ！　もっとかんたんなはずだよ！　かまってあげてよ！」<br /><br /><br /> ハトが豆鉄砲食ったような顔って、ああいうのを言うんだろうな。<br /> そういう顔をして、あの人は突然笑い出した。<br /><br /><br />「&hellip;&hellip;くっくっく、あーっはっはっはっは！<br /><br /> &hellip;&hellip;<br /> &hellip;&hellip;はぁ。　&hellip;&hellip;坊やは、賢いねぇ。」<br /><br /> そう行った後、俺の背後の女の子に歩み寄って、あの子を抱きしめた。<br /><br /><br />「お姉ちゃんはね、これから家に帰ったら、とんでもなく重たいモンを背負わされる事になってる。<br /> その話は聞いたろ？<br /> これはね、今のあんた達にはまだ分からないかもしれないけど、とっても大変な事なんだ。<br /> 実は母さんの借金をあんた達に押し付けてるようなもので、本当に済まないと思ってる。<br /> だから、お姉ちゃんに今の内に人並みの楽しみとか、子供らしい思い出を作ってあげたいって<br /> 思ったんだよ。<br /> &hellip;&hellip;でも、寂しい思いをさせて、すまなかったね。<br /><br /> &hellip;&hellip;なあ、あんたは、お姉ちゃんの事、好きかい？」<br /><br /> あの子は黙って頷いた。<br /><br />「そうかい。　やさしいね。<br /> じゃあ、そのあんたの好きなお姉ちゃんを幸せにするのを、手伝っておくれでないかい？」<br /><br /> その言葉を聞いた時、あの子の顔が輝いた。<br /> 自分が誰かの役に立てることが、必要とされる事が嬉しくてたまらない、といった表情だった。<br /><br />「うん！」<br /><br /> 本当に、良い笑顔だった。<br /> 俺の心も晴れやかだったが、いつまでもその気持ちに浸っている事は出来なかった。<br /><br /><br />「あ、いたいた、圭一！　駄目じゃないの、勝手にアイスクリーム持ち出したりしちゃ！」<br /><br /> そう、神社の奥さん、家の母さんと面識があったんだよな。<br /> 俺がアイスクリームを容器ごと持ち出して他所様に食器を借りて食べてるなんて事、<br /> 報告が行かない訳なかったんだ。<br /><br /> こりゃ、こってり絞られるなぁ、と覚悟していたんだが、<br /><br /><br />「圭一君の親御さんですね？　家の娘が大変お世話になりました。<br /> 迷子になってお腹を空かせていたこの子に、圭一君がアイスクリームを分けてくれたそうなんですよ。<br /> どうか、あんまり叱らないでやって下さい。」<br /><br /> ハト豆、その日二回目。<br /><br />「は、はあ。」<br /><br /> 家に帰った後、流石に少々の小言はあったが、そのお陰であんまり怒られなかった。<br /><br /><br /> あの親子の去り際、母親の方からこんな事を言われた。<br /><br />「この子には、あんたみたいな子と幸せになってもらいたいもんだよ。<br /> だけど、東京は遠いねぇ&hellip;&hellip;。」<br /><br /> 心底残念そうな口ぶりだった。　本当に子供の幸せを願っている親の声音だった。<br /><br /> あの子も、名残惜しそうな目で俺の方を見ていた。<br /> 多分俺も同じような顔をしていたと思う。<br /><br /><br /> 翌日以降、俺は何かに付け辰姫神社の前を通るようになった。<br /> コン助が吠えているのを聞きつけるたびに、俺は暫く確認せずにはいられなかった。<br /><br /> だけど、一度たりともその子に出会える事はなかった。<br /><br />-------------------------------------------------------------------------------------<br /><br />「&hellip;&hellip;と、まあ、東京で神社っていうと、俺にはこういう思い出があるんだよ。」<br /><br /><br />「圭一さんのヘタレっぷりはその時から始まっていたんでございますのね！」<br /><br /> 余計なお世話だ。<br /><br /><br />「いやぁ～、それにしても圭ちゃん、意外とピュアだったんだねー！　あっひゃっひゃっひゃ！」<br /><br /> な、馬脚を現すかと思いきや、魅音が一番大笑いしてやがる&hellip;&hellip;。<br /> こいつ、もしかして本当に忘れてやがんのか？<br /><br /><br /> ん？　どうしたレナ？　そんなに耳元に顔寄せて？　俺だけに聞こえるように何か話が？<br /><br />「圭一くん、その子の名前、忘れてても、誰の事か検討は付いてるんじゃない？」<br /><br /> ちょ、青い目が恐いんですけど&hellip;&hellip;？<br /><br />「あ、いや、&hellip;&hellip;ま、まるで&hellip;&hellip;」<br /><br /><span style="font-size: medium;"><em><strong>「嘘だ！」</strong></em></span><br /><br /> ひぃいいいい！　ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。<br /><br />「おんやぁ？　圭ちゃん、レナに何かいけない事したのかい？　そんじゃあ罰ゲームだぁ～！」<br /><br /> えらくテンション高いな、おい。<br /><br />「つーかさ、圭ちゃん、そんな名前も覚えてないような子にはアイスクリームおごって、<br /> 私達には何にも無いワケ？　そりゃ部活メンバーに対する仁義って奴に欠けんじゃないの～？<br /><br /> はい！　圭ちゃんの今日の罰ゲームは、皆にアイスクリームをおごる事ー！<br /> いやぁ、今日は暑いし！　楽しみ～！」<br /><br />「賛成なのです！　あうあう～！」<br /><br /> だあああ！　また決定事項かよ！　俺の意思とか都合（主に圭一王国の国家予算）は～～！？<br /><br /> ん？　今日ってそんなに暑かったけ？<br /><br />「&hellip;&hellip;はぁ。」<br /><br /> まあ、良いけどさ。<br /><br /> &hellip;&hellip;姉で跡取りがお前ってのが、どうにも腑に落ちないけど、あの場所を知っているって事は、<br /> お前なんだろう？　魅音。<br /><br />「そうだな&hellip;&hellip;、」<br /><br /> &hellip;&hellip;ミントには記憶力を向上させる効能があるそうだ。<br /><br /><br />「よっしゃ！　罰ゲームとあれば仕方ねぇ！　なんでも来いってんだ！　アイスクリームを奢るんだったな！<br /> どんと来いってんだ！」<br /><br /><br /> そう、もう一度、ペパーミントのアイスクリームを、君に。<br /><br /> いつかで良い、思い出してくれよな。　あの日過ごしたひと時を&hellip;&hellip;。</p>
</div> 

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だいぶつ『幼女魅音！　幼女魅音！（どぐしゃこの最後の様子だと魅音も・・・むひひ、なようですねｗこの続きで実際に旅行に行った話も待ってますよ...』(2009/01/04 23:30)</span><br>
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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>雛見沢三冠王攻略戦　その２　冬の陣パート１</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/043#tm1253539844</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/043</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Wed, 31 Dec 2008 01:13:58 GMT</pubDate>
		<author>fukuryu</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p>年末も近づく師走の一日。<br />まもなく雛見沢分校の二学期も終了を迎えようとしていた。</p>
<p>ヘタレ、鈍感、ノンデリカシーの三冠王とも揶揄される圭一を巡る、部活メンバー女子の密かな戦いはなんの進展を迎える事も無く冬休みが到来しようとしていた。</p>
<p>一時期は高校受験合格も疑わしいとまで思われた魅音の成績は圭一によるスパルタ特訓の成果か、12月に入って模試などの結果が急上昇。<br />一時期は心労で日に二度しかカレーが食べられないと担任の知恵を嘆かせていたのがまるで嘘のようであった。</p>
<p>授業中はもちろん、休み時間でも、魅音は圭一を目で追う事を止められない。<br />魅音としては圭一の顔を見つめていられれば、側にいられればそれだけで気持ちが満たされる所大であった。</p>
<p>「魅ぃちゃん、魅ぃちゃん」<br />「ふぇ？　な、何レナ？」</p>
<p>レナに声を掛けられ、富田岡村ら下級生と話し込む圭一に見とれていた魅音は我に帰った。</p>
<p>「結局、冬休みになっちゃうよ、はう」<br />「あ、あはははは&hellip;&hellip;確かに決着付かないよね」<br />「決着付かないっていうか、半年経っても圭一くんに変化無しって、すごいよね、よね？」<br />「だね、たはははは」</p>
<p>全く情勢に変化が無かった訳ではない。<br />魅音は以前よりも受験の為の家庭教師とはいえど、圭一と共に過ごす時間は大幅に増えたし、レナは圭一とダム現場への宝探しに共に出掛ける機会も増えた。<br />相変わらず家を空ける両親の代わりだと沙都子や梨花、羽入が圭一に食事を作りに行ったりする機会も大幅に増えていた。</p>
<p>しかし、当の圭一の反応は以前と少しも変化が無いと言っても良い。</p>
<p>相変わらずナチュラルに魅音やレナを赤面させ、ボーっとさせるような言動は平気で行う。<br />これまた非常にナチュラルに沙都子や梨花、羽入の頭を撫でてポーッとさせるなどの行為も平然と当然の如くしている。</p>
<p>が、しかし相変わらず誰かを優先することもなく、もちろん選んで告白なんぞまったくその気配すら無い。</p>
<p>母の藍子が茜と意気投合したり、牧野老人が梨花の奸計に引っかかり既成事実を作ろうとしてお魎や喜一郎に止められたり、沙都子の不利を補おうと詩音が魅音をちょっとだけ裏切って魅音が泣いて詩音がへこんだり、レナの積極攻勢に不審を抱いたレナの父親の一言で竜宮家で一騒動あったりもしたが、いっこうに事態は進展を見せないのであった。</p>
<p>沙都子や梨花、羽入から相談を受けた入江や診療所で療養を兼ねた軟禁中の鷹野と鷹野に無理矢理引きずられた富竹も加わって大事になりかけていた。</p>
<p>有り体に言えば、雛見沢全体がこの事態に巻き込まれつつあったのだが、肝心の圭一は知ってか知らずかいっこうに変わらない。</p>
<p>梨花の一件でお魎が&rdquo;当人達同士が好きあっとるならともかく、そうでないなら余計な事はせんでもええ&rdquo;の一言が完全な足枷となって周辺の人間はやきもきして見守る事しか出来なくなってしまい、最早完全な膠着状態が出来つつあった。</p>
<p>「レナ、沙都子達も入れて今日、作戦会議だよ」<br />「う、うん、良いけど何かアイディアあるの？」<br />「初詣対策だよ。クリスマスでも結局、大勢に変化が無かった現実を考えるに、ここでなにかアクション起こさなかったらこのままになっちゃうじゃない！」</p>
<p>模試の結果が良好な事で魅音は知恵、茜、お魎からクリスマスなどの行事への参加許可をもぎ取っていたのだ。<br />なんの事はない、魅音が真面目に頑張った理由は受験よりもむしろ、圭一と過ごすイベントを奪われたくないという必死な気持ちだったというオチである。</p>
<p>クリスマスはいつもの状況であれば、園崎本家にてパーティを行うところであるが、今回は藍子の提案で前原屋敷にて実施された。</p>
<p>料理やケーキは全てみんなの手作りで持ち合う事が藍子から課せられた条件であった為、魅音以下全員が異様に張り切って鹿骨市内の高級レストランのクリスマスコースもかくやな料理が出揃った。</p>
<p>思い思いのプレゼントをどうやって圭一に渡すか、圭一からのプレゼントを誰が受け取るかでメンバー間の心理戦が繰り広げられるのを避けるべく、プレゼントは交換会となり、見事圭一にプレゼントを渡す事に成功したのは沙都子。<br />圭一からのプレゼントは羽入が手に入れた。</p>
<p>その晩、帰宅後に梨花による激辛キムチ制裁が行われたのは言うまでもない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>終業式を明日に控えた放課後、園崎本家客間に圭一を除く部活メンバーは終結していた。<br />藍子が気を利かせ、圭一に用事を言いつけた事で圭一抜きの状況をスムースに作る事に成功したのだ。</p>
<p>「さて、諸君&hellip;&hellip;現在の膠着状態の打開案をみんなで話し合いたいと思う」<br />「「「「意義な～し（ですわ）（（なのです））！」」」」</p>
<p>お茶請けのせんべいをボリボリとかみ砕きながら魅音が口を開く。</p>
<p>「まずは初詣だね！」<br />「だね&hellip;&hellip;みんなのアピール方法だよね、問題」<br />「魅音さんは晴れ着を着られるんですのよね？」<br />「うーん、そこなんだけどみんなはどうなの？」</p>
<p>魅音は残りのメンバーの状況を確認する。</p>
<p>「一応、僕達3人も用意はしたのです。けれど雪の残る中を晴れ着はちょっと大変なのですよ。それに着付けがきちんと出来るのは羽入だけなのです」<br />「レナも用意だけはしてるんだけど、着付けがちょっと心配かな、かな？」</p>
<p>晴れ着という条件は各位、問題が無いようであったが、着付けの問題が存在していた。</p>
<p>「よし！　わかった！　着付けに関しては園崎が面倒みちゃおう！　っとその前に初詣をいつにするか決めないとダメだよね？」<br />「元旦早々はちょっと無理じゃないかな、かな？　魅ぃちゃんは大晦日とか宴会になっちゃうんでしょ？」<br />「うん、あと三が日は多分挨拶に来る人いっぱいだから抜けられないかもしれないなぁ&hellip;&hellip;」<br />「僕と羽入は三が日は古手神社の巫女をずっとしないといけないのですよ」<br />「寒いのに巫女服で過ごすのは大変なのです、あうあうあう」<br />「私は社務所の方でお茶や甘酒をお出しするのを手伝う予定ですわ」</p>
<p>各自、大晦日から三が日は動きが取りにくいようであった。</p>
<p>しかし、その直前に大きなチャンスがある事をみんなは自覚していたのであった。<br />そう&hellip;&hellip;年末は明日から大晦日31日の朝まで圭一の両親が東京でのイベントに参加するようで、不在であったのだ。</p>
<p>「あとは&hellip;&hellip;年末のご両親不在の4日間だね！」<br />「うん、また圭一くん一人になっちゃうからご飯とかで勝負だよ、だよ！」<br />「年始の用意があるので僕と羽入は29日、30日は動けないのです&hellip;&hellip;」<br />「ボクと梨花は最初の方にして欲しいのですよ」</p>
<p>いつもはこういった場合、くじ引きを行うのだが今回は話し合いによって順番を決める事になっていた。<br />今回は特に&rdquo;お泊まり&rdquo;込みであるため、5人の熱気で園崎本家の中庭の雪も溶けんばかりであった。</p>
<p>「じゃぁ最初に二日間は&hellip;&hellip;梨花ちゃん、羽入、沙都子のトリオの担当でいいかな」<br />「残りの二日間をレナと魅ぃちゃんだね、だね！」</p>
<p>複数が一緒に泊まり込むことで誰かの抜け駆けを監視しようというそれぞれの思惑も一致した。<br />あとは更にレナ経由でもたらされた藍子の提案をどうするかがあった。</p>
<p>「あとは圭一くんのお母様が提案してきたおせちなんだよ、だよ」</p>
<p>藍子の提案はこう。<br />&rdquo;おせち料理は毎回前原家では出来合のものをスーパーで購入してきて済ませる事が多いのよね。でも雛見沢で迎える初めての正月でもあるし、可能であれば各自が分担して雛見沢ならではのおせちを作ってみるのは良いアピールだと思うわよ？　材料費はうちで出すからやってみない？&rdquo;</p>
<p>そう、圭一は基本的に和食が好きである。<br />そして年末のイベントは恒例でもあり、圭一は実は手作りおせち料理というものにあまり縁がなかったのである。<br />これは各自にとって大きなチャンスでもあった。</p>
<p>「31日に全員で前原家に集合して作るかい？」<br />「あまり得意ではありませんけれど頑張らせていただきますわ！」<br />「おふくろの味で圭一をメロメロのニャーニャーにするのです！」<br />「ふぁいとおー！　なのですっ！」<br />「あははは、みんな燃えてるんだね、だね！　レナも負けないよぉ～！」</p>
<p>材料表と代金は既にレナが藍子から預かっていた。<br />勝負は31日の朝、前原家で執り行われる事に決定した。</p>
<p><br />翌朝の前原家。</p>
<p>「圭一、それじゃあなたが学校に行ってる間に多分、私達は出ちゃうと思うから、後はちゃんとするんですよ？」<br />「あぁわかってるって」<br />「レナちゃんにみんなであんたのご飯お世話して貰うようにお願いしてあるから」<br />「お、そりゃ助かるな。さすがにこう雪が多いとカップ麺の買い出しにもなかなか行けないしさ」<br />「ともかく、お世話して貰うんだから失礼の無いようにしなきゃダメよ？」</p>
<p>そんな会話の後、いつものように登校時間となり、圭一は学校へ向かった。</p>
<p>「しかし、みんな圭一の事を競うようにして世話してくれるな、うらやましいぞ、我が子ながらうらやましすぎるっ！」<br />「そりゃみんな、圭一の事を好いてくれてるんだもの。でも、あの子ったら未だにまったくその好意に気が付いてるフシが無いのよね、はぁ&hellip;&hellip;誰に似ちゃったのかしら&hellip;&hellip;」<br />「しかし、中学生とは思えぬないすばでぃの魅音ちゃんに甲斐甲斐しいレナちゃん、いやいやロリな魅力満点の沙都子ちゃんに梨花ちゃん、羽入ちゃん。まるでハーレムではないか！　圭一のくせに生意気すぎる！　一人くらい父である私にまわ&hellip;&hellip;ぷべらっ」</p>
<p>藍子の鉄拳制裁が伊知郎を沈黙させた。</p>
<p>ズルズルと伊知郎を引きずるようにアトリエに向かう藍子。</p>
<p>「さっさと用意しなさい！　時間無いんですよっ！」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そして終業式を無事終えた放課後。<br />梨花と羽入、沙都子はセブンスマートに居た。</p>
<p>「まずは今夜からの食事の材料調達ですわね」<br />「藍子から預かった予算の範囲内で夕食3回、朝食3回、昼食2回分を用意なのです」<br />「夕食と朝食はボクと梨花と沙都子でそれぞれ一回ずつ作るとして、昼食の2回をどうするかなのです。誰かが腕を振るえないのですよ」<br />「じゃ、昼食は沙都子と僕で作るので羽入はおやすみして良いのですよ」</p>
<p>梨花の提案に羽入が色めき立つ。</p>
<p>「あうあうあうあう、なんでなのですか？！　ボクだけ不利になるのです！　いやなこった！　なのですっ！」<br />「あんたは圭一からのクリスマスプレゼントを手に入れたんだからここは譲りなさいよっ！」<br />「そうですわよ！　羽入さんだけなんですわよ！　そんな今も誇らしげに圭一さんからのプレゼントのマフラーをして！」<br />「暖かいのですっ！　圭一のぬくもりなのです！　これを手に入れたのは世界中でボクたった一人なのです！　どうだうらやましいだろう？　なのです」</p>
<p>自慢げな羽入の一言で一挙に梨花と沙都子を取り巻く空気が剣呑なものに変わった。</p>
<p>「沙都子、あそこで激辛キムチの試食をやっているのです。ちょっと試しませんか？」<br />「あら、梨花！　今夜は寒くなりそうですし激辛キムチ鍋でもよろしいかもしれませんですわね！」<br />「ひどいのですひどいのです！　二人が鬼なのです！」</p>
<p>なんとか買い物を済ませ、3人は前原屋敷へ向かった。<br />結局、夕食のメインの一品を三人がそれぞれ作り、朝食は各自が、昼食は簡単なものを共同で作る事で話は決着した。</p>
<p>白熱した水面下の勝負は各自の想いを隠し味に最高の料理として圭一に提供され続けた。<br />しかしながら、美味い美味いと言って圭一は全てを平らげたものの、結果としてなんら状況に変化が無かった&hellip;&hellip;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>29日の朝、いそいそやってきたレナと魅音に年少組3人は追い出されるように前原屋敷を後にした。</p>
<p>「く、屈辱なのです！　またしても圭一のはーとをげっとしそこなってしまったのです！」<br />「頑張りましたわ、私たち！　精一杯やりましたのよ！　いつになく会心の出来のお食事でしたのよ！」<br />「みぃ&hellip;&hellip;なんで圭一はあそこまで鈍いのですか&hellip;&hellip;やっぱり僕がばいんばいんじゃないからなのですか？！」</p>
<p>年少トリオ、惨敗&hellip;&hellip;</p>
<p>「さぁて、レナ！　こっからは一騎打ちだよ！」<br />「うん、負けないよ！　えっと今日のお昼と晩ご飯、それに明日の3食、明後日の朝食とチャンスは6回だね、だね？」<br />「レナ先攻、あたし後攻で一回ずつ交代にしようか？」<br />「わかった。じゃ今日のお昼、明日の朝、晩ご飯がレナで、今日の晩ご飯、明日のお昼、明後日の朝が魅ぃちゃんの担当って事だね？」<br />「買い出しはどうしようか？」<br />「今日のお昼はレナ、家から持ってきたお漬物あるし、梨花ちゃん達が買って使わなかった材料とかおばさまが買い置きしてる材料を使ってやるから、夕方3人で買い物行こう？」<br />「おっけーわかった」</p>
<p>これまた白熱の火花散る魅音とレナの料理対決が行われた。<br />圭一はこりゃすげぇな、ごちそうばっかりだぜ！　と喜んで完食を続けた。<br />二人は熟知している圭一の好みを最大限に表現し、また家庭的な味でアピールを懸命に行った。<br />しかし、相変わらず喜んで完食しつつナチュラルに二人が赤面するような誉め言葉は次から次へと出てくるが、二人が本当に欲しい言葉は相変わらず圭一の口から出る事が無かった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>大晦日の朝食を終えた後、おせち作戦の為に年少トリオが前原屋敷を訪れた。<br />3人が目にしたものは、やややつれが見て取れる魅音とレナであった。<br />内心、ガッツポーズをする3人であった。</p>
<p>圭一を伴い、6人でおせちの材料の買い出しに出掛け、買い物帰りの事である。</p>
<p>「なぁ&hellip;&hellip;そりゃ男は俺だけだからしょうがないんだけど&hellip;&hellip;なんで荷物の大半を俺が運んでるんだ？」<br />「「「「「当たり前（でしょ！）（なんだよ、だよ！）（（なのです！））（ですわっ！）」」」」」<br />「はい&hellip;&hellip;（どうしたってんだみんな殺気だっちゃって？　俺何かやらかしたのかな、また？）」</p>
<p>相変わらずな理由でみんなが怒っている事に圭一一人だけがまったく気が付く事が無かった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>もうすぐ新しい年。<br />初詣の晴れ着勝負の行方はどうなるのだろうか？<br />圭一の心境に変化はあるのだろうか？<br />勝者はいったい誰になるのだろうか？</p>
<p>この6人の関係に微妙な変化が起きるのはまだまだ先のお話&hellip;&hellip;</p>
<p>&nbsp;</p>
</div> 

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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>わがまま</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/042#tm1253539884</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/042</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Mon, 29 Dec 2008 04:58:51 GMT</pubDate>
		<author>fukuryu</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p>あたし、園崎魅音は去年、大学受験に挑み、見事な惨敗を果たし1年間の浪人生活を送っていた。<br />いや～、自分でもちょっと無理目だとは思ったんだよねぇ、あはははは&hellip;&hellip;さすがにいきなり東京の国立大学ってのは、ね、たはは。<br />雛見沢分校を出て高校受験はなんとか圭ちゃんの家庭教師の成果もあってか無事合格したけど、大学受験まではさすがに無理だったって訳。</p>
<p>相変わらずというか&hellip;&hellip;うん、あたしと圭ちゃん、レナ、沙都子、梨花ちゃん、羽入の関係は雛見沢分校時代のままで何も変わっていない。<br />何も変わってないってのは、嘘だね、ごめん。<br />ちょっとだけ変化しちゃってる。</p>
<p>高校1年の終わりに圭ちゃんから告白された。<br />あたしが分校時代に決めたルールは&rdquo;圭ちゃんに告白された者が勝者&rdquo;って奴。<br />だから、最終的な勝者はあたし！<br />高校2年になって、圭ちゃんが1年生で入学してきた時からは恋人って奴だね。<br />あははは、思い出しただけで顔熱くなってきちゃったよ、たははは。</p>
<p>うん、みんなは素直に喜んで祝福してくれたけど、ちょっと心苦しかったかな。<br />べ、別にあたしが部活の時みたいに、こうちょっとスレスレっていうか、イカサマとかそういう手使った訳じゃないからね！<br />むしろ、学校が一人だけ別になっちゃって、泣ける状態だったんだからさぁ！<br />なんて言うのかなぁ&hellip;&hellip;みんなが素直に喜んでくれる分だけ、ルール持ち出して部活っていうか勝負事に持ち込んだって事があたしがちょっとだけ心苦しかった理由かな。</p>
<p>沙都子や梨花ちゃん、羽入に対してはもちろんだけど、告白する決心までしてたレナの気持ちを封じ込めさせたも同じだもん。<br />そりゃあたしも必死だったんだけど、それでも笑ってルールを受け入れて勝負してくれたレナに対して申し訳ない気がしないでもないじゃんさ。<br />レナは前とちっとも変わらないでいてくれるし、あたしや圭ちゃんがケンカでもした日にゃ仲裁やらなんやらでほんとにお世話になりっぱなしなんだよね、圭ちゃんと付き合いだしてからもずっと&hellip;&hellip;<br />だから余計。</p>
<p>おっといかんいかん、こんな風だから去年も受験失敗したんだったっけ&hellip;&hellip;今年しかあたしにはもうチャンス無いんだよね。<br />婆っちゃからは「1年だけなら浪人するのもええやろ、けんど2度目は無ぇ」って言われちゃってるんだよね。</p>
<p>高校入る前後くらいはさ、圭ちゃんと同じ大学に行けたらいいなぁなんて甘い事考えてたなって今は凄く反省してる。<br />圭ちゃんの志望校なんてとてもじゃないけどあたしの学力じゃ門前払い食いそうなんだよ？<br />滑り止めだってあたしの模試結果じゃ引っかかるかどうか微妙なんだもん、ちょっとばかり自分のダメっぷりに落ち込むよぉ&hellip;&hellip;</p>
<p>正直、去年の受験の敗因は二つ。</p>
<p>一つ目は実力不足。<br />これは自他共に認めざるを得ない。<br />まぁこの1年、出来る限りの事はしてきたという自負はある訳で、今年こそはなんとか合格したい。<br />その為に志望校のレベルも下げたしね、ぶっちゃけ&hellip;&hellip;たははは。</p>
<p>二つ目の敗因は圭ちゃん。<br />いやぁその&hellip;&hellip;ね&hellip;&hellip;受験だからってんでこう&hellip;&hellip;デートとかそういうの減らしてみた訳。<br />でその結果がどうかと言うとだ！<br />まったくの逆効果だったと言わざるを得ない！<br />授業を受けてる最中にグランドで圭ちゃんのクラスが体育始めるとついつい目で追っちゃって先生に叱られる事もあったし。<br />放課後は図書館や塾とかで受験対策に勤しむ同級生を尻目に一秒でも圭ちゃんの側に居たくて校門で待ち合わせして一緒に帰ってた。</p>
<p>だって&hellip;&hellip;側に居ると落ち着くんだもん&hellip;&hellip;<br />正直、圭ちゃんってば高校入ってからまた一段とかっこよくなっちゃった訳で、これがもう他の女生徒が虎視眈々って感じだった訳よ！<br />レナや詩音が暗躍してくんなかったらって事もあったりして、あたしとしては自分がここまで嫉妬深いとは思ってなかったんだよね。<br />と言っても初デートの時に勝手に嫉妬して怒って圭ちゃん困らせてたから前からかもね、あははは。</p>
<p>ま、まぁそんな訳で、圭ちゃんを気にするあまり若干、努力が足りなかったという事です、はい。<br />受験失敗した事で色んな人に怒られたけど、一番怒られたのは圭ちゃんから。</p>
<p>圭ちゃんはきっとあたしよりずっとずっと大きな夢を持ってるんだと思うんだ。<br />だからあたしはそれについて行かなきゃダメだって思ってるし、圭ちゃんもついてきて欲しいと思ってるんだよね、きっと。<br />勉強してるときとかすっごい真剣な目してるんだ。<br />きっとずっと遠くの自分の目標を見てる目だね。</p>
<p>だから&hellip;&hellip;だからね。<br />圭ちゃんとじっくり話し合ってみた。<br />圭ちゃんについていく為にあたしがあたしに足りない物を身につける間、ちょっとだけ先に行ってて欲しいって圭ちゃんに告げた。<br />ずっと離れずに側に居たいのはほんと。<br />でも、圭ちゃんをあたしの側に引き留めるなんて無理。<br />多分できないよ。<br />だからね、圭ちゃんはまず圭ちゃんの目標の為に最善を尽くしてって言った。</p>
<p>圭ちゃんはちょっとだけ意外そうな顔してから少し寂しそうに笑ってバ～カって言った。<br />でもその後にあたしの頭をいつもみたいにワシワシ撫でながら心配すんなって言ってくれたよ。<br />大学の4年間、ずっと四六時中一緒って訳にはいかないけど、それはその先もお前とずっと一緒に居る為だからなって。</p>
<p>うれしかったな。<br />うれしくてちょっと涙出ちゃって、圭ちゃん困らせちゃったよ、てへへ。</p>
<p>でね、それで吹っ切れて今年一年頑張れたかなって思う。<br />もちろん、定期的にデートはしたよ。<br />お互いの息抜きも兼ねて、お茶したり映画みたりってちょこっとずつだけど。<br />うん、ベタベタにくっついてた高校んときよりも今の方が気持ちがずっと一緒にいる感じだもん。</p>
<p>それ以外はきちんと予備校通って、夜も家で必死に勉強した。<br />高校受験前に圭ちゃんに教えて貰ってた時はもうこんなに勉強する事なんて絶対に無いって思ったくらいだったけど、それよりももっともっとたくさん勉強した。<br />だってここで自分に妥協したら、どっかで圭ちゃんを裏切る事になるって思ったしね。<br />それに頑張れば頑張るほど、圭ちゃんがずっと側にいてくれるような気がしたから。<br />圭ちゃんもあたしと居る時間以外はそれこそもう全部受験勉強に使ってる感じだったから、離れてるけど一緒に居るみたいな一体感があったからかな？</p>
<p>デート終わりに毎回、ちょっとだけわがまま言っちゃうけどね、えへへ。<br />せめて、次のデートまでの間頑張れるようにって。<br />ほんのちょっと。<br />5分だけ、抱きしめててもらってるんだ。</p>
<p>どんな素敵な言葉よりもこの時間が大切。<br />毎回、たった5分だけ、あたし以外の何も見てない圭ちゃんの瞳。<br />その時間があたしに力をくれる。</p>
<p>毎回、たった5分だけ、他の事を何も考えないであたしの事だけを考えてもらう時間。<br />その時間がかけがえの無い幸せな時間。</p>
<p>今はデート終わりの時だけのたった5分だけど&hellip;&hellip;将来は毎日、この5分があると良いなって思う。<br />毎日、5分だけ。<br />あたしのわがままを聞いてくれるとうれしいな&hellip;&hellip;<br />東京、一緒に行こうね、圭ちゃん！</p>
<p>
<hr />
</p>
<p>コンセプトテーマ曲：「５分だけのわがまま」　作詞：秋本康 作曲：中崎英也 編曲：若草恵 歌：富沢聖子</p>
<p>たまにはこういう甘々のも書いちゃうぞっと(笑)</p>
<p>&nbsp;</p>
</div> 

<hr>
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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>～君といた夏～</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/041#tm1253539902</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/041</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sun, 28 Dec 2008 15:52:34 GMT</pubDate>
		<author>氷空</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p style="text-align: center;">～Side　悟史～</p>
<p>雲一つない快晴の晴れた日の興宮。</p>
<p>僕、北条悟史は一人歩いていた。</p>
<p>今日は日曜日で天気も良いので、散歩しながら少し本でも見てみようかと出てきたのだ。</p>
<p>特に急ぐこともなくゆったり歩いていると前方に緑の髪一つに束ねた女の子がいた。</p>
<p>あれは...。</p>
<p>「あっるぇ～悟史じゃん。どしたの、こんなところに一人でさ？」</p>
<p>やっぱり魅音だ。確か詩音から今日は興宮でバイトと聞いているからその帰りだろうか。</p>
<p>「やぁ魅音。こんにちは。魅音こそバイトの帰り？　僕はちょっと散歩がてら図書館によろうかなって」</p>
<p>「そだよ。そんで今帰り。図書館ねぇ～あたしゃど～もあの文字ばっかりなのが苦手でね」</p>
<p>にゃはは♪　といつもの笑いをしながら頭をかく。</p>
<p>「そぉかい？　たまには魅音も寄ってみなよ。あの雰囲気もなかなか良いものだよ？　...ところでさ？　魅音は今から雛見沢に帰るのかい？」</p>
<p>「んっ？　あ～今からは特に予定はないかね。レナはお父さんと出かけたし圭ちゃんは留守。梨花ちゃん達もどっか出かけるって言ってたしね」</p>
<p>「あぁ～沙都子も一緒に出かけるって今朝言ってたよ。僕も一緒に...って言ったんだけど断わられちゃった」</p>
<p>むぅ。少し寂しくもあるがこれが子離れ...いや兄離れの時期なのだろうか？</p>
<p>あごに手を当て真剣に悩む。そんな僕を魅音は楽しげに眺めながら</p>
<p>「それね～もぉすぐ夏じゃん？　そんで新しい水着買うって言ってたしそれでしょ。そりゃ～流石ににーにーと一緒には行けないかぁ。あっひゃっひゃ♪」</p>
<p>「むぅ～。僕としては少し寂しいかな。...じゃあさ魅音、良かったらこれから一緒に興宮回らないかい？」</p>
<p>「ふぇ？　おじさんとかい？　...ま、まぁ良いけどさ。大丈夫～そんなとこ詩音に見られたら大変な事になるよ～？」</p>
<p>一瞬赤くなったがすぐにいつもの悪戯っこの顔になって笑いかける魅音。</p>
<p>ほんと、ころころ変わる表情がいつも見てて飽きないんだよね♪</p>
<p>「そうなのかい？　でも僕もまだちょっと一人で興宮を歩くの慣れてなくてさ。魅音なら色んな場所詳しいでしょ？」</p>
<p>「まぁね～☆　だてにこの辺りでバイトしてないさね。それならいっちょ悟史の一日ガイドになってあげるよ。ガイド代は高いよ～お客さん。にっしっし～☆」</p>
<p>「むぅ～頑張るよ。じゃあ頼むね魅音♪」</p>
<p>「お任せあれ！　んじゃ～最初はどこから行く？　この辺、最近色んなお店増えてきたからね～」</p>
<p>「そうだね。じゃあ最初は...そうだ、おもちゃ屋さんが良いかな。前に沙都子にクマのぬいぐるみを買ったお店、こないだみたら閉めちゃってたみたいなんだ」</p>
<p>「ほ～さすがに沙都子思いだねぇ。良いよ！　案内してあげる。さ～しゅっぱーつ♪」</p>
<p>元気一杯に先を歩いていく魅音。</p>
<p>「むぅ～。待ってよ魅音」</p>
<p>風が夏の香りを告げる頃、僕と魅音の二人の一日は始まりを告げたのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<hr />
<p>&nbsp;</p>
<p align="center">～Side　詩音　同時刻～</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ふ～。本日のバイト終～了。まったく、善郎叔父さんも人使い荒いんだから～。いきなり人足りないから来て欲しいって。私だっていっつも暇なんじゃないっつの。でもバイト代弾んでくれましたしまぁ良しとしますか」</p>
<p>さて...おかげで今週は懐も暖かい事ですし、ん～と確かあのお店でスカートの可愛いのあったしあれ買って...そうそう駅前に新しいクレープのお店も出来たはず。おや？　あそこに見えるあの人影は...</p>
<p>「あっ！　悟史きゅん☆　こんな所で出会うなんてやっぱり運命の神様は私達の事を...ってあれは。...お姉？　どうしてお姉と悟史きゅんが？」</p>
<p>思わず駆け寄りそうなのを押さえ近くの植え込みに隠れる。</p>
<p>何です？　どうしてあの二人はあんなに楽しそうに話をしてるんですか？　だってお姉は圭ちゃんLOVEで悟史きゅんは詩音ちゃんLOVE（この話では二人は付き合っては無いのです。　でもどうやら詩ぃの中では確定事項のようなのです。あぅあぅ♪）ですよ。...あぁでも二人は前から友達でしたし別に問題はないのか...。ってあぁ！！</p>
<p>「な、なんで二人共手を繋いで一緒に歩いていくんですかー？」</p>
<p>私だってまだ悟史きゅんと手を繋いだこと無いんですよ？　そ、それじゃまるで...で、で、デェ......と？　ち、違います！　KOOLです。KOOLになるんです園崎詩音。</p>
<p>あ、あれは...そう年の近い男の子と女の子がたまたま二人して同じ場所に歩いて行くだけで...手ぐらい、ほら幼稚園の子達だってよくするじゃないですか。お手手繋いで仲良くってやつです。だから...だからノープレミアムです。ってあれ？　プレミアムでしたっけ？</p>
<p>（みー☆　それを普通はデートと呼ぶのです。中学生にもなってお手手繋いではないのですよ？　にぱー☆　それにプロブレムなのです。プレミアムで価値を付けてどうするのですか？　ふふっ♪　大分詩ぃも面白いことになってるわね。くすくす★）</p>
<p>ど、どうしよう...今飛び出して二人の邪魔をするのも空気が読めないみたいで嫌ですし...かと言ってこのまま放っておく訳にも。</p>
<p>と、とりあえず二人を遠くから見守りましょう！　そう、見守るんです。これは決して覗きなどではありません！　そうですとも！　お姉が愛しの悟史きゅんに失礼をしないか陰ながら見守っているのです。</p>
<p>そう決意を固め二人の後を静かに...かつほんの少しの変化も見逃さない覚悟で後をつける詩音ちゃんであった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<hr />
<p>&nbsp;</p>
<p align="center">～Side　魅音～</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「とーちゃ～っく♪　ここはね、おじさんが普段バイトしてるお店で時々ゲーム大会とかするんだ。今度は悟史や詩音も参加してもらうから覚悟しなよ～！？」</p>
<p>「む、むぅ。頑張るよ。へ～ここが。なかなか良いお店だね」</p>
<p>まず最初についたのは私の主なバイト先のおもちゃ屋さんだ。園崎系列のお店だがあの初夏の事件以降婆っちゃの北条に対する目は優しくなり親戚の人も沙都子達に好意的になってきてくれている。できればもっと悟史達のことを知ってほしい。二人ともとっても良い子で...なにより私の大切な仲間なのだから。</p>
<p>「おっ？　魅音ちゃんじゃないか。バイトはさっきであがりだよ？　忘れ物かい？」</p>
<p>奥から善郎叔父さんが出てきた。普段どおり優しい笑顔だったが...ふと私の後ろの悟史を見て...少し表情が変わった。</p>
<p>「むっ！？　その後ろの男の子は誰だい？　まっ、まさか...」</p>
<p>「あ、あのね？　善郎叔父さん。悟史は」</p>
<p>善郎叔父さんの顔は少し険しいものでさすがに嫌なものを感じた私は思わず二人の間に立とうとする。</p>
<p>「まさか...魅音ちゃんの彼氏かい？　いや～知らなかったな。魅音ちゃんにこんな格好いい彼がいたとは...叔父さんちょっぴりショックだよ」</p>
<p>そう言って険しい顔が一転、まるで捨てられた子犬のような顔をして地面にのの字を書き始める我が親戚の叔父さん30数歳。</p>
<p>「.........ってあれ？」</p>
<p>「あ、あの...北条悟史です。よろしくお願いいたします」</p>
<p>悟史もかしこまって叔父さんに対しぴしっ！　と礼をする。</p>
<p>え、...えっと私はこの先どうしたら良いのかな。</p>
<p>「ほう。君が悟史君か！　若いのにしっかりと挨拶ができるのか。感心感心。こちらこそ魅音ちゃんを頼むよ。はぁ～やっぱり魅音ちゃんも年が近いほうが良いのかな。わしも後３年程若ければ...」</p>
<p>そう言って悟史に手を差し出す。</p>
<p>悟史もその手を握り返し...ってこんな状況で男同士の誓いみたいなのたてないでよ～★</p>
<p>てか、ちょっと待てや叔父よ。何か非常にこの先ここでバイトするの不安になるようなセリフ言わないでよ。</p>
<p>「ちょ、悟史！　あんたそんな誤解を招くような事言わない！　それに叔父さんどこで悟史の事を...？」</p>
<p>「んっ？　悟史君の事なら前に茜ちゃんから聞いてね。お魎さんも随分気に入ってるらしいじゃないか。まるで二人の境遇がロミオとジュリエットみたいじゃ。ロマンチックじゃの～って言ってたらしいぞい」</p>
<p>なんてこったい。北条との確執が消え１ヶ月。ここまで事態は好転していたとは。でも...詩音には聞かせられないな...そんな気がするよ。</p>
<p>「へ～色々あるんだね。あっお人形まで。これって魅音が大事そうに部屋に飾ってるやつだよね？　確か圭一に貰ったって言う」</p>
<p>そんな私の葛藤をよそに既に品物を物色し始める悟史。</p>
<p>「ふぇ...あ、あんたそれ誰に聞いたの？　そうか詩音か～あの子今度あったら承知しないよ」</p>
<p>「むぅ～。ところで魅音、沙都子ってどんなぬいぐるみとか好きかな？　今度またプレゼントしたいんだ」</p>
<p>やっぱりと言うかなんと言うか。ほんとマイペースだねぇ悟史は。まぁそれが良いところでもあるんだけれどさ。</p>
<p>「ん～そうだね...あっこれなんて良いんじゃない？　ほら悟史の分とで二人セットでさ」</p>
<p>私が選んだのは大きいクマさんと小さいクマさんのペアのぬいぐるみ。</p>
<p>仲の良い二人にぴったりじゃないかな。</p>
<p>「へ～凄く可愛いね。あっ！　でもこっちも良いんじゃないかな？」</p>
<p>悟史が指差したのはとっても可愛らしい西洋人形。どうやら悟史の中では沙都子はお人形さん遊びが好きなお年頃みたいだ。</p>
<p>「ほ～なるほど。良い趣味してんじゃん☆　でもそれならこっちも...」</p>
<p>「むぅ。これなんか似合いそうじゃないかな」</p>
<p>そういいながら二人で次々商品を物色する。</p>
<p>まさか悟史と二人でお人形やぬいぐるみを選ぶ日が来るとはね。</p>
<p>去年までは思いもよらなかったこの状況にふと嬉しくなって笑みがこぼれる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「う～ん。青春だねぇ。なんだか昔を思い...いやこんな思い出なかったな、はぁ～...今日はエンジェルモートでも行くか...」</p>
<p>後ろで叔父さんの寂しい呟きが聞こえた気がするがここはスルーでいこう。</p>
<p>多分それが一番いいのだろう...。</p>
<hr />
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p align="center">～Side　詩音～</p>
<p>なっ、なんですかあれは！　どうして二人でおもちゃ屋に行って楽しそうにぬいぐるみを選んでいるんですか！？　う、羨ましいじゃないですか！　...ってあー何商品選んでて偶然手が触れて</p>
<p>『ご、ごめん魅音。ど、どうぞ』</p>
<p>『ううん。悟史大丈夫。悟史こそこれ...気になるの？』</p>
<p>『うん。魅音はこういうの好きかな？』</p>
<p>『えっ！？　あた、あた、あたし？　う...ん。ちょっと...好きかな』</p>
<p>なんてベッタベタな恋の一コマしてるんですか！</p>
<p>だ、ダメだ...久しぶりに詩音ちゃんの鬼が目を覚まし...</p>
<p>「よぉ詩音！　こんなとこで何電柱に爪立ててるんだ？」</p>
<p>突然後ろで聞きなれたこの声は...</p>
<p>「圭ちゃんじゃないですか！　どうしてここに？　...それより早く隠れてください！　二人に見つかります」</p>
<p>「んなっ！　いきなり引っ張るな！　って誰に見つかるって...あれっ？　あれは魅音に悟史か？　お~い！　み」</p>
<p>大きな声を出して二人に呼びかけようとする圭ちゃんの口をすかさず塞ぐ。</p>
<p>......良かった。二人とも気付いていないようだ。</p>
<p>「ちょ、詩音お前いきなり何を？　あそこに魅音と悟史が」</p>
<p>「知ってます！　いいから静かにしてください！　今は隠密活動中なんです。ってか圭ちゃんどうしてここに？　確か留守にしてたはずじゃ」</p>
<p>「あぁ～今日は親父に連れられて鹿骨市まで出てて今戻ったとこでな。それよりお前隠密活動って一体何を」</p>
<p>応える代わりにぐいっっと圭ちゃんの首を二人の方向に向ける。途中いやな音が聞こえた気がするが気にしてはいられない。</p>
<p>「圭ちゃん...あれ　どう思います？」</p>
<p>「痛てて。お前今首がえらい事になったぞ。...ってあれか？　う～ん、買いもんしてるみたいだな。ぬいぐるみを見てるし...ありゃ沙都子にプレゼントってとこか？」</p>
<p>...さすがにここまで鈍いとは。あの二人を見て感想がそれだけとは。</p>
<p>はぁー鈍感王改め鈍感の聖帝じゃないですかね。お姉も大変だ。</p>
<p>「...とにかく、これから私の指示に従ってください。これからあの二人の戦略的偵察を行います。異議は受け付けません！」</p>
<p>「ちょ、詩音お前何を」</p>
<p>「シャラーップ！！　私語厳禁です。それからこれから私の事はBIG詩音と呼びなさい」</p>
<p>「わ、分かったからそのスタンガンをしまえ。仕方ない、付き合ってやるよ」</p>
<p>さて、どうやら主役は揃ったようですね。お姉に圭ちゃん、それに私と悟史きゅん...今日は長い一日になりそうです。</p>
<hr />
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p align="center">~Side　圭一～</p>
<p>なんてこった。いきなり詩音につかまってスパイごっこの真似事とは。</p>
<p>ちなみに今は魅音と悟史を追っかけて今喫茶店に潜伏中だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「このケーキ美味しいね。興宮にこんな新しい喫茶店できたんだね」</p>
<p>「美味しいでしょ？　ここはね～私も最近見つけてさ。ここのアップルパイ気に入っちゃってね。今度皆にも教えようと思ってたんだけど、悟史だけ先に教えちゃったねぇ」</p>
<p>「ふ～ん、一番乗りってやつかな。そのアップルパイってそんなに美味しいの？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>魅音はアップルパイと紅茶。悟史はショートケーキにコーヒーをそれぞれ食べている。</p>
<p>ちなみに俺達は二人ともコーヒーだけだ。</p>
<p>「なあ詩音。俺も何かケーキを頼んでいい...」</p>
<p>「しっ！　静かに！　そんな事言ってる場合じゃありません。あぁ...ケーキをほおばり嬉しそうにする悟史きゅん☆　可愛い過ぎです。　えっ？　そ、そんな...」</p>
<p>「んっ？　どうした詩音？　何か...」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「むぅ。そのアップルパイ...味見させてもらって良いかな？　さすがにもう一個頼むのは大変だし」</p>
<p>「んっ？　良いよ♪　ホントこれ美味しいからさ。驚くよ~☆」</p>
<p>自分のアップルパイをフォークで少し切って悟史の口に運ぶ魅音。</p>
<p>「良いのかい？　...うん！　ホントだね。程よい甘さが凄く美味しい」</p>
<p>「でしょ？　この魅音さんの目に間違いは無いのだよ☆　んじゃ代金として...イチゴいただきー♪」</p>
<p>「むぅ～。それは最後に残して置いたのに」</p>
<p>「へっへ～ん。物々交換だよん♪　う～ん、甘酸っぱくて美味し～☆」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「し、詩音...？　大丈夫か？　何だかすげぇ顔になってるぞ」</p>
<p>「...へっ？　そ、そんなか、顔してました？　い、嫌だなぁ圭ちゃん。そ、そんなに私の事見つめないでくださいよぉ」</p>
<p>かなり動揺しているのだろう。かなり笑顔が引きつっている。</p>
<p>それにしても...今日の魅音はいつものおじさんモードって言うより...なんだか凄く女の子だ。くすくす笑いながらケーキを口に運ぶ魅音はいつもの不敵な笑いはない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「やっぱり女の子なんだよな...魅音も」</p>
<p>「？　圭ちゃん何か言いました？」</p>
<p>「いや...何でもないぞ。おっ、どうやら次に出かけるようだぞ」</p>
<p>「あ～本当ですね。急がないと見失ってしまいます！　じゃ先に行くので圭ちゃん支払いお願いしますね！」</p>
<p>「ちょ、おま、詩音待て...ってもういきやがった」</p>
<p>とほほ、と会計を済ませる。でも...あんな笑い方もできるんだな魅音。</p>
<p>俺といるときにあんな笑顔してくれただろうか？　いつも悪友って感じで付き合ってきて...それが一番だと思ってたのに。何だか胸の辺りが少し痛い...な。</p>
<hr />
<p style="text-align: center;">&nbsp;～Side　魅音～</p>
<p>「さて！　腹ごしらえも出来た事だし、次はどこ行きたい？　何ならフラワーロードのいけないお店まで紹介しちゃうよ～☆　にっしっし～」</p>
<p>「だ、だめだよ魅音。う～ん、そうだなぁ。ちょっと服見てきても良いかい？　夏服あまり持ってないんだ」</p>
<p>「ほぇ？　良いけど、私男物の服売ってるところあまり知らないんだけどな」</p>
<p>「良いよ、それでも。普段魅音が行ってるところで」</p>
<p>「ん～確かあのお店は男物も扱ってたけど...まぁ良いか！　ついでに私も夏物見てこようかな」</p>
<p>「じゃあ決まりだね。案内してくれるかい？」</p>
<p>悟史から差し出された手を何故か違和感なく握り返す。</p>
<p>これがもし圭ちゃんなら...ここまで素直に対応できたかな？</p>
<p>悟史の雰囲気だろうか？　何故かあまり動揺する事なく振舞える。</p>
<p>私が雛見沢に来て初めて出来た同じ年の男の子の友達。</p>
<p>優しくて、繊細で...それでいて芯の強い人。</p>
<p>だからかな？　圭ちゃんとは違う意味で気兼ねなく付き合える男の子の友達。</p>
<p>「うん！　さぁ行くよ～。遅れないでね♪」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>悟史を連れて着いたのは私のよく使うブティック。</p>
<p>詩音がよく利用する都会的なセンスの高いお店じゃないけど、カジュアルな服から、可愛らしい服まで揃ってる私のお気に入りのお店だ。</p>
<p>「へ～なかなか大きくて良いお店だね。あ、ここが男性服売り場だね」</p>
<p>見たところ悟史も気に入ってくれたらしくあちこち服を見渡している。</p>
<p>「でしょ？　あ、悟史これなんてどう？　ちょっとイメージ変えた感じでさ」</p>
<p>ふと見かけたワイルドな感じの服を悟史に見せ試着室に放り込む。拒否権は無しなのだ☆</p>
<p>普段からおっとりしてるしこんな感じも良いかもね～♪　そう思いながらしばし待つ。</p>
<p>「ど、どうかな？　変じゃないかな？」</p>
<p>出てきたのは胸元の大きく開いたタンクトップに銀のリングの付いたジャケットに身を包んだ悟史。う～ん、案外似合うね、こりゃ。詩音が見たらどう思うかな♪</p>
<p>「似合うじゃ～ん☆　悟史ってさーおとなしい感じだけどそう言うのも良いじゃん♪　んじゃ次これね～」</p>
<p>「むぅ～。僕にも選ばせてよ～」</p>
<p>「にゃっはっは～☆　いやー女装も良いけどこーいうのも楽しいもんだねぇ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そうしてしばらく悟史で遊んだ後私も自分の服を探す。</p>
<p>「う～ん。どうしようかな～。青はこないだ買ったし...黄色はもう持ってるし...」</p>
<p>「これはどうかな？　ほら、ピンクで可愛らしいし」</p>
<p>「のわっ！？　悟史あんたいきなりだね。ってこれ？　すっごいフリフリじゃんか！」</p>
<p>突然フリフリの可愛らしいワンピースを手に現れる悟史。</p>
<p>しかもこれって...</p>
<p>「私がこないだ買って...まだ着てないやつだ」</p>
<p>「えっ？　何か言ったかい？　それよりどうかな？　魅音に似合いそうだよ？」</p>
<p>「そ、そんな事ないよ！　こーゆーのが似合うのは詩音。おじさんはもっと活発なイメージだからさ」</p>
<p>「むぅ～。そうかな？　僕は魅音に似合う様な気がしたんだけどな。じゃあこれはどうかな？」</p>
<p>そう言って悟史が取り出したのは...</p>
<p>「ってそれもフリフリじゃん！？　しかもさっきよりゴスロリィだよ！　悟史...あんたの趣味って...」</p>
<p>「ほら、案ずるより産むがやすしって言うだろ？　一度試着してみなよ」</p>
<p>ニコニコと本当に邪心なく言う悟史。も～これだから断われないんだよ。</p>
<p>「さ、悟史おすな～！　あ、あんた意外と押しが強いんだね」</p>
<p>「伊達に部活で鍛えられていないって事だよ♪」</p>
<p>こ、こんなキャラだっけ悟史って？　も～作者め！　キャラが掴みにくいからってやりたい放題だねぇ★</p>
<hr />
<p>&nbsp;</p>
<p align="center">～Side　圭一～</p>
<p>「あぁもうお姉！　何やってるんですか！　そこではにっこり笑うんですよ。いつもみたいにおじさんとか言わない！　そう！　それです。褒められたら素直にありがとうって言うんですよ」</p>
<p>二人を見つめながらやけにエキサイトしている詩音。</p>
<p>あれっ？　最初は悟史のことばっかり言ってたのにいつの間にか魅音にダメだしばかり。</p>
<p>これじゃまるで。</p>
<p>「まるで...詩音がお姉さんで不器用な妹の初デートを心配してつけて来たみたいだな」</p>
<p>ふと思った事を口にする。</p>
<p>すると詩音は心底驚いたような顔で俺を見てきた。何か変なこと言ったか？</p>
<p>「な、な、何を言ってるんですか。わ、私はですね、あの男勝りなお姉が愛しの悟史君に迷惑をかけてしまわないかをですね、し、心配してるんですよ。も、も～圭ちゃん冗談キツイですよ。　...ってほらお姉！　そこではにっこり笑うんですって！」</p>
<p>ちょっと動揺した感じで笑いながら再び魅音にダメだしを始める詩音。...普段はあんなに喧嘩したりしているのに心の底ではお互いのことをとても大切に思いあっている。...何だか良いな...姉妹って。</p>
<p>そう思いながら俺も魅音と悟史に視線を戻す。</p>
<p>どうやら魅音が試着した服を悟史が褒めたり違う服を薦めたりしている様だ。</p>
<p>確かに魅音は快活で性別を感じさせない楽しいやつだが...悟史といる時のあいつは何だかそれとは違う。何だろう...女の子として悟史と笑い合っている、そんな気がする。</p>
<p>俺は魅音も、もちろん悟史も大好きで大切な仲間だと思っている。</p>
<p>だから二人が楽しそうにしているのは良いことだし文句なんて無いはずなのに...何故か少し悔しい。悟史が...羨ましい...のか？</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「圭...ちゃん？」</p>
<p>羨ましい...？</p>
<p>悟史が？</p>
<p>どうして？</p>
<p>魅音と一緒にいるから？</p>
<p>「お～い圭ちゃん聞いてますか～？」</p>
<p>「うぉ！　ど、どうした詩音。何かあったか？」</p>
<p>気がつけば目の前に詩音の顔。やばっ！　不覚にもドキッとしてしまったぜ。</p>
<p>「おんやぁ～圭ちゃん。もしかしてお姉のデートを見て嫉妬ですかぁ？」</p>
<p>にまぁ～といつもの悪戯好きの顔になって笑う詩音。</p>
<p>「そ、そんなんじゃねぇよ！　そ、それにそれを言うなら詩音！　お前だって良いのかよ？　悟史がで、デートしててよ」</p>
<p>「うっ！　それを言われると辛いですね。...ん～まぁ大丈夫ですよ。なにしろ相手はあのへたれなお姉ですから」</p>
<p>そう言って軽くウインクをして笑っている。</p>
<p>「そうか？　てっきり悟史君とデートなんてさせませんって感じで怒鳴り込むんじゃないかって思ってたんだがな」</p>
<p>詩音はきょとんとした顔を一瞬した後、カラカラと笑って</p>
<p>「何ですかそれ～？　そんな事この詩音ちゃんがする訳ないじゃないですか。それに...」</p>
<p>「それに...？」</p>
<p>「魅音なら...他の子だと許せないかもしれないですが、魅音なら。姉妹とかそんなんじゃなくて女の子としても...って何言ってるんでしょうね、私！」</p>
<p>「そう...か。そう言うもの...何だろうな」</p>
<p>姉妹だから...そんな簡単なものじゃない『何か』が魅音にはあるのかもしれない。</p>
<p>自分よりも人の事を優先して頑張り、そのくせ不器用で色々失敗しては一人傷ついて隠れて泣く優しい女の子だから。</p>
<p>女の子...そう魅音はとっても繊細で、怖がりで、甘えたがりな...女の子。</p>
<p>そんな魅音を自然に引き出しているのは悟史。...俺じゃなくて。</p>
<p>悔しい...のかな？　悟史と違う事じゃなくて...あいつに女の子らしい姿をさせてあげられない俺自身のふがいなさが...</p>
<p>俺は...レナや詩音に言わせるとかなりデリカシーが無くて鈍感らしい。</p>
<p>もしかしたらそれが原因で魅音を傷つけたことがあって...だから女の子らしく振舞うことを躊躇わせてるのかな？</p>
<p>少しうつむいて、ポケットに入れた『紙の袋』をぎゅっっと握り締める。</p>
<p>ぽすっ♪</p>
<p>突然何か暖かくて柔らかいものに顔を包まれる。</p>
<p>こ、このボリュームのある感触は</p>
<p>「し、詩音！　おま、何を！？」</p>
<p>いつの間にか俺の前に立っていた詩音が俺の頭をぎゅっっと抱きしめていた。</p>
<p>「も～普段なら悟史きゅん以外に絶対こんな事させるつもりないんですからおとなしくしていて下さい」</p>
<p>そう言って俺の頭を悟史が沙都子や詩音にするように優しく撫でてくる。</p>
<p>「...良いんですよ圭ちゃん。圭ちゃんには圭ちゃんの良さがあるって事、お姉が一番よく知ってますから。だからいつも通りお姉に接してあげてください。ただまぁ...たまには女の子らしく扱ってあげて下さいね♪」</p>
<p>俺の悩みなんて全てまるっとお見通しな感じでにこっ♪　と笑う詩音。</p>
<p>これじゃ俺まで詩音の弟みたいじゃないか。...でも案外詩音って面倒見良いんだな...</p>
<p>「そりゃまぁ☆　今は沙都子っていう手のかかる妹がいますから♪　今更お姉や圭ちゃん位増えても問題無しです☆」</p>
<p>ったく、これじゃ俺まで詩音に頭上がんなくなるなこりゃ。</p>
<p>「あぁ...ありがとう」</p>
<p>「どういたしましてです☆」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p align="center">～詩音がえらい顔で覗き見してる頃　悟史と魅音～</p>
<p>「でね～？　こないだの部活でさ、圭ちゃんがとんでもない大逆転劇見てくれてさ☆　いや～あれにはさすがにこのおじさんも震えがきたんだよ。悟史にも見てたかったよ～」</p>
<p>ケーキも食べ終わり、悟史はコーヒー、私は紅茶を飲みながら二人でお喋りをしていた。</p>
<p>まだリハビリが必要と言う事であまり学校にこれない悟史に分校であった事や楽しかった事を教えていたのだ。</p>
<p>「そっか。圭一は凄いね。もうすっかり部活の強豪って感じだよ。僕なんて罰ゲームの常連だったのに」</p>
<p>「いんや、まだまだだね！　それに何弱気なこと言ってるの。悟史だって時々驚くような強さ見せてくれたじゃん。だから...早く皆で部活しようね！　私たち皆で悟史のこと待ってるからさ」</p>
<p>そう言って軽くウィンクをする。</p>
<p>「うん。頑張るよ。沙都子に良いところ見せたいしね。罰ゲームは怖いけどね。何か前よりエスカレートしてない？」</p>
<p>「にゃっはっは～♪　あれからコスプレセットは増えたからね☆　あっ！　罰ゲームといえばこないだ圭ちゃんがね？　...って悟史？　どうかした？」</p>
<p>私が話し始めるとくすっ♪　と笑いニコニコしながら私の顔を優しく見つめる悟史。</p>
<p>「何か私の顔付いてる？　もしかしてさっきのアップルパイが口についてるとか？」</p>
<p>「ううん。違うよ魅音。気付いてないの？　さっきから圭一の話ばっかりだよ」</p>
<p>最上級の笑顔を浮かべそう言う悟史。</p>
<p>「ふぇっ！？　そ、そんな事ないよ。た、ただ罰ゲームとか圭ちゃん常連だからさ。そ、それでじゃないかな」</p>
<p>言われてみれば...そういや詩音にも前に似たような事言われたような。</p>
<p>「よっぽど圭一の事が好きなんだね。ちょっと妬いちゃうな」</p>
<p>ニコリといつもの柔らかい笑顔を浮かべる悟史。...って</p>
<p>「んなっ？　そ、そんな事ないよ。ほ、ほら？　圭ちゃんと私は悪友って言うかさ、因縁のライバルじゃん。だ、だからだよ。す、好きとかそんなんじゃなくてね？」</p>
<p>「じゃあそう言うことにしておこうかな？　でもたまには素直になったほうが魅音は可愛いよ♪」</p>
<p>「さ、悟史～（汗）」</p>
<hr />
<p style="text-align: center;">&nbsp;～Side　魅音～</p>
<p>お互い買いたい服も決まり会計を済ませお店を出る。</p>
<p>今日は悟史に促されたせいで普段は躊躇している様なとっても可愛らしい服まで買ってしまった。悟史も何着か見つけて会計を済ませ戻って来るところだ。</p>
<p>「お待たせ～。ごめんね？　色々悩んじゃってさ」</p>
<p>「も~遅いよ悟史ぃ。後１０分遅かったら置いて帰ってたよん☆」</p>
<p>「むぅ。ひどいな～。あっ！　そうだ魅音これ」</p>
<p>ぽすんっ♪</p>
<p>「ふぇ？　こ、これは？」</p>
<p>私の頭に載せられたもの...それは真っ白なキャベリンタイプの可愛らしい帽子。</p>
<p>「これは今日一日ガイドしてくれたお礼だよ。さっきお会計に行く時に見かけたんだ。魅音に似合うと思ってさ。気に入らなかったかな？」</p>
<p>今日私が買った白いワンピースに似合うとても綺麗な帽子。</p>
<p>ちゃんと私が何を選んでたか見ててくれたんだ。　そう思うとちょっと嬉しいかも。</p>
<p>「あ、あはは、あははは。そ、そうか～。あ、ありがとうね？　ま、まぁ悟史にしてはい、良いセンスじゃないかな？」</p>
<p>まったく...どぉして素直に喜べないかな～あたしゃ。</p>
<p>「ふふっ♪　こちらこそどういたしまして。あぁ魅音...ちょっと」</p>
<p>「んっ？　どしたの」</p>
<p>「ちょっと忘れ物したみたいなんだ。少しここで待っててくれるかな？」</p>
<p>「も～仕方ないねぇ。良いよ、待ったげる♪」</p>
<p>「すぐ戻るからね～♪」</p>
<p>そう言って再びお店の方に走っていく悟史。</p>
<p>後姿が見えなくなるのを確認して帽子を少し被りなおして近く似合ったお店のガラスに向かい笑顔の練習。...うん！　魅音可愛いぞ♪　これなら圭ちゃんも女の子って見てくれるかな？</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p align="center">☆~エピローグ～☆</p>
<p>「落ち着きましたか？　圭ちゃん。もぉ～見かけどおりの甘えんぼさんで詩音ちゃん大変です」</p>
<p>「見かけ通りかよ！？　でもまぁ...大丈夫だ」</p>
<p>詩音のおかげで少し落ち着きを取り戻す。</p>
<p>まだ少し落ち着かないが...多分俺がすべきことは分かった気がする。</p>
<p>そう思って右手にある『紙の袋』を握り締める。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「何が大丈夫なんだい？」</p>
<p>お店の少し影に隠れていた二人の前に突然お店に戻ったはずの悟史が。</p>
<p>「うぉ！？　悟史！　お前店に戻ったはずじゃ？」</p>
<p>「悟史きゅん！　も、もしかして途中から私たちが付けてたこと気付いてたんですか？」</p>
<p>「むぅ。そりゃあれだけ影で騒いでたらね。魅音は気付いてなかったみたいだから安心して良いよ」</p>
<p>ニコニコと本当に邪気無く笑う悟史。ってことは気付いていながらあえて見過ごしていたって事か！？　北条悟史...あなどれない奴だ。</p>
<p>「それより圭一良いのかい？　魅音が待ってるよ？」</p>
<p>「な、何言ってんだ。魅音はお前とデー「僕は魅音に興宮を案内してもらってたんだよ。だから圭一？　心配しなくて良いからね」</p>
<p>「し、心配って...お、俺は別に何も」</p>
<p>付けていたのがバレた為、少しバツが悪くなり頬をかく。</p>
<p>悟史はさっきまでのほわほわした笑顔を少し真面目なものに変えて</p>
<p>「圭一？　いつも通りも良いけどね、時には自分から一歩を踏み出さないと...今のままで良いって思ってたら後で後悔するかもしれないよ？　だから、ほら！　ねっ？」</p>
<p>そう言って背中をとんっ！　と押して魅音の方へ押し出す。</p>
<p>「さ、悟史？　お前...？」</p>
<p>「「いってらっしゃい～☆」」</p>
<p>詩音と一緒に見事にハモってお見送りされた。それより後で後悔...か。</p>
<p>「待ってろ魅音」</p>
<p>胸に一欠けらの勇気を携え魅音の居るお店の前に向かう。</p>
<p>俺たち...唯の悪友から一歩踏み出しても良いよな？　魅音！</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>意を決めたように歩いていく圭一。それを見送る僕と詩音。</p>
<p>「はぁ～なるほど。そう言う事でしたか。さすがは悟史きゅんです。これであの二人も一歩前進かな～」</p>
<p>魅音の元に向かう圭一を見ながら楽しげに笑う詩音。</p>
<p>「うん。それに...最近魅音元気なかったからさ。少しは気がまぎれるかなって」</p>
<p>「そうですね☆　あの子はそういうの隠しますから。それより悟史君？　さっきの後で後悔するって...？」</p>
<p>「むぅ。じゃあ僕達も帰ろうか。今日は沙都子の好きな野菜炒めでも作ろうかな」</p>
<p>「さ、悟史く～ん！　ごまかさないで下さいよ～。その後悔って誰が...」</p>
<p>「あははは♪　良い天気だね詩音☆」</p>
<p>「さ、悟史きゅ～ん！　はぐらかさないで下さいよ～」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>鏡に映った自分の姿を見てふと思う。</p>
<p>やっぱり...圭ちゃんもレナみたいに普段から女の子らしい子が好きなのかな？</p>
<p>でも私は普段はTシャツにジーンズ、お世辞にも女の子らしい振る舞いは出来ていない。</p>
<p>悟史は十分女の子らしいと言ってくれたけど...圭ちゃんはどう思っているんだろう？</p>
<p>やっぱり悪友？　部活での最大の好敵手？　それも嬉しいけど私は...</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ふと誰かの影が私の前に立ったのが見えて振り向く。</p>
<p>「悟史遅いよ～。いつまで忘れ物取りに...って、けい...ちゃん？」</p>
<p>そこに立っていたのは少し恥ずかしそうに頬をかいている圭ちゃん。</p>
<p>「よ、よぉ魅音。こんなとこで奇遇だな。か、買い物か？」</p>
<p>「う、うん。ちょっとね。圭ちゃんこそ出掛けてたんじゃ？」</p>
<p>「あぁ。さっき戻ってきたとこだ。それより魅音...それ」</p>
<p>そう言って私の頭の帽子をゆっくり指差す圭ちゃん。</p>
<p>「えっ？　あ、あぁこれ。これはね？」</p>
<p>『悟史からさっき貰った』何も後ろ暗いことは無いのに何故かそう言うのにためらってしまう。</p>
<p>「悟史...からだろ？　良く...似合ってるよ」</p>
<p>少し地面に目を向けながらそう言う圭ちゃんに何故だか少し胸が痛む。</p>
<p>「う、うん。あ、ありがと圭ちゃん。た、たまにはおじさんも女の子な格好もするさね」</p>
<p>「あぁ、そうだな。魅音...ちょっと手を出せ」</p>
<p>「えっ？　手を？　何？　いきなりどしたの？」</p>
<p>「い、いいから！　ほれっ！」</p>
<p>そう言って私の手を無理矢理とり何かを握らせる。</p>
<p>これは紙の袋...んっ？　中に何か入ってる。...これは。</p>
<p>「ネックレス...？　圭ちゃんこれ私に？」</p>
<p>入っていたのは月と星のあしらわれたシンプルながら可愛らしいデザインのネックレス。</p>
<p>「今日親父について鹿骨市に行ってな。たまたま目に付いたから買ったんだよ。で、でも勘違いするなよ？　これは...あれだ。これでも付けて女の子らしくなった魅音ならぶ、部活で勝ちやすくなるんじゃないかと言う高等な戦術で...」</p>
<p>真っ赤な顔でしどろもどろになりながら弁解する圭ちゃん。</p>
<p>本当だね...こんな事されたら嬉しくて圭ちゃんに勝ちを譲ってしまいそうだよ☆</p>
<p>「圭ちゃん...ありがとう。大切にするね？」</p>
<p>「あ、あぁ。うん。じゃ、帰るか？　俺たちの村へ」</p>
<p>そう言いながらぎこちなく手を差し出す圭ちゃん。</p>
<p>「そうだね！　あっ、でもちょっと喉渇いちゃったよ。何か飲まない？　もち圭ちゃんのおごりでさ♪」</p>
<p>「なっ、何を～！　お前今月の圭一王国の財政はだな」</p>
<p>「男の子が細かいこと言わな～い。こぉんな美少女とお茶出来るんだから喜びなって♪」</p>
<p>「へっ！　お前こそこの前原圭一を連れて歩くんだ。それなりにお淑やかにするんだな」</p>
<p>お互い軽口を叩きながら喫茶店に駆け出す。</p>
<p>そのとき二人の手は決して離れることなくしっかり繋がれていた事は言うまでもないのです☆</p>
<p align="right">Fin</p>
</div> 

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>雛見沢三冠王攻略戦　TIPS　～決心～</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/040#tm1253539956</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/040</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sun, 28 Dec 2008 02:40:38 GMT</pubDate>
		<author>fukuryu</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p>7月に入り、どんどんと気温が上昇していく初夏。<br />レナが久しぶりに我が家に遊びに来ていた。</p>
<p>ひとしきり漫画の話や部活の話で盛り上がった頃、レナが突然改まって声を掛けてきた。</p>
<p>&nbsp;「ねぇ、魅ぃちゃん&hellip;&hellip;」<br />「ん?　どったの？」</p>
<p>いきなり親友竜宮レナからいつものほわほわした雰囲気とは違う状態で名前を呼ばれた。<br />ちょっと内心ビビりつつ返事をした。<br />だってさぁ&hellip;&hellip;レナがこういう雰囲気の時ってなんか怖いんだよね、あはははは。<br />別にあたしが嘘ついてるとかじゃないからビビる必要ないはずなんだけど&hellip;&hellip;習慣かな？　たははは。</p>
<p>「魅ぃちゃんってさ&hellip;&hellip;圭一くんの事、好き&hellip;&hellip;だよね？」</p>
<p>いきなり核心を突かれてしまった&hellip;&hellip;そう、私園崎魅音は一個下の仲間である前原圭一のことが好きである。<br />それは友人としての好きなどでは無く、男の子として好き。<br />つまるところ、それは明確に私が初めて&rdquo;恋&rdquo;として意識している&rdquo;好き&rdquo;。<br />過去には一度もそう思った相手が居なかったかと問われたら返事に困るんだけど&hellip;&hellip;今回は自分が今どうなっているかを把握出来るレベルで自分自身が&rdquo;好き&rdquo;という感情を抱いてる。</p>
<p>「レナだってさ&hellip;&hellip;好き&hellip;&hellip;だよね？」</p>
<p>あたしは精一杯の反撃を試みる。<br />が、次の一言であっさり効果が無かった事を理解した。</p>
<p>「ダメだよ、魅ぃちゃん&hellip;&hellip;質問に質問で返したら、あはは。&rdquo;レナだってさ&rdquo;って言い方だとちゃんと返事になってないんじゃないかな、かな」<br />「う、相変わらずレナのそういうとこには勝てないなぁ、たははは。うん、あたしはさ&hellip;&hellip;圭ちゃん好きだよ&hellip;&hellip;友達としてはもちろんだけど、男の子として&hellip;&hellip;ね」<br />「うん。それちゃんと聞いておきたかったんだ。レナもね、圭一くんの事、友達としても男の子としても好きだよ」</p>
<p>きっとあたしはその時、気が付いては居たけれど、聞きたくないと思っていた事を聞かされたって顔してたと思う。<br />レナはほわほわしてる雰囲気の時が多いけど、いざとなったらこうやってまっすぐに切り込んでくる。<br />そして、普段の女の子らしい振る舞いや甲斐甲斐しいところ、それはつまり、あたしが何一つとして圭ちゃんに見せてこなかった部分。<br />それを隠す事の無いレナが圭ちゃんを好きだってことがはっきりしちゃうと一番困る事態でもあった。<br />あたしには自信が無い。<br />見せてこなかったというよりも、むしろそういう面での争いになってしまったら勝ち目が無いから見せられなかったと言うべきだろう。<br />お茶に料理、裁縫にいたるまでありとあらゆる事を婆っちゃに叩き込まれている身ではあるし、同年代の女の子にそういった技量で劣ると思う事は実はあまり無い。<br />しかし、あたしが身につけているのは園崎本家頭首として求められる技量であり、レナのように身近で家庭的な内容とは若干違う。<br />それが実際はあたし自身をしてレナに勝てそうにないと思わせている最大の理由。<br />まして、あたしは圭ちゃんが一日でも早く馴染めるようにと同年代の男の子が居ないから自分をそういうポジションに最初おいてしまった。<br />そしてもう一つ&hellip;&hellip;、ずっと見せたくない部分としてきたところも、とうとうこの間、目の前で見せてしまった。<br />園崎本家次期頭首としての顔、鷹の目、そして合気道で山狗とかいう連中のリーダーを圭ちゃんの目の前でたたきのめしぶん投げちゃった。<br />圭ちゃんはすげぇな、魅音。かっこよかったぜなんて誉めてくれたけど&hellip;&hellip;それは年頃の女の子に対するそれではなく、気の置けない男友達に対するような言い方。<br />あの晩、一人になってからあたしはそれに気が付いてちょっぴり泣いたんだっけ&hellip;&hellip;</p>
<p>「でね&hellip;&hellip;魅ぃちゃん&hellip;&hellip;」<br />「な、なに？」<br />「圭一くんに打ち明けないの？」<br />「え、ええっ？！　む、無理！　絶対無理！　だってその&hellip;&hellip;あたしは&hellip;&hellip;圭ちゃんに女の子として意識して貰えるような事今までしてこなかったし&hellip;&hellip;」<br />「じゃぁ、レナがもし圭一くんに好きです、付き合って下さいって告白しちゃったら？」<br />「う&hellip;&hellip;嫌&hellip;&hellip;かな&hellip;&hellip;　そりゃ確かにあたしは面と向かって圭ちゃんにそういう事できない。でも&hellip;&hellip;」<br />「レナもレナが思ってる事伝えられないうちに魅ぃちゃんが告白したら嫌かな、かな&hellip;&hellip;」</p>
<p>レナはなぜこんなことを急に言い出したんだろう？<br />あたしにはまず、それがよくわからないから考えがまとまりきらないで混乱していた。</p>
<p>「な、なんで急にそんなこと言い出すのさ？」<br />「もうじき夏休みなんだよ、だよ？　今までみたいに分校で毎日会える訳じゃないんだよ？　自分から会いに行くか来て貰うかしないと圭一くんとはお話できないって事なんだよ？」</p>
<p>そう&hellip;&hellip;もうすぐ夏休み！<br />あたしは目一杯時間を使ってみんなと遊んで楽しむ事だけを考えていた。<br />そう、レナの言うとおりだ&hellip;&hellip;あたしはそうやってみんなでいつも通りに集まってワイワイ遊んで楽しめると思ってた。<br />なんの疑問も持っていなかった。</p>
<p>「それにね、魅ぃちゃん&hellip;&hellip;レナも沙都子ちゃんも梨花ちゃんも羽入ちゃんも、もちろん魅ぃちゃんも家の事だとか色々あるかもしれない。圭一くんだって圭一くんの都合があるかもしれない。だから会いたいときにいつでも会える訳じゃないんだとレナは思うんだ&hellip;&hellip;」</p>
<p>そう、確かにレナの言う事は正しい。<br />夏休みだからと婆っちゃに普段は頼まれない事を頼まれる事だってあるだろう。<br />御三家の仕事や本家の事だけじゃない。</p>
<p>「魅ぃちゃんはレナだけが圭一くんの事好きだと思ってる？」<br />「え、それって？」<br />「多分&hellip;&hellip;沙都子ちゃんも圭一くんが好きだと思う。今はまだ悟史くんの代わりくらいに思ってるだけかも知れないけれど&hellip;&hellip;でも、それはいつかちゃんとした圭一くんのことを好きだって気持ちに変わっちゃうと思う」<br />「う、うん&hellip;&hellip;」<br />「梨花ちゃんや羽入ちゃんだって&hellip;&hellip;」</p>
<p>想像出来るのに今まであたし自身が考える事を拒否してきた現実をレナにまたしても突きつけられてしまった。<br />そう&hellip;&hellip;沙都子は圭ちゃんと出会ってすごく変わった。<br />以前と違って本当に心の底から笑うようになったと思う。<br />梨花ちゃんだって同じ。<br />なにかと圭ちゃんに接触して甘えてたりする。<br />羽入は無邪気に圭ちゃんに接してるけど、時々、凄く真剣な目で圭ちゃんを見てる。</p>
<p>「魅ぃちゃん&hellip;&hellip;どうするか少しだけ考えてね&hellip;&hellip;夏休みになるまでに魅ぃちゃんがはっきりしないなら、レナは圭一くんに自分の気持ちを伝えるよ」<br />「え、そ、そんな急に&hellip;&hellip;」<br />「レナはね&hellip;&hellip;ここに戻ってきて魅ぃちゃんが暖かく迎えてくれてうれしかった。魅ぃちゃんの事親友だって思ってる。もちろん沙都子ちゃんや梨花ちゃん、羽入ちゃん、詩ぃちゃんや悟史くんだって大切な友達で仲間だって思ってるけど、魅ぃちゃんと圭一くんは特別。魅ぃちゃんは一番大切な親友。圭一くんは今一番大好きな男の子&hellip;&hellip;」<br />「それは&hellip;&hellip;あたしだって同じだよ。みんなは大事な友達で仲間。でもレナは特に大切な親友。圭ちゃんの事を大好きな男の子だって思ってるのも同じだよ」<br />「だからね&hellip;&hellip;レナは&hellip;&hellip;こんな言い方ズルいって思うけど、魅ぃちゃんに隠れて圭一くんに告白したり、付き合ったりしたくないの」<br />「そりゃ、あたしだって！　そんなの嫌だよ！」<br />「でもね、でもでも！　圭一くんを他の子に取られるのも嫌！　だから他の子が圭一くんに告白する前にレナが圭一くんの事好きだって伝えたいんだよ、だよ！」</p>
<p>レナはきっと真剣にずっと考えたのだろうと思った。<br />あたしは&hellip;&hellip;真剣に考えてなかった訳じゃない。<br />けど、後回し先延ばしにしようとしてた&hellip;&hellip;</p>
<p>「わかった。レナの考えはわかったよ。あたしに少しだけど時間をくれることもありがたく思うよ&hellip;&hellip;あたしはさ、あたしなりに考えて、その上で答えを出すよ、それでいい？」<br />「うん。ごめんね、急にこんな事言い出して。レナ嫌な子だなって思うけど、今言わなきゃダメだと思ったんだ」</p>
<p>かなりヤバい事態。<br />あたしの脳内で非常警報が今や鳴りっぱなし。<br />なにせ相手はレナだ&hellip;&hellip;普段の圭ちゃんの接し方を見てても、レナが正面切って告白したら圭ちゃんは多分断らない&hellip;&hellip;なぜだかそう確信できてしまう自分が嫌でしょうがない&hellip;&hellip;</p>
<p>「じゃぁそろそろレナ、晩ご飯作らなきゃいけないから帰るね。ごめんね急にこんな事にしちゃって。でもちゃんと考えてね&hellip;&hellip;レナは後で魅ぃちゃんに変な気持ち持って欲しくないから&hellip;&hellip;」<br />「うん、わかってる。そりゃあたしだって同じだよ。後でレナに抜け駆けみたいに思われたり言われたりしたら悲しいしね」<br />「決心、ちゃんとしてね。期限付けて脅しちゃうようなマネしてごめんね。でも、魅ぃちゃん自身が決心してくれなかったらレナは凄く嫌なんだもん」<br />「うん&hellip;&hellip;ありがとう、言いたくない事を言わせちゃったね&hellip;&hellip;あたしもちゃんと自分で考えて結論だすから&hellip;&hellip;」</p>
<p>レナを見送って、自室に戻って一人ため息を盛大につく。<br />そして思わず、<br />「なんでこんな事になっちゃったんだろうなぁ&hellip;&hellip;はぁ&hellip;&hellip;」<br />とグチがこぼれる。</p>
<p>そして自分がずっとグズグズしてきた事を後悔しつつ、何故か怒りの感情は圭ちゃんに向かってしまう。<br />そう、だいたい圭ちゃんが悪いのだ！<br />無意識であたしの気持ちを掴まえてかき乱してばっかりだ！<br />鈍感のくせに！<br />ヘタレのくせに！<br />デリカシー無いくせに！<br />スケベなくせに！<br />圭ちゃんが悪い！<br />圭ちゃんが一番悪い！<br />そのくせ、いつも元気で明るくて優しくて&hellip;&hellip;ちょっと不器用だけど一生懸命でキラキラしてる&hellip;&hellip;<br />へこみそうなあたしをいつでも元気づけてくれる。<br />あたしが弱気に負けそうになると支えてくれる。<br />あたしのダメなところを助けてくれる。</p>
<p>いや、よそう&hellip;&hellip;本当に一番悪いのはあたしだから。<br />けど、本気で困ったな&hellip;&hellip;レナとはこれからもずっと仲良く親友でいたい。<br />でも、どちらかが告白して圭ちゃんがそれを受け入れてしまったら、残された方は今までと同じでいられない気がする&hellip;&hellip;<br />レナはきっと、あたしが圭ちゃんと付き合う事になったら今までと変わらないように接してくれるだろう&hellip;&hellip;きっと自分に嘘をついて自分を誤魔化しながら。<br />レナが圭ちゃんと付き合う事になったらあたしは&hellip;&hellip;今まで通りをちゃんと装う事ができるのだろうか？<br />きっと何かと理由を付けて二人から距離を置いてしまうだろう。<br />そして勇気を持てなかった自分を悔いて毎晩のように泣く事になりそう&hellip;&hellip;</p>
<p>あぁもう考えがまったくまとまらない！<br />どうしたら良いんだろう&hellip;&hellip;</p>
<p>ゲームの戦略ならこんなに悩んだりしない。<br />ルールがあってそのルールの範囲内での事だから。<br />相手の考えや動きだって読めるから。<br />そりゃたまにはルール無用の事態にも出会う。<br />6月のアレはそういうケース。<br />だけどあの時は圭ちゃんもレナも沙都子も梨花ちゃんも羽入も一緒だった。<br />場所は違ったけど詩音だって居た。<br />今回は違う&hellip;&hellip;相手はレナ。<br />あたしの味方は居ないに等しい。</p>
<p>ルール&hellip;&hellip;そっかルールだ！<br />ルールをレナとの間できちんと決めちゃえば部活と一緒じゃん！<br />ルールに則ってなら後にもあまり影響が無いはず！</p>
<p>詩音に相談した時にはこう言われていたんだっけ&hellip;&hellip;</p>
<p>「お姉？　お姉が決心しなきゃ何も変わりませんよ？　自分が自信のあるところで勝負すれば良いんです！　そんな何もレナさん有利のところで戦う事なんか無いじゃないですか？」</p>
<p>うん！<br />決めた！<br />ルールを作ろう！<br />レナも納得するルールを作って、それに基づけば良いんだよ！</p>
<p>あたし自身の不利を覆い隠し、レナにそれを感づかれないルール。<br />ちょっと卑怯かな、あははは。<br />でも、ハンディキャップだよ、レナ。<br />だってあたしはレナより出遅れてるんだもん、せめて同じスタートラインに着かせてよね。<br />うん、決めた！</p>
<p>ルール第1条、圭ちゃんに告白するんじゃなく圭ちゃんから告白された方が勝者。<br />圭ちゃん自身が自分から決めてくれた相手ならあたしもレナも文句が言えないからね！</p>
<p>ルール第2条、お互いが相手の邪魔をしないこと。<br />これだけはきちんと決めておかないと、あたしとレナの仲にヒビが入っちゃうからね！</p>
<p>ルール第3条、精一杯のアプローチ、アピールをすること。<br />悔いが残る勝負はしたくない。</p>
<p>ルール第4条、新たな脅威には共同で。<br />誰か別の人間が圭ちゃんにアプローチすることだってあるからね。<br />そういう人間もこのルールに巻き込むのが一番だと思うし。</p>
<p>ルール第5条、敗者は素直に受け入れる。<br />勝った負けたなんてこういうのちょっと間違ってる気もしちゃうけど、あたしとレナがずっとこの先も親友でいられる為には大事な事。<br />敗者は素直に結果を受け入れて、祝福を気持ちよくしなくちゃね！</p>
<p>よし、これでどうだ？！<br />うん、悪くない。<br />レナの提案するルールも聞いて付け足せば良い。<br />お互いがきちんと納得するまでルール決めをレナとしよう。</p>
<p>負けられない。<br />何よりも負けられない。</p>
<p>レナ、勝負だよ？！<br />勝負事、ゲーム、部活だったらあたしは負けない！<br />そもそも圭ちゃんへの想いでレナに劣ってるとは絶対に思いたくない！</p>
<p>勝者には圭ちゃんを、敗者には失恋を！<br />ちょっと自分が負けたらって想像するとゾッとするけどさ、あはははは。</p>
<p>行っくよ～、レナ！<br />絶対に負けないからね！<br />圭ちゃんの隣は渡さない！<br />園崎魅音、一世一代の大勝負、受けて貰うよ、レナ！<br />沙都子も梨花ちゃんも羽入もまとめて掛かっておいで！<br />わくわくしてきたよ！</p>
<p>いつもよりずっと熱くなれる勝負を思い描いてあたしは心を奮い立たせながら眠りについた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>興奮してなかなか寝付けず、翌日授業中に居眠りして知恵先生のチョークを食らったのは&hellip;&hellip;ちょっと痛かった。</p>
<p>&nbsp;</p>
</div> 

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>化粧挿絵</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/039#tm1253536705</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/039</guid>
		<category>イラスト部門</category>
		<pubDate>Sat, 27 Dec 2008 14:47:27 GMT</pubDate>
		<author>anbivalent</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
ギャグ駄作『化粧』の挿絵です。<br>
お化粧をした魅音&hellip;のつもりなんですが、あまりお化粧っぽくないですねｗ<br>
薄化粧バージョン<br>
&nbsp;<br>
<a title="魅音薄化粧.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e8%96%84%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg" class="tag image small"><img alt="魅音薄化粧.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e8%96%84%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg.jpg"></a><br>
&nbsp;<br>
厚化粧バージョン<br>
&nbsp;<br>
<a title="魅音厚化粧.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e5%8e%9a%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg" class="tag image small"><img alt="魅音厚化粧.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e5%8e%9a%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg.jpg"></a><br>
&nbsp;<br>
ガングロバージョン<br>
&nbsp;<br>
<a title="魅音ガングロ.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e3%82%ac%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%ad.jpg" class="tag image small"><img alt="魅音ガングロ.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e3%82%ac%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%ad.jpg.jpg"></a><br>
&nbsp;<br>
ちなみに一番最初に思いついたのはガングロだったりしますｗ<br>
影塗るときに形を考えながらぐりぐりやっていたら&hellip;なんとなく似ているなと＾＾；<br>

</div>

<hr>
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]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>化粧</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/038#tm1253540346</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/038</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Sat, 27 Dec 2008 14:27:24 GMT</pubDate>
		<author>anbivalent</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
化粧<br>
雛見沢は今日もいい天気だ。<br>
俺はレナと合流して魅音の待つ待ち合わせ場所へ向かっている。<br>
「あ、魅ぃちゃんおはよ～♪」<br>
「おーっす魅音。」<br>
俺たちが声をかけても魅音は後を向いたままだった。<br>
――聞えなかった&hellip;ってことはないよな――<br>
「どうしたんだ？　居眠りでもしているのかよ。」<br>
魅音の後で立ち止まり肩に手を伸ばしたとき、<br>
魅音はこちらを振り返った。<br>
<a title="魅音薄化粧.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e8%96%84%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg" class="tag image small"><img alt="魅音薄化粧.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e8%96%84%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg.jpg"></a><br>
「圭ちゃん、おはよ。」<br>
ドキンッ！<br>
魅音の顔を見た俺は妙にドキドキしてしまった。<br>
何かがいつもと違う&hellip;<br>
なんていうか&hellip;<br>
――か　かわいい&hellip;　――<br>
片手を前に伸ばしかけたまま魅音の顔を見て固まっている俺を、<br>
魅音は小首を傾げて見ている。<br>
「どうしたの？　圭ちゃん。」<br>
「え？　いや　なんでも&hellip;お　おはよう。」<br>
何とか挨拶を搾り出して、俺たちは学校へと向かった。<br>
「わかったぁ！　魅ぃちゃんお化粧してるんだね　だね。」<br>
「ふふ～ん、まぁね～。ちょっと大人びてみようかと思ってね～♪」<br>
「化粧ぉ！？　それでいつもと違って見えたのか。」<br>
よく見ると唇やまぶたに少し色がついている。<br>
まつげもいつもより鮮明にわかる。<br>
原因がわかっても目の前の魅音がかわいい事実に変わりはない。<br>
俺はドキドキしたまま歩き続けた。<br>
「魅ぃちゃんとってもかぁいいよぉ～。」<br>
「ははは、お持ち帰りは簡便してよね。」<br>
「へへ、馬子にも衣装とはまさにこの事だな。」<br>
「ぶーぶー、おじさんだって一応女の子なんだからお化粧ぐらいしたっていいじゃーん。」<br>
憎まれ口を叩いてはいるが、やたらと魅音を意識してしまう。<br>
上下の見事な膨らみと真ん中の括れ&hellip;<br>
前から思っていたが、ヤバイボディーしていやがる&hellip;<br>
「レナもお化粧してみようかなぁ&hellip;似合うと思う？　圭一くん。」<br>
「そ　そーだな&hellip;」<br>
「レナは元がいいんだから絶対に会うよ。ね、圭ちゃん。」<br>
「そ　そーだな&hellip;」<br>
――頼むからいちいちこっちを見ないでくれ、男の事情が&hellip;　――<br>
学校に着くまでの間2人は事あるごとに俺に話を振り、<br>
いちいち俺のほうを向いてきた。<br>
絶対にわざととしか思えない頻度で&hellip;<br>
「魅音さんお化粧道具なんて持ってらしたんですの？」<br>
「失礼しちゃうねー。女の嗜みってやつだよ。」<br>
「魅ぃが色気づきやがったのです、にぱ～。」<br>
「まぁ来春からは高校生なんだし、これくらいは出来ないとねぇ。」<br>
教室の話題は魅音の化粧一色だった。<br>
さすがに小さい子が多いから変に僻むやつもいなく、<br>
みんな憧れのまなざしで見ていた。<br>
ガラッ<br>
扉が開いて知恵先生が登場し、みんな自分の席に戻っていく。<br>
「はい、授業を始めます。委員長。」<br>
「きりーつ、きょーつけー&hellip;」<br>
「「「「「おはよーございまーす」」」」」<br>
「はい、おはようございます。<br>
あら？　園崎さん、あなた&hellip;」<br>
知恵先生は目ざとく魅音の化粧に気付いたようだ。<br>
「あはは～、わかっちゃいました？」<br>
「まぁ年頃の女の子ですから、興味があるのはわかりますが&hellip;<br>
ここは学校なんですから。」<br>
――やはり咎められたか、これは説教コースだな――<br>
魅音が説教でもされれば、朝から困らせてくれた分くらいは<br>
気分が落ち着くと思ったのだが&hellip;<br>
「でも落とせというのもかわいそうですね。<br>
今回だけは特別に許可します。」<br>
――なぜだ！？　漫画の時は即没収だったのに！　――<br>
先生の理不尽な決定にエコヒイキという言葉が頭に浮かんだ。<br>
――やっぱり女の子は得だよな&hellip;　――<br>
翌日レナと合流すると、レナは化粧をしていた。<br>
昨日の魅音同様薄くではあるが。<br>
かわいらしくて似合っているが、なぜか昨日の魅音ほどドキドキはしなかった。<br>
俺はレナをからかいながら魅音との待ち合わせ場所へと向かった。<br>
「魅音のやつまた後ろ向いてるぜ。」<br>
「きっとお化粧変えてみたんだよ　だよ。」<br>
「確かに昨日と同じならわざわざ隠す必用はないからな。」<br>
俺は魅音の後ろまで行き、声をかけた。<br>
「よう魅音、少しは化粧がうまくなったか？」<br>
俺はいつものペースを貫けるように、いつもの憎まれ口を言う。<br>
その声を待っていたかのように魅音はこちらを振り向いた。<br>
<a title="魅音厚化粧.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e5%8e%9a%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg" class="tag image small"><img alt="魅音厚化粧.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e5%8e%9a%e5%8c%96%e7%b2%a7.jpg.jpg"></a><br>
「おはよ～ん、圭ちゃん☆」<br>
「なっ！」<br>
魅音の化粧は昨日より派手になっていた。<br>
唇は真っ赤でまぶたもすぐにわかるくらいに色がついている。<br>
しかもまつげがやけに長い。<br>
付けまつげってやつだろうか&hellip;<br>
「今日はアダルトな感じにしてみたんだけど、どうかな。似合う？」<br>
「み　魅ぃちゃん&hellip;今日のはちょっと露骨過ぎると思うかな　かな&hellip;」<br>
さすがのレナも言葉が無いようだ。<br>
「そっかなぁ&hellip;」<br>
「多分、先生に怒られちゃうよ？」<br>
「いけると思ったんだけどなー&hellip;圭ちゃんはどう思う？」<br>
「そ　そうだな&hellip;ちょっと露骨かもな&hellip;」<br>
レナと同じ台詞しかいえなかった&hellip;<br>
俺の目は魅音に釘付けだった&hellip;<br>
他の事なんか考えられるわけがなかった&hellip;<br>
――誰がなんと言おうと、グッドだぜ！――<br>
俺は心の中で親指をグッ！　と立てていた。<br>
教室に入った俺は目を疑った。<br>
なんとクラスに化粧が大流行していたのだ。<br>
「おーほっほ、まるで砂糖に群がるアリのようですわね。」<br>
男子達は好みの女の子の化粧姿見たさに群がっていた。<br>
――沙都子って意外と人気あったんだな&hellip;　――<br>
「失敗ばかりしていたくせによく言うのです　にぱ～☆」<br>
梨花ちゃんのスマイルも化粧のおかげか殺傷能力がアップしている。<br>
――おい、岡村君失神してるぞ&hellip;　――<br>
何人かは化粧をしていない子もいるが、<br>
話を聞く限りどうやら全員一度は化粧品に手を出したようだ。<br>
してこなかった子は親に見つかり許可が出なかったらしい。<br>
ガラッ<br>
扉が開き先生が登場して、全員席に戻った。<br>
ちなみに岡村君はみんなに担がれて一応席に座ってはいる。<br>
「はーい、授業を始めまーす。<br>
いいんちょ&hellip;そ　園崎さん！」<br>
――やはり、怒られるか――<br>
知恵先生は魅音の顔を見るなり声を荒げた。<br>
「昨日は特別に許可しましたが、<br>
それほど派手なのはさすがに見過ごすわけにはいきません。」<br>
<br>
「ええぇ～、先生だってお化粧してんじゃーん。」<br>
魅音の言うとおり、知恵先生までも今日は化粧をしてきていた。<br>
といってもクラスのみんなと同様に薄いものだ。<br>
「うっ&hellip;そ　それは&hellip;　っ！？」<br>
先生はそのとき初めてクラスの女の子の大半が化粧をしていることに気付いた。<br>
「今分校ではお化粧が大流行なんですよね～。<br>
この際お化粧解禁にしませんか？」<br>
魅音は有利と見たのか、知恵先生をたたみ掛けた。<br>
「そ　そういうわけにはいきません！<br>
私も今日の行為は反省します。明日からは普段どおりに戻します。<br>
園崎さんも&hellip;みなさんもいいですね？」<br>
「「「「「は～い」」」」」<br>
次の日、さすがにレナは化粧はしてこなかった。<br>
いつも通りの朝に戻り、いつも通りに待ち合わせ場所へ向かう。<br>
「な　なぁ&hellip;後ろ向いているってことは、まさか&hellip;」<br>
「ま　まさか&hellip;だって今日は本当に先生に怒られちゃうよ？」<br>
「だ　だよな&hellip;いくら魅音でもそこまでは&hellip;」<br>
今日化粧をしていけば大目玉は間違いない。<br>
いつもの魅音の顔であることを祈りつつ、俺は声をかけた。<br>
「よ　よぉ、魅音。さっさとがっこ&hellip;」<br>
<a title="魅音ガングロ.jpg" href="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e3%82%ac%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%ad.jpg" class="tag image small"><img alt="魅音ガングロ.jpg" src="http://dtany.net/public/image/happy_mion01/.thumbnail/%e9%ad%85%e9%9f%b3%e3%82%ac%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%ad.jpg.jpg"></a><br>
俺は台詞の途中で固まった。<br>
振り向いた魅音の顔は日焼けでもしたかのように小麦色。<br>
唇は白くまぶたが緑。<br>
まつげも今までにない位派手になっていた。<br>
「みみみ　魅ぃちゃん&hellip;なに&hellip;それ&hellip;」<br>
「これかい？　くっくっく。これはねぇ、未来のファッションさ。」<br>
「み　未来のだと？」<br>
「そ、未来の。多分昭和が終わる頃に流行るんじゃないかな。」<br>
「なんだか眉唾な話だなぁ。」<br>
「馬鹿にしちゃいけないよ圭ちゃん。これのすごいところはね、<br>
学校に遅刻したり無断欠席しても怒られないお化粧なんだよ。」<br>
「はあ？　なんだそれ、そんな化粧でなんで怒られないんだよ。<br>
逆に神経逆撫でしそうだけどな。」<br>
「ところが怒られないんだなこれが。<br>
未来ではこの化粧が大流行するはずなんだよ。」<br>
「何処でそんな情報仕入れてきたんだよ。」<br>
「情報ソースは残念ながら教えられないねぇ。<br>
ま、園崎の七不思議とでも思ってよ。でも確実な情報だよ。」<br>
「本当ならすげぇ話だぞ？　俺もやってみようかな&hellip;」<br>
「ん～、圭ちゃんは残念だけど無理だねぇ。<br>
これは女子中学生の特権だから&hellip;<br>
レナもやってみる？　先生に怒られないよぉ。」<br>
「レ　レナは遠慮したいかな　かな&hellip;」<br>
学校へ向かう途中魅音は『～だしー』とか『～みたいなー』とか、<br>
変な言葉遣いをしていた。<br>
なんでも化粧とセットで使う言葉らしい。<br>
さらにとんでもないことに、怒られないことを証明してみせるとかいって<br>
ふらふらとどこかへ行ってしまった。<br>
「そんなお化粧があるなんて話は聞いたこともございませんわ。」<br>
「みぃ　魅ぃの情報は間違っていることが多いのです。」<br>
沙都子も梨花ちゃんも魅音の化粧についても未来の情報についても知らないようだ。<br>
ちなみに今日は誰も化粧はしていない。<br>
さすがに先生にダメと言われてまでしてくるやつは魅音くらいらしい。<br>
ガラッ<br>
先生が入ってきて、みんな席に着く。<br>
――結局魅音はこなかったな&hellip;マジに遅刻しやがって――<br>
「では授業を始めます。委員長&hellip;は　おやすみですか？<br>
連絡はありませんでしたが&hellip;では日直の人号令をかけてください。」<br>
ガラッ！<br>
見計らったかのように扉が開き、魅音が姿を現した。<br>
「おくれちゃったぁ～。<br>
でもぉ、朝からがっこーなんてちょーめんどくさいっていうかぁ。<br>
マジやってらんな～いってかんじ？」<br>
（お　おい、レナ。アレで本当に怒られないのか？）<br>
（わ　わかんない。けど、すっごくまずいと思うな）<br>
「園崎さん！！　何ですか！　遅刻した上にその態度！<br>
しかも昨日お化粧はいけないと言ったばかりなのに！<br>
そんなわけのわからない化粧までして！」<br>
俺たちの心配は的中した。<br>
先生は怒り爆発。<br>
今にも髪が金色に逆立ちそうだ。<br>
「え～、このセンスがわかんないの～。<br>
さっすがおばさ～ん。」<br>
「お　おば&hellip;」<br>
（まずいよ、魅ぃちゃんとってもまずいよ）<br>
（こりゃ&hellip;血を見るかもな&hellip;）<br>
俺には先生の髪が逆立ち、周りがパリパリいっているのが見えた気が&hellip;<br>
（ちょっ　まてっ　何で体に模様が浮き出て来ているんだよ）<br>
（魅ぃちゃん&hellip;もう謝っても許してもらえないんだね&hellip;）<br>
「園崎さん&hellip;思い残すことはありませんね&hellip;」<br>
「ふぇ？　ちょ　ちょっと&hellip;せ　せんせ&hellip;」<br>
知恵先生がゆっくりと魅音に近づいていく。<br>
だが誰も止めることはできない。<br>
「ほ　ほら、先生。これ、このお化粧&hellip;」<br>
「山姥の物まねがどうかしましたか？&hellip;<br>
しばらく自習にします。」<br>
知恵先生はそれだけ言い残すと、魅音を引き摺って廊下へと消えて行った。<br>
「な　なあ、レナ。魅音は説教をされているんだよな？」<br>
「う　うん。そうだと思うよ」<br>
何処からともなく、校長の物とは明らかに違う打撃音や炸裂音が響いてきていた。<br>
二時限目が終わる頃ようやく戻ってきた魅音は、すっぴんになって目がカレー色だった。<br>
そして席に戻ったとたんに糸が切れたように突っ伏し、<br>
放課後まで復活することはなかった。<br>
「おっかしーなー。おじさんが入手した情報だと怒られないはずなんだけどなー。」<br>
「喧嘩を売っているようにしか見えませんでしたわよ？」<br>
「やっぱり魅ぃの情報は当てにならないのです。」<br>
「何か間違ってたんじゃないかな　かな&hellip;」<br>
「いやー、間違いはないはずなんだけどねぇ&hellip;」<br>
「魅音、お前の情報があっているとするならばだ、<br>
多分アレは怒られないんじゃなくって、<br>
あきれて何もいわれなくなるんだと思うぞ。」<br>
「それなら納得ですわね。」<br>
「それで間違いないのですよ　にぱ～♪」<br>
「レナもそう思うかな　かな」<br>
「あるぇ～」（・３・）<br>

</div>

<hr>
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</div>
]]></description>
	</item>
	<item>
		<title>Happy♪　はっぴー☆　Xmas</title>
		<link>http://dtany.net/happy_mion01/036#tm1253540366</link>
		<guid>http://dtany.net/happy_mion01/036</guid>
		<category>SS部門</category>
		<pubDate>Fri, 26 Dec 2008 14:57:29 GMT</pubDate>
		<author>氷空</author>
		<description><![CDATA[<div class="section">
<p style="text-align: left;">&nbsp;</p>
<p>冬の夜空に月の光が銀色に輝く頃、その光に照らされている影一つ。その影、園崎魅音は一人空を眺めていた。</p>
<p>今日はここ、園崎家本家に部活メンバーを集めてさっきまでクリスマスパーティと言う名のドンチャン騒ぎをしていたのだ。</p>
<p>パーティも終わり皆が寝静まった頃、私は布団から起きて廊下からしばらく月を眺めていた。</p>
<p>雛見沢は豪雪地帯の為、ここのところ毎日雪が降っていたが今夜は珍しく雲はなく白銀の月が真っ白な世界を優しく照らしていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「...綺麗、だな」</p>
<p>突然の声に少し驚いて後ろを振り向くと私の準備したパジャマにドテラを羽織った圭ちゃんが立っている。</p>
<p>「圭ちゃん...。どしたのこんな時間に？　もしかしておトイレかな～」</p>
<p>月から顔を少し圭ちゃんに向けいたずらっぽく笑う。</p>
<p>「どうしたのはこっちのセリフだ。お前こそ何やってんだこんなとこに一人で。寒いし風邪引くぞ」</p>
<p>そう言って私の隣にゆっくり腰を下ろす。おや？　その腰に抱えた袋は...。</p>
<p>「ん...。なんだかね、月が凄く綺麗だったから少しね。もしかして...圭ちゃんも沙都子たちへにプレゼント？」</p>
<p>ぎくっ！　と表情が変わる圭ちゃん。ほんっと分かりやすい顔だねぇ♪</p>
<p>「あ...そ、それはだな？　えっと...。んっ？　『俺も』って事は先に置いてあったあの袋はお前が置いたものか」</p>
<p>「まぁね～☆　でもせっかくのナイスアイディアだと思ったのに圭ちゃんも思いついちゃったのか～」</p>
<p>「へっ！　、まぁな。そりゃあんなこと言ってる沙都子達の驚く顔が見たくなってな」</p>
<p>「だね☆　明日の驚いた顔が目に浮かぶようだよ」</p>
<p>「あぁ！　特に沙都子。どんな顔しやがるか今から楽しみだぜ」</p>
<p>そう言って沙都子たちのいる部屋を見つめニヤリと笑う。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>話は先週の昼休み、ふとした会話の中でのことだ。</p>
<p>「サンタさん？　圭一さんまだそんなもの信じておられますの？　まったくお子ちゃまですわ。少しはわたくしのように大人になってくださいませ」</p>
<p>１２月と言う事でクリスマスの話が始まりそこからサンタの事を話していた時の事だ。</p>
<p>何歳までサンタを信じていたか？　に対し沙都子はかなり早い段階でいないと気がついたと誇らしげにいつもの高笑いをしたのだ。</p>
<p>「み～☆　サンタさんはちゃんといるのですよ沙都子？　良い子にはプレゼントを届けてくれるのです」</p>
<p>沙都子の頭をそう言いながら撫でる梨花ちゃん。</p>
<p>「りっ、梨花！？　本気で言ってるのでございますの？」</p>
<p>思わぬ背後からの攻撃に思わず怯む沙都子。</p>
<p>「だよな～。ちゃんとサンタさんはいるよな梨花ちゃん。ちゃんとサンタさんを信じる梨花ちゃんにはプレゼントが届くかもしれないぜ？」</p>
<p>案外梨花ちゃん子供っぽいとこあるんだな...クールで大人っぽく見えて可愛いとこあるじゃん♪</p>
<p>「もちろんなのです。だから圭一？　僕は小倉の特選醤油が欲しいのです。だから圭一サンタに準備しておくよう伝えて欲しいのです、にぱー☆」</p>
<p>...この子狸娘は。しかもさりげなくプレゼント指定してるし（汗）</p>
<p>「はぅ～☆　さりげに黒い梨花ちゃんかぁいい、かぁいいよぉ♪　レナもサンタさんになってプレゼント贈るね？　それで梨花ちゃんも沙都子ちゃんも羽入ちゃんもみ～んなおっ持ち帰り～」</p>
<p>って来る前より荷物の増えてるサンタってどうなのよレナ...。</p>
<p>「はぅあぅ～。僕はエンジェルモートのキングシューセットが欲しいのです。人気があってすぐ売り切れるので開店と同時にすぐ買いに行くのですよ圭一？」</p>
<p>羽入にいたってはもう完全に圭ちゃんに要求してるし...。</p>
<p>余りにも夢の無い年少組３人。</p>
<p>私なんて中学校に上がるまで毎年サンタさんに手紙を書く位信じてたのに...。</p>
<p>でも...羽入については詳しいことは知らないけど梨花ちゃんに沙都子は早くに両親をなくして自活しているし、朝起きたら枕元に...なんてあまり経験無かったのかもしれない。</p>
<p>そう思いこうしてプレゼントを準備したのだ。</p>
<p>もちろんさっきのパーティでしっかりプレゼント交換はしたから、まさか別に準備してあるとは思ってないだろうから少しは驚いてくれるかな。</p>
<p>まぁさすがに本当にサンタがきたとは思わないだろうが、あの朝起きたときの驚きと感動を少しでも味わって欲しかったから。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そしてクリスマス当日に泊りがけでパーティを開催し、皆が寝静まるのを待ってプレゼントを3人の枕元に置いた帰り、ふと眺めた月に目を奪われしばらく座り込んで眺めてしまっていたのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>気がつくと圭ちゃんも私の隣で静かに月を眺めている。</p>
<p>いつもの元気で明るい笑顔の圭ちゃんも好きだが...こうして月の光に照らされながら真面目な顔してる圭ちゃんもかっこいいな、そんな事を思いつい横顔を眺めてしまう。</p>
<p>「...なぁ魅音」</p>
<p>「わひゃい！　な、何？　圭ちゃん」</p>
<p>いきなり名前を呼ばれたから声が裏返ってしまう。でもまさか圭ちゃんに見とれててぼーっとしてたなんて言える訳無いし～。</p>
<p>「たははっ♪　なんだよ今の声。めっちゃ裏返ってたぞ？　お～い魅音さーん。起きてますかぁ？」</p>
<p>手を目の前でひらひらさせながらいつもの悪戯っ子の笑顔で笑う圭ちゃん。</p>
<p>「む～。ちゃんと起きてるもん。圭ちゃん嫌い～」</p>
<p>つい口を　３　にして拗ねる。さすがに自分でも子供っぽいと思ったけどもぅ遅い。</p>
<p>「わりぃ、わりぃ☆　でも...ちゃぁんと人の話は聞けよな～」</p>
<p>そう言って私の頭をわしわしとなでる圭ちゃん。</p>
<p>う～ずるいよぉ。こんな事されたら怒れないじゃんか～★</p>
<p>「しっかしよ、すっげぇ綺麗だよな。こんなにはっきり月が見えるなんて信じられないぜ」</p>
<p>本当に感心した様にはしゃぎながら空を見る圭ちゃん。</p>
<p>「あ～冬って寒いかわりに空気が澄んでるからね。いつもより空が綺麗に見えるんだよ」</p>
<p>「へ～そうなのか！　おっ、あれ見ろよ魅音。あれって何座だっけか？」</p>
<p>「あれはね～大熊座だよ。んでとなりが小熊座。あとあれが北極星、ポーラスターって言うんだよ」</p>
<p>私の説明にふんふんと頭をふり感心しながら星を眺める圭ちゃん。</p>
<p>「おっ！　あれなら分かるぜ魅音。あの８つ星！　あれって北斗七星だろ？　有名だからな～」</p>
<p>得意げに指差してあれこれ星座の名前を述べていく圭ちゃん。</p>
<p>「圭ちゃ～ん、北斗七星は星７つだよ～。それ違う星座...ってあれ？　北斗七星であってる。...って圭ちゃんまさか死兆せ」</p>
<p>「ダメだ魅音！　それを言ったら本当に危険なことになる。いろんな意味で（汗）　しっかし魅音が星座に詳しいなんて意外だな～。星なんて興味な～いって言いそうなのにな」</p>
<p>手を星空にかざしながらニコッ♪　と笑う圭ちゃん。</p>
<p>「む～良いじゃん。私だってこれでも女の子なんだからさ」</p>
<p>そう言って少し顔を背ける。も～圭ちゃんの意地悪。ほんと女の子心が分からｎ</p>
<p>「知ってるよ」</p>
<p>えっ......？</p>
<p>「お前がすっごい女の子らしいって事位知ってるさ。...だって毎日見てたからな」</p>
<p>えっ...？　毎日見てた？　あたしを？</p>
<p>「今だってさ。楽しそうに星座の話してる魅音さ、すっごい女の子らしくてさ。その...なんだ？　か、可愛かったぞ。...少しな」</p>
<p>そう言って顔を少し背ける圭ちゃん。</p>
<p>その耳は夜中でもくっきり分かる位真っ赤だった。</p>
<p>あたし？　そんなの聞くまでも無いじゃん。</p>
<p>も～口元はにやけてしまいそうなのを押さえるのに必死だし、多分耳まで真っ赤だろう。</p>
<p>「あ、あはは。も、も～圭ちゃんいきなりだねぇ。おじさんちょっぴりドキッっとしちゃったじゃんか。い、いや～さすが口先の魔術師ってとこだねぇ」</p>
<p>「だ、だろ？　お、俺だって本気をだしゃ口説き文句の一つや二つ位か、簡単にだな...」</p>
<p>「く、口説きも？　あ、あははは...いやだな圭ちゃん。そ、その程度ではこのみ、魅音さんは落ちたりし、しないよ？」</p>
<p>ふぇ！？　く、口説き文句！？　け、圭ちゃんダメだよー！　それ冗談にならないから！　ほ、本気にしちゃうんだからね？</p>
<p>「そ、そうか？　い、いやぁ～俺の口先もま、まだまだって事だな。...そ、それにしても本当夜空がき、綺麗だなー！」</p>
<p>お互い恥ずかしさからまともに相手の顔を見て話すことが出来ない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そのまま二人とも恥ずかしさのあまり固まってしまい、しばらく無言のまま再び空を眺める。</p>
<p>いつもの賑やかで騒がしい時間と違い、穏やかで静かな時が流れる。</p>
<p>そういや圭ちゃんと二人っきりでこうしているのってあまり無いな...しかもこんな夜中に。</p>
<p>そう考えるとこれってチャンスじゃない？　だってイブだし、二人っきりだし空は満天の星空...じゃ無いけど綺麗な月だし。よし！　勇気だ！　勇気を出して今日こそ告白を...</p>
<p>「け、圭ちゃんあのね？」</p>
<p>「なぁ魅音」</p>
<p>二人同時に顔を喋りだしたためかなり近い位置に圭ちゃんの顔が...</p>
<p>「な、何かな、かな？　圭ちゃん。おおお、おじさんに何か用かい？」</p>
<p>「お、お前こそなんだよ？　何か言おうとしてただろ？」</p>
<p>「けけけ、圭ちゃんからどうぞ。あた、あた、あたしゃ～そんなたいした事でもないしさ」</p>
<p>まさか告白しようとしてました、なんて言える訳ないよ～。はぁ～あたしってほんと間が悪いなぁ★</p>
<p>「んっ？　そうか？　じゃあ聞くが...今日、いやここ最近ずっと気になってたんだ。　<strong>どうしてそんなに寂しそうにしてるんだ？</strong>」</p>
<p>「...えっ？　おじさんがかい？　...寂しい訳ないじゃん。今日だって皆であんなに騒いでたのにさ」</p>
<p>正直驚いた。確かにここのところずっと『ある理由』からずっと悩んでいたのだがレナならともかくこの鈍感王圭ちゃんが気付くなんて...。</p>
<p>「そうか？　...でも俺は寂しいぞ。理由は多分...魅音と一緒だ」</p>
<p>少し目を伏せうつむきながら話す圭ちゃんはいつもの元気さが感じられない。</p>
<p>「圭...ちゃん？」</p>
<p>「俺はさ、この雛見沢にきて本当に良かったと思ってる。楽しくて気の合う仲間、暖かい村の人たち...最高の部活メンバーに出会えて」</p>
<p>「うん...。私もこの雛見沢が大好きだよ。特に圭ちゃんが来てからは部活も一層楽しくなったしね」</p>
<p>「あぁ！　この1年本当に毎日が楽しくって仕方なかった。本当に楽しすぎて...あっと言う間に過ぎちまった...」</p>
<p>「うん...。本当一杯遊んだねぇ。海行ったり遠足で山登ったり...色々あったよ。でも来年だってもっと面白いかもしれないじゃん」</p>
<p>自分で言ってて少し辛い。</p>
<p>圭ちゃんもすっかり雛見沢になれたし、5年間続いた『オヤシロ様の祟り』も解決して村は随分賑わってきた。でも...</p>
<p>「でも...来年からは分校に、...魅音がいない」</p>
<p>「！！！」</p>
<p>「そりゃ違う学校っていっても興宮だし住むとこも変わらないからいつでも会えることは会えるし遊べることも分かってる。でも...」</p>
<p>そう言って泣きそうな顔でうつむく。</p>
<p>ダメ...だよ。そんな顔したら。私だって我慢してるんだよ？　毎日、一日が終わる度寂しくて...悲しくて...でも泣いちゃダメだって。</p>
<p>泣かないように、後悔しないように毎日笑顔でいようって...頑張ってきたのに。</p>
<p>圭ちゃんが泣くと...私だって、私だって...。</p>
<p>「...覚えてるか？　俺が最初転校してきたとき一番に話しかけてくれたよな。それに部活に入部したときも、6月に山狗の連中とドンパチやらかした時も...俺の雛見沢の思い出の中にはいっつも魅音がいてくれて、それが当然だって思ってきたのに」</p>
<p>いよいよ目元が膨らんできた圭ちゃん。</p>
<p>「私だって...寂しいよ。せっかく圭ちゃんが転校してきて毎日キラキラしてきたのに...私だけ卒業して皆と離れ離れになるなんてさ。でも仕方ないよ...」</p>
<p>ダメだよ圭ちゃん...それ以上言ったら私止められないよ。</p>
<p>「仕方ないって...。魅音は平気なのか？　俺たちと違う学校に一人で行っちまっても？」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「平気なわけ...無いじゃん」</p>
<p>「えっ？」</p>
<p>「へい...きな訳無いじゃん！　私だって寂しいよ！　もっと分校で一緒に勉強したり部活したりお弁当食べたりしたいよ！　だから寂しくて...悲しくて...でもどうしようも無くて！　せめて残った分校での時間はずっと笑顔でいようって！　でも...でも！」</p>
<p>堪えきれなくなって思いっきり泣きながら圭ちゃんの胸にすがり泣き出してしまう。</p>
<p>圭ちゃんはそんな私をゆっくり抱きとめて頭を撫でてくれている。</p>
<p>「私...嫌だよ。圭ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌。圭ちゃんと一緒にお弁当取り合いしたり、部活で騒いだりしたい。だって...だって私」</p>
<p>「俺も...だ。俺も魅音と一緒じゃなきゃ嫌だ。だって...だって俺は...」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「「魅音（圭ちゃん）の事が好きだから。ずっと離れたくない（んだよ？）」」</p>
<p>ふぇっ？　今圭ちゃん...なんて？</p>
<p>聞き...間違いじゃないよね？　今圭ちゃん私の事...す、き...？　って。</p>
<p>「け、けけけけけ圭ちゃん...？　いいいいい今、あた、あた、あたしのこと」</p>
<p>「お、落ち着け魅音！　ってお前さっき俺の事...」</p>
<p>そ、そうだ...私もさっき、勢いに任せて圭ちゃんにこ、告白しちゃったんだ。</p>
<p>ピーーーーーー！！！</p>
<p>あぁ...何だかヤカンの沸騰したような音が自分の頭の上で聞こえたような気がして目の前が真っ暗に...。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>...あれっ？　ここは...何だかすっごい綺麗なとこ来ちゃったよ。</p>
<p>一面お花畑で空には白鳥が飛んでる。あぁダメだよ富竹のおじさま、こんな綺麗なところで掻き毟っちゃあ...。</p>
<p>「...って魅音帰って来い！　そっちに行くのはまだ早すぎる。第一せっかく両思いだって分かったのにこのまま旅立つつもりかー！　頼むから帰ってきてくれー」</p>
<p>あぁ目の前に圭ちゃんの顔が見える。</p>
<p>「あるぇ～圭ちゃんもここに来たの？　いやだなぁ～こんなに近くで見つめられるとおじさん照れちゃうじゃんか。そうそうせっかく両思いだって気付いたんだもんね。...ってりょ、両思いー！！　<strong>ごんっ！</strong> あだっ！？」</p>
<p>驚いて勢いよく起きたせいで思いっきり圭ちゃんと頭をごっつんこしてしまう。</p>
<p>「痛っー！　っていきなり起き上がるな魅音！　俺にも花畑で掻き毟るトミーが見えちまったぞ」</p>
<p>「あたたた...ごめんね？　圭ちゃん。で、でも...」</p>
<p>頭がまだ今の状況を把握できない...。ええと確か私が勢いで告白しちゃって...その時圭ちゃんも私の事好きだって言ってくれて...好きだって...好きだ、って。</p>
<p>「ぷるぇー！？」</p>
<p>「おいぃ！　またフリーズするな！　いい加減俺だって恥ずかしいんだぞ」</p>
<p>ヤバイ...今までの歴史上で無いくらい心臓バクバク言ってるし、さっきとは違う意味で泣きそうだよ～。</p>
<p>「魅音...」</p>
<p>「はっ、はいっ！」</p>
<p>「俺は魅音...お前が好きだ。俺と...付き合って欲しい？」</p>
<p>今までどれだけこの瞬間を待ち望んだだろう。苦節百年越しの想いが遂に...って百年もたったっけ？　まっ、まぁその位待ち望んだって事で。</p>
<p>ダメだ...もう泣く、今泣く、そら泣く。...でもその前にこれだけは言わなくちゃ。</p>
<p>「あ、私も...圭ちゃんの事好き。大好きだよ！　だから私と付き合ってください！」</p>
<p>それだけ伝えてもう一度圭ちゃんの胸に顔を埋める。</p>
<p>圭ちゃんも私もしっかりと抱きしめてくれている。</p>
<p>神様...オヤシロ様...いや季節的にサンタさんもか。ありがとう♪　本当にありがとう♪♪</p>
<p>こんな...こんなにも嬉しいプレゼントは生まれて初めてだよ。</p>
<p>これが、最高に幸せって言うんだろう。間違いないね！！</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それから毛布を私の部屋から持ってきて二人一緒にその中に包まる。</p>
<p>一人では少し寒いけど二人一緒だととても暖かい。</p>
<p>しばらくそのまま今年一年の思い出を二人で話す。</p>
<p>一年の締めくくりにはまだ早いが今までの二人も締めくくりとしては良いだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「だからね～圭ちゃんはさ、鈍すぎるんだよー。あんなに私必死でアプローチしてたんだよ？　まっ、今だから言えるんだけどね☆」</p>
<p>「いやそれは気付くほうが凄いだろ？　いくらなんでも遠まわし過ぎだぞー」</p>
<p>「む～良いじゃんかー。私にゃあれが精一杯だったんだからさー」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「本当あの時の魅音の顔は見ものだったぜ！　それこそハトが豆鉄砲食らったような顔しておたおたしてたからな」</p>
<p>「だってさーまさか私にくれると思ってなかったんだもん。そりゃ貰えたら嬉しいなーって思ってたけどさ。そういや圭ちゃん、どうしてあの時私にあのお人形くれたの？」</p>
<p>「むっ？　あれか？　あれはだな～そのだな～うぅんとな」</p>
<p>「もしかして圭ちゃんその頃からおじさんにホの字だったのかな～♪」</p>
<p>「くっ？　ぐぅ～、今思い返せば...そうだったんだろうな。あの頃から俺は魅音を...」</p>
<p>「ふ、ふぇ～！？　ほほほ本当かい？　おおおおおじさん本気にしちゃうよ？」</p>
<p>「へへっ♪　内緒だ！　知りたきゃもっと俺を惚れさせて喋らせるんだな！」</p>
<p>「お、面白いじゃないのさ～。う、受けて立つよ！　それこそおじさんに骨抜きにしてあげるからさ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「圭ちゃんさ...今でもサンタさんっていないって思ってる？」</p>
<p>「んっ？　あぁ～さっきまではそう思ってたな。...でも今はいるって信じてるぞ」</p>
<p>そう言って私の髪を愛おしそうに優しく撫でてくれる。</p>
<p>「私はずっと信じてたよ。もちろん今も。だってさ...小さい頃からのお願いかなえてくれたしさ」</p>
<p>「小さい頃からの願い...？　何だそりゃ？」</p>
<p>「へへっ♪　内緒だよ☆　私とサンタさんだけの秘密。いくら圭ちゃんでも教えられないね♪」</p>
<p>「何だと～！　俺の魅音と秘密の共有とは...いくらサンタでも許せん！」</p>
<p>「くすっ♪　お願いってのは内緒にするから叶うもんなんだよ圭ちゃん☆」</p>
<p>私が小さい頃にしたお願い...それは『私だけを想ってくれる素敵な人に巡り会いたい』</p>
<p>お願い叶えてくれてありがとうサンタさん♪♪</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ねぇ...圭ちゃん」</p>
<p>「何だ？　魅音」</p>
<p>「大好きだよ...」</p>
<p>「俺もだ...世界で一番魅音が好きだ...」</p>
<p>新しく生まれたカップルを見守るように月は優しく輝いていた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ふぁぁ～。さすがに眠いですね。でもこれも沙都子のため！　ねーねーは頑張りますよ」</p>
<p>翌25日の午前５時。</p>
<p>冬のためまだ太陽が上がっておらず薄暗い中3つの袋を持って眠そうに歩くのは園崎家賑やか姉妹の一人、園崎詩音。</p>
<p>姉と違い夜皆が寝静まるのを待つのでなく朝早く起きて3人が起きる前に枕元にプレゼントを置きにいくのだ。</p>
<p>よたよた廊下を歩いていくと誰かが座り込んでいるのが見える。</p>
<p>あのケンタ君のプリントの入ったパジャマは...</p>
<p>「レナさん？　どうかしたんですか？　あぁもしかしてレナさんも」</p>
<p>そこまで言ったところでレナさんの前に毛布に包まった二つの人影があることに気付く。</p>
<p>「しぃ～！　なんだよ、だよ。ほら詩ぃちゃんこっちこっち」</p>
<p>手を振って呼び寄せられてとりあえず近づいてみると...</p>
<p>「ありゃま。お姉に圭ちゃんですか。なんでまたこんなとこで寝てるんですかね」</p>
<p>毛布から顔だけ出しているのはお姉と圭ちゃん。</p>
<p>二人とも頬をくっつけてとても幸せそうな顔をして眠っている。</p>
<p>「はぅ～☆　魅ぃちゃんも圭一君もと～ってもかぁいいんだよ♪　このまま二人セットでお持ち帰りしたい～♪」</p>
<p>「れ、レナさん！　落ち着いてください。でも、ま...確かにこの二人にしては可愛らしい寝顔ですね。まったく邪気のない顔をして...まさに『エンジェルスマイル』ってやつですかね」</p>
<p>...魅音、いや詩音。昔からのお願い...叶ったんだね。</p>
<p>ふと昔を思い出す。</p>
<p>小さい頃、『詩音』はクリスマスになると妙にそわそわして私に隠れてサンタさんに手紙...書いてたっけ。</p>
<p>くすっ♪　つい笑みがこぼれる。...良かったね、『詩音』。ううん、魅音。</p>
<p>まだぐっすり眠っている二人が起きないようにレナさんと静かにその場を離れ予定通り沙都子たちにプレゼントを置きに行こうとすると突然電話が鳴るのが聞こえた。</p>
<p>「まったく...こんな朝早くに一体誰です？　ほんっと非常識な人もいるものです。これでつまんない用事だったら祭具殿に連行しますよ」</p>
<p>せっかくの幸せな気分を害された気分で離れの電話をとる。</p>
<p>「はい。園崎ですが？」</p>
<p>「魅音さん？　いえ詩音さんですか？　私です、入江です」</p>
<p>どうやら監督からのようだ。少し声に興奮がみられる。</p>
<p>「あぁ監督ですか。も～こんな時間になんです？　非常識なのはメイド好きだけにしてください」</p>
<p>「すみません詩音さん。でも早急に伝えたいことがありまして。良いですか？　落ち着いて聞いて下さいね。...実は───」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<hr />
<p>&nbsp;</p>
<p>幼い頃、『詩音』が毎年サンタさんに願い続けた事は実は二つある。</p>
<p>一つは自分の運命の相手に出会いたいと言う女の子共通の小さなお願い。</p>
<p>そしてもう一つは...</p>
<p>『大好きなお姉ちゃんが幸せになりますように』</p>
<p>もう一つのお願い...それが叶ったかどうかはまた違う時に話すとしますのですよ☆</p>
<p align="right">Fin</p>
</div> 

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<h4><a href="/happy_mion01/036#c">■コメント（4件）</a></h4>
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KK23『寒空の下、サンタになってる二人があったかいですね。公式にUPされている裏話も拝見しましたが、もう幸せの大盤振る舞いですね！　茜さ...』(2009/01/31 15:18)</span><br>
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